民事訴訟法 第391条(仮執行の宣言)
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- 債務者が電子支払督促の送達を受けた日から二週間以内に督促異議の申立てをしないときは、裁判所書記官は、債権者の申立てにより、電子支払督促に手続の費用額を併せて記録して仮執行の宣言をしなければならない。ただし、その宣言前に督促異議の申立てがあったときは、この限りでない。
- 2.仮執行の宣言は、最高裁判所規則で定めるところにより、電子支払督促に記録し、これを当事者に送達しなければならない。ただし、債権者の同意があるときは、当該債権者に対しては、当該記録をした電子支払督促に記録された事項を出力することにより作成した書面を送付することをもって、送達に代えることができる。
- 3.第三百八十五条第二項及び第三項の規定は、第一項の申立てを却下する処分及びこれに対する異議の申立てについて準用する。
- 4.前項の異議の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
- 5.第二百六十条及び第三百八十八条第二項の規定は、第一項の仮執行の宣言について準用する。
この条文の基本情報
仮執行の宣言とは何ですか?
定義仮執行の宣言とは、民事訴訟法第391条に定められた規定で、「債務者が電子支払督促の送達を受けた日から二週間以内に督促異議の申立てをしないときは、裁判所書記官は、債権者の申立てにより、電子支払督促に手続の費用額を併せて記録…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第391条(仮執行の宣言)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第391条の条文原文は「債務者が電子支払督促の送達を受けた日から二週間以内に督促異議の申立てをしないときは、裁判所書記官は、債権者の申立てにより、電子支払督促に手続の費用額を併せて記録…」で始まります。
- 民事訴訟法第391条は第一章 総則に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第391条の前の条は民事訴訟法第390条です。
- 民事訴訟法第391条の次の条は民事訴訟法第392条です。
- 民事訴訟法第391条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第391条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第391条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/391
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法391条は、債務者が支払督促の送達から二週間以内に督促異議を出さないとき、裁判所書記官が仮執行の宣言を付すと定める。宣言後の支払督促は差押えの債務名義になる。
Q · 支払督促を放置したら、いきなり給料を差し押さえられるって本当?
本当です。二週間異議を出さないと仮執行宣言が付き差押え可能になります
民事訴訟法391条により、債務者が支払督促の送達から二週間以内に督促異議を申し立てないと、裁判所書記官は債権者の申立てで仮執行の宣言を付さなければなりません。仮執行宣言付支払督促は債務名義(民事執行法22条)となり、確定判決を待たずに給料・預金の差押えが可能になります。宣言前に督促異議を出せば発令は止まり、事件は通常訴訟へ移行します(395条)。異議に理由は不要で、期限内の返送だけで近道が消えます。
解説
ある朝、特別送達の封筒が届く。中身は「支払督促」。身に覚えのある借金か、忘れていた通販の未払いか、あるいは時効になったはずの古い債務か。ここであなたが取る行動が、その後を左右する。民事訴訟法391条は、債務者が支払督促を受け取って二週間、督促異議を出さなければ、裁判所書記官が債権者の申立てにより「仮執行の宣言」を付けると定める。この一文が意味するのは、あなたの沈黙が相手に「債務名義」、つまり給料や預金を差し押さえる法的な許可証を与えるということだ。普通の裁判なら何ヶ月もかかるところを、督促手続は書類審査だけで進み、しかもあなたが反論しなければ、相手は最短距離であなたの財布に手を伸ばせる。封筒を放置することは、戦わずに負けを認めるに等しい。
法的な位置づけ
民事訴訟法391条は支払督促の仮執行宣言を定める規定である。債務者が送達から二週間以内に督促異議を申し立てない場合、裁判所書記官は債権者の申立てにより手続費用額を付記して仮執行の宣言を発する。これにより支払督促は債務名義となり強制執行の根拠となるが、宣言前に督促異議があれば発令されない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.封筒を開けて『二週間』の起算日を確定 特別送達の封筒を放置せず即開封し、受領日を起算点として督促異議の二週間期限をカレンダーに記入する。期限を過ぎると書記官が仮執行宣言を付せる状態になる
- 2.請求内容の正当性を点検 債権者名、金額、原因債権を確認し、心当たりがない・金額がおかしい・最終取引から長期間経過(時効の疑い)のいずれかに当たるかを判断する。時効の疑いがあれば必ず異議へ進む
- 3.督促異議申立書を期限内に返送 同封の督促異議申立書に『異議あり』と記載して二週間以内に裁判所へ返送する。理由・証拠は不要で、これだけで仮執行宣言の発令が止まり通常訴訟へ移行する(395条)
- 4.仮執行宣言後に気づいた場合は二段構えで対応 仮執行宣言付支払督促の送達から二週間以内なら再度督促異議が可能(393条)。ただし異議だけでは差押えは止まらないため、強制執行停止の裁判を別途申し立て担保(供託金)を準備する
よくある質問 AI による整理
Q1支払督促とは何ですか?
