要点民事再生法 199 条は、個人再生で住宅ローンの払い方を四つの型に組み直せる住宅資金特別条項を定める。元本は減らさず、滞納回復や期間延長で自宅を守る。
Q · 個人再生で家を残せると聞きましたが、住宅ローンはどうなるんですか?
元本は減らないが、払い方を変えて自宅を守れる
民事再生法 199 条の住宅資金特別条項により、住宅ローンの返済方法だけを組み直し、自宅を手放さずに済みます。型は四つ。(1) 滞納分を最長五年で取り戻す期限回復型、(2) 完済期を最長十年・七十歳まで延ばすリスケ型、(3) 一定期間は元本一部と利息だけ払う元本猶予型、(4) 銀行同意による自由な組み直し。重要なのは、住宅ローンの元本も約定利息も一円も減らない点です。減るのは住宅ローン以外の借金で、住宅ローンは払い方を変えるだけです。
借金を整理すれば家を失う。多くの人がそう思い込んでいる。だが個人再生という手続には、他の借金を大幅に圧縮しながら、住宅ローンだけは別扱いにして自宅を守る仕組みがある。その心臓部が 199 条だ。住宅ローン特則と呼ばれるこの条文は、ローンの組み直し方を四つのメニューとして用意している。(1) 滞納していた分を最長五年で取り戻し、あとは元の約定どおり払い続ける「期限の利益回復型」。(2) それでも認可の見込みがなければ、最終返済期を最長十年延ばす「リスケ型」(変更後の完済時年齢七十歳まで)。(3) さらに苦しければ、一定期間は元本の一部と利息だけ払う「元本猶予型」。(4) 銀行が同意すれば、それ以外の自由な組み直し。ここで決定的に重要なのは、住宅ローンの元本そのものは一円も減らないという点だ。減るのは住宅ローン以外の借金で、住宅ローンは払い方を変えるだけ。この一点を誤解すると、戦略を根本から間違える。
民事再生法 199 条は住宅資金特別条項の内容を定める規定であり、個人再生手続において住宅ローン債権の権利変更の方式を四類型(期限回復型・リスケ型・元本猶予型・同意型)として規定する。元本および約定利息は減額せず、弁済の時期や方法のみを変更することで、自宅の維持を可能にする特則として機能する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
個人再生において、住宅ローンの返済方法だけを組み直して自宅を残すための特則です。民事再生法 199 条が四つの型(期限回復型・リスケ型・元本猶予型・同意型)を定めます。元本は減りません。
自宅が住宅ローンの担保で、原則として住宅ローン以外の抵当権が付いていないこと(198 条)、本人が住む建物であること、住宅資金特別条項を入れた再生計画が認可されることが必要です。
原則として使えません。事業資金などのために自宅に住宅ローン以外の抵当権が設定されていると、198 条の入口要件を満たさず、住宅資金特別条項を入れられないのが原則です。
四つです。(1) 滞納分を最長五年で回復する期限回復型、(2) 完済期を最長十年・七十歳まで延ばすリスケ型、(3) 元本一部と利息のみ払う元本猶予型、(4) 銀行同意による自由型。上から順に検討します。
保証会社の代位弁済の日から六か月以内に再生手続開始を申し立てれば、巻戻しの効果(198 条 2 項)でいったん失った分割払いの利益を取り戻し、特則を使える可能性があります。期限を過ぎると困難です。
申立てから認可確定まで通常六か月前後が目安です。事案や裁判所の運用により前後します。最新の運用状況は弁護士にご確認ください。
二〜三か月の滞納で期限の利益を喪失し、保証会社の代位弁済・競売へ進みます。滞納が始まった早い段階で相談すれば、使える型が多く残ります。通知が来てから動くと選択肢が狭まります。
家を残すなら個人再生(住宅資金特別条項)です。自己破産は原則として自宅を含む財産を処分します。ただし住宅ローンを払い続ける収入が見込めない場合は、破産や任意売却が合理的なこともあります。
減らせません。住宅ローン特則(199 条)の役割は、住宅ローンを減額せずに払い方だけ変えて自宅を守ることです。元本も約定利息も満額払います。減るのは住宅ローン以外の借金で、これは個人再生の本体(小規模個人再生なら借金額に応じて原則五分の一など)で圧縮されます。業界裏話ヒント:弁護士が最初に確認するのは『減らせるか』ではなく『この収入で住宅ローンを払い続けられるか』です。払い続けられないなら特則は意味がなく、任意売却や破産の方が合理的なこともある。
競売開始決定が出ていても、買受人が代金を納付して所有権が移転する前なら、住宅ローン特則付きの個人再生で競売を中止・取消しできる可能性があります(197 条の中止命令)。保証会社の代位弁済から六か月以内という巻戻し期限(198 条 2 項)も併せて要確認です。業界裏話ヒント:競売の通知が来てから動くと選択肢が一気に狭まる。滞納が二、三か月続いた段階で弁護士に相談すれば、期限の利益喪失前に手を打てる。動くのが早いほど使える型が多い。
いいえ。2 項のリスケ型は、変更後の最終返済期が約定の最終返済期から十年を超えず、かつ完済時の年齢が七十歳を超えないことが要件です。高齢で組んだ長期ローンや、滞納が高齢期に重なるケースでは年齢の壁に当たります。業界裏話ヒント:年齢要件を外れても、4 項の同意型なら銀行の同意を得て十年超・七十歳超の延長も可能です。鍵は銀行を交渉のテーブルに着かせること。回収の見込みが立てば銀行も同意しやすい。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用順位 | 期限回復型(1 項):原則として最初に検討 | — |
| 元本の扱い | 減額しない(満額弁済) | — |
| 期間延長 | 原則延長せず、滞納分を最長五年で回復 | — |
| 年齢・同意の壁 | 年齢要件なし/銀行同意不要 | — |
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