要点民事再生法 30 条は、申立てから開始決定までの間、裁判所が再生債務者の財産に保全処分を命じられると定める。弁済禁止の保全処分を知って受けた弁済は効力を主張できない。
Q · 取引先が民事再生を申し立てた後に売掛金を回収したら、そのお金は守られますか?
知って受け取れば効力を主張できず、知らなければ守られる
民事再生法 30 条により、裁判所は申立てから開始決定までの間、再生債務者の業務・財産について保全処分を命じられます。中でも 6 項の弁済禁止の保全処分が出た後、その保全処分がされたことを「知って」弁済を受けた再生債権者は、再生手続の関係でその弁済の効力を主張できません(6 項ただし書)。逆に保全処分の前に、または知らずに受け取った弁済は原則守られます。さらに即時抗告には執行停止の効力がないため(4 項)、争っている間も凍結は続きます。
取引先が経営危機に陥り、民事再生を申し立てた。あなたは慌てて売掛金の回収に走る。ここに落とし穴がある。民事再生法 30 条は、裁判所が再生手続開始の申立てから開始決定までの「空白期間」に、再生債務者の業務と財産を凍結する保全処分(仮差押え、仮処分その他の必要な措置)を命じられると定める。中でも 6 項の「弁済禁止の保全処分」が出ると、債務者があなたに払った代金は、あなたがその保全処分を知っていた場合、再生手続の中では効力を主張できなくなる。一度受け取ったお金を吐き出す側に回るのだ。逆に、保全処分を知らずに受け取ったのなら、その弁済は守られる。つまり「あなたが知っていたか否か」が、数百万円の回収の生死を分ける。さらに、この凍結に不服で即時抗告しても、抗告に執行停止の効力はない(4 項)。争っている間も、凍結は効き続ける。
民事再生法 30 条は、再生手続開始の申立てから開始決定までの間に、裁判所が職権または利害関係人の申立てにより、再生債務者の業務および財産に関し仮差押え・仮処分その他の保全処分を命じる制度を定める規定である。弁済禁止の保全処分に反する弁済は、当該保全処分を知っていた再生債権者との関係で効力を主張できない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
裁判所が再生債務者に対し、再生債権者への弁済その他の債務消滅行為を禁止する保全処分です(民事再生法 30 条 6 項)。開始決定前の抜け駆け弁済を止めます。
止まりません。申立てだけでは効力は生じず、裁判所が 30 条の保全処分を具体的に命じて初めて弁済や仮差押えが凍結されます。申立てと発令には時間差があります。
ありません(民事再生法 30 条 4 項)。争っている間も保全処分は効き続け、弁済停止や仮差押えは解けません。実務では別ルートの資金繰りを並行します。
あります。事業継続に不可欠な取引先への弁済などは、裁判所の個別許可で例外的に認められ得ます。優先度を整理して許可を申請します。
原則返す必要はありません。効力を主張できないのは保全処分を「知っていた」場合に限られます(30 条 6 項ただし書)。善意受領は守られます。
再建型(民事再生法 30 条)は事業を続けながら財産流出を止めるのが目的、清算型(破産法の保全)は換価に向けた財産保全が目的で、狙いが異なります。
再生手続開始の決定があるまでの暫定措置です。開始決定後は開始の効果(弁済禁止 85 条など)に引き継がれ、保全処分自体は終期を迎えます。
弁済禁止の保全処分を知って取り立てた分は、再生手続の関係で効力を主張できません(30 条 6 項)。満期到来だけでは保護されない点に注意が必要です。
全額がゼロになるわけではありません。あなたの売掛金は再生債権となり、再生計画で定められた弁済率に従って分割弁済されます(民事再生法 85 条ほか)。弁済率は事案次第で数 % から数十 % まで幅があります。業界裏話ヒント:再生計画案には債権者の決議があり、あなたの議決権の一票が計画の成否や弁済率に影響することがある。泣き寝入りせず、債権者集会の議決権を必ず行使する
弁済禁止の保全処分に反する弁済が効力を否定されるのは、あなたがその保全処分が出たことを知っていた場合に限られます(30 条 6 項ただし書)。保全処分の前に、または知らずに受け取った弁済は、原則として守られます。業界裏話ヒント:ここで効くのが「いつ知ったか」の記録。官報公告や通知書の到達日を相手は立証してくる。逆に言えば、あなたが知る前に正当に受け取った証拠があれば守れる
即時抗告で争えます(30 条 3 項)。ただし注意すべきは、その抗告に執行停止の効力がないこと(同条 4 項)。つまり争っている間も保全処分は効き続け、弁済停止や仮差押えは解けません。業界裏話ヒント:抗告で覆る例は多くないため、実務では抗告と並行して、運転資金の別ルート確保や、事業継続に不可欠な弁済について裁判所の個別許可を求める動きを同時に進めるのが定石。争うだけでは資金が尽きる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 止める対象 | 30 条:業務・財産全般(弁済・仮差押え・仮処分)を開始前に凍結 | — |
| 時間軸 | 申立て〜開始決定までの空白期間の暫定措置 | — |
| 違反弁済の効果 | 悪意の再生債権者との関係で効力を主張できない(6 項) | — |
| 巻き戻す最終手段 | 127 条の否認権で開始後に遡って否認し得る | — |
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