民事再生法 第118条の2(再生債務者等の債権者委員会に対する報告義務)
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- 再生債務者等は、第百二十四条第二項又は第百二十五条第一項若しくは第二項の規定により報告書等(報告書、財産目録又は貸借対照表をいう。以下この条において同じ。)を裁判所に提出したときは、遅滞なく、当該報告書等を債権者委員会にも提出しなければならない。
- 2.再生債務者等は、前項の場合において、当該報告書等に第十七条第一項に規定する支障部分に該当する部分があると主張して同項の申立てをしたときは、当該部分を除いた報告書等を債権者委員会に提出すれば足りる。
この条文の基本情報
再生債務者等の債権者委員会に対する報告義務とは何ですか?
定義再生債務者等の債権者委員会に対する報告義務とは、民事再生法第118条の2に定められた規定で、「再生債務者等は、第百二十四条第二項又は第百二十五条第一項若しくは第二項の規定により報告書等(報告書、財産目録又は貸借対照表をいう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第118条の2(再生債務者等の債権者委員会に対する報告義務)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第118条の2の条文原文は「再生債務者等は、第百二十四条第二項又は第百二十五条第一項若しくは第二項の規定により報告書等(報告書、財産目録又は貸借対照表をいう。」で始まります。
- 民事再生法第118条の2は第四節 債権者集会及び債権者委員会に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第118条の2の前の条は民事再生法第118条です。
- 民事再生法第118条の2の次の条は民事再生法第118条の3です。
- 民事再生法第118条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第118条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第118条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/118_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法118条の2は、再生債務者等が裁判所に提出した財産目録・貸借対照表・報告書を、遅滞なく債権者委員会にも提出する義務を定める。支障部分は除いて提出できる。
Q · 取引先が民事再生に入ったら、債権者は相手の財務資料を見られるんですか?
債権者委員会に入れば裁判所と同じ財務資料が届きます
民事再生法118条の2により、再生債務者等が財産目録・貸借対照表・報告書を裁判所に提出したときは、遅滞なくこれらを債権者委員会にも提出しなければなりません。委員会に入れば、裁判官が見ているのと同じ財務資料を債権者側も手にできます。ただし第17条1項の支障部分(開示すると再建の妨げになる営業秘密など)は、申立てをすればその部分を除いて提出することが認められます(同条2項)。委員会がなければこの情報ルートは開きません。
解説
取引先が民事再生を申し立てた。あなたの会社はその相手に数百万円を売り掛けている。蚊帳の外で、相手の懐がどうなっているのか何も分からず、連絡をただ待つしかない。そこで効いてくるのが債権者委員会という仕組みだ。委員会が組まれていれば、再生債務者は裁判所に出した財産目録・貸借対照表・報告書を、遅滞なく委員会にも渡さなければならない(118条の2第1項)。裁判官が見ているのと同じ財務の中身を、債権者側も手にできる。ただし完全な丸見えではない。営業秘密のように開示すると再建の妨げになる部分(支障部分、17条1項)は、申立てをすれば伏せて提出できる(同条2項)。つまり、あなたの情報アクセスは透明性と再生の現実という二つの綱引きの上に乗っている。委員会の席があることを知っているかどうかで、見える景色がまるで変わる。
法的な位置づけ
民事再生法118条の2は、再生債務者等が財産目録・貸借対照表・報告書を裁判所に提出した際、遅滞なく同一の書類を債権者委員会にも提出する義務を定める規定である。第17条1項所定の支障部分については、当該部分を除いて委員会に提出することが認められる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.取引先の再生開始と委員会設置を確認 取引先の民事再生手続開始を知ったら、まず債権者委員会(117条)が設置されるか、自分が委員になれるかを早期に確認する。委員会がなければ118条の2の情報ルートは開かない
- 2.委員に就任し報告書等を受領 委員に就任すれば、財産目録・貸借対照表・報告書が遅滞なく届く(118条の2第1項)。資産の所在と残高、負債構造を読み込み、回収可能性を早期に把握する
- 3.支障部分の有無と正当性を精査 支障部分として伏せられた箇所があれば、その範囲が正当か委員会として問う。過大な黒塗りは「なぜ再生の支障になるのか」の説明を求め、裁判所の閲覧制限の当否(17条)に乗せる
- 4.財務資料を基に再生計画案への賛否を判断 受け取った財務資料を基に、再生計画案への賛否と債権回収戦略を組み立てる。担保権の交渉や別除権の扱いも数字を読んで先手を打つ
よくある質問 AI による整理
Q1民事再生法118条の2とは何ですか?
