感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第44条の10(新感染症の発生及び実施する措置等に関する情報の公表)
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- 厚生労働大臣は、新感染症が発生したと認めたときは、速やかに、その旨及び発生した地域を公表するとともに、当該新感染症について、第十六条第一項の規定による情報の公表を行うほか、病原体の検査方法、症状、診断及び治療並びに感染の防止の方法、この法律の規定により実施する措置その他の当該新感染症の発生の予防又はそのまん延の防止に必要な情報を新聞、放送、インターネットその他適切な方法により逐次公表しなければならない。
- 2.前項の規定による情報の公表を行うに当たっては、個人情報の保護に留意しなければならない。
この条文の基本情報
新感染症の発生及び実施する措置等に関する情報の公表とは何ですか?
定義新感染症の発生及び実施する措置等に関する情報の公表とは、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第44条の10に定められた規定で、「厚生労働大臣は、新感染症が発生したと認めたときは、速やかに、その旨及び発生した地域を公表するとともに、当該新感染症について、第十六条第一項の規定による情報の公表…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第44条の10(新感染症の発生及び実施する措置等に関する情報の公表)は、日本の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に含まれる条文です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第44条の10の条文原文は「厚生労働大臣は、新感染症が発生したと認めたときは、速やかに、その旨及び発生した地域を公表するとともに、当該新感染症について、第十六条第一項の規定による情報の公表…」で始まります。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第44条の10は第八章 新感染症に置かれています。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の公布日は平成10年10月2日です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第44条の10の前の条は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第44条の9です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第44条の10の次の条は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第44条の11です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第44条の10には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第44条の10 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/410AC0000000114 - 本サイト収録
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第44条の10(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/410AC0000000114/44_10
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点感染症法44条の17は、厚生労働大臣が新感染症の発生を認めたとき、発生地域や予防法などを速やかかつ逐次公表する義務を定める。公表時は個人情報の保護に留意を要する。
Q · 新感染症が出たら、感染者の名前まで公表されるの?
公表義務は発生地域まで。個人特定は2項の留意で抑制される
感染症法44条の17第1項は、厚生労働大臣に対し、新感染症の発生を認めたときにその旨と発生した地域を速やかに公表し、検査方法・症状・診断と治療・感染防止の方法・法に基づく措置などを逐次公表する義務を課しています。個人名は必須の公表事項に含まれていません。さらに2項は公表に当たり個人情報の保護に留意するよう求めています。ただし「留意」は禁止規定ではなく、公表の粒度は運用に委ねられるため、自治体の公表方針を確認しておくことが有用です。
解説
「未知の病気」とニュースが騒ぎ始めたとき、法律の上で最初に動くのは病院でも保健所でもない。厚生労働大臣の公表である。本条は、新感染症(既知の感染症とは症状や治療の結果が明らかに異なり、重篤で、まん延すれば国民の生命と健康に重大な影響を与えるおそれのある、人から人にうつる病気。感染症法6条9項)の発生を認めたとき、大臣にその事実と発生地域を速やかに公表させる。さらに、検査方法、症状、診断・治療法、感染を防ぐ方法、国がとる措置まで、新聞・放送・インターネットで逐次(状況が動くたびに順次)公表することを義務付けている。ここで押さえるべき点は、条文が「しなければならない」と書いていることだ。つまり公表は国の好意ではなく法的義務であり、あなたには「なぜ出さないのか」と問う足場がある。一方で2項は個人情報の保護に「留意」せよと命じるが、禁止までは書いていない。発表を読む側にいるあなたが、ある日発表される側に回ることもある。その両方の立場を知っている人だけが、パニックの中で冷静に動ける。
法的な位置づけ
感染症法44条の17は、新感染症の発生に関する公表義務を定める規定であり、厚生労働大臣に対し、発生の事実と発生地域の速やかな公表、ならびに病原体の検査方法、症状、診断・治療、感染防止の方法、同法に基づく措置等の逐次公表を義務付ける。同条2項は、公表に際して個人情報の保護に留意することを求める。
よくある質問 AI による整理
Q1新感染症とは何ですか?
既知の感染症と症状や治療結果が明らかに異なり、重篤で、まん延すれば国民の生命・健康に重大な影響を与えるおそれのある、人から人に伝染する疾病です(感染症法6条9項)。
Q2感染症法44条の17とは?
