民事訴訟法 第385条(申立ての却下)
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- 支払督促の申立てが第三百八十二条若しくは第三百八十三条の規定に違反するとき、又は申立ての趣旨から請求に理由がないことが明らかなときは、その申立てを却下しなければならない。請求の一部につき支払督促を発することができない場合におけるその一部についても、同様とする。
- 2.前項の規定による処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。
- 3.前項の処分に対する異議の申立ては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内にしなければならない。
- 4.前項の異議の申立てについての裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
この条文の基本情報
申立ての却下とは何ですか?
定義申立ての却下とは、民事訴訟法第385条に定められた規定で、「支払督促の申立てが第三百八十二条若しくは第三百八十三条の規定に違反するとき、又は申立ての趣旨から請求に理由がないことが明らかなときは、その申立てを却下しなければ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第385条(申立ての却下)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第385条の条文原文は「支払督促の申立てが第三百八十二条若しくは第三百八十三条の規定に違反するとき、又は申立ての趣旨から請求に理由がないことが明らかなときは、その申立てを却下しなければ…」で始まります。
- 民事訴訟法第385条は第一章 総則に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第385条の前の条は民事訴訟法第384条です。
- 民事訴訟法第385条の次の条は民事訴訟法第386条です。
- 民事訴訟法第385条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第385条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第385条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/385
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法385条は、支払督促の申立てが要件に違反するか請求に理由がないことが明らかなとき、裁判所書記官が却下すると定める。却下には一週間の不変期間内に異議を申し立てられる。
Q · 支払督促が却下されたら、もうお金は取り戻せないの?
いいえ、通常訴訟など別の方法で取り立てられます
民事訴訟法385条による却下は、支払督促という簡易手続が使えないという意味にすぎず、債権そのものは消えません。却下理由が管轄違いや送達不能(382条但書・383条)であれば、不備を直して再申立てできます。請求に理由がないことが明らかとして却下された場合は、通常訴訟や少額訴訟へ切り替えます。なお、却下処分そのものを争うなら、告知を受けた日から一週間の不変期間内に異議を申し立てる必要があります。
解説
貸したお金が返ってこない、家賃を半年滞納された、売掛金を踏み倒された。こんなとき、いきなり訴訟を構える必要はない。裁判所に出向かず、手数料も通常訴訟のおよそ半額で済む「支払督促」という取り立ての近道がある。だがその入口には通れない関門があり、それを定めるのが385条だ。請求が金銭・代替物・有価証券の給付でない、債務者の住所が日本で普通に送達できない、管轄違いの簡易裁判所に出した、あるいは申立ての趣旨から見て請求に理由がないことが一目で分かる。このどれかに当たれば、裁判官ではなく裁判所書記官があなたの申立てを却下する。ここで重要なのは、却下されても終わりではないという点だ。告知を受けた日から一週間以内に異議を申し立てられる。この一週間は不変期間、つまり一日でも過ぎたら二度と取り戻せない。
法的な位置づけ
民事訴訟法385条は、支払督促の却下を定める規定であり、申立てが同法382条・383条に違反する場合、または申立ての趣旨から請求に理由がないことが明らかな場合に、裁判所書記官が申立てを却下すべき旨を規定する。却下処分に対しては、告知を受けた日から一週間の不変期間内に異議の申立てが認められ、その異議についての裁判には不服を申し立てることができない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.申立て前に382条・383条を自分でチェック 申立て前に、請求が金銭・代替物・有価証券の給付の形になっているか(382条)、提出先が債務者住所地の簡易裁判所か(383条)を確認する。原状回復など非金銭の請求は金銭請求の形に組み替える
- 2.却下通知が届いたら不変期間を逆算 却下通知を受け取ったら、まず告知日を確認し、一週間の不変期間(385条3項)の最終日を逆算する。土日も含めて数え、裁判所の裁量で延長されない点に注意する
- 3.却下理由が形式不備か中身かを見極める 却下理由を読み、管轄違い・送達不能などの形式不備か、請求に理由がないことが明らかという中身の問題かを判別する。形式不備なら異議より不備を直して再申立てが速いことが多い
- 4.中身を理由とする却下なら通常訴訟へ切り替え 請求に理由がないことが明らかとして却下された場合は、書面だけで負けが見えているサインのため、支払督促を諦めて通常訴訟または少額訴訟へ切り替える判断をする
- 5.書記官の処分を争うなら一週間以内に異議申立て 書記官の判断自体を争う価値があると判断したら、不変期間内に却下処分に対する異議を申し立てる。なお、その異議についての裁判には不服を申し立てられない(385条4項)
よくある質問 AI による整理
Q1支払督促の却下とは何ですか?
