要点民事再生法 118 条の 3 は、債権者委員会が裁判所に対し、再生債務者等へ業務及び財産の管理状況の報告を命じるよう申し出られると定める。裁判所が相当と認めれば、報告命令の発令は義務となる。
Q · 取引先が民事再生に入ったら、債権者は経営状況を открытに見せろと言えるの?
債権者委員会が申し出て、裁判所が相当と認めれば報告命令が出ます
民事再生法 118 条の 3 により、債権者委員会は、再生債権者全体の利益のために必要があるとき、裁判所に対し、再生債務者等に業務及び財産の管理状況その他事業の再生に必要な事項の報告(同法 125 条 2 項)を命じるよう申し出ることができます。申出を受けた裁判所が相当と認めるときは、報告を命じなければなりません。申出権者は個人債権者ではなく債権者委員会であるため、まず 117 条による委員会の承認を得ることが前提になります。
取引先の会社が民事再生を申し立てた。多くの債権者はここで「あとは裁判所と弁護士に任せるしかない」と肩を落とす。だが民事再生は破産と違い、会社の経営陣がそのまま事業を続ける(これを DIP、占有を継続したままの債務者と呼ぶ)。つまりあなたに金を返さない当事者が、引き続き会社の財布を握り続ける。情報はすべて向こう側に偏る。118条の3 は、その偏りを崩すための装置だ。債権者委員会は、再生債権者全体の利益のために必要があるとき、裁判所に対して「再生債務者に業務及び財産の管理状況を報告させろ」と申し出ることができる。そして裁判所が相当と認めれば、報告を命じなければならない(裁量ではなく義務)。あなた一人では届かない要求が、委員会という束になり、裁判所の命令という強制力をまとう。
民事再生法 118 条の 3 は、債権者委員会の報告命令申出権を定める規定である。債権者委員会は、再生債権者全体の利益のために必要があるとき、裁判所に対し、再生債務者等に業務及び財産の管理状況その他事業の再生に関し必要な事項について 125 条 2 項の報告をするよう命じることを申し出ることができ、裁判所は当該申出を相当と認めるときは報告を命じなければならない。
再生債権者で構成し、裁判所の承認(民事再生法 117 条)を受けて手続に関与する組織です。承認を受けて初めて 118 条の 3 の報告命令申出権などが使えます。
民事再生法 118 条の 3 の申出権者は債権者委員会です。個人の再生債権者が単独で直接申し出ることはできず、まず委員会の組成と裁判所の承認が前提になります。
条文上の固有の期限はありませんが、再生計画案の決議前でなければ実益が乏しくなります。債権届出期間や計画案提出期限から逆算して動くのが実務です。
報告そのものの根拠は民事再生法 125 条 2 項です。118 条の 3 は、その報告を命じるよう債権者委員会が裁判所へ申し出る手続を定めています。
申出が相当と認められない場合は命令が出ません。逆に相当と認めるときは「命じなければならない」とされ、その限りで裁判所に裁量の余地はありません。
監督委員は裁判所が選任し債務者を監督する機関(54 条)、債権者委員会は債権者側の組織です。情報取得の経路が異なり、実務では併用されます。
報告命令が出れば誠実に応じる義務がありますが、営業秘密に関わる範囲は裁判所と事前に調整するのが実務です。開示範囲の限定を求める余地はあります。
開示された財産状況や取引の経緯をもとに、計画案の弁済率の根拠や事業継続の前提を検証し、債権者集会での賛否判断の材料にします。
社長が経営を続けるのは事実です(DIP 型)。ですが債権者は無力ではありません。債権者委員会を組成すれば、118条の3 で裁判所に経営状況の報告命令を申し出られ、裁判所が相当と認めれば命令は義務的に出ます。業界裏話ヒント:報告命令の申出は「何を開示させたいか」を具体的に書けるかが勝負。漠然と「全部出せ」では裁判所は動きにくい。実務では監督委員(54条)から非公式に情報を取りつつ、決定打として報告命令を使う二段構えが多い
再生債権者で構成する委員会を作り、裁判所の承認を得る必要があります(117条)。委員の数などの要件を満たし、裁判所が再生手続への関与を承認して初めて 118条の3 の申出権などが使えます。業界裏話ヒント:委員会の承認には主要債権者の協調が要る。だから倒産情報が出た直後、同じ立場の債権者と早く連絡網を作った者が委員会の主導権を握る。動きが遅いと、気づけば自分に不利な構成の委員会ができあがっている
再生債務者等が裁判所の命令に反して虚偽の報告をしたり報告を怠ったりすれば、再生手続の信頼を損なう重大な事由となり、再生手続廃止や再生計画の不認可の方向に働きます。業界裏話ヒント:虚偽報告そのものより、それが発覚した後の裁判所の心証悪化が致命的。実務では報告内容を会計帳簿や監督委員の調査結果と突き合わせ、矛盾を一点でも見つければ、計画案の信頼性全体を崩す材料にできる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 情報を取る主体 | 118 条の 3:債権者委員会(債権者側の組織) | — |
| 発動の仕組み | 委員会が申出 → 裁判所が相当と認めれば命令は義務 | — |
| 個人債権者の利用可否 | 不可。委員会を通じてのみ申出できる | — |
| 得られる成果 | 125 条 2 項の報告(業務・財産の管理状況等)を強制 | — |
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