民事訴訟法 第84条(救助の決定の取消し)
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訴訟上の救助の決定を受けた者が第八十二条第一項本文に規定する要件を欠くことが判明し、又はこれを欠くに至ったときは、訴訟記録の存する裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、決定により、いつでも訴訟上の救助の決定を取り消し、猶予した費用の支払を命ずることができる。
この条文の基本情報
救助の決定の取消しとは何ですか?
定義救助の決定の取消しとは、民事訴訟法第84条に定められた規定で、「訴訟上の救助の決定を受けた者が第八十二条第一項本文に規定する要件を欠くことが判明し、又はこれを欠くに至ったときは、訴訟記録の存する裁判所は、利害関係人の申立てに…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第84条(救助の決定の取消し)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第84条の条文原文は「訴訟上の救助の決定を受けた者が第八十二条第一項本文に規定する要件を欠くことが判明し、又はこれを欠くに至ったときは、訴訟記録の存する裁判所は、利害関係人の申立てに…」で始まります。
- 民事訴訟法第84条は第三節 訴訟上の救助に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第84条の前の条は民事訴訟法第83条です。
- 民事訴訟法第84条の次の条は民事訴訟法第85条です。
- 民事訴訟法第84条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第84条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第84条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/84
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法84条は、救助を受けた者が資力要件を欠くと判明し又は欠くに至ったとき、裁判所が職権又は申立てでいつでも救助を取り消し、猶予した費用の支払を命じられると定める。
Q · 訴訟上の救助が認められたら、訴訟費用はもう払わなくていいんですか?
免除ではなく猶予なので、資力が戻れば取り消され請求されます
民事訴訟法84条により、訴訟上の救助は費用の「免除」ではなく「猶予」にすぎません。救助を受けた者が82条1項本文の資力要件を欠くことが後から判明したり、訴訟中に資力が回復したりすると、訴訟記録の存する裁判所は、利害関係人の申立て又は職権で、いつでも救助の決定を取り消し、猶予していた費用の支払を命じられます。判決確定後でも要件欠如が判明すれば取り消され得ます。取消決定に不服があれば、告知から1週間以内に即時抗告(86条)が可能です。
解説
訴訟費用を払えず諦めかけたとき、裁判所に「訴訟上の救助」を申し立てて認められた。これで費用はタダになった、と胸をなで下ろしたなら危ない。84条が突きつけるのは、救助は「免除」ではなく「猶予」にすぎないという冷たい事実だ。あなたが実は資力要件(82条)を満たしていなかったと後で判明したり、訴訟の途中で財産状況が好転したりすれば、訴訟記録のある裁判所は、利害関係人の申立てか職権で、「いつでも」救助の決定を取り消し、猶予していた費用の支払を命じられる。この「いつでも」が肝だ。判決が確定した後でも、何年経っていても、要件を欠いていたと分かれば巻き戻される。しかも勝訴して相手から費用を取り立てる立場になっても、国に対する猶予分の支払義務はそれとは別に残る。救助は借金の棒引きではなく、料金メーターを止めずに請求を先送りしているだけの仕組みである。
法的な位置づけ
民事訴訟法84条は訴訟上の救助の取消しを定める規定であり、救助決定を受けた者が82条1項本文の資力要件を欠くことが判明し、又は欠くに至ったときは、訴訟記録の存する裁判所が、利害関係人の申立て又は職権により、いつでも救助の決定を取り消し、猶予した費用の支払を命じられると規定する。救助は費用の免除ではなく支払の猶予である点を前提とする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.取消決定書の取消理由を特定する 取消決定が届いたら、まず理由を確認する。要件を「欠くことが判明」したのか、訴訟中に「欠くに至った」のか、根拠となった資力資料を特定し、事実に争いがあるかを見極める
- 2.即時抗告の期限(1週間)を確認する 取消決定に不服がある場合、告知を受けた日から1週間以内に即時抗告(86条)を申し立てる。これは不変期間(民訴332条)で、徒過すると取消しが確定し争えなくなる
- 3.資力が回復していないことを疎明する 資力回復を理由とする取消しに反論する場合、課税証明書・預金通帳の写し・給与明細など、現在の収入資産が要件内であることを示す客観資料を揃えて提出する
- 4.猶予費用の分割払いを相談する 取消しが避けられない場合、猶予していた印紙代・鑑定費用等の一括負担が重いなら、裁判所書記官に分割払いの可否を相談し、支払計画を立てる
よくある質問 AI による整理
Q1訴訟上の救助の取消しとは何ですか?