支払督促の申立てが要件を満たさないとして裁判所書記官が受け付けを拒む処分です。民事訴訟法385条が根拠で、却下されても債権自体は消えません。
Q2支払督促が却下される理由は?
請求が金銭・代替物・有価証券の給付でない、債務者に普通に送達できない(382条)、管轄違いの簡易裁判所に出した(383条)、申立ての趣旨から請求に理由がないことが明らかな場合です。
Q3支払督促の却下に異議はいつまで?
却下処分の告知を受けた日から一週間の不変期間内です(385条3項)。土日も数え、裁判所の裁量で延長できないため、一日でも過ぎると却下が確定します。
Q4支払督促の却下は誰が決めるの?
裁判官ではなく裁判所書記官です。そのため争う対象は書記官の処分であり、その異議を裁判所が判断するという構造になります。
Q5支払督促が却下されたら再申立てできますか?
できます。管轄違いや送達不能など形式的な不備が理由なら、不備を直して同じ簡易裁判所へ出し直せば通ることが多いです。
Q6不変期間とは何ですか?
裁判所の裁量で伸縮できない法定の期間です。385条3項の異議申立期間(一週間)はこれに当たり、過ぎると正当な理由があっても回復できません。
Q7支払督促の手数料はいくらですか?
通常訴訟のおよそ半額で、訴額に応じて算定されます。裁判所に出向く必要もなく、書記官への申立てで完結する点が費用を抑えるポイントです。
Q8支払督促の却下と督促異議の違いは?
385条の却下は申立人(債権者)が受ける処分で異議期間は一週間。督促異議は債務者が支払督促に対して出すもので、送達から二週間以内(386条2項)に出すと通常訴訟へ移行します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1支払督促って訴訟とどう違うんですか?安いって本当?
本当です。支払督促は裁判所書記官に申し立てる簡易手続で(民訴382条以下)、手数料は通常訴訟の半額、裁判所に出向く必要もありません。ただし相手が督促異議を出せば通常訴訟へ移行します。実務のポイント:効くのは相手が争ってこない見込みの高い債権(金額の明確な貸金や家賃滞納)。本気で争われそうな案件は、最初から通常訴訟にした方が結局速い。実務家はこの見極めで使い分けている。
Q2却下されたら、もうその借金は取り立てられないんですか?
