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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

民事再生法 第29条(包括的禁止命令の解除)

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  1. 裁判所は、包括的禁止命令を発した場合において、再生債権に基づく強制執行等の申立人である再生債権者又は再生債権に基づく外国租税滞納処分を行う者(以下この項において「再生債権者等」という。)に不当な損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該再生債権者等の申立てにより、当該再生債権者等に対しては包括的禁止命令を解除する旨の決定をすることができる。この場合において、当該再生債権者等は、再生債務者の財産に対する再生債権に基づく強制執行等又は再生債権に基づく外国租税滞納処分をすることができ、包括的禁止命令が発せられる前に当該再生債権者等がした再生債権に基づく強制執行等の手続又は再生債権に基づく外国租税滞納処分は、続行する。
  2. 2.前項の規定による解除の決定を受けた者に対する第二十七条第七項の規定の適用については、同項中「当該命令が効力を失った日」とあるのは、「第二十九条第一項の規定による解除の決定があった日」とする。
  3. 3.第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
  4. 4.前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
  5. 5.第一項の申立てについての裁判及び第三項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。

この条文の基本情報

包括的禁止命令の解除とは何ですか?

定義包括的禁止命令の解除とは、民事再生法第29条に定められた規定で、「裁判所は、包括的禁止命令を発した場合において、再生債権に基づく強制執行等の申立人である再生債権者又は再生債権に基づく外国租税滞納処分を行う者(以下この項において…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 民事再生法第29条(包括的禁止命令の解除)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
  2. 民事再生法第29条の条文原文は「裁判所は、包括的禁止命令を発した場合において、再生債権に基づく強制執行等の申立人である再生債権者又は再生債権に基づく外国租税滞納処分を行う者(以下この項において…」で始まります。
  3. 民事再生法第29条は第一節 再生手続開始の申立てに置かれています。
  4. 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
  5. 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 民事再生法第29条の前の条は民事再生法第28条です。
  7. 民事再生法第29条の次の条は民事再生法第30条です。
  8. 民事再生法第29条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第29条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225
  • 本サイト収録民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第29条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/29

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点民事再生法29条は、包括的禁止命令により不当な損害を受けるおそれのある再生債権者が、裁判所の解除決定を得て自らの強制執行等を続行できると定める。即時抗告はできるが執行停止効はない。

Q · 包括的禁止命令で自分の差押えが止まったら、もう回収は諦めるしかないの?

原則そうだが、不当な損害があれば自分だけ解除を受けられる

民事再生法29条により、再生債権に基づく強制執行等の申立人である再生債権者等に「不当な損害を及ぼすおそれ」があると裁判所が認めれば、その債権者の申立てにより、当該債権者に対してのみ包括的禁止命令を解除できます。解除を受けた債権者は強制執行等を続行でき、命令前に開始した手続も続けられます。解除の裁判に不服なら即時抗告できますが(3項)、その抗告には執行停止の効力がありません(4項)。担保物の劣化速度や執行の進捗度など、具体的な損害を数値で示せるかが分岐点です。

解説

取引先が民事再生を申し立てた瞬間、あなたが進めていた差押えは止まる。それもあなただけでなく、全債権者の強制執行が一斉に凍結される。これが包括的禁止命令だ。倒産手続の「公平」の名の下に、回収レースは強制終了させられる。ところが民事再生法29条には、その凍結から自分だけ抜け出す非常口が用意されている。裁判所が「不当な損害を及ぼすおそれ」があると認めれば、申立てをした債権者に対してだけ命令を解除し、差押えを続行できるのだ。例えば担保物が値下がりの激しい在庫だった、執行が完了寸前だった、凍結による損失が再生全体の利益を大きく上回る、そういう個別事情がある場合だ。多くの債権者は「裁判所が決めたなら従うしかない」と諦める。だが29条を握る者は、自分の損害を理由に解除を勝ち取り、回収を続ける。同じ凍結の下で、知る者と知らない者の最終回収額は決定的に分かれる。

