民事再生法 第169条の2(社債権者等の議決権の行使に関する制限)
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- 再生債権である社債又は第百二十条の二第六項各号に定める債権(以下この条において「社債等」という。)を有する者は、当該社債等について社債管理者、社債管理補助者(当該社債等についての再生債権者の議決権を行使することができる権限を有するものに限る。)又は同項各号に掲げる者(以下この条において「社債管理者等」という。)がある場合には、次の各号のいずれかに該当する場合に限り、当該社債等について議決権を行使することができる。
- 一当該社債等について再生債権の届出をしたとき、又は届出名義の変更を受けたとき。
- 二当該社債管理者等が当該社債等について再生債権の届出をした場合において、再生計画案を決議に付する旨の決定があるまでに、裁判所に対し、当該社債等について議決権を行使する意思がある旨の申出をしたとき(当該申出のあった再生債権である社債等について次項の規定による申出名義の変更を受けた場合を含む。)。
- 2.前項第二号に規定する申出のあった再生債権である社債等を取得した者は、申出名義の変更を受けることができる。
- 3.次に掲げる場合には、第一項の社債等を有する者(同項各号のいずれかに該当するものに限る。)は、同項の規定にかかわらず、当該再生計画案の決議において議決権の行使をすることができない。
- 一再生債権である社債等につき、再生計画案の決議における議決権の行使についての会社法第七百六条第一項若しくは第七百十四条の四第三項(これらの規定を医療法第五十四条の七において準用する場合を含む。)の社債権者集会の決議若しくは社会医療法人債権者集会の決議、投資信託及び投資法人に関する法律第百三十九条の九第四項若しくは同法第百三十九条の九の二第二項において読み替えて準用する会社法第七百十四条の四第三項の投資法人債権者集会の決議、保険業法第六十一条の七第四項若しくは第六十一条の七の三第三項の社債権者集会の決議又は資産の流動化に関する法律第百二十七条第四項若しくは同法第百二十七条の二第二項において読み替えて準用する会社法第七百十四条の四第三項の特定社債権者集会の決議が成立したとき。
- 二会社法第七百六条第一項ただし書(医療法第五十四条の七において準用する場合を含む。)、投資信託及び投資法人に関する法律第百三十九条の九第四項ただし書若しくは保険業法第六十一条の七第四項ただし書の定めがあるとき、又は資産の流動化に関する法律第百二十七条第四項ただし書の通知がされたとき。
この条文の基本情報
社債権者等の議決権の行使に関する制限とは何ですか?
定義社債権者等の議決権の行使に関する制限とは、民事再生法第169条の2に定められた規定で、「再生債権である社債又は第百二十条の二第六項各号に定める債権(以下この条において「社債等」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第169条の2(社債権者等の議決権の行使に関する制限)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第169条の2の条文原文は「再生債権である社債又は第百二十条の二第六項各号に定める債権(以下この条において「社債等」という。」で始まります。
- 民事再生法第169条の2は第三節 再生計画案の決議に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第169条の2の前の条は民事再生法第169条です。
- 民事再生法第169条の2の次の条は民事再生法第170条です。
- 民事再生法第169条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第169条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第169条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/169_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法169条の2は、社債管理者等がある社債等の議決権行使を、届出をした社債権者または決議前に行使意思を申し出た社債権者に限定する。社債権者集会の決議が成立すれば個別行使はできない。
Q · 社債を持っている会社が民事再生になったら、自動で再生計画に投票できるの?
いいえ、届出か決議前の意思申出がなければ投票できません
民事再生法169条の2第1項により、社債管理者・社債管理補助者等がある社債等では、社債権者は「自ら再生債権の届出(または届出名義の変更)をしたとき」か「管理者等が届出をしたうえで、再生計画案を決議に付する旨の決定があるまでに裁判所へ議決権行使の意思を申し出たとき」に限り議決権を行使できます。さらに同条3項により、社債権者集会の決議が成立した場合には、要件を満たした社債権者でも個別行使はできなくなります。
解説
