管理命令が発せられた場合における再生債務者が法人であるときのその理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者は、再生債務者に対して報酬を請求することができない。
要点民事再生法76条の2は、管理命令が発せられた場合、再生債務者である法人の取締役・監査役等が報酬を請求できないと定める。経営権が管財人へ移った旧経営陣の報酬を遮断する規定である。
Q · 民事再生に入ったら、社長や取締役の報酬はもう出ないんですか?
原則は経営権喪失後は請求不可。ただし発令前の未払報酬は再生債権として残ります。
民事再生は本来 DIP 型で経営陣が残り報酬も出るのが原則です。報酬が止まるのは、裁判所が管理命令を出して経営権を管財人へ移した例外的な場合で、そのとき民事再生法76条の2により取締役・監査役・清算人等の報酬請求権が消えます。ただし遮断されるのは発令後の報酬で、発令前に発生した未払報酬は再生債権として存続し、債権届出期間内に届け出れば再生計画に基づく弁済を受けられます。
あなたが会社の取締役で、その会社が民事再生に入ったとする。多くの経営者はこう考える。民事再生は会社更生と違って経営陣が残れる「DIP 型」だから、自分は取締役として残り、報酬も従来どおりもらえる、と。ここに落とし穴がある。裁判所が「この経営陣に任せておけない」と判断して管理命令(再生債務者から経営権を取り上げ、管財人に委ねる裁判所の命令)を出すと、業務遂行権と財産管理処分権は管財人に丸ごと移る。そのとき 76条の2 が効く。取締役・監査役・清算人といった旧経営陣は、肩書きこそ残るが、再生債務者に対して報酬を請求できなくなる。働く権限を奪われた者が、債権者へ返すべき原資から報酬を取ることは許されない、という理屈だ。つまり管理命令は、経営権を奪うと同時に給料も止める二段構えの装置として機能する。あなたが知っておくべきは、これが民事再生では例外的措置であり、裏を返せば管理命令を回避できる限り経営陣は報酬を維持できる、という交渉の余地だ。
民事再生法76条の2は、管理命令が発せられた場合において、再生債務者が法人であるときの理事・取締役・執行役・監事・監査役・清算人またはこれらに準ずる者が、再生債務者に対して報酬を請求することができない旨を定める規定である。管理命令により業務遂行権および財産管理処分権が管財人へ専属することに伴い、旧経営陣の報酬請求権を遮断する点にその内容がある。
裁判所が再生債務者から業務遂行権と財産管理処分権を取り上げ、管財人に委ねる命令です(民事再生法64条)。発令されると旧経営陣は経営権を失います。
民事再生は原則 DIP 型で経営陣が残るのに対し、会社更生は原則として管財人が経営を担います。民事再生でも管理命令が出れば管財人型に近づきます。
Debtor In Possession の略で、経営陣が引き続き会社を経営しながら再生を図る型です。民事再生の原則形態で、管理命令はその例外にあたります。
再生債務者の財産管理・処分が失当であるなど、経営陣に委ねると債権者の利益を害するおそれがある場合に、裁判所が利害関係人の申立てまたは職権で発令します。
管理命令の発令時点を境に、将来に向けて報酬請求権が消えます。発令日が起算点で、発令前に生じた未払報酬は再生債権として残ります。
旧経営陣の会社に対する損害賠償責任を、裁判所が通常訴訟によらず簡易・迅速に確定する手続です。管理命令下では旧役員がこの調査対象になり得ます。
即時抗告を検討できます。ただし発令前であれば、財産管理が失当でないことを疎明して発令自体を阻止する方が、報酬請求権を守る上で合理的です。
管理命令がなければ登記上も職務上も残り、報酬も従来どおり出ます。管理命令が出ると肩書きは残りますが業務遂行権と報酬請求権を失います。
原則は逆です。民事再生は DIP 型といって経営陣が残り、報酬も従来どおり出るのが通常です。報酬が止まるのは、裁判所が管理命令(64条)を出して経営権を管財人に移した例外的な場合だけ。そのとき 76条の2 で取締役等の報酬請求権が消えます。業界裏話ヒント:だからこそ債権者やその代理人弁護士は、経営陣を牽制したいとき『管理命令を申し立てる』とほのめかす。これは経営権と給料を同時に奪う最強のカードで、口に出された時点で交渉の力学が一変する
諦める必要はありません。76条の2 が消すのは発令後の報酬請求権で、発令前にすでに発生していた未払報酬は再生債権として残ります。債権届出期間内に届け出れば、再生計画に基づく弁済を受けられます。業界裏話ヒント:ただし役員の未払報酬は一般の再生債権として大幅にカットされることが多く、経営責任を問われる立場だと裁判所の心証も厳しい。発令の足音が聞こえた時点で確定と届出を済ませておくかどうかで、回収率は段違いです
払ってはいけません。76条の2 は発令後の報酬請求権を明確に否定しており、これに反して支払えば、財産を不当に流出させたとして管財人自身が善管注意義務違反と損害賠償責任を問われます。業界裏話ヒント:旧経営陣の協力が再生に不可欠なケースもありますが、その対価は『報酬』ではなく、裁判所の許可を得た費用や実費の形で処理するのが実務。報酬と協力対価を混同すると、あとで責任追及の火種になります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 76条の2:管理命令下の旧経営陣の報酬請求権を遮断 | — |
| 作用の対象 | 理事・取締役・監査役・清算人等の報酬請求権 | — |
| 適用の前提 | 管理命令が発せられ、再生債務者が法人であること | — |
| 誤解しやすい点 | 地位(登記)は残るが報酬請求権は消える | — |
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