受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

民事訴訟法 第85条(猶予された費用等の取立方法)

クイックジャンプ

訴訟上の救助の決定を受けた者に支払を猶予した費用は、これを負担することとされた相手方から直接に取り立てることができる。この場合において、弁護士又は執行官は、報酬又は手数料及び費用について、訴訟上の救助の決定を受けた者に代わり、第七十一条第一項、第七十二条又は第七十三条第一項の申立て及び強制執行をすることができる。

この条文の基本情報

猶予された費用等の取立方法とは何ですか?

定義猶予された費用等の取立方法とは、民事訴訟法第85条に定められた規定で、「訴訟上の救助の決定を受けた者に支払を猶予した費用は、これを負担することとされた相手方から直接に取り立てることができる。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 民事訴訟法第85条(猶予された費用等の取立方法)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 民事訴訟法第85条の条文原文は「訴訟上の救助の決定を受けた者に支払を猶予した費用は、これを負担することとされた相手方から直接に取り立てることができる。」で始まります。
  3. 民事訴訟法第85条は第三節 訴訟上の救助に置かれています。
  4. 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
  5. 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 民事訴訟法第85条の前の条は民事訴訟法第84条です。
  7. 民事訴訟法第85条の次の条は民事訴訟法第86条です。
  8. 民事訴訟法第85条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第85条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109
  • 本サイト収録民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第85条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/85
裁判例 1件に引用されています

関連度の高い1件を表示しています

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点民事訴訟法85条は、訴訟上の救助で猶予された費用を、負担すべき相手方から直接取り立てられると定める。弁護士・執行官は救助を受けた者に代わり費用や報酬を取り立て、強制執行もできる。

Q · お金がなくて印紙代も払えないとき、裁判を諦めるしかないの?猶予された費用は最後にどうなるの?

勝てば相手から、負ければ自分が費用を負担します

民事訴訟法85条により、訴訟上の救助で支払を猶予された費用は、最終的に費用を負担すべき相手方から直接取り立てられます。勝訴して相手が費用負担者となれば、猶予されていた印紙代等は相手から回収されます。逆に敗訴すれば、自分自身が負担者となり国庫から取り立てられます。さらに後段により、弁護士・執行官は報酬・手数料・費用を、依頼者に代わって自己の名義で相手に取り立て、強制執行までかけられます。費用は免除ではなく猶予である点が核心です。

解説

裁判を起こすには、請求する金額に応じた印紙代がかかる。1000万円を請求するなら印紙だけで5万円。お金がないから泣き寝入りだ、と画面を閉じる前に、この条文の手前にある制度を知っておくべきだ。訴訟上の救助(民訴82条)を受ければ、裁判所が費用の支払いを猶予してくれる。そして85条が定めるのは、その後始末である。猶予された費用は消えたわけではない。あなたが勝てば、立て替え状態だった費用は、敗訴して費用を負担すべきとされた相手から直接取り立てられる。さらに見落とされがちなのが後段だ。あなたの弁護士や執行官は、自分の報酬・手数料・費用について、あなたを飛び越えて、負けた相手に直接取り立て、強制執行までかけられる。つまり、お金のない依頼者の事件でも、弁護士には報酬を回収する道が法律で用意されている。資力がないことは、裁判を受ける権利を諦める理由にはならない。

法的な位置づけ

民事訴訟法85条は、訴訟上の救助により支払を猶予された訴訟費用の事後処理を定める規定である。救助決定後、猶予された費用は最終的な費用負担者から直接取り立てることができ、弁護士または執行官は報酬・手数料・費用について、救助を受けた者に代わって費用額確定の申立て(71条等)および強制執行を自己の名義で行う権限を有する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.訴状提出と同時に救助を申し立てる 印紙を貼ってから「やはり払えない」では遅い。訴状提出のタイミングに合わせて訴訟上の救助の申立書を出すことで、手元資金がゼロでも訴訟のスタートラインに立てる
  2. 2.資力と勝訴の見込みを疎明する 資力がないこと(生活保護受給証明・所得証明・課税証明など)と、勝訴の見込みがないとはいえないこと(請求の法的根拠)を申立書で簡潔に疎明する
  3. 3.救助決定を得て訴訟を進行する 救助決定が出れば印紙代等の支払が猶予され、費用を立て替えた状態で本案審理を進める。猶予は免除ではない点を常に意識して訴訟戦略を立てる
  4. 4.勝訴後に費用額を確定する 勝訴し相手が費用負担を命じられたら、71条の訴訟費用額確定手続を申し立て、取立ての前提となる費用額を確定させる
  5. 5.85条で相手から直接取り立てる 確定した費用額を、85条に基づき敗訴相手から直接取り立てる。弁護士・執行官は報酬・費用を依頼者を介さず自己名義で取り立て、強制執行までかけられる

よくある質問 AI による整理

Q1訴訟上の救助とは何ですか?