債権者が簡易裁判所書記官に申し立て、書類審査だけで債務者に支払を命じる手続です。訴訟より安く速く、債務名義を得られる督促手続の中心制度です。
Q2督促異議はどうやって出しますか?
支払督促に同封された督促異議申立書に「異議あり」と記載し、送達から二週間以内に裁判所へ返送します。理由や証拠の記載は不要です。
Q3仮執行宣言とは何ですか?
確定を待たずに強制執行を可能にする裁判所の宣言です。支払督促では二週間異議がないと書記官が付し、給料や預金の差押えの土台になります。
Q4支払督促と通常訴訟の違いは何ですか?
支払督促は書類審査のみで裁判官の審理や口頭弁論がなく、迅速・安価です。異議が出れば自動的に通常訴訟へ移行します(395条)。
Q5支払督促はいつ失効しますか?
債権者が異議申立期間の経過後30日以内に仮執行宣言を申し立てないと、支払督促は効力を失います(392条)。
Q6支払督促の即時抗告はいつまでにできますか?
仮執行宣言の申立てを却下する処分への異議についての裁判に対し、告知から一週間以内に即時抗告ができます(391条4項)。
Q7仮執行宣言付支払督促では何が差し押さえられますか?
給与、預貯金、売掛金、動産など債務者の財産が対象です。仮執行宣言付支払督促は民事執行法22条の債務名義になります。
Q8支払督促の申立て費用はいくらですか?
申立手数料は通常訴訟の半額で、請求額に応じた収入印紙と郵便切手代のみです。低コストで債務名義を得られる点が督促手続の利点です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1支払督促の紙が来たけど、無視したらどうなるんですか?
無視は最悪手です。受け取って二週間以内に督促異議を出さないと、債権者の申立てで仮執行宣言が付き(391条)、その支払督促が『債務名義』になって給料や預金を差し押さえられます。仮執行宣言後にもう一度二週間の異議期間がありますが(393条)、その異議は差押えを止めません。実務のポイント:督促異議に理由は要りません。『異議あり』と一行書いて期限内に出すだけで通常訴訟へ移行し(395条)、相手は書類審査の近道を失います。多くの債務者はこれを知らずに沈黙して負けます
Q2もう時効になっているはずの古い借金で支払督促が来ました。払わないといけませんか?
まず必ず督促異議を出してください。時効期間が過ぎていても自動では消えず、『時効の援用』が必要です。異議で移行した訴訟の中で時効を主張すれば、支払義務を免れられる可能性があります。無視すると仮執行宣言が付き(391条)、援用の機会を事実上失います。実務のポイント:債権回収会社は時効完成済みの古い債権をあえて支払督促で送ってきます。狙いは『債務者が異議を出さず時効に気づかないこと』。一円でも払うと時効が更新されるので、身に覚えのない請求にはまず異議、絶対に先に払わない
Q3仮執行宣言が付いた後でも、まだ争えますか?