新感染症の発生を認めたとき、厚生労働大臣がその旨と発生地域、検査方法や予防法などを公表する義務を定めた条文です。2項で個人情報の保護への留意も求めています。
Q3新感染症の発生を公表するのは誰?
本条で公表義務を負うのは厚生労働大臣です。都道府県知事による感染症情報の公表は、16条に基づく一般的な公表義務として別に定められています。
Q4新感染症の公表はいつまでに行われる?
発生の旨と発生地域は「速やかに」、検査方法・症状・予防法などは「逐次」公表すると定められています。具体的な日数の期限は条文にありません。
Q5新感染症で公表される情報の内容は?
発生の旨、発生地域、病原体の検査方法、症状、診断・治療、感染防止の方法、法に基づき実施する措置など、まん延防止に必要な情報です。
Q6感染者の情報を行政が公表するのは違法?
法定事項の公表自体は適法な義務の履行です。ただし2項は個人情報の保護への留意を求めており、個人が特定されるほど詳細な公表は問題になり得ます。
Q7感染者の名前をSNSで拡散したら違法?
名誉毀損やプライバシー侵害として、民法709条の損害賠償責任を負う可能性があります。発信者情報開示請求の対象にもなり得ます。
Q8新感染症の公式発表はどこで確認できる?
本条は新聞、放送、インターネットその他適切な方法による公表を定めています。一次情報は厚生労働省の公式発表で確認するのが確実です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1新感染症が出たら、自分の住んでる町の名前まで発表されるんですか?
本条1項が義務付けているのは「発生した地域」の公表で、その範囲をどこまで細かくするかは条文に書かれていない。一方で2項は個人情報の保護への留意を求めているため、個人が特定されるほど細かい公表には歯止めがかかる。実務のポイント:公表の粒度は国と自治体の運用で決まり、自治体ごとに差が出やすい。コロナ期にも、同じ時期に市町村名まで出す県と出さない県があった。気になるなら居住自治体の公表方針を事前に確認しておく
Q2新型コロナって、結局「新感染症」だったんですか?
違う。新型コロナは病原体が特定されていたため、政令による指定感染症から始まり、令和3年(2021年)改正で新型インフルエンザ等感染症に位置付けられた(44条の2以下の規定が適用)。新感染症(6条9項)は病原体すら分からない段階を想定した、さらに一段上の類型である。実務のポイント:分類が変わると、公表義務の根拠条文、入院勧告の要件、費用負担まで連動して変わる。ニュースで「法的位置付け変更」と聞いたら、自分の生活に関わる措置が何か変わると考えてよい
Q3国の発表が遅れたせいで感染したら、国を訴えられますか?
理論上は国家賠償法1条の請求が考えられるが、ハードルは高い。本条は「速やかに」「逐次」の公表を義務付けているものの、そもそも新感染症の「発生を認める」判断に大臣の専門的な裁量があり、遅れと感染との因果関係の立証も難しい。実務のポイント:勝ち筋が薄くても、情報公開請求で「いつ何を把握していたか」の記録を取り寄せる価値はある。訴訟より先に、記録が事実を語ることが多い
間違えやすい点 AI による整理
- 新型コロナは「新しい感染症」だったから感染症法上の「新感染症」として扱われた、と考える人は多い。だが法的には違う。病原体が特定されていたため、当初は政令で「指定感染症」に指定され、令和3年(2021年)の改正で「新型インフルエンザ等感染症」に位置付けられ、2023年5月に5類へ移行した。ニュースでいう「新しい感染症」と、法律上の「新感染症」は別物であり、どちらに分類されるかで適用される条文がすべて変わる
- あなたから見れば、厚生労働省の発表は「親切なお知らせ」に見える。法律から見れば、それは怠れば違法となりうる義務の履行である。この落差を知らない人は、情報が遅いと感じても SNS で愚痴を言うだけで終わる。知っている人は、議員への照会、情報公開請求、報道機関への指摘という、義務違反を前提にした行動を選べる
- 2項があるから個人情報は守られる、と安心しきるのは早い。条文の文言は「留意しなければならない」であり、公表の粒度(どこまで細かく出すか)は運用判断に委ねられている。実際、新型コロナの流行期には自治体の詳細な発表がきっかけで感染者が特定され、誹謗中傷を受けた事例が各地で報じられた。2項は防波堤の一枚目にすぎず、漏れた後に頼れるのは個人情報保護法や国家賠償法、名誉毀損の法理である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象 | 44条の17:新感染症(病原体も不明な段階を想定) | 44条の2:新型インフルエンザ等感染症 16条:感染症全般の情報 |
| 公表主体 | 厚生労働大臣 | 厚生労働大臣 厚生労働大臣及び都道府県知事 |
| 公表内容 | 発生の旨・発生地域+検査方法・症状・診断と治療・感染防止の方法・実施措置等を逐次公表 | 発生の旨・発生地域等の公表 収集・分析した感染症の発生状況、動向、原因、予防・治療に必要な情報 |