訴訟費用を支払う資力がない人に、印紙代などの支払を猶予する制度です(民訴82条)。85条はその後始末、猶予費用の取立てを定めます。免除ではなく猶予です。

Q2訴訟費用が払えなくても訴訟はできますか?

できます。訴訟上の救助を申し立てれば印紙代等の支払が猶予され、手元資金ゼロでも提訴可能です。勝訴すれば85条で相手から費用を取り立てられます。

Q3訴訟上の救助と法テラスの違いは何ですか?

訴訟上の救助は裁判所への印紙代等の猶予、法テラスの民事法律扶助は弁護士費用の立替えです。別制度なので、困窮時は両方を組み合わせて使うのが定石です。

Q4訴訟上の救助の申立て方法は?

訴状提出と同時に申立書を提出し、資力がないこと(所得証明等)と勝訴の見込みを疎明します。印紙を貼った後では遅いため、タイミングが重要です。

Q5猶予された費用は最終的に誰が払うのですか?

勝訴すれば敗訴した相手が、敗訴すれば申立人自身が負担します。85条は勝訴時に相手から直接取り立てる根拠で、負ければ国庫から取り立てられます。

Q6弁護士費用も訴訟上の救助の対象になりますか?

原則対象外です。救助が猶予するのは印紙代などの裁判費用で、私的に依頼した弁護士の報酬は法テラスの民事法律扶助という別制度の対象です。

Q7訴訟上の救助の要件は何ですか?

訴訟費用を支払う資力がない、または支払により生活に著しい支障を生ずることに加え、勝訴の見込みがないとはいえないことです(民訴82条但書)。

Q8救助決定後に勝訴したら費用はどうなりますか?

71条で訴訟費用額を確定し、85条で猶予されていた印紙代等を相手から直接取り立てます。弁護士に依頼していれば回収は弁護士が自己名義で行えます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1訴訟上の救助って、生活保護を受けていないと使えないんですか?

いいえ。82条の要件は「訴訟費用を支払う資力がない」または「支払により生活に著しい支障を生ずる」ことです。生活保護受給は強力な疎明材料ですが必須ではなく、収入が一定以下なら受給していなくても認められます。実務のポイント:裁判所は「勝訴の見込みがないとはいえない」かも審査します(82条但書)。つまり完全な勝ち目なしでなければよく、ハードルは見た目より低い。申立書で請求の法的根拠を簡潔に示すだけで通ることが多い

Q2費用を猶予してもらえたら、結局もう払わなくていいんですよね?

違います。猶予は免除ではありません。勝訴すれば85条で相手から取り立てますが、敗訴すればあなたが費用負担者となり、猶予されていた裁判費用は国庫から取り立てられます(民事訴訟費用等に関する法律)。実務のポイント:弁護士が本当に見ているのは勝訴の確度です。救助で初期費用を猶予しても、負ければ費用は依頼者に戻ってくる。だから「救助が使えるか」より先に「勝てるか」を冷静に詰めるのが、結局あなたの財布を守る

間違えやすい点 AI による整理

  • 「訴訟上の救助=費用が免除される」と思われがちだが、免除ではなく猶予である。支払いを後回しにするだけで、敗訴すれば最終的にあなたが費用負担者となり国庫から取り立てられる。タダで裁判できる制度ではない
  • 「弁護士費用が払えないから救助を受けたい」と相談に来る人が多いが、問いの立て方そのものがずれている。訴訟上の救助が猶予するのは原則として裁判費用、つまり印紙代などであって、私的に依頼した弁護士の報酬は本来の対象ではない。弁護士費用の援助が欲しいなら、それは法テラスの民事法律扶助という別制度。二つを混同したまま動くと、必要な支援にたどり着けない
  • 救助を受けられたことに安心しがちだが、85条の本当の重みを理解している人は少ない。猶予された費用は最終的に誰かが必ず負担する。勝てば相手、負ければあなた自身。救助は支払いのタイミングをずらす制度であって、勝敗のリスクを消す制度ではない。この深刻さを見落とすと、勝てる見込みの薄い訴訟に軽い気持ちで踏み込むことになる
比較の観点この条文ほかの条文
条文の役割85条:猶予費用の取立て(事後処理)82条:訴訟上の救助の付与(入口)
71条:訴訟費用額の確定(前提手続)
適用の前提救助決定後、費用負担者が確定したこと資力がない + 勝訴の見込みがないとはいえない
費用負担を命じる裁判・和解が成立したこと
弁護士・執行官の権限依頼者に代わり自己名義で取立て・強制執行ができる規定なし(要件審査の対象)
当事者が額確定を申し立てる
費用の最終負担勝訴なら相手、敗訴なら申立人(国庫が取立て)猶予のみ(免除ではない)
敗訴者負担の原則(61条)に従う

