要点民事再生法 85 条は、再生手続開始後、再生債権を再生計画によらず弁済することを禁じる。ただし主要取引先の中小企業者と少額債権には、裁判所の許可による計画前弁済の例外がある。
Q · 取引先が民事再生したら、売掛金は全部あきらめて配当を待つしかないの?
原則そうだが、中小取引先なら先に回収できる例外がある
民事再生法 85 条 1 項により、再生債権は手続開始後、原則として再生計画の定めによらなければ弁済できません。ただし、あなたが再生債務者を主要な取引先とする中小企業者で、弁済を受けなければ事業継続に著しい支障が出るときは、裁判所の許可で計画認可の確定前でも弁済を受けられます(2 項)。少額債権には早期弁済許可(5 項)もあります。いずれも申立てがなければ裁判所は動かないため、取引依存度と連鎖倒産リスクを数字で示して自ら申し立てるかが分岐点です。
取引先が民事再生を申し立てた。その通知が届いた瞬間、あなたの売掛金は法的に凍結される。民事再生法 85 条 1 項は、再生手続開始後、再生債権は原則として再生計画の定めによらなければ弁済できないと定める。再生債務者が「あなただけ先に払う」ことは禁止され、それを受け取る行為もできない。狙いは債権者平等。早い者勝ちで一部の債権者だけ回収すれば、残った債権者が割を食うからだ。だが例外が二つある。あなたが再生債務者を主要な取引先とする中小企業者で、弁済を受けなければ事業継続に著しい支障が出るなら、裁判所の許可で計画前でも弁済を受けられる(2 項)。少額債権なら手続円滑化のための早期弁済許可もある(5 項)。この二つの非常口を知っているかどうかで、あなたの会社が連鎖倒産するか生き延びるかが分かれる。
民事再生法 85 条にいう弁済禁止とは、再生手続開始後、再生債権について再生計画の定めによらなければ弁済・受領その他の消滅行為(免除を除く)をすることができないとする原則をいう。債権者平等を確保するための規律であり、主要取引先である中小企業者への弁済許可および少額債権の早期弁済許可という例外を伴う。
AI 輔助整理,以條文原文為準
再生手続開始後、再生債権を再生計画によらず弁済・受領できないとする原則です。民事再生法 85 条 1 項が根拠で、債権者平等を守るための規律です。
再生債務者を主要な取引先とする中小企業者で、弁済を受けなければ事業継続に著しい支障が出るおそれがあること。裁判所は取引状況・資産状態・利害を考慮して許可します(85 条 2・3 項)。
少額の再生債権を早期に弁済すれば手続を円滑に進められる、または弁済しなければ事業継続に著しい支障が出る場合、裁判所が計画認可確定前でも弁済を許可できる制度です(85 条 5 項)。
手続開始前でも、支払不能を知った後の偏った弁済は否認権(民事再生法 127 条以下)で取り戻される可能性があります。開始後の弁済は 85 条 1 項に反し原則無効です。
一定の要件を満たせば相殺は認められます(民事再生法 92 条)。弁済禁止下でも相殺は債権回収の手段として機能しますが、危機時期の相殺には制限があります。
受けられません。85 条 6 項により、2 項の中小企業者弁済許可も 5 項の少額債権弁済許可も、約定劣後再生債権には適用されません。列の最後尾で待つ設計です。
いずれも手続開始後の個別弁済を禁じますが、会社更生(会社更生法)は株式会社が対象で管財人主導、民事再生は DIP 型で再生債務者が業務遂行を続ける点が異なります。
明文の期限はありませんが、2 項・5 項の許可は再生計画認可の決定が確定する前にのみ意味を持ちます。資金繰り逼迫を立証しやすい手続開始直後ほど有利です。
原則は再生計画に従った配当で、しばしば大幅カットされます。ただしあなたが再生債務者を主要な取引先とする中小企業者なら、85 条 2 項の弁済許可で計画の確定前に全部または一部を先に回収できる可能性があります。業界裏話ヒント:この中小企業者弁済許可は、申立てがなければ裁判所はまず動きません。待っていても誰も教えてくれないので、自社の取引依存度と連鎖倒産リスクを数字で示して自分から申し立てるかどうかで、回収できるかが決まる
手続開始『前』の弁済は 85 条の禁止対象外ですが、危機時期の偏った弁済は否認権(民事再生法 127 条以下)で取り戻される可能性があります。開始『後』の弁済は 85 条 1 項違反で原則として効力を否定されます。業界裏話ヒント:『開始決定の前か後か』だけでなく『支払不能を知っていたか』が否認の分かれ目。取引先の資金繰り悪化を察知した後に駆け込みで回収すると、たとえ開始前でも後から否認されることがある
再生債権は手続開始前の原因で生じた債権で 85 条の弁済禁止を受けますが、共益債権(民事再生法 119 条以下)は手続開始後の取引などから生じ、再生計画に縛られず随時満額弁済されます。業界裏話ヒント:取引先が民事再生に入った後も取引を続けるなら、その後の納品分は共益債権として全額守られる。『再生したからもう取引しない』と即断するより、開始後の取引条件を見直す方が、結果的に回収を最大化できる場合がある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 弁済ルール | 再生債権(85 条):計画によらず弁済禁止 | — |
| 発生原因 | 手続開始前の原因に基づく債権 | — |
| 計画による影響 | 再生計画で減免・分割されうる | — |
| 例外的な早期回収 | 中小企業者弁済許可(2 項)・少額債権弁済許可(5 項) | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。