民事再生法 第43条(事業等の譲渡に関する株主総会の決議による承認に代わる許可)
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- 再生手続開始後において、株式会社である再生債務者がその財産をもって債務を完済することができないときは、裁判所は、再生債務者等の申立てにより、当該再生債務者の会社法第四百六十七条第一項第一号から第二号の二までに掲げる行為(以下この項及び第八項において「事業等の譲渡」という。)について同条第一項に規定する株主総会の決議による承認に代わる許可を与えることができる。ただし、当該事業等の譲渡が事業の継続のために必要である場合に限る。
- 2.前項の許可(以下この条において「代替許可」という。)の決定があった場合には、その裁判書を再生債務者等に、その決定の要旨を記載した書面を株主に、それぞれ送達しなければならない。
- 3.代替許可の決定は、前項の規定による再生債務者等に対する送達がされた時から、効力を生ずる。
- 4.第二項の規定による株主に対する送達は、株主名簿に記載され、若しくは記録された住所又は株主が再生債務者に通知した場所にあてて、書類を通常の取扱いによる郵便に付し、又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第二項に規定する信書便の役務を利用して送付する方法によりすることができる。
- 5.前項の規定による送達をした場合には、その郵便物又は民間事業者による信書の送達に関する法律第二条第三項に規定する信書便物(以下「郵便物等」という。)が通常到達すべきであった時に、送達があったものとみなす。
- 6.代替許可の決定に対しては、株主は、即時抗告をすることができる。
- 7.前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
- 8.代替許可を得て再生債務者の事業等の譲渡をする場合には、会社法第四百六十九条及び第四百七十条の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
事業等の譲渡に関する株主総会の決議による承認に代わる許可とは何ですか?
定義事業等の譲渡に関する株主総会の決議による承認に代わる許可とは、民事再生法第43条に定められた規定で、「再生手続開始後において、株式会社である再生債務者がその財産をもって債務を完済することができないときは、裁判所は、再生債務者等の申立てにより、当該再生債務者の会社…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第43条(事業等の譲渡に関する株主総会の決議による承認に代わる許可)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第43条の条文原文は「再生手続開始後において、株式会社である再生債務者がその財産をもって債務を完済することができないときは、裁判所は、再生債務者等の申立てにより、当該再生債務者の会社…」で始まります。
- 民事再生法第43条は第二節 再生手続開始の決定に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第43条の前の条は民事再生法第42条です。
- 民事再生法第43条の次の条は民事再生法第44条です。
- 民事再生法第43条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第43条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第43条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/43
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法43条は、債務超過の再生会社について、裁判所の代替許可により株主総会決議を経ずに事業等を譲渡できると定める。反対株主に残るのは即時抗告のみで、その抗告に執行停止効はない。
Q · 出資先が民事再生に入ったら、株主総会なしで事業を売られてしまうの?
