要点種苗法 10 条は、日本に住所のない外国人が育成者権を持てるかを定め、UPOV 条約締約国等の国民は無条件、同盟国・相互主義国の国民は保護を条件に権利を享有できる。
Q · 海外の育種家が作った品種は、日本でも自動的に守られるの?
いいえ。その国の条約加盟や相互主義次第で権利を持てないこともある
種苗法 10 条により、日本国内に住所も居所もない外国人は、原則として育成者権を享有できません。ただし四つの例外があります。UPOV 条約 1991 年版の締約国等の国民は無条件、1978 年版の同盟国の国民や日本人に同一条件の保護を認める相互主義国の国民は、自国が保護を認めることを条件に権利を持てます。条約に別段の定めがある場合も例外です。誰の品種が日本で法的に生きるかは、本人の能力ではなく国籍国の条約ステータスで決まります。
日本に住所も居所もない外国人は、原則として育成者権、つまり新しい植物品種を一定期間独占的に増殖・販売できる権利を日本で持てない。種苗法10条はそう宣言したうえで、四つの抜け道を開けている。鍵を握るのは、その人の国籍国が何をしているかだ。UPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)の最新1991年版を結んでいる国の国民なら、無条件で日本での保護に手が届く。古い版しか結んでいない国、あるいは条約非加盟でも日本人を自国民と同じ条件で守る国なら、相互主義で保護される。逆に言えば、ある国が日本の育種家の品種を守らないなら、その国の育種家も日本で守られない。あなたが海外の高級品種を輸入販売する立場でも、日本のブランド品種を海外へ売り込む立場でも、この一条が誰の品種が日本で法的に生きているかを静かに振り分けている。
種苗法 10 条は、日本国内に住所及び居所を有しない外国人の育成者権に関する権利能力を定める規定である。UPOV 条約 1991 年版の締約国等の国民は無条件で、1978 年版の同盟国や日本人に同一条件の保護を認める相互主義国の国民は自国の保護を条件に、育成者権を享有できる。属地主義と相互主義に立脚する。
日本に住所も居所もない外国人が育成者権を享有できるかを定める規定です。属する国の条約ステータスや相互主義で、権利を持てるかどうかが振り分けられます。
1991 年版の締約国等の国民は無条件で保護されますが、1978 年版の同盟国の国民は、自国が出願品種を保護することが追加の条件になります。どの版かで権利のハードルが変わります。
属する国が UPOV 締約国等・同盟国・相互主義国のいずれかなら可能です。非締約国かつ非相互主義国の国民は、そもそも育成者権を享有できず登録できません。
日本人に対し、自国民と同一条件で品種の育成に関する保護を認める国です。日本がその国民に権利享有を認めることを条件とする国も含まれます(10 条 3 号)。
登録から原則 25 年、永年性植物は 30 年とされています。存続期間中に無断で増殖・販売すれば侵害となります(最新の改正状況をご確認ください)。
UPOV 条約上の優先権を主張する場合、最初の出願から 12 か月以内に日本へ出願する必要があります。この窓を逃すと他者に先に出願される恐れがあります。
その品種が日本で育成者権を持つ場合は侵害になります。ただし育種家の属する国が 10 条各号に該当しなければ権利が成立せず、侵害も成立しません。
締約国等は UPOV 1991 年版の締約国で無条件保護、同盟国は 1978 年版の締約国で自国が出願品種を保護することが条件です。保護のハードルに差があります。
その品種が日本で育成者権を持っていれば侵害になりますが、権利が成立する前提として、育種家の属する国が種苗法10条各号のいずれかに該当する必要があります。非締約国かつ非相互主義国の品種なら、そもそも日本で権利を取れず侵害も成立しません。業界裏話ヒント:海外の品種だからといって自動で守られているわけではない。訴えられたら、まず相手の国の条約ステータスを確認する。ここが空白なら、侵害論に入る前に勝負が決まることがある
知的財産権は属地主義で、各国で別々に登録しなければ守られません。種苗法10条は相互主義を採るため、日本人を守らない国では日本品種も守られにくく、それが海外流出の温床になっています(19条、20条で国内の育成者権の効力を規定)。業界裏話ヒント:海外流出を防ぐ本当の防衛線は、進出前に相手国で品種登録を済ませておくこと。締約国かどうかで登録の可否と速度が変わるので、輸出戦略は条約地図とセットで立てる
条約締約国でなくても、その国が日本人に自国民と同一条件で品種保護を認める相互主義国であれば、本条3号により日本でも保護されます。さらに条約に別段の定めがある場合(4号)も例外です。業界裏話ヒント:相互主義の認定は実務上、相手国の制度を個別に確認する必要があり、専門家でも判断が分かれることがある。微妙なケースは農林水産省の品種登録部署や弁理士に事前確認するのが安全
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律する対象 | 種苗法 10 条:外国人が育成者権を享有できるか(権利能力) | — |
| 判断基準 | 属する国の条約ステータス・相互主義(属地主義) | — |
| 欠けるとどうなる | そもそも日本で権利を持てず、侵害も成立しない | — |
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