要点民事再生法 79 条は、財産の管理が失当な法人につき、裁判所が開始決定があるまでの間、保全管理人に業務・財産の管理を命じる保全管理命令を定める。即時抗告に執行停止の効力はない。
Q · 取引先が民事再生を申し立てたのに、社長はまだ会社にいるのに『支払いは別の人に聞いてくれ』と言われた。保全管理命令って何?
裁判所選任の保全管理人に会社の管理権を移す命令です
民事再生法 79 条の保全管理命令です。再生手続開始の申立て後、財産の管理・処分が失当であるときなどに、裁判所が開始決定があるまでの間、選任した保全管理人に会社の業務および財産の管理を命じます。対象は法人に限られ、利害関係人の申立てまたは職権で発せられます。命令が出ると、社長がいても通帳・契約・決裁の権限は保全管理人に移ります。即時抗告はできますが執行停止の効力がなく(79 条 6 項)、争っている間も管理権は戻りません。
民事再生の最大の売りは、破産と違って経営陣がそのまま会社に残り、自分の手で会社を立て直せる点にある。だが、その看板の裏には抜け穴がある。会社の財産管理がずさんだったり、資産の隠匿・流出の疑いがあると裁判所が見れば、再生手続の開始決定が出る前の段階で、裁判所は保全管理人(裁判所が選任する第三者、多くは弁護士)に会社の業務と財産の管理を丸ごと委ねる命令を出せる。これが79条の保全管理命令だ。命令が出た瞬間、あなたが社長でも、会社の通帳も契約も決裁も、すべて保全管理人の手に移る。自分の会社の財産に、あなたは手を出せなくなる。しかも対象は法人だけ(個人事業主の再生には使えない)。逆にあなたが債権者なら、これは資産を食い逃げされる前に裁判所を動かす武器になる。申立ては利害関係人(債権者を含む)からでも、裁判所の職権でもできる。「経営陣が残る」という民事再生のイメージは、79条の前では絶対ではない。
保全管理命令は、民事再生手続開始の申立てがあった場合において、再生債務者の財産の管理・処分が失当であるとき等に、裁判所が開始決定があるまでの間、選任した保全管理人に業務および財産の管理を委ねる処分である。対象は法人に限られ、利害関係人の申立てまたは職権により発せられ、命令により管理処分権が保全管理人へ移転する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
民事再生手続開始の申立て後、財産管理が失当な法人につき、裁判所が保全管理人に業務・財産の管理を命じる処分です。対象は法人に限られ、利害関係人の申立てまたは職権で発せられます。
再生手続開始の申立てがあってから、開始決定があるまでの間に出されます。財産の管理・処分が失当であるとき、その他事業継続のため特に必要と認められるときが要件です。
業務および財産の管理権が保全管理人に移ります。社長の肩書は残っても、通帳・契約・決裁の権限を失い、保全管理人の指示を仰ぐ立場になります。
即時抗告ができます(79 条 5 項)。ただし執行停止の効力がないため(79 条 6 項)、抗告審が結論を出すまでの間も管理権は戻りません。
使えません。79 条 1 項は対象を法人に限定しています。個人事業主や自然人の民事再生には保全管理命令の制度は適用されません。
裁判所が選任します(79 条 2 項)。実務では倒産事件に精通した弁護士が選ばれることが多く、一人または数人が選任されます。
できます。利害関係人には債権者も含まれ、財産流出の疑いがあれば申立てが可能です。裁判所の職権発動を促す上申という方法もあります。
違います。79 条は開始決定『前』の暫定措置、64 条は開始決定『後』の管理命令です。79 条 1 項は 64 条 3 項を準用しています。
その会社には79条の保全管理命令が出ている可能性が高いです。開始決定の前でも財産管理が失当などと裁判所が判断すれば、経営権が裁判所選任の保全管理人へ移ります。社長がいても、支払いや契約の決裁権は保全管理人が握ります。業界裏話ヒント:この段階で旧経営陣に直接『先に払って』と泣きついても、保全管理人の管理下では原則として通りません。むしろ抜け駆け弁済は後で否認される恐れがある。正規ルートで債権届出に回した方が、結果的に回収率を損なわない
待つ必要はありません。79条の保全管理命令は『開始決定があるまでの間』の措置で、まさに開始前の財産流出を止めるための制度です。利害関係人であるあなたから申し立てられます(職権発動を促す上申も可)。業界裏話ヒント:弁済禁止等の保全処分(民事再生法30条、現行効力を要確認)と組み合わせると財産凍結の網がより厚くなる。どちらが効くかは流出の態様で変わるので、申立て前に倒産に強い弁護士と打ち手を選ぶのが分かれ目になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 発動のタイミング | 79 条:開始決定があるまでの間(開始前の暫定措置) | — |
| 効果 | 業務・財産の管理処分権が保全管理人へ移転 | — |
| 対象 | 再生債務者が法人である場合に限る | — |
| 不服申立て | 即時抗告可、ただし執行停止効なし(79 条 6 項) | — |
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