法的な位置づけ

民事再生法29条は、包括的禁止命令の個別的解除を定める規定であり、再生債権に基づく強制執行等の申立人である再生債権者等に不当な損害を及ぼすおそれがある場合に、裁判所がその申立てにより当該債権者に対してのみ命令を解除し、既存の執行手続の続行を認める旨を規定する。倒産手続の一律凍結に対する例外的な安全弁として機能する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.包括的禁止命令の決定書を確認する 裁判所から送達された決定書を確認し、自分の強制執行等がどの段階で停止したか、命令の効力範囲と発令日を特定する。続行できる手続と新たにできない手続を切り分ける
  2. 2.「不当な損害のおそれ」を数値で裏付ける 担保物の劣化速度、執行の進捗度、凍結による損失額を試算し、抽象的な不利益ではなく『あと何日で何円下がる』という具体的損害として証拠化する。数値化できるほど裁判所の判断が傾く
  3. 3.29条1項の解除申立てを裁判所に行う 当該再生債権者等として、包括的禁止命令の解除申立書を作成し、裁判所に提出する。計画案が固まる前の早い段階で出すほど、満額回収の余地が残る
  4. 4.却下時は即時抗告と別ルートを同時並行で準備する 却下されたら29条3項で即時抗告する。ただし4項により執行停止効はないため、抗告と並行して別除権行使や債権者集会での交渉など、別の回収手段も同時に走らせる

よくある質問 AI による整理

Q1包括的禁止命令とは何ですか?

再生手続開始前に、全債権者の強制執行等を一斉に禁止・中止する裁判所の命令です(民事再生法27条)。特定の債権者による抜け駆け回収を防ぎ、債権者間の公平を図る制度です。

Q2民事再生法29条の「不当な損害」とは何ですか?

一律凍結を続けることで、その債権者だけが過大な犠牲を強いられる事情です。担保物の急速な値下がり、執行完了寸前の停止、凍結による損失が再生全体の利益を上回る場合などが典型です。

Q3誰が包括的禁止命令の解除を申し立てられますか?

再生債権に基づく強制執行等の申立人である再生債権者、または再生債権に基づく外国租税滞納処分を行う者です。無関係の第三者や一般の無担保債権者は申立人になれません。

Q4解除の即時抗告に執行停止の効力はありますか?

ありません。民事再生法29条4項が明記しています。抗告している間も裁判の効力は止まらないため、抗告と並行して別の回収手段も準備する必要があります。

Q5外国租税滞納処分も解除の対象ですか?

対象です。29条1項は再生債権に基づく外国租税滞納処分を行う者も申立人に含めています。国境を越えた徴収と国内再生手続が衝突する場面を条文が整理しています。

Q6解除の申立てはいつまでに行うべきですか?

法定の確定期限はありませんが、実務上は包括的禁止命令が効力を持つ間、かつ再生計画で債権が確定する前に動く必要があります。手続が進むほど回収原資が薄まります。

Q7解除されれば回収は確定しますか?

確定しません。解除はあなたの執行を止めないだけで、再生手続は進行します。過去に受けた弁済が否認権(民事再生法127条)で後から覆される可能性は別に残ります。

Q8担保があれば解除を待たずに回収できますか?

別除権(民事再生法53条)を持つ担保権者は原則として手続外で担保権を実行できます。29条の解除は主に無担保の強制執行等を続行するための手段です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1包括的禁止命令が出たら、もう自分の差押えは諦めるしかないんですか?

諦める必要はありません。民事再生法29条は、あなたが『不当な損害を及ぼすおそれ』のある債権者なら、あなたに対してだけ命令を解除し差押えを続けられると定めています。担保の劣化や執行の進捗度が判断の鍵です。実務のポイント:解除が認められるのは少数ですが、申立てをすること自体が再生債務者側に『この債権者は本気だ』というシグナルになり、別除権協定や弁済の交渉で有利な位置を取れることがある。解除が通らなくても、申立ては交渉カードになる

Q2解除を申し立てて却下されたら、それで終わりですか?

終わりではありません。29条3項で即時抗告ができます。ただし4項により執行停止の効力はないので、抗告中も裁判の効力は止まりません。裁判書は当事者に送達され(5項)、抗告期間は民事再生法9条に従います。実務のポイント:抗告に執行停止効がないため、抗告だけに頼ると時間切れで資産が失われる。実務では抗告を打ちつつ、再生手続内での別除権行使や債権者集会での交渉を同時並行で進めるのが定石。一本足打法は危険です

間違えやすい点 AI による整理

  • 「包括的禁止命令が出たら全債権者が一律に止まり、誰にも例外はない」と思われがちだが、29条は明確に例外を認める。不当な損害を受ける債権者は、自分だけ解除を受けて執行を続けられる。一律凍結は原則であって絶対ではない
  • 「解除されれば全部解決」と考えるのは、そもそも問いの立て方が違う。29条で解除されても、それは『あなたの執行を止めない』というだけのこと。再生手続そのものは進行し、否認権(民事再生法127条)で過去に受けた弁済が後から覆される可能性は別に残る。解除は回収の一区切りであって、勝利確定ではない
  • 即時抗告ができることは知っていても、その抗告に執行停止効がない(29条4項)という深刻さを見落としている人が多い。抗告中も裁判の効力は止まらない。つまり時間との勝負であって、抗告という紙の上の権利だけでは現実の資産は動かせない
比較の観点この条文ほかの条文
命令の性質民再29条:包括的禁止命令の個別的『解除』民再27条:包括的禁止命令の『発令』(全債権者を一律凍結)
民再26条:個別の強制執行等に対する『中止命令』
対象範囲申立てをした特定の再生債権者等に対してのみ効力すべての再生債権者の強制執行等を一斉に禁止・中止
特定の債権者の個別の執行手続を対象
申立人不当な損害を受けるおそれのある再生債権者等再生債務者等(裁判所が発令)
再生債務者等(裁判所が中止を命令)
不服申立て即時抗告可(3項)、ただし執行停止効なし(4項)即時抗告に関する27条の規律に従う
即時抗告に関する26条の規律に従う