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国民事訴訟法第114条

台湾も訴訟救助後、本案で勝訴し費用負担者が確定した相手方から猶予費用を徴収する仕組みを持つ。代理人弁護士の報酬回収の扱いに差がある

韓国
대한민국 민사소송법 제128조 이하(소송구조)

韓国も訴訟費用の猶予制度を持ち、勝訴時に相手方から取り立てる構造は日本と類似する

ドイツ
ZPO § 122・§ 123(Prozesskostenhilfe)

ドイツの訴訟費用扶助は、資力回復時の事後償還(§ 120a)や費用償還(§ 123)を含み、国家が立替分を回収する設計

アメリカ
28 U.S.C. § 1915(in forma pauperis)

米国の貧困者訴訟手続は手数料の前納免除が中心で、勝訴時に相手から猶予費用を取り立てる日本型とは制度設計が異なる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もし、養育費を払わない元配偶者を訴えたいのに、手元に印紙代すら残っていなかったら? 訴訟上の救助を申し立てれば費用は猶予され、勝訴後に85条で相手から取り立てられる。お金がないことが、子どもの権利を諦める理由にはならない
  • あなたが訴えられた側で、相手が訴訟上の救助を受けていた。油断していると、判決確定後、相手本人ではなく相手の弁護士があなたの口座を直接差し押さえに来る。85条後段により、弁護士は訴訟費用と自分の報酬を、依頼人を介さず自分の名義で取り立てられる。誰から請求が来るのかを勘違いすると、対応が後手に回る
  • 貸金を踏み倒され、訴えたいが生活が苦しい。救助決定を受けて提訴し、勝訴。立て替えられていた印紙代は、85条で相手から回収できる。

取るべき行動

被害を受けた側:1. 訴状提出と同時に訴訟上の救助を申し立てる、資力がないこと(生活保護受給証明や所得証明など)と勝訴の見込みを疎明する2. 救助決定が出れば印紙代等の支払いが猶予される3. 勝訴し相手が費用負担を命じられたら、71条の訴訟費用額確定手続を経て、85条で相手から直接取り立てる4. 弁護士に依頼しているなら、報酬・費用の取立ては弁護士が自分名義で相手に対して行えるので、回収の実務は弁護士に任せられる

訴えられた側:1. 相手が訴訟上の救助を受けている事件では、敗訴すると猶予されていた費用も含めて負担する点を最初から織り込む2. 判決確定後は、相手本人だけでなく相手の弁護士・執行官があなたに直接取立て・強制執行をかけられる(85条後段)、誰から請求が来ても根拠は同じと理解する3. 費用負担を抑えたいなら、判決確定前の和解で訴訟費用の負担割合を交渉する4. 取立ての根拠となる費用額が過大なら、71条の額確定手続で異議を述べる

時効(請求できる期限):85条の取立てそのものに固有の期間制限はないが、前提となる訴訟費用額確定の申立て(71条)や、確定した費用償還請求権の行使には時効が関わる。費用償還請求権は債権として一般消滅時効(民法166条、権利行使可能時から5年または10年)に服する。強制執行は債務名義の執行力が続く限り可能(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:訴訟上の救助は費用の免除ではなく支払の猶予であり、85条はその猶予費用を最終的な負担者に付け替えるための取立て規定と解される。弁護士・執行官の自己名義取立権は、資力なき者の代理人の報酬回収を制度的に保障し、裁判アクセスの実効性を担保する趣旨とされる

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正により現行体系へ移行。訴訟上の救助の費用取立てに関する規定を85条に整理し、弁護士・執行官の代位取立権を明文化
  2. 2.令和4年(2022年) 改正:民事訴訟手続の IT 化を含む改正。関連する費用・手続規定の整備が行われた

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

民事訴訟法の全文を見る所属する編章節を開く:第三節 訴訟上の救助

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›