民事再生法 第118条の3(再生債務者等に対する報告命令)
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- 債権者委員会は、再生債権者全体の利益のために必要があるときは、裁判所に対し、再生債務者等に再生債務者の業務及び財産の管理状況その他再生債務者の事業の再生に関し必要な事項について第百二十五条第二項の規定による報告をすることを命ずるよう申し出ることができる。
- 2.前項の規定による申出を受けた裁判所は、当該申出が相当であると認めるときは、再生債務者等に対し、第百二十五条第二項の規定による報告をすることを命じなければならない。
この条文の基本情報
再生債務者等に対する報告命令とは何ですか?
定義再生債務者等に対する報告命令とは、民事再生法第118条の3に定められた規定で、「債権者委員会は、再生債権者全体の利益のために必要があるときは、裁判所に対し、再生債務者等に再生債務者の業務及び財産の管理状況その他再生債務者の事業の再生に関し必…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第118条の3(再生債務者等に対する報告命令)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第118条の3の条文原文は「債権者委員会は、再生債権者全体の利益のために必要があるときは、裁判所に対し、再生債務者等に再生債務者の業務及び財産の管理状況その他再生債務者の事業の再生に関し必…」で始まります。
- 民事再生法第118条の3は第四節 債権者集会及び債権者委員会に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第118条の3の前の条は民事再生法第118条の2です。
- 民事再生法第118条の3の次の条は民事再生法第119条です。
- 民事再生法第118条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第118条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第118条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/118_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法118条の3は、債権者委員会が裁判所に対し、再生債務者等へ業務及び財産の管理状況の報告を命じるよう申し出られると定める。裁判所が相当と認めれば、報告命令の発令は義務となる。
Q · 取引先が民事再生に入ったら、債権者は経営状況を открытに見せろと言えるの?
債権者委員会が申し出て、裁判所が相当と認めれば報告命令が出ます
民事再生法118条の3により、債権者委員会は、再生債権者全体の利益のために必要があるとき、裁判所に対し、再生債務者等に業務及び財産の管理状況その他事業の再生に必要な事項の報告(同法125条2項)を命じるよう申し出ることができます。申出を受けた裁判所が相当と認めるときは、報告を命じなければなりません。申出権者は個人債権者ではなく債権者委員会であるため、まず117条による委員会の承認を得ることが前提になります。
解説
取引先の会社が民事再生を申し立てた。多くの債権者はここで「あとは裁判所と弁護士に任せるしかない」と肩を落とす。だが民事再生は破産と違い、会社の経営陣がそのまま事業を続ける(これを DIP、占有を継続したままの債務者と呼ぶ)。つまりあなたに金を返さない当事者が、引き続き会社の財布を握り続ける。情報はすべて向こう側に偏る。118条の3は、その偏りを崩すための装置だ。債権者委員会は、再生債権者全体の利益のために必要があるとき、裁判所に対して「再生債務者に業務及び財産の管理状況を報告させろ」と申し出ることができる。そして裁判所が相当と認めれば、報告を命じなければならない(裁量ではなく義務)。あなた一人では届かない要求が、委員会という束になり、裁判所の命令という強制力をまとう。
法的な位置づけ
民事再生法118条の3は、債権者委員会の報告命令申出権を定める規定である。債権者委員会は、再生債権者全体の利益のために必要があるとき、裁判所に対し、再生債務者等に業務及び財産の管理状況その他事業の再生に関し必要な事項について125条2項の報告をするよう命じることを申し出ることができ、裁判所は当該申出を相当と認めるときは報告を命じなければならない。
手順
- 1.債権届出を期間内に済ませる 再生手続開始決定後、裁判所が定める債権届出期間内に再生債権を届け出る。届出を逃すと議決権を失い、以降の手続関与の足場ごと失う
- 2.他の主要債権者と委員会を組成し承認を得る 同じ立場の再生債権者に連絡し、委員の構成を整えて債権者委員会の承認を裁判所に申請する(民事再生法117条)。承認が118条の3の申出権の前提になる
- 3.開示させたい事項を特定して申出書を提出 「全部開示せよ」ではなく、資産売却の経緯、関連会社との取引、役員報酬の内訳など、不透明な点を具体的に特定して118条の3の申出書を裁判所へ提出する
- 4.報告書を検証し計画案の賛否を判断する 開示された報告書を会計帳簿や監督委員の調査結果と突き合わせ、弁済率の根拠と事業継続の前提を検証したうえで、債権者集会で賛否を表明する
よくある質問 AI による整理
Q1債権者委員会とは何ですか?
再生債権者で構成し、裁判所の承認(民事再生法117条)を受けて手続に関与する組織です。承認を受けて初めて118条の3の報告命令申出権などが使えます。
Q2報告命令の申出は誰ができますか?
