民事訴訟法 第392条(期間の徒過による支払督促の失効)
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債権者が仮執行の宣言の申立てをすることができる時から三十日以内にその申立てをしないときは、支払督促は、その効力を失う。
この条文の基本情報
期間の徒過による支払督促の失効とは何ですか?
定義期間の徒過による支払督促の失効とは、民事訴訟法第392条に定められた規定で、「債権者が仮執行の宣言の申立てをすることができる時から三十日以内にその申立てをしないときは、支払督促は、その効力を失う。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第392条(期間の徒過による支払督促の失効)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第392条の条文原文は「債権者が仮執行の宣言の申立てをすることができる時から三十日以内にその申立てをしないときは、支払督促は、その効力を失う。」で始まります。
- 民事訴訟法第392条は第一章 総則に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第392条の前の条は民事訴訟法第391条です。
- 民事訴訟法第392条の次の条は民事訴訟法第393条です。
- 民事訴訟法第392条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第392条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第392条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/392
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法392条は、債権者が仮執行の宣言を申し立てられる時から三十日以内に申立てをしないと、支払督促が当然に効力を失うと定める。相手の沈黙だけでは差押えに進めない。
Q · 相手が支払督促を無視したら、放っておいても差し押さえまで進むの?
いいえ、三十日以内に仮執行の宣言を申し立てないと支払督促は失効します
民事訴訟法392条により、債権者が仮執行の宣言を申し立てられる時(督促異議の二週間が経過した時)から三十日以内にその申立てをしないと、支払督促は当然に効力を失います。相手が異議を出さず沈黙しても、それだけでは差押えに進めません。自分で第二段の仮執行の宣言を申し立てて初めて債務名義となり、強制執行に進めます。三十日を徒過すれば、印紙代も待った期間もすべて無駄になり、一からやり直しです。
解説
未払いの売掛金を回収しようと、あなたは簡易裁判所に支払督促を申し立てた。相手は二週間、何も言ってこない。督促異議が出なければ勝ち、そう思って胸をなで下ろした瞬間、見えない砂時計がもう動き出している。民事訴訟法392条は、仮執行の宣言を申し立てられるようになった時から三十日以内にその申立てをしないと、支払督促そのものが効力を失うと定める。つまり、相手の沈黙で半分勝ったあと、あなたが三十日以内に次の一手(仮執行の宣言の申立て)を打たなければ、それまでの手続はすべて白紙に戻る。申立て手数料も、待った二週間も、全部やり直しだ。督促手続は安くて速い債権回収の武器だが、この三十日の落とし穴を知らない人が、勝ちかけた案件を自分の手で流してしまう。
法的な位置づけ
民事訴訟法392条は支払督促の失効を定める規定であり、債権者が仮執行の宣言の申立てをすることができる時から三十日以内にその申立てをしない場合に、支払督促が当然にその効力を失う旨を規定する。督促手続の迅速性を担保しつつ、督促を受けた債務者が長期間にわたり不安定な地位に置かれることを防ぐ規律として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.支払督促の送達日を記録し二つの時計を起動 支払督促が相手に送達された日を確認し記録する。ここから督促異議の二週間(民事訴訟法393条関連)が起算される。送達日 + 14日が、次の三十日の起点になる
- 2.二週間の督促異議期間の経過を確認 送達から二週間、相手が督促異議を申し立てなかったことを確認する。異議があれば通常訴訟へ移行するため、この段は中止し訴訟準備に切り替える
- 3.三十日以内に仮執行の宣言を申し立て 督促異議の二週間が経過した翌日から三十日以内に、簡易裁判所書記官へ仮執行の宣言の申立てをする。この三十日を徒過すると支払督促は当然に失効する(民事訴訟法392条)。沈黙を確認した翌日に即申し立てるのが鉄則
- 4.仮執行宣言付支払督促を債務名義に強制執行 仮執行の宣言が付された支払督促は債務名義となる(民事執行法22条)。相手の財産(預金・売掛金・給与)を調査し、債権差押命令などの強制執行を申し立てる。財産隠しを防ぐため調査は並行して進めておく
よくある質問 AI による整理
Q1支払督促が失効するのはいつですか?