| 個人情報への配慮 | 2項で個人情報の保護に留意 | 同様の留意規定あり 個人情報の保護に留意する旨の規定あり |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では中央主管機関(衛生福利部)が疫情・疫区を認定・発布し、別条で病人の氏名・病歴等の漏洩を禁止する。日本の「留意」より強い禁止型の規律である
2015年のMERS流行を契機に、感染症危機時に患者の移動経路や接触医療機関などの情報を公開する規定が整備された。日本より公開範囲が具体的に定められている
連邦の専門機関である Robert Koch-Institut が情報収集・評価・提供を担う。大臣個人に公表義務を課す日本の構造とは役割分担が異なる
保健福祉長官による公衆衛生緊急事態の宣言制度が中心で、情報公表は CDC の運用に委ねられる部分が大きい
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 国内で原因不明の重い呼吸器疾患が報じられたのに、厚生労働省の発表には「調査中」しか出てこない。そんなとき、市民は国に何を求められるのか? 本条は発生地域だけでなく、検査方法・症状・予防法まで「逐次」公表する義務を課している。情報が出ないこと自体を、法的義務の観点から問うことができる
- あなたは地方の旅館の経営者。宿泊客の一人が新感染症の疑いで搬送され、翌朝には自治体の発表を手がかりに、SNS で旅館名が特定された。法律上公表されるのは「発生した地域」であって、施設名の公表は本条の必須事項ではない。予約キャンセルの電話が鳴りやまない中、あと数時間で地元テレビの取材が来る。どの情報が公式発表で、どれが憶測なのか、今のうちに切り分けておく必要がある
- 勤務先の同僚が感染したらしい。社内チャットに本人の名前が流れ始めた。その一行を転送した瞬間、あなたが加害者側に回る
- 海外赴任中の家族から、現地で未知の感染症が出たと連絡が来た。帰国便に乗る前に確認すべきは、厚生労働省が本条に基づいて公表する「発生した地域」と「感染の防止の方法」である。検疫での扱いもそこから読み取れる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 公表や報道で自分が特定され、誹謗中傷を受けたら、投稿・発表文・報道を URL と日時付きで保存2. 公表元の自治体や厚生労働省に、2項の個人情報保護への留意を根拠として、記載の修正や範囲の縮小を書面で求める3. 投稿者に対しては、情報流通プラットフォーム対処法(旧プロバイダ責任制限法)に基づく発信者情報開示請求と、民法709条の損害賠償を検討する。ログは数か月で消えうるため急ぐ4. 行政の公表そのものが違法なほど詳細だった場合は、国家賠償法1条による請求の余地がある。なお公表に処分性(取消訴訟の対象になる性質)があるかは、実務上、解釈が分かれている
訴えられた側:1. 自社の施設や店舗が公表に関わった場合、公式発表が実際に何を書いているか(地域なのか施設名なのか)を正確に確認してから対外説明を出す2. 保健所の指示に沿った消毒・休業などの対応を記録し、時系列で開示できるようにしておく3. 従業員の感染情報は社内でも必要最小限の共有にとどめる。氏名の拡散は名誉毀損やプライバシー侵害の責任を会社に招く4. 事実と異なる風評が広がったら、公式発表を根拠に訂正文を速やかに出す
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。公表やその後の拡散で損害を受けた場合の請求は、損害および加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年(民法724条。国家賠償請求も国家賠償法4条により民法が適用される)。発信者情報開示は、プロバイダのログ保存期間(数か月程度が目安)が事実上の締切になる
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第6条9項で新感染症を定義
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第16条感染症情報の一般的公表義務、本条が準用
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第44条の2新型インフルエンザ等感染症の発生公表
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第15条積極的疫学調査、公表情報の収集源
- 個人情報の保護に関する法律 第69条行政機関の個人情報の利用・提供制限(現行効力を要確認)
- 新型インフルエンザ等対策特別措置法 第2条新感染症の一部を特措法の対象に含める
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