債務超過なら裁判所の許可で株主総会を経ず売却できる
民事再生法43条により、株式会社である再生債務者が債務超過のときは、裁判所が代替許可を出すことで、会社法所定の株主総会決議による承認を経ずに事業等を譲渡できます。要件は「債務超過」かつ「事業の継続のために必要」の二つ。反対株主に残るのは即時抗告(6項)だけで、その抗告は事業譲渡の効力を止めません(7項)。さらに反対株主の株式買取請求権(会社法469条・470条)も適用されません(8項)。
解説
あなたが応援していたベンチャーに出資し、株主になったとする。その会社が経営難で民事再生に入り、ある日、主力事業がそっくり他社へ売却されると知る。あなたは株主として反対する。だが会社法なら本来必要なはずの株主総会の特別決議が、ここでは開かれない。民事再生法43条が、裁判所の許可一枚で株主総会の承認に代わる仕組みを用意しているからだ。条件は二つ。会社が債務超過であること、そしてその事業譲渡が事業の継続のために必要であること。この二つが揃えば、裁判所は代替許可を出せる。さらに重いのが8項だ。通常なら反対株主に与えられる株式買取請求権(会社法469条、470条)が、ここでは適用されない。あなたに残された武器は即時抗告だけ。しかもその抗告は、事業譲渡の効力を止めない(7項)。あなたが争っている間にも、事業は買い手の手に渡っていく。
法的な位置づけ
民事再生法43条は、再生手続開始後に債務超過となった株式会社である再生債務者について、裁判所が事業等の譲渡に対し株主総会決議による承認に代わる許可を与える制度(代替許可)を定める規定である。許可は事業の継続に必要な場合に限られ、会社法上の株主総会特別決議および反対株主の株式買取請求の手続を代替・排除する点に特徴がある。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.代替許可の決定要旨書面を届いた当日に確認 決定要旨を記載した書面が届いたら、その日のうちに内容と日付を確認する。代替許可の効力は再生債務者等への送達時にすでに発生している(3項)ため、株主の手元に届いた時点で事業譲渡は動き始めている。開封日が即時抗告の勝負を分ける
- 2.即時抗告の不変期間を逃さず弁護士へ 裁判の告知を受けた日から原則1週間の不変期間内に即時抗告(6項)を申し立てる。倒産法と会社法の双方に強い弁護士を選び、送達のみなし規定(5項)による起算点のずれを確認する
- 3.二要件の不充足を争点に据える 抗告では価格の妥当性そのものより、「債務超過の不存在」または「事業継続に不要」という43条1項ただし書の二要件の不充足を主張し、許可自体を覆す方向で構成する。清算貸借対照表や事業計画の反証資料を集める
- 4.執行停止効がない前提で第二戦線を準備 即時抗告には執行停止効がない(7項)ため、抗告と並行して、譲渡対価の妥当性や役員の善管注意義務違反(会社法423条)に基づく損害賠償という第二戦線を最初から用意しておく
よくある質問 AI による整理
Q1民事再生法43条とは何ですか?
債務超過の再生会社が、裁判所の代替許可により株主総会決議を経ずに事業等を譲渡できる制度です。事業の継続に必要な場合に限られ、反対株主には即時抗告のみが残ります。
Q2代替許可の要件は何ですか?
二つです。株式会社である再生債務者が「債務超過」であること、そして事業等の譲渡が「事業の継続のために必要」であること。両方が揃って初めて裁判所は許可を出せます(43条1項ただし書)。
Q3民事再生の事業譲渡に株主総会は必要ですか?
債務超過で代替許可が出た場合は不要です。会社法467条の株主総会特別決議に代えて裁判所の許可が承認の役割を果たすため、株主総会そのものが開かれません。
Q4代替許可への即時抗告の期間はいつまでですか?
裁判の告知を受けた日から原則1週間の不変期間です(民訴332条・民再18条準用)。株主への送達は郵便物等が通常到達すべきだった時にあったものとみなされる点に注意が必要です(5項)。
Q5債務超過だと事業譲渡で株主はどうなりますか?
債務超過とは会社財産を全部売っても債務を返しきれない状態で、株主は債権者弁済の後に並ぶ最後尾です。代替許可の局面では議決権も株式買取請求権も行使できません。
Q6民事再生法42条と43条の違いは何ですか?
42条は事業の全部・重要な一部の譲渡に必要な裁判所許可の一般規定、43条は債務超過を前提に株主総会承認そのものを代替する特則です。43条は株主の関与を排除する点が特徴です。
Q7代替許可はいつ効力が生じますか?
株主への送達時ではなく、再生債務者等への裁判書の送達がされた時から効力を生じます(3項)。株主が決定要旨を受け取った頃には譲渡が動き始めていることになります。
Q8会社更生と民事再生で事業譲渡の扱いは違いますか?
