要点種苗法 72 条は、指定種苗を業として扱う種苗業者が届出をせず、検査を拒み、又は報告義務に違反した場合に、三十万円以下の罰金を科す罰則規定である。
Q · 趣味で種や苗をネットで売っているだけでも、届出をしないと罰金になるの?
指定種苗を業として売るなら届出が必要で、怠ると罰金の対象です
種苗法 72 条は、指定種苗を業として販売する種苗業者に課された義務違反に対し、三十万円以下の罰金を定めます。具体的には、第 58 条の届出をしない・虚偽の届出をした場合、正当な理由なく第 62 条・第 63 条の集取(検査サンプルの抜き取り)を拒み妨げ忌避した場合、第 65 条の報告や書類提出を怠り・虚偽の報告をした場合が対象です。この罰金は刑事罰であり、納付しても前科として記録に残ります。金額の大小ではなく『業として』反復継続して売っているかが分かれ目です。
家庭菜園で育てた野菜から種を採り、余りをフリマアプリで毎シーズン売る。園芸が好きで、苗を仕入れて店先やネットで並べる。本人は「趣味の延長」のつもりでも、扱う品目が農林水産大臣の指定する『指定種苗』(主要な野菜・花・果樹など)で、それを業として販売しているなら、あなたは種苗法上の『種苗業者』だ。種苗業者には第58条の届出義務があり、これを怠る、または虚偽の届出をすると、第72条で三十万円以下の罰金が科されうる。さらに役所(農林水産大臣や都道府県)が品質確認のために種苗のサンプルを集取(検査用に抜き取ること)しようとしたとき(第62条・第63条)、正当な理由なく拒めば同じく罰金。第65条の報告を出さない、嘘の報告をしても同様だ。罰金は『前科』として記録に残る刑事罰であり、過料(行政上の秩序罰、つまり前科のつかない金銭制裁)とは重みが違う。種を売るという素朴な行為の裏に、届出・表示・検査受忍という一連の義務が紐づいている。
種苗法第 72 条は、指定種苗を業として販売する種苗業者に課された各種義務の違反に対する罰則を定める規定である。具体的には、第 58 条の届出義務違反(無届出・虚偽届出)、第 62 条・第 63 条の集取に対する受忍義務違反(拒否・妨害・忌避)、第 65 条の報告義務違反(不提出・虚偽報告)の三類型を対象とし、いずれも三十万円以下の罰金という刑事罰を科す。
農林水産大臣が告示で指定する主要な野菜・花・果樹などの種苗です。表示義務や、業として売る場合の届出義務が課され、種苗法 72 条の罰則の前提となります。
第 58 条に基づき、原則として都道府県知事(または農林水産大臣)へ届け出ます。氏名・住所や取り扱う指定種苗の種類などを記載し、事業開始前後の届出が必要です。
第 72 条の罰則は三十万円以下の罰金です。無届出・虚偽届出、集取の拒否・妨害・忌避、報告義務違反の三類型が対象で、いずれも刑事罰として前科が残ります。
自家採種そのものが直ちに違法ではありませんが、指定種苗を『業として』反復継続して売るなら届出義務が生じ、怠れば 72 条の罰金対象になります。登録品種は別途制限があります。
第 62 条・第 63 条に基づき、行政が品質確認のため検査用に種苗のサンプルを抜き取ることです。正当な理由なく拒み・妨げ・忌避すると 72 条第 2 号の罰金対象です。
第 72 条第 1 号により三十万円以下の罰金が科されうます。行政の立入検査や情報提供が端緒となり、無届出のまま販売を続けていた期間が問題になります。
第 65 条の報告や書類提出をせず、又は虚偽の報告をすると、第 72 条第 3 号で罰金対象です。期限内に正確な書類を出すことが重要です。
罰金のみが定められた罪の公訴時効は 3 年です(刑事訴訟法 250 条 2 項)。起算点は犯罪行為が終わった時とされます(最新の運用はご確認ください)。
鍵は二点、『業として』反復継続して売っているかと、その種が農林水産大臣が告示で定めた『指定種苗』かです。単発・少量なら種苗業者に当たらない可能性が高いですが、毎シーズン多品目を継続出品すれば第58条の届出義務が生じ、怠れば第72条で罰金です。業界裏話ヒント:行政は個人のフリマ出品を逐一監視しませんが、規模が膨らみ同業者や購入者の通報が入ると一気に調査対象になります。売上が伸びたら、目立つ前に届出を済ませるのが安全です
なりえます。第72条第2号は集取を『拒み、妨げ、又は忌避した者』を罰し、『忌避』には正面から断らず先延ばしや非協力で事実上検査をさせない行為も含まれます。ただし要件は『正当な理由がないのに』なので、真にやむを得ない事情があれば別です。業界裏話ヒント:現場ではいきなり拒否して刑事事件化するより、日程を再調整して応じた方が得です。検査官の心証は後の行政指導の軽重に直結し、協力姿勢が結果的に処分を軽くします
なります。罰金は刑法9条が定める刑罰の一種で、納付しても前科(前科調書への記載)は残ります。反則金や過料(行政上の秩序罰)とは法的性質が異なります。業界裏話ヒント:多くは略式手続(略式命令)で書面だけで罰金が確定しますが、ここで安易に応じると前科が付きます。『業として』や『指定種苗該当』に争う余地があるなら、略式に同意せず正式裁判を求める選択肢もあることは、あまり知られていません
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 前提となる義務規定 | 第 1 号:第 58 条の届出義務 | — |
| 罰せられる行為 | 届出をしない・虚偽の届出をした | — |
| 典型的な場面 | 無届出のまま指定種苗を EC で販売 | — |
| 法定刑 | 三十万円以下の罰金 | — |
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