民事訴訟法 第83条(救助の効力等)
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- 訴訟上の救助の決定は、その定めるところに従い、訴訟及び強制執行について、次に掲げる効力を有する。
- 一裁判費用並びに執行官の手数料及びその職務の執行に要する費用の支払の猶予
- 二裁判所において付添いを命じた弁護士の報酬及び費用の支払の猶予
- 三訴訟費用の担保の免除
- 2.訴訟上の救助の決定は、これを受けた者のためにのみその効力を有する。
- 3.裁判所は、訴訟の承継人に対し、決定で、猶予した費用の支払を命ずる。
この条文の基本情報
救助の効力等とは何ですか?
定義救助の効力等とは、民事訴訟法第83条に定められた規定で、「訴訟上の救助の決定は、その定めるところに従い、訴訟及び強制執行について、次に掲げる効力を有する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第83条(救助の効力等)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第83条の条文原文は「訴訟上の救助の決定は、その定めるところに従い、訴訟及び強制執行について、次に掲げる効力を有する。」で始まります。
- 民事訴訟法第83条は第三節 訴訟上の救助に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第83条の前の条は民事訴訟法第82条です。
- 民事訴訟法第83条の次の条は民事訴訟法第84条です。
- 民事訴訟法第83条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第83条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第83条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/83
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法83条は、訴訟上の救助の決定が裁判費用や執行官手数料の支払を猶予し、訴訟費用の担保を免除する効力を定める。救助は本人にのみ及び、免除ではなく後払いである。
Q · お金がなくて印紙代も払えない場合、訴訟救助を受ければ裁判費用はタダになるの?
裁判はできるが、費用は免除でなく後払いになる
民事訴訟法83条により、訴訟上の救助の決定を受けると、裁判費用や執行官の手数料、裁判所が付添いを命じた弁護士の報酬の支払が猶予され、訴訟費用の担保は免除されます。ただし猶予は「後払い」であり、勝訴すれば敗訴者から取り立てられ、敗訴すれば最終的に本人が負担します。救助の効力は申立てた本人にのみ及び(2項)、訴訟の承継人には決定で支払を命じることができます(3項)。完全に免除されるのは訴訟費用の担保だけです。
解説
訴えを起こすには、請求額に応じた印紙代を先に裁判所へ納めなければならない。1000万円を請求するなら、それだけで約5万円。この入口でお金が足りず、正当な権利を諦める人がいる。民訴83条が定める訴訟上の救助は、その壁を崩す。裁判費用、執行官の手数料、裁判所が付添いを命じた弁護士の報酬、これらの支払いを猶予し、訴訟費用の担保も免除する。ただし、ここで誤解してはいけない。猶予は「免除」ではない、つまり後払いだ。勝てば敗訴した相手から取り立てられ、負ければいずれあなたが払う。それでも、今この瞬間に手元が空でも裁判所の扉を開けられる、その意味は重い。お金の有無で「裁判を受ける権利」が消えない、その担保がこの条文の正体である。
法的な位置づけ
民事訴訟法83条は、訴訟上の救助の効力を定める規定である。救助の決定を受けた者は、裁判費用および執行官の手数料の支払猶予、裁判所が付添いを命じた弁護士の報酬の猶予、訴訟費用の担保の免除を受ける。これらの効力は訴訟のみならず強制執行にも及び、救助を受けた本人にのみ効力を有する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.提訴と同時に訴訟上の救助を申し立てる 訴状を提出する裁判所に、提訴と同時または提訴前に『訴訟上の救助の申立書』を出す。印紙を貼らずに訴状を出し、同時に救助を申し立てれば、決定が出るまで費用の支払は止まる
- 2.資力を疎明する書類を添付する 生活保護受給証明、課税証明書、源泉徴収票、預金通帳の写しなどを添え、『訴訟費用を支払う資力がない、または支払いで生活に著しい支障が生じる』ことを示す
- 3.勝訴の見込みを主張する(82条要件) 救助は無資力に加え『勝訴の見込みがないとはいえない』ことが要件(82条)。請求の理由と証拠の概要を整理し、見込みがある点を申立書で主張する
- 4.自分の弁護士費用は法テラスへ別途申し込む 83条が猶予するのは『裁判所が付添いを命じた弁護士』の報酬であり、自分で選んだ代理人費用は対象外。法テラスの民事法律扶助を別制度として申し込み、両制度を併用する
よくある質問 AI による整理
Q1訴訟上の救助とは何ですか?