民事訴訟法84条の制度で、救助を受けた者が資力要件を欠くと判明・回復した場合に、裁判所が救助決定を取り消し、猶予していた費用の支払を命じることをいいます。
Q2訴訟上の救助はいつ取り消されますか?
82条1項本文の資力要件を当初から欠いていたと判明したとき、又は訴訟中に資力が回復して要件を欠くに至ったときです。84条は「いつでも」取り消せると定めます。
Q3救助の取消決定に不服がある場合はどうしますか?
決定の告知を受けた日から1週間以内に即時抗告(86条)を申し立てます。1週間は不変期間で、過ぎると取消しが確定します。
Q4救助の取消しは判決確定後でもできますか?
できます。84条の取消しは「いつでも」可能で、判決確定後でも資力要件を欠いていたと判明すれば取り消され、猶予費用の支払を命じられます。
Q5救助の取消しを申し立てられる利害関係人とは誰ですか?
猶予費用の負担関係に利害を持つ者で、典型的には相手方当事者です。相手が救助で訴えてきた場合、被告は利害関係人として取消しを申し立てられます。
Q6訴訟費用の免除と猶予はどう違いますか?
免除は支払義務そのものが消えますが、猶予は支払時期を先送りするだけです。訴訟上の救助は猶予なので、要件を欠けば後で一括請求され得ます。
Q7救助が取り消されたら猶予費用はいつ払いますか?
取消決定で支払が命じられた時点で支払義務が現実化します。一括が困難な場合は、裁判所書記官に分割払いを相談する運用があります。
Q8訴訟上の救助と法テラスの法律扶助は何が違いますか?
訴訟上の救助(民訴82条)は裁判所が訴訟費用の支払を猶予する制度、法テラスの民事法律扶助は弁護士費用などを立て替える別制度です。申請先も効果も異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1救助を受けたのに、勝訴したら費用を払えって言われました。おかしくないですか?
おかしくありません。救助は費用の『猶予』であって免除ではないからです(民事訴訟法82条、84条)。勝訴して相手から訴訟費用を取り立てられても、それは相手とあなたの間の精算で、国に対する猶予費用の支払義務は別に残ります。実務のポイント:実務では、勝訴判決で相手に訴訟費用の負担が命じられた場合、裁判所が直接その相手から猶予費用を取り立てる運用(85条)があります。あなたを飛ばして相手に請求が行くので、結果的に自己負担ゼロで済むこともある。まず判決の訴訟費用負担の割合を確認するのが先決です。
Q2相手が貧乏を装って救助を受けて訴えてきました。こちらから止められますか?