いずれも倒産局面で株主の関与を後退させますが、根拠条文と手続が異なります。民事再生では43条の代替許可、会社更生では更生計画による処分が中心となります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1株主なのに、自分の会社の事業売却に反対できないんですか?
債務超過の再生会社では株主総会自体が開かれず、裁判所の代替許可が承認に代わります(43条1項)。あなたに残るのは即時抗告(6項)だけで、しかもそれは譲渡の効力を止めません(7項)。実務のポイント:実務では代替許可が出る前のスポンサー選定段階こそが勝負どころ。許可申立てが裁判所に上がってから反対しても遅く、再生手続の早い段階で監督委員や債権者集会の場に働きかけられた株主だけが、実質的な影響力を持てる。
Q2株式買取請求ができないって、出資金はもう戻ってこないんですか?
代替許可による譲渡では反対株主の株式買取請求権(会社法469条、470条)が適用されません(43条8項)。そもそも債務超過とは、会社財産を全部売っても債務を返しきれない状態なので、株主への分配は債権者弁済の後にゼロから始まります。実務のポイント:法的に株式価値はほぼ無価値でも、再生計画で旧株主に少額の和解的配慮(スポンサーによる僅かな対価や役員留任など)がなされる例はある。争うより、計画策定の交渉テーブルに残る方が現実的なリターンになることが多い。
Q3代替許可を裁判所に取り消させる方法はあるんですか?
即時抗告で、許可の前提である「債務超過」または「事業継続のために必要」という二要件(43条1項ただし書)の不充足を立証できれば、許可は覆りえます。価格の妥当性そのものより、要件論で攻めるのが筋です。実務のポイント:抗告に執行停止効がない(7項)ため、許可取消しを勝ち取っても譲渡が完了していれば原状回復は困難。だからこそ実務家は、抗告と同時に役員の善管注意義務違反(会社法423条)に基づく損害賠償という第二戦線を最初から用意しておく。
間違えやすい点 AI による整理
- 「株主総会で反対すれば事業譲渡を止められる」と思っているが、債務超過の再生会社では株主総会そのものが開かれない。43条が裁判所の許可で総会決議を代替するため、あなたの議決権は行使する場すら与えられない。
- 「自分は株主だから会社財産は最終的に自分のものだ」という前提が、倒産局面では逆転する。債務超過とは、会社財産を全部売っても債務を返しきれない状態。あなたから見れば株主は会社のオーナーだが、倒産法から見れば株主は債権者全員の後ろに並ぶ最後尾の存在で、その落差があなたの想定を崩す。
- 代替許可に即時抗告できることは知っていても、その抗告が事業譲渡の効力を一切止めない(7項)ことまで知る人は少ない。抗告して仮に勝っても、その頃には事業はすでに買い手の手の中。原状回復は事実上不可能で、残るのは損害賠償の争いだけになる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 承認・許可の主体 | 民再43条:裁判所の代替許可(株主総会決議を代替) | 民再42条:裁判所の許可(事業譲渡一般) 会社法467条:株主総会の特別決議による承認 |
| 適用前提 | 債務超過 + 事業の継続に必要 | 事業の全部又は重要な一部の譲渡 平時の事業譲渡等(倒産局面を前提としない) |
| 反対株主の株式買取請求 | 適用除外(8項、会社法469・470条不適用) | 会社法の手続が原則適用 行使可能(会社法469・470条) |
| 反対株主の不服申立手段 | 即時抗告のみ、執行停止効なし(6・7項) | 手続に応じた不服申立て 総会決議取消しの訴え等 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は重整手続で重整計画を関係人会議の可決と法院の認可により実行する構造。株主総会承認を裁判所許可で個別に代替する日本の43条とは制度設計が異なる
韓国は統合倒産法(DRBA)で会生手続中の営業譲渡に裁判所の許可を要求。株主より債権者・利害関係人の保護を優先する点は日本と共通
