(管理命令)
裁判所は、再生債務者(法人である場合に限る。以下この項において同じ。)の財産の管理又は処分が失当であるとき、その他再生債務者の事業の再生のために特に必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、再生手続の開始の決定と同時に又はその決定後、再生債務者の業務及び財産に関し、管財人による管理を命ずる処分をすることができる。
裁判所は、前項の処分(以下「管理命令」という。)をする場合には、当該管理命令において、一人又は数人の管財人を選任しなければならない。
裁判所が管理命令を発しようとする場合には、再生債務者を審尋しなければならない。
裁判所は、管理命令を変更し、又は取り消すことができる。
管理命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
(管理命令に関する公告及び送達)
裁判所は、管理命令を発したときは、次項に規定する場合を除き、次に掲げる事項を公告しなければならない。
1 管理命令を発した旨及び管財人の氏名又は名称
2 再生債務者の財産の所持者及び再生債務者に対して債務を負担する者(第五項において「財産所持者等」という。)は、再生債務者にその財産を交付し、又は弁済をしてはならない旨
裁判所は、再生手続開始の決定と同時に管理命令を発したときは、再生手続開始の公告には、前項に掲げる事項をも掲げなければならない。
裁判所は、管理命令を変更し、又は取り消す旨の決定をした場合には、その旨を公告しなければならない。
管理命令、前項の決定又は前条第五項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。
管理命令が発せられた場合には第一項に掲げる事項を、第三項の決定があった場合又は管理命令が発せられた後に再生手続開始の決定を取り消す決定が確定した場合にはその旨を、知れている財産所持者等に通知しなければならない。
第十条第四項の規定は、第一項の場合については、適用しない。
(管財人の権限)
管理命令が発せられた場合には、再生債務者の業務の遂行並びに財産の管理及び処分をする権利は、裁判所が選任した管財人に専属する。
(管理命令が発せられた場合の再生債務者の財産関係の訴えの取扱い)
管理命令が発せられた場合には、再生債務者の財産関係の訴えについては、管財人を原告又は被告とする。
管理命令が発せられた場合には、再生債務者の財産関係の訴訟手続で再生債務者が当事者であるものは、中断する。第百四十五条第一項の訴えに係る訴訟手続で再生債権者が当事者であるものについても、同様とする。
前項の規定により中断した訴訟手続のうち再生債権に関しないもの(第四十条の二第二項に規定するもので同項の規定により受継されたものを除く。)は、管財人においてこれを受け継ぐことができる。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。
第二項の規定により中断した訴訟手続のうち、再生債権に関するもので第百六条第一項、第百九条第一項若しくは第百十三条第二項前段の規定により提起され、若しくは第百七条第一項若しくは第百九条第二項(第百十三条第二項後段において準用する場合を含む。)の規定により受継されたもの又は第四十条の二第二項に規定するもので同項の規定により受継されたものは、管財人においてこれを受け継がなければならない。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。
前二項の場合においては、相手方の再生債務者又は第二項後段の再生債権者に対する訴訟費用請求権は、共益債権とする。
第六十八条
前条第二項の規定により中断した訴訟手続について同条第三項又は第四項の規定による受継があるまでに再生手続が終了したときは、再生債務者は、当該訴訟手続(第四十条の二第二項に規定するもので同条第三項の規定により中断するものを除く。次項において同じ。)を当然受継する。
再生手続が終了したときは、管財人を当事者とする再生債務者の財産関係の訴訟手続は、中断する。
再生債務者は、前項の規定により中断した訴訟手続(再生計画不認可、再生手続廃止又は再生計画取消しの決定の確定により再生手続が終了した場合における第百三十七条第一項の訴えに係るものを除く。)を受け継がなければならない。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。
第一項の規定は前条第三項又は第四項の規定による受継があるまでに管理命令を取り消す旨の決定が確定した場合について、前二項の規定は管理命令を取り消す旨の決定が確定した場合について準用する。この場合において、第一項中「前条第二項」とあるのは「前条第二項前段」と、「訴訟手続(第四十条の二第二項に規定するもので同条第三項の規定により中断するものを除く。次項において同じ。)」とあるのは「訴訟手続」と読み替えるものとする。