止める手段があります。あなたは『利害関係人』として、救助の取消しを裁判所に申し立てられます(84条)。相手が実は要件(82条の資力)を満たしていない客観資料を出せば、職権の発動を促せます。実務のポイント:取消申立てそのものより、相手の資力を裏付ける資料を一点でも示すことが効きます。不動産登記、車両、事業収入など。裁判所は職権で調査でき、救助が取り消されれば相手は猶予費用の一括支払を迫られ、訴訟を続ける意欲が大きく削がれることがある。
間違えやすい点 AI による整理
- 「救助が認められれば訴訟費用は免除される」と思い込みがちだが、84条が示すとおり救助は猶予にすぎない。要件を欠けばいつでも取り消され、猶予分を一括請求される。免除と猶予は、結末がまるで違う
- 「取り消されるのは申請時に嘘をついた場合だけ」と理解している人は、その射程の広さを見誤っている。当初は完全に正当でも、訴訟中に資力が回復しただけで取り消し得る。あなたの落ち度がゼロでも、費用は戻ってくる
- 「訴訟上の救助は法テラスの法律扶助と同じもの」という前提そのものが誤り。訴訟上の救助(民事訴訟法82条)は裁判所が訴訟費用の支払を猶予する制度、法テラスの民事法律扶助は弁護士費用などを立て替える別制度である。混同したまま動くと、どちらに何を申請すべきか見失う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 84条:救助の取消しと猶予費用の支払命令 | 82条:救助の付与要件(資力・勝訴の見込み) 85条:猶予した費用等の取立方法 |
| 発動主体 | 利害関係人の申立て又は裁判所の職権 | 救助を求める当事者の申立て 裁判所(相手方からの直接取立てを含む) |
| 効果 | 救助決定が遡って失われ、猶予費用の支払義務が現実化 | 費用支払が猶予される(83条の効力が発生) 国が猶予費用を救助者本人又は敗訴相手方から取り立てる |
| 不服申立て | 即時抗告(86条)、告知から1週間 | 却下決定に対し即時抗告(86条) 取立処分に対する不服は執行手続上の救済 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も救助裁定の撤銷を認め、要件を欠くに至ったときに費用の追徴を行う点で日本と構造が近い
ドイツも訴訟費用援助(PKH)の付与を後発的事情や虚偽申告により取り消せる。日本の猶予型に対し PKH は立替・分割型の色彩が強い
米国も貧困者の手数料免除許可を、申告の不実が判明した場合に取り消し・却下できる。連邦と州で運用が分かれる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし救助を受けた後、親の遺産がまとまって入ってきたら? 「これを欠くに至った」として、相手や裁判所の職権で救助が取り消され、それまで猶予されていた印紙代や鑑定費用の一括支払を命じられる。資力回復のタイミングは自分では読めない
- あなたが被告で、相手(原告)が救助を受けて訴えてきた。だがあなたは、相手の収入や資産が実は十分だと知っている。あなたは「利害関係人」として救助の取消しを申し立てられる。相手の足場そのものを崩しにいく一手になる
- 救助取消しの決定が届いた。不服なら即時抗告(86条)、期限は告知から1週間。放置すれば猶予費用の支払が確定する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取消決定が届いたら、まず取消理由を確認、要件を「欠くことが判明」したのか「欠くに至った」のか根拠を特定2. 事実に争いがあれば、告知から1週間以内に即時抗告(86条)、この期限を逃すと確定する3. 資力が回復していないなら、課税証明・預金通帳など収入資産の疎明資料を揃えて反証4. 取消しが避けられない場合は、猶予費用の分割払いを裁判所書記官に相談する
訴えられた側:1. 相手(救助を受けた当事者)が資力要件を満たさないと知ったら、利害関係人として救助の取消しを申し立てる(84条) 2. 相手の収入・資産・最近の資力変動を示す客観資料(不動産登記、車両、事業収入)を準備して添付3. 訴訟の早い段階で出すほど、相手に費用負担の現実を意識させ和解圧力になる4. ただし取消しは裁判所の裁量、却下されても本案の主張には影響しないと割り切る
時効(請求できる期限):84条の取消しは『いつでも』可能で、申立て側に特定の時効はない。判決確定後でも要件欠如が判明すれば取り消し得る。取り消された側の即時抗告は、決定の告知を受けた日から1週間の不変期間(民事訴訟法332条)
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 民事訴訟法の全部改正に伴い、旧法の訴訟救助規定が現行の第82条から第86条へと再編・条文番号が変更され、救助の取消しが現行84条に位置づけられた。これ以外の改正の有無・内容は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法の全部改正に伴い、旧法の訴訟救助規定が現行の82条から86条へ再編され、救助の取消しが現行84条に位置づけられた
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