要点種苗法 73 条は両罰規定を定め、従業者が業務に関して育成者権を侵害した場合、行為者の処罰に加え、その法人には三億円以下の罰金刑が科される。
Q · 従業員が登録品種を勝手に増殖したら、会社も罰金を払うんですか?
はい。行為者とは別に、法人へ最大三億円の罰金が科されます
種苗法 73 条 1 項の両罰規定により、法人の代表者や従業者が業務に関して違反行為をした場合、行為者を罰するほか、その法人にも罰金刑が科されます。育成者権侵害(67 条)と秘密保持命令違反(70 条 1 項)は三億円以下、68 条・69 条は一億円以下です。さらに 2 項により告訴の効力は行為者と法人に相互に及び、3 項により 67 条・70 条 1 項違反の法人罰金の時効は本犯の時効期間によります。
会社の従業員が、登録品種のいちご苗を親株から勝手に増やして直売所に流していた。捕まるのはその従業員一人だと思っていないか。種苗法73条は、その会社本体に最大3億円の罰金を直接かける。これが両罰規定だ。手を下した行為者(従業員や代理人)を罰した上で、別途その法人にも罰金刑を科す。育成者権侵害(67条)や秘密保持命令違反(70条1項)なら法人に3億円以下、虚偽表示など(68条・69条)なら1億円以下。さらにこの条文には二つの仕掛けが隠れている。一つは告訴の連動(2項)、秘密保持命令違反で従業員を告訴すれば、その効力は会社にも自動で及ぶ。もう一つは時効の延長(3項)、本来は罰金刑だから3年で時効のはずが、67条等では本犯と同じ重い時効に合わせる。会社は3年逃げ切れば終わり、という計算は通用しない(最新の改正状況をご確認ください)。
種苗法 73 条は両罰規定であり、法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して同法所定の違反行為をした場合に、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても罰金刑を科す旨を定める。67 条又は 70 条 1 項の違反は三億円以下、68 条又は 69 条の違反は一億円以下の法人罰金が規定されている。
違反行為をした行為者を罰するだけでなく、その業務主である法人又は人にも罰金刑を科す規定です。種苗法では 73 条が定めており、個人と法人が別々に処罰されます。
育成者権侵害(67 条)と秘密保持命令違反(70 条 1 項)は三億円以下、68 条・69 条は一億円以下、71 条と 72 条 1 号・3 号は各本条の罰金刑です。
適用されます。73 条 1 項は「法人又は人」と定め、法人化していない個人事業主も対象です。使用人が業務に関して違反すれば事業主に各本条の罰金刑が科されます。
判例上、業務主が従業者の選任・監督につき過失がなかったことを立証できれば免責の余地があります。ただし実務でこの反証が通る例は極めて限られます。
73 条 3 項により、67 条又は 70 条 1 項の違反で法人に罰金刑を科す場合の時効は、それらの罪の時効期間によります。罰金刑一般の 3 年では計算できません。
70 条 2 項の告訴については、73 条 2 項により行為者への告訴が法人にも効力を生じ、法人への告訴が行為者にも効力を生じます。別々の告訴は不要です。
67 条の育成者権侵害罪は親告罪ではなく、告訴がなくても捜査・起訴が可能です。一方、70 条の秘密保持命令違反罪は告訴を要する類型として扱われます。
法人が科された罰金は法人自身の刑事責任であり、当然に従業員へ求償できるものではありません。労働者への損害賠償請求は信義則上大幅に制限されます。
両罰規定(73条1項)があるからです。会社の業務に関して従業員や代理人が違反すれば、行為者本人の処罰に加え、法人にも罰金刑が科されます。業界裏話ヒント:判例上、法人は従業員の選任・監督に過失がなかったと立証できれば免責されうる(最大判昭和32.11.27の論理)。だが実務でこの反証はほぼ通らない。日頃の品種管理規程と研修記録を残しておくことだけが、唯一の盾になる
67条や70条1項の違反では逃げ切れません。73条3項が、法人の罰金についても本犯と同じ公訴時効を適用すると定めているからです。67条侵害罪は7年(刑事訴訟法250条2項)。業界裏話ヒント:通常の罰金刑だけなら3年で時効という感覚を逆手に取り、加害企業が「もう時効」と油断している3年経過後こそ、被害者側が刑事と民事を束ねて動ける狙い目になる
関係あります。73条1項は「法人」だけでなく「人」、つまり個人事業主も対象にしています。使用人やアルバイトが業務に関して違反すれば、事業主本人に各本条の罰金刑が科されます。業界裏話ヒント:法人化していなければ安全という誤解は危険。人を一人でも雇って種苗を扱わせるなら、その使用人の行為が事業主自身の刑事責任に直結する。雇用の有無こそが分水嶺になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる違反行為 | 種苗法 73 条:67 条・70 条 1 項/68 条・69 条/71 条・72 条 1 号 3 号の違反 | — |
| 処罰される主体 | 行為者に加えて、業務主である法人又は人(二重処罰構造) | — |
| 法人に科される罰金額 | 67 条・70 条 1 項=三億円以下/68 条・69 条=一億円以下/その他=各本条の罰金刑 | — |
| 時効の扱い | 3 項により 67 条・70 条 1 項違反の法人罰金は本犯の時効期間による | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。