証券会社の窓口で勧められて社債を買った。利回りが定期預金より良いから、と。ところがその発行会社が経営難に陥り、民事再生手続に入る。あなたの社債は再生計画次第で、満額返ってくるか大幅にカットされるかが決まる。ここで多くの個人投資家が知らない事実がある。再生計画案の決議で、あなたは自動的に一票を持てるわけではない。社債には通常「社債管理者」(多くは銀行)や「社債管理補助者」が付いており、169条の2は、こうした管理者がいる社債について、あなたが個人で議決権を行使できる場面を厳しく絞っている。再生債権の届出をするか、管理者が届出をしたうえで「自分で投票する意思がある」と決議前に裁判所へ申し出るか。さらに社債権者集会で集団的に決議が成立すれば、あなた個人の一票はそもそも封じられる。動かなければ、あなたの回収額を左右する一票は他人の手の中だ。
法的な位置づけ
民事再生法169条の2は、再生債権である社債等について社債管理者等がある場合の議決権行使要件を定める規定である。社債権者は、自ら再生債権の届出をしたとき、または社債管理者等の届出後に決議に付する決定までに裁判所へ行使意思を申し出たときに限り議決権を行使でき、社債権者集会の決議が成立したときは個別行使が排除される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.社債管理者・社債管理補助者の有無を確認 発行会社の民事再生手続開始を知ったら、目論見書・社債要項・取引報告書で社債管理者または社債管理補助者の有無と、その権限範囲を確認する。管理者がいない社債であれば169条の2の制限は問題にならない
- 2.自ら再生債権の届出をするか判断 自分で再生債権の届出(または届出名義の変更)をすれば、169条の2第1項1号により議決権行使の資格が得られる。届出は裁判所の定める届出期間内(民事再生法94条)に行う
- 3.管理者が届出済みなら、決議前に裁判所へ意思を申し出る 社債管理者等が届出をしている場合は、再生計画案を決議に付する旨の決定があるまでに、裁判所へ議決権を行使する意思がある旨を申し出る(169条の2第1項2号)。この締切を逃すと個別行使の道は閉じる
- 4.社債権者集会の招集・議題・日程を把握する 会社法706条1項等に基づく社債権者集会の決議が成立すると、169条の2第3項により個別行使は封じられる。招集通知が届いたら議題と日程を確認し、反対なら集会の場で主張するか、集会前に方針を固める
- 5.手続の締切前に専門家へ相談 議決権の帰属、届出名義の変更、集団決議との優劣は事案ごとに異なる。再生手続を扱う弁護士に、決議に付する旨の決定が出る前に相談し、届出・申出・集会対応の順序を確定させる
よくある質問 AI による整理
Q1民事再生法169条の2とは?
社債管理者等がある社債等について、社債権者が再生計画案の決議で議決権を行使できる場合を限定する規定です。届出または決議前の意思申出が要件になります。
Q2社債権者は民事再生でいつまでに動けばいい?
管理者等が届出をしている場合、再生計画案を決議に付する旨の決定があるまでに裁判所へ議決権行使の意思を申し出る必要があります。決定後では間に合いません。
Q3社債管理者がいると個人で投票できない?
できないわけではありません。169条の2第1項の要件(届出、または届出後の意思申出)を満たせば個別に議決権を行使できます。
Q4社債権者集会の決議が成立したらどうなる?
同条3項により、要件を満たした社債権者でも当該再生計画案の決議で議決権を行使できなくなります。集団決議が個別行使に優先します。
Q5社債管理補助者でも同じ扱い?
議決権を行使できる権限を有する社債管理補助者に限り、社債管理者等として同条の適用対象になります。権限のない補助者は含まれません。
Q6申出をした社債を買った人は議決権を引き継げる?
同条2項により、申出のあった社債等を取得した者は申出名義の変更を受けることができます。名義変更をすれば取得者が行使できます。
Q7投資法人債や特定社債にも適用される?
同条3項は投資法人債権者集会、特定社債権者集会、社会医療法人債権者集会の決議も列挙しており、これらの決議成立でも個別行使が封じられます。
Q8社債等とは具体的に何を指す?
再生債権である社債と、民事再生法120条の2第6項各号に定める債権を指します。同条内ではこれらを総称して社債等と呼びます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1社債を持ってるんですが、発行会社が民事再生になったら自動で投票できるんですよね?
いいえ、社債管理者や社債管理補助者が付いている社債では自動ではありません。169条の2により、再生債権の届出をするか、管理者が届出をしたうえで決議前に裁判所へ行使意思を申し出る必要があります。実務のポイント:個人向け社債のほとんどに社債管理者(多くは銀行)が付いており、放置すると管理者や社債権者集会の判断にあなたの一票が吸収される。証券会社からの倒産通知が来たら、まず社債管理者の有無を確認するのが最初の一手
Q2社債管理者が投票してくれるなら、自分は何もしなくていいのでは?
