新品種の保護に関し条約に別段の定めがあるときは、その規定による。
要点種苗法 57 条は、新品種の保護について条約に別段の定めがあれば条約が優先すると定める規定。育成者権は属地主義で国内限定のため、海外保護は UPOV 条約など国際条約に委ねられる。
Q · 日本で品種登録したら、海外で勝手に作られても止められるの?
国内限定です。海外保護は UPOV 条約など相手国の加盟に委ねられます
種苗法 57 条により、新品種の保護に関し条約に別段の定めがあるときは、その条約が国内法に優先します。育成者権は属地主義のため、その効力は登録した国の中にしか及びません。海外で日本の品種を守れるかは、相手国が植物新品種保護条約(UPOV 条約)のどの版に加盟しているか、そして期限内に各国で個別に品種登録したかで決まります。相手国が非加盟、または出願の窓を逃せば、条約があっても各国での権利化ができません。
スーパーで一房千円を超えるシャインマスカット。日本の農研機構が開発したこの品種が、いつの間にか中国や韓国で大量に作られ、東南アジアの市場に並んでいる。なぜ日本は止められなかったのか。種苗法で品種登録をしても、その育成者権の効力が及ぶのは日本国内だけだからだ。国境の外であなたの品種を守ってくれるのは国内法ではなく、相手国が加盟する条約である。種苗法57条は、新品種の保護について条約に別段の定めがあればそれに従うと宣言している。裏返せば、相手国が植物新品種保護の国際条約(UPOV条約)に入っていなければ、あるいは入っていても期限内にその国で登録しなければ、あなたの品種は丸裸になる。あなたが知っておくべきは、品種の価値は国境で途切れるという冷たい事実だ。
種苗法 57 条は、新品種の保護について国内法と条約の関係を定める抵触規定である。同法が定める育成者権の保護に関し、日本が締結した条約に別段の定めがある場合には、国内法の規定に優先して条約の規定が適用される旨を宣言する。属地主義を採る育成者権を国際的な保護秩序と接続する接点として機能する。
新品種の保護について条約に別段の定めがあるときは、その条約の規定が国内法に優先すると定める抵触規定です。育成者権を国際的な保護秩序と接続する条文です。
有効ではありません。育成者権は属地主義で、効力は登録した国の中に限られます。海外で守るには各国で個別に品種登録する必要があります。
相手国が非加盟なら、その国の法律上あなたの品種は保護されず、現地での栽培・販売を止める手段はほとんど残りません。57 条の橋が架からない状態です。
新規性を失う前が期限です。UPOV 条約には優先権制度があり、最初の国の出願から一定期間内なら他国でも同日付で出願できます。窓を逃すと権利化できません。
違法性は相手国次第です。その国が UPOV の加盟版を満たし、かつ日本側が期限内に登録していなければ違法ですが、非加盟国では適法に栽培されてしまいます。
最初に出願した国の出願日を基準に、一定期間内なら他の加盟国でも同じ日付で出願できる UPOV 条約の制度です。新規性喪失を防ぎつつ多国展開できます。
登録品種の栽培地域指定や自家増殖の許諾制が導入され、国外への無断持ち出しを制限しやすくなりました。海外流出への反省が引き金です。
日本出願と同時に主要輸出先国での出願計画を立て、優先権の期限を管理します。相手国の UPOV 加盟版(1991/1978/非加盟)を先に確認するのが鉄則です。
守られません。育成者権は属地主義で、効力は登録した国の中だけです(種苗法20条の効力も国内限定)。海外で守るには各国で個別に出願するしかなく、57条が指すUPOV条約は「外国人も自国民と同等に扱う」土俵を用意するだけです。業界裏話ヒント:UPOV条約には出願の優先権制度があり、最初の国の出願から一定期間内なら他国でも同じ日付で出願できます。この期間管理を怠ると、自分の公表が新規性を壊して登録不能になる。
開発元が主要輸出先で期限内に品種登録をしておらず、相手国側で適法に栽培できる状態になっていたからです。57条のとおり保護は条約と相手国法に委ねられ、国内の種苗法だけでは国境の外に手が届きません。業界裏話ヒント:この苦い経験が2020年の種苗法改正(栽培地域の指定、自家増殖の許諾制)の引き金になりました。ただし一度国外に出た品種を取り戻すのは事実上困難で、最大の防御は最初の海外出願のタイミングにある。
1991年版は保護範囲が広く、収穫物や加工品にまで権利が及び、農家の自家増殖も原則制限できます。1978年版は保護が緩く、自家増殖が広く認められます。相手国がどちらの版かで打てる手が変わります(最新の加盟状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:輸出先ごとに加盟している版が異なるため「使える武器」も違う。海外展開の戦略は、国ごとに版を調べてから組み立てるのが鉄則。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 種苗法 57 条:国内法と条約が抵触する国際保護の場面 | — |
| 地理的範囲 | 条約を介して国外の保護に橋渡しする入口 | — |
| 海外流出への効果 | 相手国の条約加盟版が保護の前提を左右する | — |
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