要点民事再生法119条は、再生手続開始後に生じた費用や借入れによる請求権など七種類を共益債権と定める。共益債権は手続によらず随時、再生債権に優先して弁済される。
Q · 倒産した取引先への売掛金、開始決定の後に納品した分は優先して回収できるの?
開始決定後の取引で生じた分は共益債権として随時・優先弁済されます
民事再生法119条は、再生債権者の共同の利益のために再生手続開始後に生じた費用や、再生債務者が開始後にした借入れその他の行為による請求権など七種類を共益債権と定めます。共益債権は再生手続によらず随時、かつ再生債権に優先して弁済されます(121条)。したがって取引先の開始決定後に納品した代金や貸付金は共益債権として満額・優先回収でき、開始決定前に生じた売掛金は再生債権として大幅にカットされます。
取引先が民事再生を申し立てた。あなたの会社はそこへ毎月部品を納めている。ここで運命を分けるのが、この条文だ。119条は「共益債権」、つまり再生手続を通さず随時、しかも他の債権に優先して全額払ってもらえる請求権のリストである。鍵は時間軸にある。再生手続開始の決定が下りた後にあなたが新たに納品した代金、貸し付けた資金、立て替えたやむを得ない費用は共益債権になる。だが開始決定の前に生じた売掛金は「再生債権」、再生計画で大幅にカットされ、数年分割で一部しか戻らない。同じ取引先への同じ性質の債権が、開始決定という一本の線の前後で、満額回収か二束三文かに振り分けられる。倒産しかけた相手と取引を続けるべきか迷ったとき、その損得を計算する物差しは、この七つの号の中にある。
民事再生法119条は共益債権の範囲を定める規定である。再生債権者の共同の利益のためにする裁判上の費用、再生手続開始後の業務・財産の管理に関する費用、開始後の借入れその他の行為による請求権など七号を列挙し、これらを共益債権とする。共益債権は再生手続を通さず随時弁済され、再生債権に優先する。
再生手続によらず随時・優先して弁済される請求権です。民事再生法119条が七つの号を列挙し、開始後の費用や借入れによる請求権などがこれにあたります。
共益債権は随時・満額弁済されるのに対し、再生債権は再生計画で削減され数年分割で一部だけ戻ります。原則、開始決定前の債権が再生債権、開始後が共益債権です。
再生計画の認可を待たず、随時弁済されます(民事再生法121条)。期日が来れば通常の取引債務と同様に支払われるのが原則です。
共益債権は再生手続を通さず随時弁済されるのに対し、租税や労働債権などの一般優先債権は再生債権に優先するものの別枠で扱われます(122条)。
開始決定後の納品代金や借入れは共益債権(119条5号)となり、随時・優先弁済されます。過去債権と切り離して満額回収できる別物として扱われます。
削減されません。共益債権は再生計画による権利変更の対象外で、満額弁済されます。削減されるのは再生債権です。
対応する並行概念です。破産では財団債権(破産法148条)、再生では共益債権と呼ばれ、いずれも手続によらず優先弁済される点で機能が似ています。
できる場合があります。裁判所の許可を得れば開始前の借入れ等を共益債権とする特則(民事再生法120条)が適用され、満額回収の地位を確保できます。
開始決定前に発生した売掛金は「再生債権」になり、再生計画で大幅にカットされたうえ数年分割で一部だけ戻るのが一般的です。一方、開始決定後の取引で生じた代金は「共益債権」(119条5号)として随時・満額弁済されます。業界裏話ヒント:申立てから開始決定までの保全処分期間中は原則として旧債務の弁済が禁止されますが、中小の継続的取引先には裁判所の許可で少額弁済が認められることがあります。取引停止をちらつかせる前に、弁済許可の有無を監督委員に確認すると交渉材料になります
はい。裁判上の費用や監督委員等の報酬・費用(119条1号・4号)は共益債権として、再生債権に優先し随時支払われます(121条)。手続を回すための費用を最優先する設計です。業界裏話ヒント:再生債務者の財産が乏しいと、共益債権を払い終えると再生債権者への配当がほとんど残らないこともあります。自分が何%返ってくるか早く知りたければ、監督委員の財産評定や再生計画案の弁済率を債権者集会や開示資料で確認するのが実務の勘どころです
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 119条:共益債権の範囲を七号で列挙 | — |
| 対象となる時点 | 原則、再生手続開始後に生じた費用・請求権 | — |
| 弁済の扱い | 共益債権に該当すれば随時・優先弁済 | — |
| 一般優先債権との関係 | 共益債権は一般優先債権とも別枠 | — |
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