民事再生法 第174条(再生計画の認可又は不認可の決定)
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- 再生計画案が可決された場合には、裁判所は、次項の場合を除き、再生計画認可の決定をする。
- 2.裁判所は、次の各号のいずれかに該当する場合には、再生計画不認可の決定をする。
- 一再生手続又は再生計画が法律の規定に違反し、かつ、その不備を補正することができないものであるとき。ただし、再生手続が法律の規定に違反する場合において、当該違反の程度が軽微であるときは、この限りでない。
- 二再生計画が遂行される見込みがないとき。
- 三再生計画の決議が不正の方法によって成立するに至ったとき。
- 四再生計画の決議が再生債権者の一般の利益に反するとき。
- 3.第百十五条第一項本文に規定する者及び労働組合等は、再生計画案を認可すべきかどうかについて、意見を述べることができる。
- 4.再生計画の認可又は不認可の決定があった場合には、第百十五条第一項本文に規定する者に対して、その主文及び理由の要旨を記載した書面を送達しなければならない。
- 5.前項に規定する場合には、同項の決定があった旨を労働組合等に通知しなければならない。
この条文の基本情報
再生計画の認可又は不認可の決定とは何ですか?
定義再生計画の認可又は不認可の決定とは、民事再生法第174条に定められた規定で、「再生計画案が可決された場合には、裁判所は、次項の場合を除き、再生計画認可の決定をする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第174条(再生計画の認可又は不認可の決定)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第174条の条文原文は「再生計画案が可決された場合には、裁判所は、次項の場合を除き、再生計画認可の決定をする。」で始まります。
- 民事再生法第174条は第四節 再生計画の認可等に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第174条の前の条は民事再生法第173条です。
- 民事再生法第174条の次の条は民事再生法第174条の2です。
- 民事再生法第174条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第174条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第174条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/174
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法174条は、可決された再生計画を裁判所が認可するか審査する規定。法律違反で補正不能・遂行不能・不正決議・一般の利益に反する場合は不認可となる。
Q · 債権者集会で再生計画が可決されたら、もう確定なの?
可決だけでは確定せず、裁判所の認可決定が必要です
民事再生法174条により、再生計画案が可決されても裁判所の認可決定が別途必要です。手続・計画が法律違反で補正できない、遂行の見込みがない、不正の方法で決議が成立した、再生債権者の一般の利益に反する—この四つのいずれかに該当すれば不認可となります。特に「一般の利益に反する」とは、破産した場合の配当(清算価値)を計画の弁済が下回ることを指し、少数債権者はこの点を数字で示して認可を争えます。
解説
取引先のメーカーが民事再生を申し立て、あなたの会社が抱える売掛金800万円が宙に浮いた。債権者集会で再生計画案が可決された、それで安心するのは早い。最後の関門は裁判所の認可決定だ。174条は、計画案が可決されても裁判所が認可しない四つの場合を定める。手続が法律違反で補正できないとき、計画の遂行見込みがないとき、決議が不正の方法で成立したとき、そして決議が再生債権者の一般の利益に反するとき。つまり、多数決で押し切られた少数債権者にとって、ここが最後の反撃ポイントになる。可決された計画であっても、あなたが裁判所に「この計画では破産配当より自分の取り分が少ない」と数字で示せれば、認可は覆りうる。多数決の結果を、裁判所の独立審査がもう一度ふるいにかける構造になっている。
法的な位置づけ
民事再生法174条は、可決された再生計画案に対する裁判所の認可・不認可決定を定める規定である。原則として認可されるが、手続または計画の法律違反が補正不能なとき、計画の遂行見込みがないとき、決議が不正の方法で成立したとき、再生債権者の一般の利益に反するときは、裁判所は不認可の決定をする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.破産した場合の配当(清算価値)を試算する 取引先の倒産通知が届いたら、まず「もし破産手続だったら自分にいくら配当されたか」を試算する。この清算価値が、再生計画が有利か不利かを測る唯一の物差しになる
- 2.再生計画案と清算価値を突き合わせる 送られてきた再生計画案の自分への弁済率・弁済額を、清算価値の試算と比較する。計画の取り分が清算価値を下回っていれば「一般の利益に反する」という認可阻止の根拠になる
- 3.可決後・認可決定前に裁判所へ意見を述べる 動く窓は可決の後、認可決定が出る前のこの一瞬(174条3項)。「清算価値を下回り、一般の利益に反する」と書面で主張する。届出債権者なら債権額の大小に関係なく意見を述べられる
- 4.それでも認可されたら即時抗告する 認可決定が出たら、公告が効力を生じた日から起算する短い期間内に即時抗告を申し立てる(175条)。抗告理由は清算価値保障原則違反と遂行可能性の欠如に絞り、的を散らさない
よくある質問 AI による整理
Q1再生計画の認可とは何ですか?
