民事再生法 第17条(支障部分の閲覧等の制限)
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- 次に掲げる文書等について、利害関係人がその閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この条において「閲覧等」という。)を行うことにより、再生債務者の事業の維持再生に著しい支障を生ずるおそれ又は再生債務者の財産に著しい損害を与えるおそれがある部分(以下この条において「支障部分」という。)があることにつき疎明があった場合には、裁判所は、当該文書等を提出した再生債務者等(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人。以下この項及び次項において同じ。)、監督委員、調査委員又は個人再生委員の申立てにより、支障部分の閲覧等の請求をすることができる者を、当該申立てをした者及び再生債務者等に限ることができる。
- 一第四十一条第一項(第八十一条第三項において準用する場合を含む。)、第四十二条第一項、第五十六条第五項又は第八十一条第一項ただし書の許可を得るために裁判所に提出された文書等
- 二第六十二条第二項若しくは第二百二十三条第三項(第二百四十四条において準用する場合を含む。)に規定する調査の結果の報告又は第百二十五条第二項若しくは第三項の規定による報告に係る文書等
- 2.前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、利害関係人(同項の申立てをした者及び再生債務者等を除く。次項において同じ。)は、支障部分の閲覧等の請求をすることができない。
- 3.支障部分の閲覧等の請求をしようとする利害関係人は、再生裁判所に対し、第一項に規定する要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、同項の規定による決定の取消しの申立てをすることができる。
- 4.第一項の申立てを却下した決定及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
- 5.第一項の規定による決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。
この条文の基本情報
支障部分の閲覧等の制限とは何ですか?
定義支障部分の閲覧等の制限とは、民事再生法第17条に定められた規定で、「次に掲げる文書等について、利害関係人がその閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この条において「閲覧等」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第17条(支障部分の閲覧等の制限)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第17条の条文原文は「次に掲げる文書等について、利害関係人がその閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この条において「閲覧等」という。」で始まります。
- 民事再生法第17条は第一章 総則に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第17条の前の条は民事再生法第16条です。
- 民事再生法第17条の次の条は民事再生法第18条です。
- 民事再生法第17条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第17条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第17条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/17
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法17条は、閲覧により事業再生に著しい支障が生じる支障部分について、申立てにより閲覧請求できる者を申立人と再生債務者本人に限定できると定める。
Q · 倒産した取引先の再生手続の書類、債権者なら全部見られるの?
原則は閲覧できるが支障部分だけは封印される
民事再生法17条により、閲覧すると事業の維持再生に著しい支障、または財産に著しい損害が生じるおそれのある「支障部分」については、再生債務者等や監督委員などの申立てで、閲覧できる者を申立人と再生債務者本人に限定できます。封印中は他の債権者は閲覧請求自体ができません(2項)。要件を欠くと考える債権者は、閲覧請求ではなく取消しの申立て(3項)と即時抗告(4項)で封印を解きにいきます。ただし取消し決定は確定して初めて効力を生じます(5項)。
解説
取引先が民事再生を申し立てた。あなたは債権者として、裁判所に提出された書類さえ見れば回収の見込みが分かると思っている。ところが肝心の部分が見られない。民事再生法17条がそれを許す。再生債務者や監督委員などが「この部分を見せたら事業の再建に著しい支障が出る、または財産に著しい損害が及ぶ」と疎明すれば、裁判所はその支障部分の閲覧を、申立人と再生債務者本人だけに限定できる。顧客名簿、取引条件、資産の評価、事業譲渡の交渉内容、これらが競合でもある債権者に渡れば、再建そのものが崩れる。だから法は透明性にあえて穴を開けた。ただし債権者側にも逆襲の手がある。要件を欠くと考えれば、取消しの申立て(3項)と即時抗告(4項)で封印を解きにいける。再生手続の書類は全部見られる、というあなたの前提は、この一条で崩れる。
法的な位置づけ
民事再生法17条は、再生手続における文書の閲覧等の制限を定める規定である。裁判所に提出された一定の文書について、閲覧により再生債務者の事業の維持再生に著しい支障または財産に著しい損害を生ずるおそれがある支障部分がある場合、申立てにより閲覧請求権者を申立人と再生債務者本人に限定できる。16条の閲覧原則に対する例外にあたる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.閲覧制限の決定書を取り寄せて封印範囲を特定 まず再生裁判所の閲覧制限決定書を確認し、どの書類(41条許可・62条報告・125条報告など)が、どの理由で封印されたかを特定する。封印の有無と理由は決定書に記載される
- 2.17条1項の要件を欠くか検討 支障部分が「事業の維持再生に著しい支障」または「財産に著しい損害」という高い要件を実際に満たすかを検討する。過大な封印は取消しの余地が大きい
- 3.再生裁判所へ取消しの申立て(3項) 閲覧請求ではなく、要件を欠くこと又は欠くに至ったことを理由に取消しの申立て(3項)を行う。封印中は閲覧請求自体ができない(2項)ため、要件を直接攻める一手だけが効く
- 4.却下時は即時抗告、相手の抗告にも備える 取消しを却下されたら即時抗告(4項)を告知日から1週間以内に行う。逆に取消しに勝っても、相手が即時抗告すれば取消し決定は確定まで効力を生じない(5項)ことを織り込む
よくある質問 AI による整理
Q1民事再生法17条の支障部分とは何ですか?