再生債務者等が裁判所に提出した財産目録・貸借対照表・報告書を、遅滞なく債権者委員会にも提出する義務を定めた規定です。支障部分は除いて提出できます。
Q2債権者委員会に提出される書類は何ですか?
報告書・財産目録・貸借対照表の三点で、条文では「報告書等」と総称されます。いずれも裁判所提出と同一の内容が委員会に届きます。
Q3報告書等はいつまでに債権者委員会に提出されますか?
裁判所に提出したときは「遅滞なく」委員会にも提出する義務があります。特定の日数の定めはありませんが、正当な理由のない遅延は許されません。
Q4支障部分とは何ですか?
開示すると再生に著しい支障を生じるおそれのある部分です(17条1項)。営業秘密や主要取引先名などが典型で、申立てにより委員会への提出を除外できます。
Q5財産目録と貸借対照表の違いは何ですか?
財産目録は個々の資産・負債を一覧化した明細、貸借対照表は資産・負債・純資産を総括した財務諸表です。どちらも再生手続の基礎資料です。
Q6債権者委員会が設置されないとどうなりますか?
118条の2の提出義務は委員会があることが前提のため、委員会が組まれない事件ではこの情報ルートは開きません。実務では未設置の再生事件も多くあります。
Q7民事再生と会社更生の違いは何ですか?
民事再生は経営陣が残るDIP型が原則で中小企業も使えます。会社更生は管財人が経営を握り大企業・株式会社向けで、担保権も手続に取り込まれる点が異なります。
Q8売掛金がある取引先が民事再生に入ったらどうすればいいですか?
まず債権者委員会が設置されるか、委員になれるかを早期に確認します。委員になれば118条の2で財務資料が届き、回収戦略や計画案の賛否判断に使えます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1債権者委員会って、希望すれば誰でも入れるんですか?
自動的に入れるわけではありません。債権者委員会は裁判所の承認で関与が認められ(117条)、一定数の債権者の同意などの要件があります。委員になれば118条の2で財産目録や貸借対照表が直接届きます。実務のポイント:実務では委員会が組まれない再生事件も多い。委員会がなければこの情報ルートは開かない。だからこそ、債権額の大きい債権者が早期に旗を振って委員会設置を主導するかどうかで、債権者全体の情報アクセスが左右される
Q2再生債務者が財務資料の都合の悪い部分を隠していたら、どうすればいいですか?