管理者はあなた個人ではなく社債権者全体の利益で動きます。社債権者集会で集団決議が成立すると、169条の2第3項であなたの個別行使は封じられ、決議内容に反対でも従うことになります。実務のポイント:再生計画は債権カット率を決める場。管理者任せだと『多数派にとって最適』な計画が通り、少数の不満は反映されにくい。自分の回収額に直結するなら、個別に意思表示する価値がある
間違えやすい点 AI による整理
- 「社債を持っていれば倒産時に当然投票できる」と考えて『どう投票するか』を悩む人がいる。だが問うべきは投票の中身ではない。社債管理者がいる社債では、そもそも『あなたが投票できる立場にあるか』が先決問題だ。届出と意思表示を欠けば、投票用紙すら手に入らない
- 社債管理者が自分の代わりに動いてくれる、とは多くの人が知っている。だがその管理者があなたの利益と一致するとは限らないことまでは知らない。社債管理者は多数の社債権者全体の利益で動き、社債権者集会の決議が成立すれば、反対のあなたの個別行使は169条の2第3項で封じられる
- 「個人投資家は無力だから黙って従うしかない」と思いがちだが、169条の2第1項は、届出をして裁判所に意思を申し出れば、社債管理者がいても個人で議決権を行使できる道を残している。動けば、あなたは集団の中に溶ける一票ではなく、自分の一票を持てる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 169条の2:社債管理者等がある社債等の議決権行使要件 | 169条:議決権者および議決権の額の一般規定 94条:再生債権の届出と届出期間 |
| 社債権者に求められる行動 | 届出、または管理者届出後の決議前の意思申出 | 議決権額の確定手続に従う 届出期間内に債権届出書を提出 |
| 締切の基準時 | 再生計画案を決議に付する旨の決定があるまで | 決議時点の議決権額を基準 裁判所が定めた届出期間の満了時 |
| 集団決議との関係 | 社債権者集会の決議成立で個別行使が封じられる(3項) | 集団決議との優劣は規定しない 届出自体は集会決議に左右されない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も公司債債権人会議による集団的意思決定を認めるが、倒産手続における個別議決権との優劣関係は日本ほど条文上明確ではない
韓国も回生手続で社債権者の議決権を扱うが、社債管理会社を経由する処理と個別行使の切り分けは運用に委ねられる部分が大きい
ドイツは社債権者集会による多数決で共同代理人を選任し集団的に権利行使する枠組みを持ち、集団決議優先の発想は日本3項と近い
米国では indenture trustee が受託者として行動するが、Chapter 11の計画承認投票は原則として実質的な社債保有者(beneficial holder)が行う点で日本と設計思想が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが保有する社債の発行会社が民事再生を申し立てた。再生計画案が決議に付されるまであと数週間。あなたは自分で届出をすべきか、社債管理者に任せるべきか? 何もしなければ、あなたの議決権は行使できないまま計画が可決される可能性がある
- あなたが社債管理者(銀行)の担当者だとする。多数の個人社債権者を束ねて議決権を行使するか、社債権者集会を開いて集団決議を取るか。集団決議が成立すれば、不満を持つ個人投資家の個別行使は169条の2第3項で封じられる。誰の意思を計画に反映させるかが、ここで決まる
- 投資信託を通じて社債に間接投資していた。発行会社が倒れた。あなたの一票は、ファンド運用会社と社債管理者の判断の先にある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 発行会社の民事再生開始を知ったら、まず自分の社債に社債管理者・社債管理補助者が付いているか目論見書・取引報告書で確認2. 再生債権の届出を自分で行うか、管理者が届出済みなら、計画案が決議に付される決定が出る前に裁判所へ議決権行使の意思を申し出る(169条の2第1項2号) 3. 社債権者集会が招集されたら議題と日程を確認、集団決議が成立すると個別行使が封じられる(同条3項)ので反対意見は集会前に固める4. 不明点は再生手続を扱う弁護士に早期相談、締切は計画決議の手前にある
訴えられた側:1. 社債管理者等として届出をする場合、個別社債権者の議決権との重複・封鎖関係(169条の2第1項・3項)を整理2. 社債権者集会で集団的に議決権行使を決めるか、個別行使を残すか方針を決定3. 会社法706条等の社債権者集会決議の要件を満たすか確認、要件不備は決議が無効となるリスク4. 投資信託・保険・資産流動化など各特別法の準用規定(投資信託及び投資法人に関する法律139条の9、保険業法61条の7、資産の流動化に関する法律127条等)に応じた手続を踏む
時効(請求できる期限):特定の消滅時効ではなく手続上の締切が要点。社債管理者等が届出をした場合の個別議決権行使の意思表示は『再生計画案を決議に付する旨の決定があるまで』に行う必要がある(169条の2第1項2号)。再生債権の届出自体は裁判所の定める届出期間内(民事再生法94条)に行う(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:169条の2は、社債権者の分散性に対応して集団的処理を原則としつつ、届出および決議前の意思申出という手続的行為をした社債権者に限って個別行使を認める趣旨と解される。3項は集団的決議の優先を明示したものと位置づけられる
改正沿革 AI による整理
- 令和元年(2019年)会社法改正に伴う整備(令和3年(2021年)施行) 社債管理補助者制度の新設に伴い、本条1項の括弧書に社債管理補助者を加える整備が行われたと解されるが、本条の新設時期と改正回数の全体は人的検証を要する
- 民事再生法 第120条の2社債等の定義と社債管理者等の手続参加権限の根拠
- 民事再生法 第94条再生債権の届出と届出期間の定め
- 民事再生法 第169条議決権者及び議決権の額、本条の前提となる一般規定
- 民事再生法 第172条の3再生計画案の可決の要件(現行効力を要確認)
- 会社法 第706条社債管理者が再生手続上の行為をするには社債権者集会決議を要する
- 会社法 第714条の4社債管理補助者の権限、本条が前提とする会社法上の制度
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