閲覧により再生債務者の事業の維持再生に著しい支障、または財産に著しい損害を生ずるおそれがある部分です。顧客名簿・単価表・資産評価・事業譲渡交渉などが典型で、疎明があれば裁判所が閲覧を限定できます。
Q2民事再生で債権者が書類を閲覧できないのはなぜですか?
17条により支障部分の閲覧制限が申し立てられた場合、閲覧請求権者が申立人と再生債務者本人に限定されるからです。競合でもある債権者に情報が渡ると再建が崩れるため、法が例外的に封印を認めています。
Q3閲覧制限の取消しはどうやって申し立てますか?
再生裁判所に対し、17条1項の要件を欠くこと、または欠くに至ったことを理由に取消しの申立て(3項)をします。封印中は閲覧請求そのものができないため、閲覧を求めるのではなく取消しを求めるのが正解です。
Q4民事再生法16条と17条の違いは何ですか?
16条は利害関係人による文書の閲覧・謄写を認める原則、17条はそのうち支障部分の閲覧を申立人と再生債務者本人に限定する例外です。17条は16条の透明性にあえて穴を開ける規定です。
Q5閲覧制限に対する即時抗告の期限はいつまでですか?
即時抗告は裁判の告知を受けた日から1週間の不変期間内です(18条による民訴332条準用)。この期間を過ぎると抗告できなくなるため、決定を受けたら早期に判断する必要があります。
Q6誰が閲覧制限を申し立てられますか?
文書を提出した再生債務者等(保全管理人が選任されていればその者)、監督委員、調査委員、個人再生委員に限られます。一般の債権者は申立権者ではありません。
Q7民事再生と破産で閲覧制限のルールは違いますか?
構造はほぼ同型です。破産法12条、会社更生法12条にも支障部分の閲覧等の制限が置かれており、いずれも透明性と財産価値・再建保護の均衡を図る規定です。
Q8支障部分の閲覧制限はいつ解除されますか?
要件を欠くに至れば取消しの申立て(3項)で解除を求められますが、取消し決定は確定して初めて効力を生じます(5項)。相手が即時抗告すれば確定まで封印は維持されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1倒産した取引先の裁判所提出書類って、債権者なら全部見られるんですよね?
原則は見られます。利害関係人は文書等の閲覧・謄写を請求できます(民事再生法16条)。ただし17条で、再生債務者や監督委員などが疎明すれば、支障部分の閲覧を申立人と再生債務者本人だけに限定できます。実務のポイント:封印されるのは41条許可・62条報告・125条報告などに絡む書類が多い。封印の有無と理由は決定書に書かれるので、まず決定書を取り寄せて、どの要件で何が伏せられたかを確認するのが回収判断の出発点になる
Q2封印された部分、どうしても見たいときはどうすればいいですか?
