民事再生法 第80条(保全管理命令に関する公告及び送達)
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- 裁判所は、保全管理命令を発したときは、その旨を公告しなければならない。保全管理命令を変更し、又は取り消す旨の決定があった場合も、同様とする。
- 2.保全管理命令、前条第四項の規定による決定及び同条第五項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。
- 3.第十条第四項の規定は、第一項の場合については、適用しない。
この条文の基本情報
保全管理命令に関する公告及び送達とは何ですか?
定義保全管理命令に関する公告及び送達とは、民事再生法第80条に定められた規定で、「裁判所は、保全管理命令を発したときは、その旨を公告しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第80条(保全管理命令に関する公告及び送達)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第80条の条文原文は「裁判所は、保全管理命令を発したときは、その旨を公告しなければならない。」で始まります。
- 民事再生法第80条は第四節 保全管理人に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第80条の前の条は民事再生法第79条です。
- 民事再生法第80条の次の条は民事再生法第81条です。
- 民事再生法第80条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第80条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第80条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/80
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法80条は、裁判所が保全管理命令を発し又は変更・取消しをしたとき官報で公告すべきことを定める。命令の裁判書は当事者に送達され、公告での送達代替は排除される。
Q · 取引先に保全管理命令が出たって官報に載っていたけど、連絡が来ないのは違法じゃないの?
違法ではない。官報公告で全関係人に効力が及ぶ
民事再生法80条1項は、裁判所が保全管理命令を発したときは官報で公告することを義務づけますが、個別の債権者一人ひとりへの連絡までは求めていません。10条により、公告は実際に読んだかどうかに関わらず全関係人に効力が及びます。一方、命令を直接受ける当事者本人には裁判書が送達され(80条2項)、80条3項は公告で送達に代える一般則を排除しているため、本人には必ず本物の書面が届き、そこから即時抗告の期間が起算されます。
解説
取引先の会社が経営危機に陥り、裁判所が「保全管理命令」を出した。その瞬間、その会社の経営陣は財産の管理処分権(財産を管理し、売却など処分をする権限)を失い、裁判所が選んだ保全管理人(外部の専門家)がハンドルを握る。だが、あなたにその電話はかかってこない。民事再生法80条は、裁判所がこの命令を出したら官報(国が毎日発行する公式紙)に公告すると定めるだけだ。そして10条により、官報の公告はすべての関係人に効力が及ぶ。実際に官報を読んだかどうかは関係ない。一方で、命令を受けた当事者本人には裁判書が直接送達(本人への正式な交付)され(80条2項)、そこから即時抗告(不服申立て)の期間が動き出す。さらに80条3項は、公告をもって送達に代えられるという一般ルール(10条4項)を、この命令についてはわざわざ排除している。命令を直接受ける当事者には、必ず本物の書面が届く仕組みだ。
法的な位置づけ
民事再生法80条は保全管理命令に関する公告及び送達を定める手続規定である。裁判所が保全管理命令を発し、又はこれを変更・取り消したときは官報で公告しなければならず(1項)、命令等の裁判書は当事者に送達される(2項)。さらに公告で送達に代える一般則(10条4項)の適用が排除される(3項)。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.取引先の官報公告を監視する仕組みを作る 与信に不安のある取引先について、官報情報検索サービスまたは信用調査会社の監視サービスを契約し、保全管理命令・破産の公告を会社名で自動検知できるようにする
- 2.公告を掴んだら自社債権と保全を整理する 保全管理命令の公告を確認したら、自社の売掛債権額、担保・保証・所有権留保の有無を直ちに整理し、回収可能性を評価する
- 3.進行中の取引を止め損失拡大を防ぐ 出荷前の在庫や未着手の発注を直ちに止め、以後の連絡窓口を保全管理人に切り替える。債権の問い合わせは経営陣ではなく保全管理人へ行う
- 4.当事者側は裁判書の受領日を記録し即時抗告を検討 命令を受けた当事者は、裁判書が届いた日を正確に記録し、即時抗告の期間を送達日から逆算する。不服があれば期間内に即時抗告状を提出する
よくある質問 AI による整理
Q1保全管理命令とは何ですか?