ドイツは倒産管財人による重要な法律行為に債権者委員会・債権者集会の同意を要求。事業譲渡(übertragende Sanierung)は株主総会ではなく債権者機関の関与で行われる
米国は通常業務外の資産売却を破産裁判所の許可で株主承認なしに実行できる。いわゆる363 sale は日本の代替許可に機能的に最も近い制度
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 出資先のスタートアップが民事再生に入り、主力事業の譲渡が決まった。あなたは反対株主だが、株主総会は開かれない。代替許可の決定要旨が届いてから即時抗告できる期間はわずか。動き出すのが一日遅れるごとに、事業は契約上の引渡し日へ近づいていく。
- もし、あなたが経営難の同業他社の事業を買い取りたいとしたら? 通常なら相手企業の株主総会特別決議が要り、反対株主が一人でもいれば交渉が長引く。だが相手が民事再生中で債務超過なら、代替許可ルートで株主の壁を回避できる。買い手にとってこれは最短経路になる。
- あなたが再生債務者の代表者で、スポンサーが付いた。だが少数株主が事業譲渡に強硬に反対している。43条の代替許可を使えば、株主総会を経ずに譲渡を実行できる。
- あなたが取引先として再生中の会社に売掛債権を持っている。事業がスポンサーに譲渡されれば、譲渡対価が弁済原資になり、あなたの回収率が上がる可能性がある。株主の反対で譲渡が止まれば、あなたの回収も止まる。株主と債権者の利害がここで正面衝突する。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 代替許可の決定要旨を記載した書面が届いたら即日内容を確認、即時抗告(6項)の期間を逃さない2. 抗告では「債務超過の不存在」または「事業継続に不要」という二要件の不充足を主張し、許可そのものを覆す方向で争う3. 抗告に執行停止効はない(7項)ので、並行して譲渡対価の妥当性や役員の善管注意義務違反(会社法423条、取締役が会社に対し負う、プロとして当然払うべき注意の義務)も視野に入れる4. 弁護士は倒産法と会社法の双方に強い者を選ぶ。
訴えられた側:1. 代替許可を申し立てる側なら、まず「債務超過」を疎明する資料(清算貸借対照表など)を整える2. 「事業継続のために必要」という要件を、スポンサー契約と事業計画で具体的に基礎づける3. 株主への送達(2項)と決定要旨書面の発送を確実に行い、手続の瑕疵で許可が覆らないようにする4. 即時抗告が出ても譲渡実行は止まらない(7項)が、抗告審で許可が取り消されるリスクに備え、譲渡契約に許可確定を条件とするか否かをスポンサーと詰める。
時効(請求できる期限):即時抗告は、裁判の告知(送達)を受けた日から原則1週間の不変期間(民事訴訟法332条、民事再生法18条による準用)。代替許可の効力は再生債務者等への送達時に発生し(3項)、株主への送達は郵便物等が通常到達すべきであった時に送達があったものとみなされる(5項)ため起算点に注意。手続運用で期間が異なる扱いとなる場合があり、最新の改正状況をご確認ください。
学説
通説:民再43条の代替許可は、債務超過の局面で株主が会社財産に対する実質的持分を失っていることを前提に、事業価値の早期保全と債権者・従業員の利益を優先する制度と理解される。株主保護は即時抗告と二要件の審査によって手続的に確保されるにとどまる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法(平成11年法律第225号)の制定に伴い新設。再建型倒産手続において、債務超過を前提に株主総会承認を代替する裁判所許可の仕組みを設けた。
- 民事再生法 第42条事業の全部又は重要な一部の譲渡に必要な裁判所の許可
- 民事再生法 第9条即時抗告の通則(現行効力を要確認)
- 民事再生法 第18条即時抗告手続への民事訴訟法の準用
- 会社法 第467条代替許可が代わる株主総会の事業譲渡等承認の本則
- 会社法 第469条8項で適用除外される反対株主の株式買取請求権
- 会社法 第470条8項で適用除外される株式買取価格決定手続
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