要点民事再生法 174 条の 2 は、一部のクラスが再生計画に反対しても、裁判所が破産配当見込額の支払い等の保護条項を定めて認可できるクラムダウンを規定する。
Q · うちのクラスが再生計画に反対すれば、計画は潰せるんですか?
潰せません。裁判所が保護条項を定めて認可できます
民事再生法 174 条の 2 により、再生債権者と約定劣後再生債権者のクラスの一方が同意しなくても、裁判所は破産配当見込額の支払い等の公正かつ衡平な保護条項を定めて計画を認可できます(クラムダウン)。さらに第 2 項では、反対が明らかなクラスについて、計画案作成者の申立てにより議決権そのものを事前に剥奪する許可を得られます。反対は計画を止める拒否権ではなく、清算価値保障の中身を巡る交渉カードに姿を変えます。守られるのは票ではなく破産配当相当額という最低保障です。
劣後特約付きの貸付をしていた取引先が民事再生に入った。あなたは「うちの債権クラスが反対すれば、この計画は止められる」と踏んでいる。だがこの条文を読むと、その前提が崩れる。再生計画案を「再生債権者」と「約定劣後再生債権者」の二つに分けて決議する場面で、片方のクラスが同意しなくても、裁判所は計画案を修正し、同意が得られなかったクラスのために「破産したら配当される見込み額を支払う」など公正かつ衡平な保護条項を定めたうえで、認可できる。いわゆるクラムダウン(反対クラスの押し切り)だ。さらに第2項が強烈で、債務者側は「このクラスはどうせ反対する」と分かっている場合、裁判所の許可を得て、最初からそのクラスの議決権を奪った計画案を作れる。あなたの反対票は、投じる前に消えることがある。守られるのは「票」ではなく「破産配当相当額」という最低保障だけだ。
民事再生法 174 条の 2 は、再生計画のクラス別決議において一部のクラスの同意が得られない場合に、裁判所が破産配当見込額の支払い等の公正かつ衡平な保護条項を定めて計画を認可できる仕組み(クラムダウン)を規定する。第 2 項は、同意を得られないことが明らかなクラスの議決権を計画案作成段階で事前に剥奪する許可制度を定める。
一部の債権クラスが反対しても、裁判所が公正かつ衡平な保護条項を定めて再生計画を認可できる制度です。民事再生法 174 条の 2 が根拠で、反対クラスの押し切りとも呼ばれます。
当事者間の劣後特約により、他の再生債権より配当順位が下位に置かれた再生債権です。172 条の 3 で別クラスとして決議され、174 条の 2 の対象になります。
同意を得られないことが明らかなクラスがある場合、計画案作成者の申立てにより、裁判所が事前許可で議決権を剥奪できます(174 条の 2 第 2 項)。
破産手続で清算した場合に配当が見込まれる額(清算価値)を、再生計画でも下回らないよう保障する原則です。174 条の 2 の保護条項の核になります。
認可決定に対しては即時抗告が可能です。決定の公告等を起算点とする法定期間があり、徒過すると確定します。期限管理が防御の生命線です。
約定劣後再生債権として別クラスに分類され、決議・保護・議決権のすべてで一般の再生債権と異なる扱いを受けます。劣後条項の文言が分水嶺です。
考え方は近く、いずれも反対クラスへの権利保護条項を要します。会社更生法にも対応する権利保護条項の制度がありますが、対象や手続は異なります。
第 2 項の事前許可には第 3 項の意見聴取が前置されます。ここで清算価値の算定が低すぎると具体的に争い、最低保障額の引き上げを求められます。
違います。約定劣後再生債権は当事者間の劣後特約で他の再生債権より下位に置かれた債権で、172条の3により別クラスとして決議され、本条で議決権を事前剥奪されたりクラムダウンされたりします。業界裏話ヒント:劣後と分類されるかは契約書の文言次第で、「劣後特約」が曖昧だと普通の再生債権として扱える余地が残る。サインした契約の劣後条項の書きぶりを、最初に弁護士へ精査させるべき
潰せるとは限りません。本条第1項のクラムダウンで、裁判所は同意のないクラスに公正衡平な保護条項を定めて認可できます。反対は否決ではなく保護の中身を巡る交渉材料に変わります。業界裏話ヒント:真の戦場は票数ではなく『破産配当見込額』の算定。ここが低く出されると最低保障も薄くなる。反対の頭数を集めるより、清算価値の評価を崩す方が実利がある
再生債務者の財産を破産で清算したと仮定した配当見込額(清算価値)で、財産評価をもとに算定され、しばしば争いになります。本条はこの額の支払い等を保護条項の核に据えています。業界裏話ヒント:清算価値は不動産・在庫・売掛金の評価次第で大きく振れる。事前許可の前の意見聴取(第3項)で算定の前提を具体的に争えば、最低保障額を引き上げられる余地がある。聴取を黙って通すのが最悪手
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|---|---|---|
| 条文の役割 | 174 条の 2:クラムダウン+議決権事前剥奪の特則 | — |
| 発動場面 | 一方クラスの不同意で否決された、または不同意が明らかな場合 | — |
| 反対クラスの保護 | 破産配当見込額の支払い等の公正かつ衡平な保護条項 | — |
| 議決権の扱い | 第 2 項の事前許可でクラスの議決権を剥奪可能 | — |
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