仮執行の宣言を申し立てられる時(督促異議の二週間が経過した時)から三十日を過ぎると、支払督促は当然に失効します(民事訴訟法392条)。
Q2支払督促 仮執行宣言 期限はいつまで?
督促異議の二週間が経過した翌日から三十日以内です。この三十日を徒過すると支払督促そのものが効力を失い、最初から申立て直しになります。
Q3支払督促が失効したら借金は消えますか?
消えません。失効するのは督促手続だけで、債権自体は残ります。再度の支払督促や通常訴訟が可能ですが、消滅時効には注意が必要です。
Q4支払督促をもう一度申し立てられますか?
可能です。失効後でも改めて支払督促を申し立てるか通常訴訟を起こせます。ただし印紙代が再度かかり、時効の進行にも注意が必要です。
Q5仮執行の宣言の申立て 費用はいくら?
仮執行の宣言の申立て自体に追加の申立手数料は原則かかりません。当初の支払督促申立てで請求額に応じた手数料(収入印紙)を納めています。
Q6支払督促 督促異議 二週間 過ぎたらどうなる?
相手が二週間以内に督促異議を出さなければ、債権者は仮執行の宣言を申し立てられる状態になります。そこから三十日の申立期限が起算されます。
Q7仮執行宣言付支払督促で差し押さえできますか?
できます。仮執行宣言付支払督促は債務名義となり(民事執行法22条)、相手の預金・売掛金・給与などへの強制執行が可能です。
Q8支払督促を放置するとどうなりますか?
債権者が三十日以内に仮執行の宣言を申し立てないと支払督促は失効します。債務者側から見れば、相手の放置で督促が自動的に消えることになります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1相手が支払督促を無視し続けたら、自動的に差し押さえできるんですか?
自動ではありません。相手が二週間異議を出さなくても、あなたが三十日以内に仮執行の宣言を申し立てる必要があります(民事訴訟法392条)。これを忘れると支払督促自体が失効し、仮執行の宣言を得て初めて強制執行に進めます。実務のポイント:督促手続を使い慣れた債権回収会社は、督促申立てと同時に仮執行宣言申立書も準備しておき、期間経過の翌日に即提出します。個人がここで数日もたつくと、相手に預金を別口座へ移す時間を与えてしまう
Q2支払督促が失効したら、もうその借金は取り立てられないんですか?
いいえ、債権そのものが消えるわけではありません。失効するのは支払督促という手続だけで(民事訴訟法392条)、改めて支払督促を申し立て直すか、通常訴訟を起こせます。ただし時効には注意が必要です。実務のポイント:支払督促の申立てには時効の完成猶予の効果がありますが、失効するとその効力も失われ得ます。失効に気づいたら、債権本体の消滅時効(民法166条、債権は原則5年または10年)が迫っていないかをまず確認し、迫っているなら直ちに訴訟提起などで時効を止める(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「相手が督促異議を出さなかったから、もう取り立てられる」と知っている人は多い。だがその先に三十日の申立期限があり、それを徒過すると勝ちが帳消しになることまで知っている人は少ない。知識の浅さそのものが、回収を逃す原因になる
- 「いつまでに動けばいいか」と問う人が多いが、問いの立て方が既に危うい。督促手続には二つの別々の時計が走っている。相手の督促異議申立期間(二週間)と、あなたの仮執行宣言申立期間(三十日)。どちらの時計を指しているのかを取り違えた瞬間、答えも間違う
- 支払督促を出せば自動的に差押えまで進むと思われがちだが、違う。督促手続は二段ロケットだ。第一段(支払督促)のあと、自分で第二段(仮執行の宣言)に点火しなければ打ち上がらず、しかも三十日で発射台ごと撤去される
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誰が握る時計か | 392条:債権者の仮執行宣言申立期間(三十日) | 386条 / 393条:債務者の督促異議申立期間(二週間) 391条:仮執行の宣言そのものの発付要件 |