資力のない人が裁判費用の支払猶予や担保免除を受けて訴訟を起こせる制度です。民事訴訟法82条が要件を、83条がその効力を定めます。
Q2訴訟救助の申立てはどこにしますか?
訴えを提起する裁判所に申し立てます。提訴と同時または提訴前に、資力を疎明する書類を添えて申立書を提出するのが実務です。
Q3訴訟救助の効力はいつまで続きますか?
原則としてその審級の訴訟手続のほか、強制執行にも及びます(83条1項)。資力が回復すれば救助は取り消されます(84条)。
Q4訴訟救助は強制執行にも使えますか?
使えます。83条1項は効力が「訴訟及び強制執行について」及ぶと定め、執行官の手数料や費用の支払も猶予されます。
Q5共同原告は一人が救助を受ければ全員に効きますか?
効きません。救助は受けた本人のためにのみ効力を有します(83条2項)。共同原告は一人ずつ別々に申し立てて資力を証明する必要があります。
Q6訴訟救助で猶予された費用は誰が払いますか?
勝訴すれば敗訴した相手から裁判所が直接取り立てます(85条)。敗訴すれば最終的に救助を受けた本人が後日負担します。
Q7訴訟の承継人は救助の費用を払う必要がありますか?
あります。裁判所は訴訟の承継人に対し、決定で猶予した費用の支払を命じることができます(83条3項)。
Q8訴訟費用の担保の免除とは何ですか?
原告に課されうる訴訟費用の担保提供義務(75条)を免じるものです。これは猶予と異なり完全な免除で、後払いも生じません(83条1項3号)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1訴訟救助を受けたら、裁判で負けてもお金は払わなくていいんですか?
いいえ、払う必要があります。救助は費用の『猶予』であって『免除』ではありません(83条1項)。猶予されていた印紙代等は、敗訴すればあなたの負担として残り、後日支払うことになります。完全に免除されるのは『訴訟費用の担保』だけです(同項3号)。実務のポイント:勝訴すれば、猶予された費用は敗訴した相手から裁判所が直接取り立てます(85条)。つまり勝てば実質負担はほぼゼロ。だから救助は『勝てる見込みがある人』ほど得をする設計になっている
Q2国選弁護人みたいに、無料で弁護士をつけてもらえるんですか?
民事の訴訟救助では原則として違います。83条が猶予するのは『裁判所が付添いを命じた弁護士』の報酬で、これは限られた場面です。自分の代理人弁護士を無料同然で頼むなら、法テラス(日本司法支援センター)の民事法律扶助が別制度として用意されています。実務のポイント:実務では『訴訟救助で印紙代を猶予 + 法テラスで弁護士費用を立替』の二段構えが定番。窓口が別々なので、片方だけ申し込んで『弁護士費用が出ない』と後で驚く人が多い。最初から両方を視野に入れる
間違えやすい点 AI による整理
- 「訴訟救助を受ければ裁判はタダ」と思われているが、救助は『免除』ではなく『猶予』である(83条1項)。後払いだ。勝訴すれば敗訴者から回収されるが、敗訴すれば最終的にあなたが払う。完全にタダになるのは、3号の『訴訟費用の担保の免除』だけ
- 「弁護士費用も救助でまかなえる」と考えて申し立てる人がいるが、問いの立て方そのものが誤っている。83条が猶予するのは『裁判所が付添いを命じた弁護士』の報酬であって、あなたが自分で選んで雇った代理人弁護士の費用ではない。自分の弁護士費用は別制度、法テラスの民事法律扶助で対応する
- 救助の対象が『印紙代』だと知っている人は多い。だが、その効力の狭さを見落としている。救助は申し立てた本人にのみ効力が及ぶ(83条2項)。共同原告が複数いるなら、一人ひとりが別々に申し立てて、それぞれ資力を証明しなければならない。誰か一人がまとめて救助を取る、という発想は通用しない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 83条:救助決定の効力(費用猶予・担保免除) | 82条:救助付与の要件(無資力+勝訴の見込み) 85条:猶予費用の敗訴者からの取立て |
| 効果の性質 | 費用は猶予(後払い)、担保は免除 | 要件を満たせば救助決定が出る 勝訴時に敗訴者へ請求し回収 |
