民事再生法 第170条(債権者集会が開催される場合における議決権の額の定め方等)
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- 裁判所が議決権行使の方法として第百六十九条第二項第一号又は第三号に掲げる方法を定めた場合においては、再生債務者等又は届出再生債権者は、債権者集会の期日において、届出再生債権者の議決権につき異議を述べることができる。ただし、第百四条第一項の規定によりその額が確定した届出再生債権者の議決権については、この限りでない。
- 2.前項本文に規定する場合においては、議決権者は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額に応じて、議決権を行使することができる。
- 一第百四条第一項の規定によりその額が確定した議決権を有する届出再生債権者確定した額
- 二前項本文の異議のない議決権を有する届出再生債権者届出の額
- 三前項本文の異議のある議決権を有する届出再生債権者裁判所が定める額。ただし、裁判所が議決権を行使させない旨を定めたときは、議決権を行使することができない。
- 3.裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも前項第三号の規定による決定を変更することができる。
この条文の基本情報
債権者集会が開催される場合における議決権の額の定め方等とは何ですか?
定義債権者集会が開催される場合における議決権の額の定め方等とは、民事再生法第170条に定められた規定で、「裁判所が議決権行使の方法として第百六十九条第二項第一号又は第三号に掲げる方法を定めた場合においては、再生債務者等又は届出再生債権者は、債権者集会の期日において、…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第170条(債権者集会が開催される場合における議決権の額の定め方等)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第170条の条文原文は「裁判所が議決権行使の方法として第百六十九条第二項第一号又は第三号に掲げる方法を定めた場合においては、再生債務者等又は届出再生債権者は、債権者集会の期日において、…」で始まります。
- 民事再生法第170条は第三節 再生計画案の決議に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第170条の前の条は民事再生法第169条の2です。
- 民事再生法第170条の次の条は民事再生法第171条です。
- 民事再生法第170条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第170条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第170条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/170
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法170条は、債権者集会の議決権の額を確定額・届出額・裁判所が定める額の三区分で定める。異議があれば裁判所が査定し、行使させない旨も定めうる。
Q · 民事再生で自分の議決権に異議を出されたら、もう投票できないの?
異議が出れば裁判所が額を定め、ゼロにもなり得ます
民事再生法170条により、議決権の額は三区分で決まります。104条で額が確定した債権者は確定額、異議のない届出債権者は届出額、異議のある債権者は裁判所が定める額で議決権を行使します。裁判所が「議決権を行使させない」と定めればゼロになりますが、異議があれば必ずゼロというわけではありません。さらに3項により、裁判所は利害関係人の申立てまたは職権でこの決定をいつでも変更できるため、追加の疎明資料を出して議決権を回復できる余地があります。
解説
取引先が民事再生を申し立て、あなたは800万円の売掛金を抱えた債権者になった。再生計画案に賛成か反対か、その投票で回収の運命が決まる。ところが投票の場では、再生債務者側や他の債権者が「あの債権者の議決権の額はおかしい」と異議を述べることができる。民事再生法170条は、債権者集会での議決権の額を三つに振り分ける。104条で額が確定した債権者はその確定額、異議が出なかった債権者は届出の額、そして異議が出た債権者は裁判所が定める額。最悪の場合、裁判所が「議決権を行使させない」と決めれば、あなたは一票も投じられない。さらに3項では、裁判所はいつでもこの額の決定を変更できる。あなたの票の重みは固定されていない。異議という一言と、裁判所の裁量で動く。
法的な位置づけ
民事再生法170条は、債権者集会における議決権の額の算定を定める規定である。裁判所が一定の議決権行使方法を採る場合、104条で額が確定した債権者は確定額、異議のない届出再生債権者は届出額、異議のある債権者は裁判所が定める額により議決権を行使する。裁判所は行使させない旨を定めることもでき、当該決定はいつでも変更しうる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分の届出額が確定済みか確認 債権者集会の案内が届いたら、まず自分の届出債権が104条で確定済みか、まだ異議の対象になり得るかを確認する。確定していれば議決権に異議を述べられず安定するが、未確定なら査定リスクがある
- 2.債権額を裏付ける疎明資料を揃える 契約書・注文書・納品書・請求書・残高確認書など、債権額を裏付ける資料を期日までに整える。異議が出た場合、その場で裁判所に疎明できるかどうかで査定額が大きく変わる
- 3.債権者集会の期日に出席し異議へ備える 期日に出席し、自分の議決権に異議が出たらその場で疎明資料を提出する。逆に相手方の過大な議決権を削りたい場合は、具体的根拠を示して期日にその場で異議を述べる(170条1項)
- 4.低く査定されたら決定変更を申し立てる 裁判所に議決権を低く査定された場合でも諦めず、追加資料を添えて170条3項に基づく決定変更を申し立てる。再生計画案の可決前であれば議決権を回復できる余地がある
よくある質問 AI による整理
Q1民事再生の議決権とは何ですか?
債権者集会で再生計画案の賛否を投じる権利です。額は債権額に応じて算定され、可決に必要な多数決を構成します。民事再生法170条が議決権の額の決め方を定めています。
Q2議決権の額はどうやって決まりますか?
104条で確定した債権者は確定額、異議のない届出債権者は届出額、異議のある債権者は裁判所が定める額です(170条2項)。三区分で振り分けられます。
Q3確定した債権にも異議を出せますか?
出せません。104条1項で額が確定した議決権については異議を述べられません(170条1項ただし書)。確定前の債権のみが異議の対象です。
Q4議決権の異議はいつ述べればいいですか?
債権者集会の期日において述べる必要があります(170条1項)。この期日を逃すと異議の機会は失われ、相手の議決権はそのまま計上されます。
Q5裁判所が定めた議決権の額は後で変わりますか?