| 徒過した場合の効果 | 支払督促が当然に失効(一からやり直し) | 異議なければ仮執行宣言の申立て可能に 宣言が付されると債務名義が成立 |
| 次に進む先 | 失効 → 再申立て or 通常訴訟 | 異議あり → 通常訴訟へ移行 宣言後 → 強制執行(民事執行法22条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の支付命令も債権者の申立てによる略式手続。日本と同じく異議で通常訴訟へ移行する。期間管理の構造は類似する。
韓国の지급명령も略式の督促手続で、異議申立てにより通常訴訟へ移行する。日本法を母法として継受した点で構造が近い。
ドイツの督促手続は Mahnbescheid と Vollstreckungsbescheid の二段階構造で、日本の支払督促と仮執行の宣言に対応する。本制度の母法。
米国には支払督促に直接対応する制度はなく、被告が応訴しない場合の欠席判決が機能的に最も近い。書記官による略式債務名義化の仕組みは存在しない。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 売掛金80万円の支払督促を出し、相手が二週間沈黙した。あなたは仮執行の宣言を申し立てられる状態になった。だが本業に追われ放置するうちに三十日が過ぎる。支払督促は失効し、また印紙代を払って一から申し立て直し。その間、相手には財産を別口座へ動かす時間を与えてしまった
- あなたが支払督促を受け取った側だとしたら? 督促異議を出すか迷っているうちに二週間が過ぎても、まだ終わりではない。相手が三十日以内に仮執行の宣言を申し立てなければ、その支払督促は自動的に消える。相手の動きが鈍いなら、あえて様子を見る判断もありうる
- もし、督促異議の期間(二週間)と仮執行の宣言の申立期限(三十日)を混同したら? 二つは別の時計だ。前者は相手が握り、後者はあなたが握る。どちらを取り違えても、回収は振り出しに戻る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 支払督促を申し立てたら、相手への送達日を確認、督促異議の二週間(民事訴訟法393条)の起算点になる2. 二週間を過ぎても異議がなければ、その翌日から三十日以内に仮執行の宣言を申し立てる(民事訴訟法391条、392条) 3. この申立てを忘れると支払督促は失効、印紙代と時間を失い一からやり直し4. 仮執行の宣言が付けば、それを債務名義として強制執行(差押え)に進める。相手の財産(預金・売掛金・給与)の調査を並行して進めておく
訴えられた側:1. 支払督促を受け取ったら、まず請求内容が正当か確認、心当たりがなければ二週間以内に督促異議を申し立てる(民事訴訟法386条2項、393条)、異議を出せば通常訴訟に移行する2. 異議期間を過ぎても、相手が三十日以内に仮執行の宣言を申し立てなければ督促は失効する3. 仮執行の宣言が付された後でも督促異議の余地はある(民事訴訟法393条)、諦めず期限を確認4. 身に覚えのない請求は架空請求の可能性もある、裁判所からの正式書類か必ず確認する
時効(請求できる期限):仮執行の宣言の申立ては、それを申し立てられる時(督促異議の申立期間である二週間の経過時)から三十日以内(民事訴訟法392条)。この三十日を徒過すると支払督促は当然に失効する。なお督促異議の申立ては支払督促の送達から二週間以内(民事訴訟法386条2項)
学説
通説:392条の三十日は不変期間ではなく失効期間(除斥期間的性質)と解され、徒過すれば支払督促は当然に失効する。督促手続の迅速性を担保しつつ、督促を受けた債務者の地位の長期的不安定を防ぐ趣旨と説明される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法の全部改正により、旧民訴法の督促手続規定を再編し、支払督促の失効規定として現行392条に整理された。
- 2.令和4年(2022年) 改正:民事訴訟手続の IT 化に関する改正の一環として、督促手続のオンライン申立て等に関する規律が整備された(条文番号の枠組みは維持)。
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