可決された再生計画に法的効力を与えるため、裁判所が四つの不認可事由に該当しないかを審査して行う決定です(民事再生法174条)。認可決定が確定して初めて計画は効力を生じます。
Q2再生計画が不認可になるのはどんな場合ですか?
手続・計画が法律違反で補正できない、計画の遂行見込みがない、決議が不正の方法で成立した、再生債権者の一般の利益に反する、の四つのいずれかに該当する場合です(174条2項)。
Q3清算価値保障原則とは何ですか?
再生計画による弁済が、破産した場合の配当(清算価値)を下回ってはならないとする原則です。下回れば「一般の利益に反する」として不認可事由になります。
Q4再生計画の認可決定に不服がある場合はどうすればいいですか?
認可・不認可の決定には即時抗告ができます(175条)。決定の公告が効力を生じた日から起算する短い期間内に申し立てる必要があり、遅れると計画が確定します。
Q5民事再生と会社更生の違いは何ですか?
民事再生は経営陣が残る DIP 型で中小企業・個人も使えます。会社更生は原則管財人が経営権を握り大規模株式会社向けです。認可審査の枠組みは会社更生法199条が対応します。
Q6再生計画はいつ効力が発生しますか?
認可決定が出た時点ではなく、即時抗告期間を経て認可決定が確定した時に効力を生じます(176条)。認可後もしばらくは不確定な状態が続きます。
Q7「再生債権者の一般の利益に反する」とはどういう意味ですか?
再生計画による扱いが、破産手続で清算した場合の配当(清算価値)を下回る状態を指します。清算価値保障原則違反を意味し、174条2項4号の不認可事由です。
Q8労働組合は再生手続で意見を言えますか?
言えます。174条3項は労働組合等に再生計画案を認可すべきかについての意見陳述権を保障し、5項は決定があった旨の通知を義務づけています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1債権者集会で反対したのに可決されてしまいました。もう打つ手はないんですか?
まだあります。可決されても認可決定の前なら裁判所に意見を述べられます(民事再生法174条3項)。破産していたら受け取れた配当額(清算価値)より計画の取り分が少ないと示せれば、「一般の利益に反する」として不認可を求められます。実務のポイント:弁護士は「清算価値保障原則」という言葉を知っていますが、債権者にわざわざ教えません。破産時の配当試算を自分で握っているかどうかで、認可手続での発言力がまるで変わります
Q2再生計画が認可されたら、私の債権カットはいつ確定するんですか?
認可決定が出ただけでは確定しません。即時抗告期間が過ぎて決定が確定し、その時点で再生計画が効力を生じます(民事再生法176条)。つまり認可後もしばらくは不確定です。実務のポイント:認可決定の確定前と後では、できることが全く違います。確定前なら即時抗告で争えますが、確定後は原則覆せません。送達された決定書の日付から抗告期限を真っ先に逆算するのが鉄則です
Q3うちは小さな下請けで、額も大きくありません。意見を言っても無駄では?