いいえ。385条の却下は支払督促という簡易ルートが使えないという意味で、債権そのものは消えません。通常訴訟や少額訴訟で取り立てられます。実務のポイント:却下理由が管轄違いや送達不能(382条但書・383条)なら、その点を直して再申立てすれば通ることが多い。一方「請求に理由がないことが明らか」を理由とする却下は、書面だけで負けが見えているサインなので、出し直す前に請求の中身そのものを見直すべき。
間違えやすい点 AI による整理
- 「支払督促が却下されたら、もうその借金は取り立てられない」と思いがちだが、却下は支払督促という簡易ルートが使えないだけ。通常訴訟や少額訴訟は別軌道で起こせて、債権そのものは生きている。
- 却下に異議が出せることは知っていても、その期限が「一週間の不変期間」だという深刻さを甘く見ている人が多い。普通の期間と違い、裁判所の裁量で延ばせない。一日遅れたら、どんな正当な理由があっても却下は確定する。
- 「却下されたから裁判官に文句を言って覆してもらおう」と考える人がいるが、問いの立て方が間違っている。却下したのは裁判官ではなく裁判所書記官だ。あなたが争う相手は書記官の処分であり、その異議を裁判所が判断するという構造を取り違えると、どこに何を出せばいいか分からなくなる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 385条:申立ての却下と却下への異議(一週間) | 382条:支払督促の要件 383条:申立ての管轄 |
| 判断主体 | 裁判所書記官(却下処分) | 裁判所書記官(発付の可否) 裁判所書記官(管轄の判断) |
| 争う側 | 申立人(債権者)が却下を争う | —(要件を満たすかの基準) —(管轄の基準) |
| 期間・手段 | 告知から一週間の不変期間内に異議 | 却下されたら不備を直して再申立て 正しい簡易裁判所へ出し直す |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の支付命令も要件を欠く場合に裁判所が裁定で駁回する。日本同様、簡易迅速な金銭債権回収手続として機能する。
韓国の지급명령も要件不備の場合に各下される。督促手続の構造は日本法と近く、債務者の異議で通常訴訟へ移行する点も共通。
ドイツの督促手続が母法。Rechtspfleger(司法補助官)が大量の金銭債権を処理し、要件を欠く申立ては却下される。日本の書記官処分はこの系譜に連なる。
米国にはドイツ系の督促手続に対応する制度がなく、少額裁判所での欠席判決(default judgment)等が機能的に近い役割を担う。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし支払督促が却下されたら、その案件はもう終わりなのか?違う。一週間以内に異議を申し立てる道があり、それも使わなければ通常訴訟へ切り替えればいい。却下は「この簡易ルートが使えない」という意味であって、債権そのものが消えるわけではない。
- あなたが大家で、退去した借主に「壁紙を貼り直せ」と原状回復を求めたい。これは金銭の給付ではないので、支払督促では却下される(382条違反)。修繕費用という金銭請求の形に組み替えて初めて、この近道が使える。
- 債務者の住所地は大阪なのに、東京簡裁の書記官へ支払督促を出した。383条の管轄違反。書記官はこれを却下する。
- 却下通知が届いて六日目。明日が一週間の不変期間の最終日だ。今日中に異議を出さなければ、却下処分は確定する。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 却下通知が届いたら、まず告知日を確認し一週間の不変期間を逆算(土日も数える)。2. 却下理由を読む。管轄・送達の形式不備(382条但書・383条)か、請求の中身(金銭給付でない、理由が明らかに不存在)か。3. 形式不備なら異議より、不備を直して再申立てが速い場合が多い。4. 中身を理由とする却下なら支払督促を諦め、通常訴訟や少額訴訟へ切り替える。5. 書記官の判断自体を争う価値があるなら、一週間以内に異議を申し立てる。
訴えられた側:支払督促を受け取った場合、385条の却下とは別の局面だが対応は急を要する。送達を受けた日から二週間以内に督促異議(民訴386条2項、393条)を申し立てれば、手続は通常訴訟へ移行し、あなたの住所地の裁判所で争える。この二週間を逃すと相手は仮執行宣言を得て、給与や預金を差し押さえられる。身に覚えがなくても、まず期限内に異議を出すこと。
時効(請求できる期限):385条の却下処分に対する異議は、告知を受けた日から一週間の不変期間(同条3項)。裁判所の裁量で伸長されず、一日でも過ぎれば却下は確定する。なお、異議についての裁判に対しては不服を申し立てられない(同条4項)。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正。督促手続の規定が再編され、支払督促の要件・管轄・却下と異議の枠組みが現行の382条以下に整理された。
- 2.令和4年(2022年) 改正:民事訴訟手続のデジタル化に伴う改正。申立てや記録について電磁的記録による対応が進められ、督促手続のオンライン運用が拡充された。
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