民事再生法 第67条(管理命令が発せられた場合の再生債務者の財産関係の訴えの取扱い)
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- 管理命令が発せられた場合には、再生債務者の財産関係の訴えについては、管財人を原告又は被告とする。
- 2.管理命令が発せられた場合には、再生債務者の財産関係の訴訟手続で再生債務者が当事者であるものは、中断する。第百四十五条第一項の訴えに係る訴訟手続で再生債権者が当事者であるものについても、同様とする。
- 3.前項の規定により中断した訴訟手続のうち再生債権に関しないもの(第四十条の二第二項に規定するもので同項の規定により受継されたものを除く。)は、管財人においてこれを受け継ぐことができる。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。
- 4.第二項の規定により中断した訴訟手続のうち、再生債権に関するもので第百六条第一項、第百九条第一項若しくは第百十三条第二項前段の規定により提起され、若しくは第百七条第一項若しくは第百九条第二項(第百十三条第二項後段において準用する場合を含む。)の規定により受継されたもの又は第四十条の二第二項に規定するもので同項の規定により受継されたものは、管財人においてこれを受け継がなければならない。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。
- 5.前二項の場合においては、相手方の再生債務者又は第二項後段の再生債権者に対する訴訟費用請求権は、共益債権とする。
この条文の基本情報
管理命令が発せられた場合の再生債務者の財産関係の訴えの取扱いとは何ですか?
定義管理命令が発せられた場合の再生債務者の財産関係の訴えの取扱いとは、民事再生法第67条に定められた規定で、「管理命令が発せられた場合には、再生債務者の財産関係の訴えについては、管財人を原告又は被告とする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第67条(管理命令が発せられた場合の再生債務者の財産関係の訴えの取扱い)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第67条の条文原文は「管理命令が発せられた場合には、再生債務者の財産関係の訴えについては、管財人を原告又は被告とする。」で始まります。
- 民事再生法第67条は第三節 管財人に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第67条の前の条は民事再生法第66条です。
- 民事再生法第67条の次の条は民事再生法第68条です。
- 民事再生法第67条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第67条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第67条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/67
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法67条は、管理命令が出ると財産関係の訴訟は中断し、当事者が再生債務者から管財人に交代すると定める。相手方の訴訟費用請求権は共益債権として優先弁済される。
Q · 訴訟中の取引先が民事再生で管理命令を受けたら、私の裁判はどうなるの?
訴訟は中断し、相手方の当事者が社長から管財人に交代します
民事再生法67条により、管理命令が発せられると再生債務者の財産関係の訴えは管財人を原告又は被告とし(1項)、係属中の財産関係訴訟は中断します(2項)。中断した訴訟は、再生債権に関しないものは管財人が受継でき、再生債権に関する一定の訴訟は管財人が受継しなければなりません(3項・4項)。いずれも相手方から受継を申し立てることもできます。さらに、相手方の訴訟費用請求権は共益債権となり(5項)、再生計画に縛られず優先弁済されます。
解説
取引先の会社を相手取って売掛金の訴訟を進めている最中に、その相手が民事再生を申し立て、しかも裁判所が『管理命令』を出した。この瞬間、あなたの訴訟は中断する(2項)。相手方の社長はもはや訴訟の当事者ではなくなり、裁判所が選んだ管財人が原告・被告の座に座る(1項)。ここで多くの人が見落とすのが、民事再生の大半は社長がそのまま経営を続ける『DIP型』で、管財人が立つ管理命令は例外中の例外だという点だ。つまり管理命令が出た時点で、その会社は財産管理が失当と裁判所に判断された異常事態にある。さらに知っておくべきは、中断した訴訟であなたが負担した訴訟費用の請求権が『共益債権』になること(5項)。共益債権は再生計画に縛られず、一般の再生債権より優先して随時弁済される。あなたは中断を待つだけでなく、自分から受継を申し立てて手続を前に進めることもできる(3項・4項)。
法的な位置づけ
民事再生法67条は、管理命令下における再生債務者の財産関係訴訟の当事者適格と手続中断を定める規定である。管理命令により財産の管理処分権が管財人に専属することを受け、財産関係の訴えは管財人を当事者とし、係属中の訴訟は中断し、管財人又は相手方の申立てにより受継される。相手方の訴訟費用請求権は共益債権となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.管理命令の有無を確認する 取引先の民事再生開始通知が届いたら、DIP 型か管理命令付きかをまず確認する。管理命令が出ていれば財産関係の訴訟当事者は社長から管財人に交代し、あなたの訴訟は中断している
- 2.自分の訴訟が再生債権に関するものか切り分ける 係属中の請求が再生債権に関するもの(売掛金・貸金等)か、取戻権・別除権など再生債権に関しないものかを区別する。再生債権に関するものは管財人が受継義務を負う(4項)
- 3.相手方から受継を申し立てる 管財人が動かない場合、相手方であるあなたから受継を申し立てる(3項・4項)。中断を放置せず自分から手続を進めることで、和解協議や配当交渉の主導権を握る
- 4.訴訟費用請求権を共益債権として主張する 中断訴訟であなたが支出した訴訟費用請求権は共益債権になる(5項)。再生手続の早い段階で管財人に明示し、再生計画の認可を待たずに優先弁済を求める
よくある質問 AI による整理
Q1管理命令とは何ですか?