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
消費者債務清理條例 第19條・公司法 第294條

台湾は更生・重整の裁定に伴い保全処分と強制執行の停止を認めるが、日本29条のような『特定債権者だけの個別解除』を明文で切り出す規定は薄く、裁判所の保全処分の運用に委ねられる面が大きい

韓国
채무자 회생 및 파산에 관한 법률 제46조

韓国の統合倒産法も包括的禁止命令とその解除を規定し、日本法と近い構造を持つ。日本の倒産法制を強く参照している

ドイツ
InsO § 21

ドイツは開始手続段階の保全処分として執行の中止等を定め、個別の必要に応じ裁判所が措置を調整する。日本29条の個別解除に近い柔軟な運用がなされる

アメリカ
11 U.S.C. § 362(d)

米国連邦倒産法は申立てで自動停止(automatic stay)が生じ、cause があれば個別債権者への relief from stay を認める。29条の『不当な損害のおそれ』による個別解除と発想が最も近い

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • あと一歩で売掛金の差押えが完了するところで、取引先が民事再生を申し立て、包括的禁止命令が出た。あなたの執行も他の全債権者の執行も一斉停止。だがあなたの担保は値下がりの激しい在庫だった。あと数日で価値が大きく削られる。29条で「不当な損害」を主張し、自分だけ解除を求める道がある。動かなければ、再生計画の中で他の無担保債権者と同列に薄められる
  • もし、解除の申立てが却下されたら、そこで終わりなのか? いや、29条3項で即時抗告ができる。ただし4項により執行停止の効力はない。抗告している間も凍結は続く。つまり抗告という紙を打ちながら、並行して別の回収手段も用意しておかなければ間に合わない
  • あなたが再生債務者側だったとしたらどうか。一人の債権者に解除を許せば、再生の足元が崩れかねない。だから解除の申立てには「不当な損害のおそれはない」と全力で反論する。29条の攻防は、債権者と債務者が一つの非常口をめぐって綱引きをする現場だ

取るべき行動

被害を受けた側:1. 包括的禁止命令の決定書を確認し、自分の執行がどの段階で止まったかを特定する2.『不当な損害のおそれ』を裏付ける具体的事情を集める:担保物の劣化速度、執行の進捗度、凍結による損失額の試算3. 当該再生債権者として29条1項の解除申立てを裁判所に行う4. 却下されたら3項の即時抗告。ただし執行停止効はない(4項)ので、抗告と並行して別除権行使など別の回収手段も準備する

訴えられた側:1. 解除されると再生の原資が個別債権者へ流出するため『不当な損害のおそれはない』と反論する材料を用意2. 当該債権者の損害が、再生全体の公平より優先すべきほど特別かを争う3. 解除決定が出た場合、その債権者への27条7項の時効関連の効果が起算日基準で変わる点(29条2項)を踏まえ手続を再設計4. 解除決定にも即時抗告(3項)で対抗できるが、執行停止効はない点を念頭に置く

時効(請求できる期限):29条の解除申立て自体に法定の確定期限はないが、実務上は包括的禁止命令が効力を持つ間、かつ再生計画で債権が確定する前に動く必要がある。解除や抗告の裁判書は当事者に送達され(5項)、即時抗告は民事再生法9条に従い原則1週間の不変期間内に行う。(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:包括的禁止命令は債権者平等と再生債務者の事業継続を図る一律停止であり、29条の解除はその一律停止が特定の債権者に過大な犠牲を強いる場合に、全体の公平を崩さない範囲で例外的に個別執行の続行を認める安全弁と理解される。解除の可否は裁判所の裁量的な利益衡量による。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法(平成11年法律第225号)の制定に伴い新設。旧和議法に代わる再建型倒産手続として、包括的禁止命令とその個別的解除の枠組みを整備した。

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民事再生法の全文を見る所属する編章節を開く:第一節 再生手続開始の申立て

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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