額の大小は関係ありません。174条3項は届出再生債権者に意見陳述権を保障しており、一人でも「清算価値を下回る」と立証すれば裁判所は審査せざるを得ません。実務のポイント:実務では、少数債権者の異議が引き金で計画が修正されることがあります。裁判所は不認可より「修正のうえ再可決」を促す運用を好むため、声を上げること自体が計画内容を動かすテコになります(最新の運用をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「債権者集会で可決されたら計画は確定」と思われているが、可決はあくまで前提条件にすぎない。裁判所の認可決定が確定して初めて計画は効力を生じる(民事再生法176条)。可決と認可と確定、この三段階を一緒くたにすると、いつ何ができるかを見誤る
- あなたから見れば「多数が賛成したのだから従うしかない」だが、法律から見れば話は別だ。多数決が「不正の方法」で成立したり「再生債権者の一般の利益に反する」なら、裁判所は可決された計画でも認可しない。多数の賛成は、裁判所の審査を免除しない。この落差を知らない少数債権者が泣き寝入りする
- 「不認可になることはめったにない」のは事実だが、その意味を取り違えてはいけない。不認可が稀なのは、認可基準を満たさない計画は集会にかかる前に修正・取下げされるからだ。一度可決まで進んだ計画は確かに認可されやすい、だからこそ少数債権者が動く勝負どころは可決の前後、ここしかない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 段階・役割 | 174条:可決された計画を裁判所が認可審査 | 172条の3:計画案の可決要件(頭数・債権額) 176条:認可決定確定による効力発生 |
| 判断者 | 裁判所(独立審査) | 債権者集会(多数決) 期間経過による確定 |
| 少数債権者が動くポイント | 可決後・認可決定前の意見陳述(174条3項) | 集会での反対票・議決権行使 認可決定への即時抗告(175条) |
| キーワード | 一般の利益に反する/清算価値保障 | 可決要件・議決権額 効力発生・権利変更(178条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も裁判所が重整計画を認可する構造。少数債権者保護の観点は共通するが、消費者は別に消費者債務清理條例の更生方案認可による
韓国の統合倒産法も裁判所による回生計画の認可(인가)を要し、清算価値保障(清算価値以上の弁済)を要件とする点で日本と近い
ドイツは倒産計画を裁判所が確認(Bestätigung)。少数派保護(Minderheitenschutz, § 251)で清算価値を下回らないことを要件とする
米国 Chapter 11の confirmation は best interests of creditors test(清算価値以上)と feasibility(遂行可能性)を要求し、日本174条の直接のモデル
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの会社が下請けで、元請けが民事再生に入り、再生計画で債権が7割カットと書かれていたら? 計画が可決されても、認可決定の前なら裁判所に意見を述べられる(174条3項)。破産だったらいくら配当されたかを試算し、それより不利なら「一般の利益に反する」と主張できる。物差しを先に握った側が強い
- あなたが中小企業の経営者で、自社の再生計画案を債権者集会で可決まで漕ぎ着けた。だが安心するのは早い。スポンサーの資金繰りが崩れて「遂行の見込みがない」と判断されれば、裁判所は不認可にする。可決はゴールではなく、認可という最終審査の入口にすぎない
- 再生計画が可決された、その日に勝った気でいた。だが裁判所の認可決定が確定するまで、計画に法的効力は生じない。可決と認可と確定は別物だ
- 認可決定の送達を受け取った。不服なら即時抗告できるが、公告から起算する期間はごく短い。数日の遅れで計画は確定し、あなたの債権カットも一緒に確定する。今週中に弁護士と抗告理由を固めないと間に合わない
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず破産した場合の配当見込み(清算価値)を試算する、これが認可阻止の物差しになる2. 再生計画案が清算価値を下回るなら、可決後・認可決定前に裁判所へ意見を述べる(174条3項)、書面で「一般の利益に反する」と主張3. それでも認可されたら、公告から起算する短い期間内に即時抗告(175条) 4. 抗告理由は清算価値保障原則違反・遂行可能性の欠如に絞る、的を散らさない
訴えられた側:1. 計画案の段階で、全債権者が破産時より有利になること(清算価値保障)を数字で立証できるよう準備2. スポンサー資金・事業計画の裏付けを固め「遂行の見込みがない」と判断される隙を消す3. 決議手続を法令どおり厳格に運用、軽微でない手続違反は補正不能で不認可になる4. 労働組合等への意見聴取・通知(174条3項・5項)を漏らさず履行する
時効(請求できる期限):認可・不認可の決定に対する即時抗告は、原則として決定の公告が効力を生じた日から起算して2週間以内(民事再生法175条・9条、最新の改正状況をご確認ください)。再生計画は認可決定が確定した時に効力を生じる(同法176条)
学説
通説:174条2項4号「再生債権者の一般の利益に反する」は清算価値保障原則を意味し、再生計画による弁済が破産時の配当(清算価値)を下回れば不認可事由になると解される。遂行可能性(同項2号)と並び、認可審査の実質的要件の中核とされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法制定(平成11年法律第225号)。旧和議法を廃止し、DIP 型再建手続として174条に認可・不認可の枠組みと四つの不認可事由、労働組合等の意見陳述権・通知を規定
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