再生手続開始前の保全段階で、裁判所が経営陣から会社財産の管理処分権を取り上げ、外部の保全管理人に管理させる命令です。事業自体は保全管理人の下で継続されます。
Q2官報とは何ですか?倒産情報はどこで見られますか?
官報は国が平日毎日発行する公式紙で、インターネット版官報(kanpou.npb.go.jp)や有料の官報情報検索サービスで倒産・保全管理命令の公告を確認できます。
Q3保全管理命令が出ると取引はどうなりますか?
経営陣は財産の管理処分権を失い、以後の窓口は保全管理人になります。進行中の契約や納品の扱いも保全管理人の判断で変わるため、公告を掴んだら早期に確認が必要です。
Q4保全管理人とは誰ですか?
裁判所が選任する外部の専門家(多くは弁護士)で、保全段階の会社財産を管理処分し、事業価値の維持を図ります。債権の問い合わせ窓口も保全管理人になります。
Q5民事再生と破産はどう違いますか?
民事再生は事業を継続しながら再建を目指す手続、破産は財産を清算して会社を消滅させる手続です。保全管理命令は再生を前提とした保全段階の措置です。
Q6保全管理命令に即時抗告できますか?
できます。79条5項により保全管理命令や変更・取消しには即時抗告が可能で、期間は裁判書の送達を受けた日から起算します(80条2項)。官報公告日とはずれる点に注意が必要です。
Q7官報の倒産情報を自動でチェックする方法はありますか?
官報情報検索サービスや信用調査会社の与信管理サービスを使えば、取引先名で保全管理命令や破産の公告を自動監視できます。金融機関や大手の与信部門は標準的に導入しています。
Q8保全管理命令が取り消されるとどうなりますか?
取消しの決定も80条1項後段により公告されます。取り消されれば管理処分権は経営陣に戻るため、一度公告を見て終わりにせず、その後の変更・取消し公告も追う必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1取引先が民事再生になったって官報に載ってたんですが、誰も教えてくれませんでした。これって普通なんですか?
普通である。民事再生法80条は裁判所に官報での公告を義務づけるが、個別の債権者一人ひとりへの連絡までは求めていない。10条により公告は全関係人に効力が及ぶので、法的にはそれで「知らされた」扱いになる。実務のポイント:金融機関や大手企業の与信部門は、官報を毎日自動監視するサービスを契約している。中小企業がニュースで知る頃には、回収競争はとっくに始まっている。官報チェックを仕組み化しているかどうかが、回収の明暗を分ける
Q2保全管理命令の裁判書が会社に届きました。納得できないんですが、もう争えないんですか?