変わり得ます。170条3項により、裁判所は利害関係人の申立てまたは職権で、いつでも議決権額の決定を変更できます。可決前なら回復の余地があります。
Q6「議決権を行使させない」とはどういう意味ですか?
異議のある債権者について、裁判所が議決権をゼロと定めることです(170条2項3号ただし書)。この場合、計画案の賛否に一票も投じられません。
Q7届出額と確定額の違いは何ですか?
届出額は債権者が届け出た額、確定額は調査手続で異議等がなく104条により確定した額です。確定額は異議の対象外で、議決権が安定します。
Q8再生計画の可決にはどれだけの議決権が必要ですか?
出席議決権者の過半数かつ議決権総額の2分の1以上の同意が原則です(172条の3)。議決権の額は可決の成否を直接左右します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1取引先が倒産して債権者集会の案内が来たけど、行かないとどうなりますか?
出席しなくても債権自体は消えないが、議決権を行使できず、再生計画案の賛否にあなたの意思が反映されない(170条2項)。委任状による代理行使や書面等投票が認められる場合もある。実務のポイント:欠席する大口債権者がいると、出席した少数派の票で計画が可決されることがある。逆に出席して異議や反対を述べる債権者は、その存在感だけで再生債務者から和解的な条件を引き出す。欠席は権利放棄に近い
Q2うちの債権額に異議を出されました。もう議決権はゼロですか?
ゼロとは限らない。異議があっても裁判所が議決権の額を定める(170条2項3号)。「行使させない」と決まった場合のみゼロになる。さらに3項で後から決定の変更も申し立てられる。実務のポイント:裁判所の査定は、その場で出した疎明資料の説得力で大きく変わる。異議を予想して契約書や残高確認書を準備していた債権者と、手ぶらの債権者では、同じ債権額でも査定が分かれる。異議は終わりではなく疎明勝負の始まり
間違えやすい点 AI による整理
- 届出をすればその額で当然に投票できると思いがちだが、知っておくべきはその額が異議で覆る点だ。届出800万でも、異議が出て裁判所が200万と査定すれば、投票の重みは4分の1に縮む。届出は出発点であって、確定ではない
- あなたから見れば「正当な債権だから当然投票できる」だが、再生債務者側から見れば「議決権を削れば計画を通しやすくなる相手」である。この視点の落差が、あなたの一票を狙い撃ちの対象にする
- 「異議を出されたら終わり」と問いを立てがちだが、その問い自体が誤っている。異議が出ても議決権がゼロになるとは限らず、裁判所が額を定める(170条2項3号)。さらに3項で後から変更も可能。勝負は異議の有無ではなく、裁判所への疎明の質で決まる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 170条:債権者集会での議決権の額の算定 | 104条:調査手続での再生債権額の確定 169条:議決権行使の方法の決定 |
| 異議の可否 | 確定前の議決権に異議可(期日に述べる) | 調査期間内の書面による異議 異議の対象ではなく行使方法の枠組み |
| 確定・変更 | 3項で裁判所がいつでも決定を変更可 | 異議等がなければ額が確定し覆らない 裁判所が方法を選択し集会運営を規律 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の会社更生(重整)では関係人会議で組別に表決権を行使し、債権額に応じて重みが決まる点が日本の議決権査定と機能的に対応する
韓国の統合倒産法(DRBA)も回生債権者の議決権を債権額に応じて算定し、争いのある議決権は裁判所が定める点で日本と類似する
ドイツ倒産法は議決権につき争いがある場合、債権者集会での合意または裁判所の決定によることとし、日本の裁判所査定と近い構造をとる
米国 Chapter 11は allowed claim の額に応じて議決権を認め、争いのある債権は temporary allowance(Rule 3018)で仮の議決権額を定める点が本条3項の随時変更と対応する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先が民事再生を申し立て、債権者集会の期日まであと10日。あなたの届出債権800万に対し、再生債務者が異議を出す構えだ。今のうちに契約書、納品書、請求書を揃えて疎明できなければ、裁判所はあなたの議決権を低く査定し、計画案にあなたの声は届かない
- もし、あなたの議決権に異議が出て、裁判所が「行使させない」と決めたら? その期日、あなたは計画案の賛否に一票も投じられない。多数派が決めた再生計画を、ただ見届けるだけになる
- あなたが再生債務者の側で、反対派の大口債権者の議決権を削りたい。その債権額に争いがあるなら、集会の期日で異議を述べ、裁判所に低い査定を疎明する。相手の一票の重みを下げることが、計画可決の生命線になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 債権者集会の案内が届いたら、自分の届出額が104条で確定済みか、異議の対象になりうるかを確認2. 確定していないなら、契約書・注文書・納品書・請求書・残高確認書など債権額を裏付ける資料を期日までに揃える3. 期日に出席し、自分の議決権に異議が出たらその場で疎明、低く査定されそうなら追加資料を提出4. それでも低く査定されたら、3項に基づき決定変更の申立てを準備し、計画案の可決前に動く
訴えられた側:1. 反対派・大口債権者の届出債権に額の争いがあるか精査、契約の不存在・既弁済・相殺など減額事由を洗い出す2. 債権者集会の期日に、対象債権者の議決権につき具体的根拠を示して異議を述べる(170条1項) 3. 裁判所に低い査定または不行使を疎明、ただし確定済み債権(104条1項)には異議できない点に注意4. 査定後も相手が変更申立てをしてくる可能性があるので、根拠資料を保全しておく
時効(請求できる期限):議決権への異議は、債権者集会の期日において述べなければならない(170条1項)。この期日を逃すと異議の機会は失われる。ただし裁判所の議決権額の決定は、3項により利害関係人の申立てまたは職権で、計画案の可決前であればいつでも変更されうる
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