民事再生法118条の3の申出権者は債権者委員会です。個人の再生債権者が単独で直接申し出ることはできず、まず委員会の組成と裁判所の承認が前提になります。
Q3報告命令はいつまでに申し出るべきですか?
条文上の固有の期限はありませんが、再生計画案の決議前でなければ実益が乏しくなります。債権届出期間や計画案提出期限から逆算して動くのが実務です。
Q4報告義務の根拠条文はどこですか?
報告そのものの根拠は民事再生法125条2項です。118条の3は、その報告を命じるよう債権者委員会が裁判所へ申し出る手続を定めています。
Q5裁判所は申出を断れますか?
申出が相当と認められない場合は命令が出ません。逆に相当と認めるときは「命じなければならない」とされ、その限りで裁判所に裁量の余地はありません。
Q6監督委員と債権者委員会は何が違いますか?
監督委員は裁判所が選任し債務者を監督する機関(54条)、債権者委員会は債権者側の組織です。情報取得の経路が異なり、実務では併用されます。
Q7営業秘密でも報告しないといけませんか?
報告命令が出れば誠実に応じる義務がありますが、営業秘密に関わる範囲は裁判所と事前に調整するのが実務です。開示範囲の限定を求める余地はあります。
Q8報告書は再生計画案の判断にどう使いますか?
開示された財産状況や取引の経緯をもとに、計画案の弁済率の根拠や事業継続の前提を検証し、債権者集会での賛否判断の材料にします。
この条文についての質問 AI による整理
Q1民事再生って、結局その会社の社長がそのまま居座るんですよね? 債権者は何も言えないんですか?
社長が経営を続けるのは事実です(DIP 型)。ですが債権者は無力ではありません。債権者委員会を組成すれば、118条の3で裁判所に経営状況の報告命令を申し出られ、裁判所が相当と認めれば命令は義務的に出ます。実務のポイント:報告命令の申出は「何を開示させたいか」を具体的に書けるかが勝負。漠然と「全部出せ」では裁判所は動きにくい。実務では監督委員(54条)から非公式に情報を取りつつ、決定打として報告命令を使う二段構えが多い
Q2債権者委員会ってどうやって作るんですか? 勝手に名乗っていいの?
再生債権者で構成する委員会を作り、裁判所の承認を得る必要があります(117条)。委員の数などの要件を満たし、裁判所が再生手続への関与を承認して初めて118条の3の申出権などが使えます。実務のポイント:委員会の承認には主要債権者の協調が要る。だから倒産情報が出た直後、同じ立場の債権者と早く連絡網を作った者が委員会の主導権を握る。動きが遅いと、気づけば自分に不利な構成の委員会ができあがっている
Q3報告命令を出させたのに、債務者が嘘の報告をしたらどうなりますか?
再生債務者等が裁判所の命令に反して虚偽の報告をしたり報告を怠ったりすれば、再生手続の信頼を損なう重大な事由となり、再生手続廃止や再生計画の不認可の方向に働きます。実務のポイント:虚偽報告そのものより、それが発覚した後の裁判所の心証悪化が致命的。実務では報告内容を会計帳簿や監督委員の調査結果と突き合わせ、矛盾を一点でも見つければ、計画案の信頼性全体を崩す材料にできる
間違えやすい点 AI による整理
- 「債権者が報告を求めても、結局は債務者の裁量で出すかどうかが決まる」と考える人が多い。だが問いの立て方そのものが間違っている。118条の3第2項は、裁判所が相当と認めれば「命じなければならない」と書く。報告するかどうかは債務者の裁量ではなく、裁判所の判断の問題だ。あなたが説得すべき相手は債務者ではなく裁判所である
- 債権者委員会の存在は知っていても、その権限の射程を過小評価している人が多い。委員会は単なる意見表明の場ではない。報告命令の申出(118条の3)、手続関与の承認(117条)など、再生手続の透明性を能動的に動かす実権を持つ。「お飾り」と侮ると、使える武器を眠らせたまま手続が終わる
- 「報告命令は債権者個人がいつでも裁判所に申し立てられる」と思われがちだが、118条の3の申出権者は債権者委員会だ。個人債権者は直接この申出をできない。だからこそ、手続の早い段階で委員会を組成し承認を得ておくこと(117条)が、後の情報アクセスの前提になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 情報を取る主体 | 118条の3:債権者委員会(債権者側の組織) | 54条:監督委員(裁判所が選任する監督機関) 117条:委員会そのものの承認手続(前提要件) |
| 発動の仕組み | 委員会が申出 → 裁判所が相当と認めれば命令は義務 | 裁判所の選任・監督権に基づき、監督委員が継続的に監督 委員会が承認申請 → 裁判所が要件審査のうえ承認 |
| 個人債権者の利用可否 | 不可。委員会を通じてのみ申出できる | 不可。監督委員に非公式に情報提供・照会するにとどまる 委員として参加すれば可 |