争える。保全管理命令やその変更・取消しには即時抗告ができ(民事再生法79条5項)、裁判書はあなたに直接送達される(80条2項)。期間は送達された日から起算するので、受領日を正確に押さえることが第一歩だ。実務のポイント:80条3項は、公告で送達に代えられる一般ルール(10条4項)をこの命令には使わないと定めている。当事者に必ず本物の書面を届け、不服申立ての機会を確実に保障するためだ。届いた書面の受領日が、あなたの権利の生命線になる
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば「誰も知らせてくれなかった」が、法律から見れば「官報で公告した時点で全員に知らせた」。この認識のギャップが、知らぬ間に進む手続の中であなたを置き去りにする
- 「保全管理命令が出たら会社はもう終わり」と思われがちだが、これは再生手続の開始前の保全段階にすぎない。経営陣が管理処分権を失っても、会社の事業は保全管理人の下で継続される。むしろ事業価値を守るための措置である
- 公告があること自体は知っていても、その公告に「変更・取消し」も載ることまで意識している人は少ない。命令が取り消されれば管理処分権は経営陣に戻る。状況は動く。一度公告を見たから終わり、ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 定める内容 | 80条:保全管理命令の公告・送達方法 | 79条:保全管理命令の発令要件・即時抗告 10条:公告及び送達の一般規定 |
| 通知の方法 | 官報公告(全関係人)+当事者への裁判書送達 | 命令の発令自体(通知方法は80条が規律) 公告は全関係人に効力、原則は公告で送達代替可 |
| 送達代替の可否 | 80条3項が10条4項の送達代替を排除 | 規定なし 10条4項は原則として公告で送達に代替可能 |
| 不服申立て | 裁判書送達日から即時抗告期間が起算 | 79条5項が即時抗告を認める根拠 9条が即時抗告の一般規定 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では会社更生(重整)に伴う保全処分を裁判所が命じ、公告により周知する枠組みがある。DIP 色は日本ほど強くない
韓国の統合倒産法も保全処分・保全管理人の制度と公告を備え、日本の民事再生法と近い設計となっている
ドイツは仮の倒産管財人(vorläufiger Insolvenzverwalter)の選任と公的告知(öffentliche Bekanntmachung)を規定。公告による効力の擬制点が共通する
米国は DIP を原則としつつ、債権者への通知(notice)を重視。日本の民事再生法は Chapter 11の DIP 思想を継受している
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの会社が800万円を売り掛けている取引先。ある朝、与信担当が官報をチェックすると保全管理命令の公告が載っていた。誰からも連絡はなかったが、法的にはあなたは「知った」側になっている。取引を続けるか、回収に動くか、この瞬間から時計が回り始める
- もし、あなたが経営する会社に保全管理命令が出され、裁判所から裁判書が届いたとしたら? その封筒を机に放り投げてはいけない。即時抗告できる期間は送達された日から動き出す。命令の取消しを争うなら、書面を受け取った日が起算点になる
- 保全管理命令の取消しを求めたい。だが即時抗告の期間は限られる。裁判書が届いた日を一日でも勘違いすれば、不服申立ての道は閉じる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 官報や信用調査で保全管理命令を確認したら、まず自社の債権額と担保・保証の有無を整理する2. 進行中の取引(出荷前の在庫、未着手の発注)を直ちに止め、損失の拡大を防ぐ3. 保全管理人が選任されているので、今後の連絡窓口は経営陣ではなく保全管理人になる。債権の問い合わせは保全管理人へ4. 再生手続が正式に開始されれば債権届出の期間が公告される。その期間を絶対に逃さない
訴えられた側:1. 裁判書が届いたら受領日を記録し、即時抗告の期間(送達日が起算点)を確認する2. 命令に不服があるなら、保全管理人による管理が不当である、または事業継続上不要であることを示す資料を急いで準備して即時抗告する3. 抗告しない場合でも、保全管理人と協力して事業価値を守る方が、最終的な再生計画で有利になることが多い4. 倒産・再生に強い弁護士を早期に関与させる
時効(請求できる期限):保全管理命令、その変更・取消しに対しては即時抗告ができる(民事再生法79条5項)。即時抗告の期間は、命令を受けた当事者については裁判書の送達を受けた日から起算する(80条2項)。官報の公告日と送達日はずれることがあるため、自分の起算点は必ず送達日で数えること。具体的な抗告期間は民事再生法9条・民事訴訟法の規定によるため、最新の規定をご確認ください。
学説
通説:80条は、無数の関係人への迅速な一斉通知(官報公告・10条による全関係人への効力)と、管理処分権を奪われる当事者の手続保障(裁判書送達・3項による送達代替の排除)とを二段構えで両立させた規定と理解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法(平成11年法律第225号)の制定に伴い新設。DIP 型再建手続の保全段階における保全管理命令の公告・送達方法を定めた。
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