| 対象者・効力範囲 | 救助を受けた本人のみ、承継人には支払命令可 | 申立人ごとに個別判断 敗訴した相手方に及ぶ |
| 資力回復時 | 効力は当然には消えない | — — |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も無資力かつ非顕著敗訴の見込みを要件に訴訟救助を認める。猶予・免除の構造は日本と類似する
韓国も資力不足と勝訴の見込みを要件に소송구조を認め、費用の猶予・免除を効力とする点で日本に近い
ドイツの訴訟費用扶助は、資力不足と十分な勝訴見込みを要件とし、訴訟費用と弁護士費用を国が立て替える。資力回復時の後払い・分割償還が制度化されている
米国は連邦法上、貧困者が手数料の前納を免除されて提訴できる制度。濫訴防止のため明白に理由のない訴えは却下されうる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 離婚した元配偶者から養育費を払ってもらえず、訴えたいが手元に印紙代もない。どうする? 訴訟上の救助を申し立てれば、印紙代の支払いを猶予したまま訴訟を始められる。勝訴すれば、その費用は最終的に相手から取り立てられる。お金がないことは、提訴を諦める理由にならない
- あなたが貸金を返さない相手として訴えられた。相手は訴訟救助を受けている。これはあなたにとって悪い兆候だ。裁判所が「勝訴の見込みがないとはいえない」と判断したからこそ救助を認めた(82条)。さらに敗訴すれば、相手が猶予されていた裁判費用まで、訴訟費用としてあなたが負担しうる
- 上訴したいが、控訴期間はあと5日。控訴状にも請求額に応じた印紙代が要る。お金がない。救助は控訴審でも申し立てられるが、期間内に控訴状そのものを出さなければ控訴の権利が消える。救助の申立てと控訴を、同じ日に同時に動かす
取るべき行動
被害を受けた側:1. 訴状の提出と同時、または提出前に『訴訟上の救助の申立書』を裁判所へ出す。2. 資力を証明する書類を添付:生活保護受給証明、課税証明書、源泉徴収票、預金通帳の写しなど。『訴訟費用を支払う資力がない、または支払いで生活に著しい支障が生じる』ことを示す。3. あわせて『勝訴の見込みがないとはいえない』点も主張する(82条の要件)。4. 自分で雇う弁護士の費用は救助の対象外、法テラスの民事法律扶助を別途申し込み、両制度を併用する
訴えられた側:1. 相手が救助を受けたと知ったら、まず82条の要件を確認、裁判所が『勝訴の見込みなしとはいえない』と判断した意味を軽視しない。2. 相手の資力に疑問があれば、救助決定の取消し(84条)を申し立てる余地がある。3. 敗訴すれば、相手が猶予された裁判費用も訴訟費用として負担しうる、そのリスクを織り込んで和解可否を判断する。4. 救助は免除ではなく猶予なので、相手も最終的な費用負担リスクを負っている、長期戦の体力を冷静に比較する
時効(請求できる期限):訴訟救助の申立てに時効はなく、訴訟係属中(控訴審・上告審を含む)いつでも申立て可能。ただし控訴・上告には法定の不変期間(判決送達から2週間)があり、救助決定を待つ間に上訴期間を徒過すると上訴権そのものが消える。救助申立てと上訴は必ず同時に動かす
学説
通説:83条1項の救助の効力は費用の『猶予』であって『免除』ではなく、訴訟費用の担保のみが免除であると解される。猶予費用は勝訴時に敗訴者から(85条)、敗訴時に本人から回収されるため、最終的な費用負担そのものを消滅させる制度ではない。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法の訴訟救助規定を現代語化のうえ再編、現行83条として整理。救助の効力(裁判費用・執行官手数料・付添弁護士報酬の猶予、担保の免除)と、一身専属的効力・承継人への支払命令を明文化した
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法の全部改正により、旧法の訴訟救助規定を現代語化のうえ再編し、現行83条として整理。救助の効力(裁判費用・執行官手数料・付添弁護士報酬の猶予、担保の免除)、一身専属的効力、承継人への支払命令を明文化した。
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