争えます。仮執行宣言付支払督促の送達から二週間以内に督促異議を出せば通常訴訟へ移行します(393条、395条)。ただし注意:その異議だけでは差押えは止まりません。止めるには別途『強制執行停止』の裁判が必要で、通常は担保(供託金)を積む必要があります。実務のポイント:だから勝負は最初の二週間です。最初の異議期間に動けば差押え前に止められ、見逃すと『止めるのにお金がかかる』段階へ進みます。同じ異議でも、出すタイミングでコストが天と地ほど違う
間違えやすい点 AI による整理
- 「異議を出すには弁護士も理由も必要だ」と思い込んで固まってしまう人がいる。だが問いの立て方そのものが誤っている。督促異議に理由はいらない。同封の用紙に「異議あり」と書いて期限内に返送するだけで、それだけで通常訴訟に移行し、書類審査の近道は消える
- 仮執行宣言の後でも督促異議を出せることは知られている。だがその異議が差押えを止めないという深刻さを知る人は少ない。後の異議は事件を訴訟に移すだけで、差押えそのものを止めるには別途「強制執行停止」の裁判が必要で、通常は担保として供託金を積まなければならない
- 「支払督促なんて無視すれば、相手もそのうち諦める」と思いがちだが、現実は真逆だ。無視こそが相手の狙い。反論されない方が、相手は最短距離で債務名義を手に入れられる。あなたの沈黙は防御ではなく、相手への贈り物だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 391条:異議なき場合の仮執行宣言の発令 | 390条:宣言前の督促異議による支払督促の失効 393条:仮執行宣言後の督促異議 |
| 債務者の効果 | 宣言が付くと債務名義成立、差押えが可能 | 異議で支払督促が失効、通常訴訟へ 異議で訴訟移行するが差押えは止まらない |
| タイミング | 送達から二週間経過後 | 仮執行宣言の発令前 仮執行宣言の送達後二週間以内 |
| 差押え阻止の可否 | 宣言成立により阻止困難 | 失効により差押えに至らない 強制執行停止の裁判が別途必要 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の支付命令は債務者が20日以内に異議を出さなければ確定し、かつて確定判決と同一の効力を持ったが、2015年改正で『執行名義』にとどめ既判力を否定。日本の仮執行宣言付支払督促より債務者保護に傾いた
韓国の지급명령も書類審査による略式手続で、異議があれば通常訴訟へ移行する点は日本と同じ。督促手続の構造はほぼ共通
ドイツの Mahnverfahren が日本の督促手続の母法。Mahnbescheid に異議がなければ Vollstreckungsbescheid(執行決定)が発せられ、これが日本の仮執行宣言に相当する
米国に督促手続の直接対応物はなく、被告が応訴しない場合の欠席判決が機能的に近い。書記官が一定の場合に欠席判決を登録できる点は仮執行宣言と類似する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 特別送達を受け取って今日で12日目。封筒は開けたまま引き出しに放置している。残された期間はあと2日。この2日で督促異議申立書を返送できるかどうかで、来月の給料が差し押さえられるか、通常訴訟の場で堂々と反論できるかが分かれる
- もし、取引した覚えのない債権回収会社からいきなり支払督促が届いたら、どうなる? それは時効が完成した古い債権の可能性が高い。だが無視すれば仮執行宣言が付き、時効を主張する機会を事実上失う。届いた瞬間に動かないと、消えるはずだった債務が生き返る
- あなたが売掛金を回収する側に回ったとき。相手の住所が確かで反論が見込みにくいなら、通常訴訟ではなく支払督促が最速で最安の武器になる。書類審査だけで債務名義に届く
- 家賃を半年滞納した入居者に、大家が支払督促を申し立てた。入居者が二週間沈黙すれば、仮執行宣言付きの支払督促が滞納家賃を取り立てる差押えの土台になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 封筒を受け取ったら開封日と『二週間』の期限を即メモ。2. 心当たりがない、金額がおかしい、時効の疑いがあるなら、期限内に同封の督促異議申立書に『異議あり』と書いて裁判所へ返送する(理由は不要)。3. 異議を出せば通常訴訟に移行し(395条)、そこで反論、時効の援用、分割交渉ができる。4. 仮執行宣言後に気づいた場合も送達から二週間以内なら異議可(393条)だが、差押えを止めるには強制執行停止の裁判が別途必要。動くなら早いほど安く済む
訴えられた側:1. 売掛金や貸金の回収で、相手の住所が確かで反論が見込みにくいなら支払督促が最速かつ最安。2. 債務者の異議がなければ二週間経過後すぐ仮執行宣言を申し立てる(391条1項)。ただし異議申立期間の経過後30日以内に申し立てないと支払督促が失効する(392条)ので期限管理を厳格に。3. 異議が出たら通常訴訟へ移行する覚悟を。4. 仮執行宣言付支払督促は債務名義(民事執行法22条)なので、判決確定を待たずに差押えへ進める
時効(請求できる期限):督促異議の申立ては、支払督促の送達を受けた日から二週間以内(391条1項)。仮執行宣言後はその送達から二週間以内に再度異議が可能(393条)。債権者は異議申立期間の経過後30日以内に仮執行宣言を申し立てないと支払督促が失効する(392条)。仮執行宣言の申立てを却下する処分への異議についての裁判には、即時抗告(裁判の告知から一週間以内、391条4項)
学説
通説:督促手続は債権者の迅速・安価な債務名義取得を目的とする略式手続であり、391条の仮執行宣言は反論しない債務者に対してのみ貫徹される。督促異議という二段階の安全弁により、効率性と手続保障の調整が図られていると解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正により旧法の支払命令手続を支払督促手続へ再編。仮執行宣言の発令を裁判所書記官の権限とし、書類審査による迅速処理を明確化
- 2.令和4年(2022年) 改正:民事訴訟手続の IT 化改正に伴い、電磁的記録・オンライン申立てへの対応を整備。督促手続のデジタル運用基盤を拡充
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