閲覧を直接求めても通りません。封印中は閲覧請求自体ができない(2項)からです。要件を欠くこと、または欠くに至ったことを理由に、再生裁判所へ取消しの申立て(3項)をし、却下されたら即時抗告(4項)します。実務のポイント:取消す決定は確定するまで効力を生じない(5項)。つまり取消しに勝っても、相手が即時抗告すれば確定まで封印は続く。再生計画の決議に間に合わせたいなら、疑った瞬間に動き出すスピードが結果を分ける
間違えやすい点 AI による整理
- 再生手続の記録は利害関係人なら全部閲覧できると思われているが、16条の原則に対して17条という例外がある。支障部分は申立人と再生債務者本人しか見られず、他の債権者は締め出される
- 封印できること自体は知っていても、その封印を解く決定が「確定するまで効力を生じない」(5項)という非対称を見落としている。債権者が取消しに勝っても、債務者が即時抗告すれば、決着がつくまで封印は維持されたままだ
- 「見せろと要求すればいい」と考える人がいるが、問いの立て方が違う。封印が有効な間は閲覧請求そのものができない(2項)。あなたが取るべき行動は閲覧請求ではなく、要件欠如を理由とする取消しの申立てだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 機能 | 民訴再生17条:支障部分の閲覧等を限定する例外 | 民訴再生16条:利害関係人による閲覧・謄写の原則 破産法12条:破産手続の支障部分の閲覧制限 |
| 閲覧請求権者 | 申立人と再生債務者本人のみ(2項で他は請求不可) | 利害関係人一般(債権者を含む) 申立人と破産者本人のみ |
| 発動要件 | 事業の維持再生に著しい支障 or 財産に著しい損害の疎明 | 利害関係を有すること 破産財団の管理・換価に著しい支障 or 著しい損害の疎明 |
| 対抗手段 | 取消しの申立て(3項)+即時抗告(4項)、5項の確定要件 | 特になし(原則閲覧可) 破産法上の取消し申立て・即時抗告 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は卷宗閲覧の一般規律の中で秘密保護に基づく閲覧制限を認めるが、倒産手続に特化した支障部分制度は日本ほど明文化されていない
韓国も統合倒産法の中で記録閲覧の原則と制限を置き、営業秘密・再建保護の観点は日本と類似する
ドイツは倒産法が民訴の閲覧規定を準用し、正当な利益に基づく閲覧制限を認める。営業秘密保護の枠組みは共通する
米国倒産法は記録の公開原則を採りつつ、§ 107(b) で trade secret・confidential commercial information を封印できる protective order を認め、本条と同型の均衡を図る
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし倒産した取引先の再生計画の根拠資料に、肝心の資産評価だけ閲覧制限がかかっていたら? 会社が本当に返せないのか、それとも資産を隠しているのか、見えないまま回収方針の判断を迫られる。要件を欠くと思えば、取消しを申し立てて封印をこじ開けにいける
- あなたの会社が再生を申し立てた側だとする。監督委員に提出する報告書に、最大の取引先との単価表が含まれている。これが競合でもある別の債権者に渡れば、再建の前提が崩れる。17条で支障部分の閲覧制限を申し立て、著しい支障を示す疎明資料を揃える
- 封印を解く決定がやっと出た。だが相手が即時抗告すれば、確定までは結局見られない。あと1週間、抗告の有無を見極める
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず閲覧制限の決定書を確認し、どの書類(41条許可・62条報告・125条報告など)が、どの理由で封印されたかを特定2. 著しい支障・著しい損害という要件を欠くと考えるなら、再生裁判所に取消しの申立て(3項)。封印中は閲覧請求自体ができない(2項)ので、閲覧を求めるのではなく取消しを求める3. 取消しを却下されたら即時抗告(4項)。逆に相手が抗告してきたら、取消し決定は確定まで効力を生じない(5項)ことを織り込んで動く4. 急ぐなら倒産実務に強い弁護士へ、疎明への反証材料を揃える
訴えられた側:1. 封印したい部分が、閲覧により事業の維持再生に著しい支障、または財産に著しい損害を生むことを示す疎明資料を準備(顧客名簿・単価表・資産評価・事業譲渡交渉など) 2. 申立権者は再生債務者等・監督委員・調査委員・個人再生委員に限られるので、自分が該当するか確認3. 支障部分は必要最小限に特定する、過大な封印は取消しのリスクを高める4. 取消しの申立てが出たら、即時抗告と5項(確定まで効力不発生)を使い、決着まで封印を維持する戦略を組む
時効(請求できる期限):即時抗告は裁判の告知を受けた日から1週間の不変期間内(民事再生法18条による民事訴訟法332条準用)。取消しの申立て(3項)自体に明文の期限はなく、要件を欠く状態が続く限り可能。取消す決定は確定して初めて効力を生じる(5項)ため、相手の即時抗告期間が過ぎるまで封印は解けない(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:17条の閲覧制限は、16条の閲覧原則に対する限定的例外であり、著しい支障・著しい損害という高い要件と疎明の要求により、手続の透明性と事業再建・財産価値保護の均衡を図る規定と解される。支障部分は必要最小限に特定されるべきである。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法(平成11年法律第225号)の制定に伴い新設。旧和議法を廃止し、再建型倒産手続の中で文書閲覧の原則(16条)と支障部分の閲覧制限(17条)を整備した。
- 民事再生法 第16条文書等の閲覧等の原則、本条が定める例外の前提
- 民事再生法 第41条事業譲渡等の許可、支障部分を含みうる提出書類
- 民事再生法 第62条監督委員等の調査結果報告、対象文書の一つ
- 民事再生法 第125条監督委員の報告、対象文書の一つ
- 民事訴訟法 第92条訴訟記録中の秘密記載部分の閲覧制限、普通手続の同型制度
- 破産法 第12条支障部分の閲覧等の制限、破産手続の対応規定
- 会社更生法 第12条支障部分の閲覧等の制限、更生手続の対応規定
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