17条1項の支障部分として正規に伏せているのか、不当に隠しているのかをまず見極めます。正規の支障部分であっても、委員会はその範囲の妥当性を裁判所に問えます。実務のポイント:「支障部分」の名目で過大に黒塗りするケースは実際にある。委員会として「なぜこの部分が再生の支障になるのか」の説明を求め、裁判所の閲覧制限の当否(17条)の判断に持ち込めば、不当な非開示を剥がせることがある。多くの債権者はこの足場を知らず、黒塗りを鵜呑みにしてしまう
間違えやすい点 AI による整理
- 「再生手続に入ったら債権者は蚊帳の外」と思われがちだが、債権者委員会を組めば財産目録・貸借対照表・報告書が直接届く。情報格差は制度上、ある程度まで埋められる
- 委員会に資料が回ってくること自体は知っていても、それが「裁判所提出と同じ中身」である重みを見落としがちだ。再生債務者が裁判所に出す財務書類は手続の根幹であり、それと同等の情報が委員会の手に渡る意味は小さくない。読み方次第で計画案の賛否判断が一変する
- 「全部開示されるか、されないか」という問いの立て方そのものがずれている。17条の支障部分の申立てによって、債務者は一部を伏せられる。問うべきは「どの部分が伏せられ、それは正当か」であり、伏せたという事実自体が、委員会として裁判所の監督に乗せる足場になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 118条の2:報告書等を委員会にも提出する義務 | 124条・125条:報告書等を裁判所に提出する根拠 17条:支障部分の閲覧制限・提出免除 |
| 情報の宛先 | 債権者委員会(117条で設置) | 裁判所 閲覧を求める利害関係人一般 |
| 開示範囲 | 裁判所提出と同一、ただし支障部分は除外可 | 全部(手続の根幹資料) 支障部分は制限される |
| 履行のタイミング | 裁判所提出後「遅滞なく」 | 各条所定の時期 申立てにより随時 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の会社更生(重整)では関係人会議と重整監督人を通じて債権者に情報が共有される。委員会に財務資料を集約する発想は日本と近い
韓国は債務者回生法で채권자협의회(債権者協議会)を設け、管理人から資料・情報の提供を受ける仕組みを持つ点で日本と類似
ドイツの倒産手続では債権者委員会(Gläubigerausschuss)が管財人を監督し、報告・情報提供を受ける権限を持つ。委員会中心の監督構造が日本より制度化されている
米国 Chapter 11では creditors' committee が設置され、DIP・trustee に報告義務が課される。日本の民事再生法はこの DIP 型手続を参照している
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先の製造会社が民事再生に入り、あなたは800万円の売掛金を抱えた。債権者委員会の委員になれば、相手の財産目録と貸借対照表が遅滞なく回ってくる。資産がどこにいくら残っているかを早期に把握できれば、再生計画案への賛否や担保権の交渉で先手を打てる。読み込んだ債権者と、通知を待つだけの債権者では、回収の結末が変わる
- もし、再生債務者が裁判所には報告書を出したのに、委員会にはなかなか回してこなかったら? 118条の2は「遅滞なく」提出を義務付けている。正当な理由のない遅れは、委員会から裁判所へ伝え、再生手続の監督に反映させられる。情報を握られたまま手続だけ先に進む、という事態を防ぐ仕組みだ
- あなたが再生債務者側の経営者で、貸借対照表に主要取引先名や原価構造など、公開されれば再建の足を引っ張る情報が含まれているとする。17条1項の支障部分として申立てをすれば、その部分を伏せて委員会に提出できる。全部を晒すか沈黙するか、の二択ではない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取引先の再生手続開始を知ったら、債権者委員会(117条)が設置されるか、自分が委員になれるかを早期に確認する2. 委員になれば財産目録・貸借対照表・報告書が遅滞なく届く(118条の2第1項)、資産の所在と残高を読み込む3. 支障部分として伏せられた箇所があれば、その正当性を委員会として問い、裁判所の監督に乗せる4. 受け取った財務資料を基に、再生計画案への賛否と債権回収の戦略を組み立てる
訴えられた側:1. 裁判所に報告書等を提出したら、遅滞なく委員会にも提出する義務を忘れない、遅延は手続の監督上、不利に働く2. 開示すると再建の妨げになる情報(営業秘密、主要取引先名、原価構造)は、17条1項の支障部分として申立てをし、その部分を除いて委員会に出す3. 何を伏せるかは慎重に、過度な非開示は委員会と裁判所の信頼を損ね、手続全体に響く4. 申立代理人・監督委員と伏せる範囲を事前にすり合わせる
時効(請求できる期限):報告書等を裁判所に提出したときは「遅滞なく」委員会にも提出する義務(118条の2第1項)。特定の日数の定めはないが、「遅滞なく」は正当な理由のない遅延を許さない趣旨。支障部分の申立て(17条1項)は、当該資料の提出と併せて行う必要がある
学説
通説:118条の2は債権者委員会への情報提供により債権者の監視と判断を可能にする一方、17条の支障部分の仕組みで再建に不可欠な情報を保護し、透明性と再生可能性の均衡を一条の中で図る規定と理解される
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