第三項の規定は、前条第三項の規定による受継があるまでに管理命令を取り消す旨の決定が確定した場合における同条第二項後段の規定により中断した訴訟手続について準用する。この場合において、第三項中「再生債務者」とあるのは、「前条第二項後段の再生債権者」と読み替えるものとする。
(行政庁に係属する事件の取扱い)
第六十七条第二項から第五項まで及び前条の規定は、再生債務者の財産関係の事件で管理命令が発せられた当時行政庁に係属するものについて準用する。
(数人の管財人の職務執行)
管財人が数人あるときは、共同してその職務を行う。
管財人が数人あるときは、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。
(管財人代理)
管財人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は数人の管財人代理を選任することができる。
前項の管財人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。
(再生債務者の業務及び財産の管理)
管財人は、就職の後直ちに再生債務者の業務及び財産の管理に着手しなければならない。
(郵便物等の管理)
裁判所は、管財人の職務の遂行のため必要があると認めるときは、信書の送達の事業を行う者に対し、再生債務者にあてた郵便物等を管財人に配達すべき旨を嘱託することができる。
裁判所は、再生債務者の申立てにより又は職権で、管財人の意見を聴いて、前項に規定する嘱託を取り消し、又は変更することができる。
再生手続が終了したときは、裁判所は、第一項に規定する嘱託を取り消さなければならない。管理命令が取り消されたときも、同様とする。
第一項又は第二項の規定による決定及び同項の申立てを却下する裁判に対しては、再生債務者又は管財人は、即時抗告をすることができる。
第一項の規定による決定に対する前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
第七十四条
管財人は、再生債務者にあてた郵便物等を受け取ったときは、これを開いて見ることができる。
再生債務者は、管財人に対し、管財人が受け取った前項の郵便物等の閲覧又は当該郵便物等で再生債務者財産に関しないものの交付を求めることができる。
(管財人の行為に対する制限)
管財人は、裁判所の許可を得なければ、再生債務者の財産を譲り受け、再生債務者に対し自己の財産を譲り渡し、その他自己又は第三者のために再生債務者と取引をすることができない。
前項の許可を得ないでした行為は、無効とする。
(管理命令後の再生債務者の行為等)
再生債務者が管理命令が発せられた後に再生債務者財産に関してした法律行為は、再生手続の関係においては、その効力を主張することができない。
管理命令が発せられた後に、その事実を知らないで再生債務者にした弁済は、再生手続の関係においても、その効力を主張することができる。
管理命令が発せられた後に、その事実を知って再生債務者にした弁済は、再生債務者財産が受けた利益の限度においてのみ、再生手続の関係において、その効力を主張することができる。
第四十七条の規定は、前三項の規定の適用について準用する。この場合において、「第三十五条第一項の規定による公告(以下「再生手続開始の公告」という。)」とあるのは「第六十五条第一項の規定による公告(再生手続開始の決定と同時に管理命令が発せられた場合には、第三十五条第一項の規定による公告)」と読み替えるものとする。
(取締役等の報酬)
管理命令が発せられた場合における再生債務者が法人であるときのその理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者は、再生債務者に対して報酬を請求することができない。
(任務終了の場合の報告義務等)
管財人の任務が終了した場合には、管財人は、遅滞なく、裁判所に計算の報告をしなければならない。
前項の場合において、管財人が欠けたときは、同項の計算の報告は、同項の規定にかかわらず、後任の管財人がしなければならない。
管財人の任務が終了した場合において、急迫の事情があるときは、管財人又はその承継人は、後任の管財人又は再生債務者が財産を管理することができるに至るまで必要な処分をしなければならない。
再生手続開始の決定を取り消す決定、再生手続廃止の決定若しくは再生計画不認可の決定が確定した場合又は再生手続終了前に再生計画取消しの決定が確定した場合には、第二百五十二条第六項に規定する場合を除き、管財人は、共益債権及び一般優先債権を弁済し、これらの債権のうち異議のあるものについては、その債権を有する者のために供託をしなければならない。
(監督委員に関する規定の準用)
第五十四条第三項、第五十七条及び第五十九条から第六十一条までの規定は管財人について、同条の規定は管財人代理について準用する。