裁判所が再生債務者から財産の管理処分権を奪い、管財人に専属させる処分です。DIP 型が原則の民事再生では例外的で、財産管理が失当と判断された場合に出されます(民事再生法64条)。
Q2民事再生で管理命令が出ると訴訟は中断しますか?
はい。再生債務者が当事者となっている財産関係の訴訟手続は中断します(67条2項)。中断中は期日が進まず、受継の手続を経て初めて審理が再開します。
Q3共益債権とは何ですか?
再生手続の遂行に必要な費用等に係る債権で、再生計画に縛られず、一般の再生債権に優先して随時弁済されます。中断訴訟の相手方の訴訟費用請求権もこれに当たります(67条5項)。
Q4訴訟手続の受継とは何ですか?
中断した訴訟を新たな当事者である管財人が引き継いで審理を再開させる手続です。管財人だけでなく相手方からも受継を申し立てられます(67条3項・4項)。
Q5DIP 型と管理命令はどう違いますか?
DIP 型は社長がそのまま経営と訴訟当事者の地位を保ちます。管理命令が出ると管理処分権が管財人に専属し、財産関係の訴訟当事者も管財人に交代します。
Q6再生債権と共益債権の違いは何ですか?
再生債権は再生計画でカット・分割弁済され得るのに対し、共益債権は計画に縛られず優先して随時弁済されます。同じ紛争でも費用と元本で順位が分かれることがあります。
Q7受継の申立ては相手方もできますか?
できます。67条3項・4項は、受継の申立ては相手方もすることができると明記します。中断を放置せず、債権者側から手続を動かせます。
Q8管財人は再生債権の訴訟を必ず受継しますか?
再生債権に関する一定の訴訟(106条等により提起・受継されたもの)は管財人が受け継がなければなりません(67条4項)。任意ではなく義務です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1取引先が民事再生に入ったら、訴訟中の私の請求はどうなるんですか?
管理命令が出ていれば、あなたの訴訟は中断し(2項)、相手の当事者は社長から管財人に変わります(1項)。再生債権に関する訴訟なら管財人が受継する義務を負い(4項)、あなたから受継を申し立てることもできます。実務のポイント:民事再生の多くはDIP型で管財人が付きません。管財人が立つ管理命令は、それ自体が相手の財産管理に問題ありと裁判所が判断した証拠。通知に『管財人』の文字を見たら、相手の内情はかなり悪いと読むべきです
Q2管財人が相手だと、訴訟費用は泣き寝入りですか?