| 得られる成果 | 125条2項の報告(業務・財産の管理状況等)を強制 | 同意権行使・否認権行使等を通じた継続的な監督情報 手続関与の資格そのもの(申出権・通知受領権の基礎) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の会社更生では検査人が裁判所に調査報告をし、関係人会議が重整人を監督する。債権者側が能動的に報告命令を申し出る類型ではなく、裁判所選任機関の調査に重心がある
韓国は채권자협의회(債権者協議会)を法定し、資料要求や意見提出の権限を与える。日本の118条の3と同様、個別債権者ではなく協議会を情報アクセスの主体とする
ドイツの Gläubigerausschuss は管財人の業務執行を継続的に監督し、帳簿・現金の検査権を直接持つ。裁判所の命令を介在させない点で日本より権限が直接的
米国 Chapter 11の Creditors' Committee は裁判所の許可を得て弁護士・会計士を雇用し、債務者の業務・財産・計画立案を調査できる。調査権が委員会に内在する点が日本と決定的に異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、長年取引してきた仕入先が民事再生を申し立て、しかも代金が数千万円未回収だったら? その仕入先は手続中も営業を続け、社長も交代しない。あなたは経営の中身が見えないまま再生計画案の賛否を迫られる。委員会を通じた報告命令の申出が、暗闇に光を入れる数少ないスイッチになる
- あなたが再生債務者側、つまり再生中の会社の経営者だとする。債権者委員会から報告命令の申出が出て、裁判所がそれを認めた。あなたは資産売却の経緯、関連会社との取引、役員報酬の内訳まで書面で開示する義務を負う。隠していた利益相反取引が、ここで表に出る
- 委員会が「経営状況が不透明だ」と感じる。裁判所に申し出る。相当と認められれば、債務者は報告を強制される。たった三手で情報の壁が崩れる
- 再生計画案の決議まであと二週間。だが債務者の財産状況の説明が曖昧で、弁済率の根拠が読めない。委員会として報告命令を申し出るなら、決議前のこのタイミングしかない。決議が終われば、この情報は意味を失う
- あなたが小口債権者で委員会のメンバーでなくても、委員会に「報告命令を申し出てほしい」と働きかける道がある。委員会は再生債権者全体の利益のために動く建前だから、複数の債権者の声が集まれば委員会も動きやすくなる
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず再生債権者として債権届出を期間内に行う。これを逃すと以降の手続関与の足場ごと失う2. 他の主要債権者と連絡を取り、債権者委員会の組成と裁判所の承認(117条)を目指す3. 委員会として、経営の不透明な点を具体的に特定し、報告命令の申出書を裁判所へ提出する4. 開示された報告書をもとに再生計画案の弁済率の妥当性を検証し、債権者集会での賛否を判断する
訴えられた側:1. 報告命令が出る前に、財産状況の自主的な開示を進め委員会との信頼関係を築く方が長期的に有利2. 命令が出たら第125条第2項に基づき誠実かつ正確に報告する。虚偽や隠匿は再生手続廃止のリスクへ直結する3. 営業秘密に関わる部分は開示範囲について裁判所と事前に調整する4. 弁護士と連携し、報告内容が逆に再生計画案の説得材料になるよう戦略的に構成する
時効(請求できる期限):118条の3の申出自体に固有の期限はないが、再生手続には債権届出期間、再生計画案の提出期限、決議のための債権者集会期日など複数の期限が連動する。報告命令は計画案の決議前に効果を持つため、再生手続開始決定後の各期日を起点に逆算して動く必要がある(最新の運用状況をご確認ください)
学説
通説:118条の3は、DIP 型手続における債務者の経営自律と、債権者の情報アクセスとの均衡を、裁判所の相当性審査を介して調整する規定と解される。申出権者を委員会に限定するのは、個別債権者による濫用的な情報要求で再生が妨害されることを防ぐ趣旨と説明される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法制定(平成11年法律第225号)。和議法に代わる DIP 型再建手続として、債権者委員会を含む債権者関与の枠組みが整備された
- 民事再生法 第117条債権者委員会の承認、申出権の前提
- 民事再生法 第118条委員会の活動費用の償還
- 民事再生法 第118条の2債権者委員会に対する通知等
- 民事再生法 第125条本条が命じる報告義務の直接の根拠(第2項)
- 民事再生法 第54条監督委員、別経路の情報取得・監督手段
- 破産法 第146条破産手続における同種の報告命令申出の並行規定(現行効力を要確認)
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