いいえ。管理命令下で中断した訴訟について、相手方であるあなたの訴訟費用請求権は共益債権になります(5項)。共益債権は再生計画に縛られず、一般の再生債権より優先して随時弁済されます。実務のポイント:再生債権の本体である売掛金などは計画でカットされても、費用部分は優先枠で先に取れる。この区別を主張のタイミングで管財人にはっきり伝えるかどうかで、回収の早さと額が変わります
間違えやすい点 AI による整理
- 「相手が民事再生に入ったら、もう何も回収できない」と諦める人が多いが、管理命令下の訴訟であなたが支出した訴訟費用の請求権は共益債権になり(5項)、一般の再生債権より優先して弁済される。全損だと思った場面に、優先回収の枠が残っている
- 「管財人が相手なら、こちらは受継されるのを待つしかない」という前提自体が誤っている。3項・4項は『受継の申立ては、相手方もすることができる』と明記する。あなたは待つ側ではなく、手続を動かす側に立てる
- 民事再生に管財人が付くことは知っていても、それがどれほど異例かを多くの人は知らない。民事再生の原則はDIP型で社長が続投し、管理命令が出るのは財産管理が失当と判断された深刻なケースに限られる(64条)。管財人の登場は、その会社の内情がかなり悪いことの証拠だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 67条:管理命令下の財産関係訴訟の当事者交代・中断・受継 | 64条:管理命令の発令要件 66条:管財人への管理処分権の専属 |
| 当事者 | 財産関係の訴えは管財人が原告又は被告(1項) | 裁判所が管財人を選任 管財人が財産の管理処分権を専属的に行使 |
| 訴訟費用・費用債権の扱い | 相手方の訴訟費用請求権は共益債権(5項) | — — |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では破産管財人や重整人が財産関係の訴訟当事者となる。日本の DIP 型に相当する債務者続投型は限定的で、管理人制度が中心となる点が異なる
韓国は2005年に会生・破産を統合した単一法典を整備。管理人が選任されると訴訟当事者が交代し受継が生じる構造は日本と類似する
ドイツでは倒産手続開始で管理処分権が管財人(Insolvenzverwalter)に移転し、係属中の財産訴訟は中断・受継される。日本の管理命令制度の母法的系譜に位置づけられる
米国は DIP(debtor in possession)が原則で債務者が続投するが、trustee 選任時は当事者が交代する。日本の DIP 型民事再生はこの発想の影響を受ける
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが取引先に1,200万円の請負代金を請求して訴訟中、相手が民事再生を申し立て管理命令が出た。訴状はそのまま、しかし当事者は社長から管財人へ変わる。あなたが何もしなければ訴訟は中断したまま塩漬けになる。受継の申立てを自分から打てるかどうかで、回収のスピードが半年単位で変わる
- もし、あなたの会社が貸金返還訴訟の被告で、原告側が民事再生に入り管理命令が出たら、どうなる? 中断中は期日が進まないが、管財人が受継を申し立てた瞬間に時計が動き出す。準備書面の構えを崩したまま放置すると、再開後の第一撃で押し込まれる
- 再生債権に関する訴訟なら、管財人は『受け継がなければならない』(4項)。任意ではなく義務だ。相手が管財人だからと諦める前に、この一文を盾にできる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 相手の民事再生で管理命令が出たか必ず確認する(DIP型なら当事者は社長のまま、管理命令なら管財人に変わる)。2. あなたの訴訟が再生債権に関するものか、それ以外(取戻権・別除権など)かを切り分ける。再生債権に関するものは管財人が受継『しなければならない』(4項)。3. 管財人が動かないなら、相手方のあなたから受継を申し立てる(3項・4項)。4. 支出済みの訴訟費用は共益債権(5項)として優先弁済を主張し、再生計画の認可を待たずに回収を図る
訴えられた側:1. 自社に管理命令が出れば、財産関係の訴訟当事者の地位は管財人に専属する(1項・66条)。社長個人は当事者ではなくなる。2. 係属中の訴訟は中断するので(2項)、管財人と訴訟方針を早期に共有し、受継後の主張を組み立て直す。3. 再生債権に関する訴訟は管財人が受継義務を負う(4項)一方、相手方の訴訟費用が共益債権化する(5項)コストを織り込む。4. 事情変更があれば管理命令の取消し・変更を求める余地も検討する
時効(請求できる期限):中断した訴訟の受継について民事再生法上の特定の期間は本条に明示されないが、受継を放置すれば訴訟は中断したまま進行しない。再生手続には債権届出期間・一般調査期間など各種の法定期間があり、再生債権に関する訴訟の受継はこれらの進行と連動するため、再生手続開始の早い段階で受継・費用主張を行うのが実務上の鉄則(最新の手続スケジュールは事件ごとにご確認ください)
学説
通説:本条は、管理命令による管理処分権の管財人への専属(66条)を訴訟法上に反映させ、当事者交代・中断・受継の三段構えで手続を承継させる規定と解される。相手方の訴訟費用請求権を共益債権とすることで、訴訟に巻き込まれた相手方の手続上の地位を保護する趣旨とされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法(平成11年法律第225号)制定に伴い新設。従来の和議法に代わる再生型倒産手続を整備し、管理命令下における財産関係訴訟の当事者・中断・受継・費用の扱いを規定した。
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