民事再生法 第84条(再生債権となる請求権)
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- 再生債務者に対し再生手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権(共益債権又は一般優先債権であるものを除く。次項において同じ。)は、再生債権とする。
- 2.次に掲げる請求権も、再生債権とする。
- 一再生手続開始後の利息の請求権
- 二再生手続開始後の不履行による損害賠償及び違約金の請求権
- 三再生手続参加の費用の請求権
この条文の基本情報
再生債権となる請求権とは何ですか?
定義再生債権となる請求権とは、民事再生法第84条に定められた規定で、「再生債務者に対し再生手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権(共益債権又は一般優先債権であるものを除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第84条(再生債権となる請求権)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第84条の条文原文は「再生債務者に対し再生手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権(共益債権又は一般優先債権であるものを除く。」で始まります。
- 民事再生法第84条は第一節 再生債権者の権利に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第84条の前の条は民事再生法第83条です。
- 民事再生法第84条の次の条は民事再生法第85条です。
- 民事再生法第84条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第84条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第84条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/84
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法84条は、再生手続開始前の原因で生じた財産上の請求権(共益債権・一般優先債権を除く)を再生債権と定め、再生計画による減額の対象とする。
Q · 取引先が民事再生に入ったら、うちの売掛金はどう扱われるの?
開始前の取引債権は再生債権となり、大幅に減額されます
民事再生法84条により、再生手続開始前の原因に基づいて生じた取引債権(売掛金など)は、原則として再生債権になります。再生債権は再生計画で大幅に減額・分割弁済され、しかも債権届出をしなければ原則失権します(178条)。一方、開始後の取引から生じた債権は共益債権(119条)として満額・随時弁済され、給料・税金などは一般優先債権(122条)として優先されます。同じ相手への同じ債権でも、発生時期と性質で回収率が大きく分かれます。
解説
あなたの会社の大口取引先が、ある朝「再生手続開始」の通知を送ってきた。回収できていない売掛金が500万円。この瞬間、最初に確かめるべきは、その500万円が「再生債権」なのか「共益債権」なのかだ。84条はこう定める。再生手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権は、原則として再生債権になる。再生債権になると、再生計画で大幅に減額され(9割カットも珍しくない)、しかも届出をしなければ消える。一方、手続開始後に発生した取引や、もともと優先順位の高い債権(給料、税金など)は別枠で満額に近く回収できる。つまり「いつの取引か」「どんな性質の債権か」で、あなたの500万円が50万円になるか、ほぼ満額残るかが分かれる。倒産した相手から金を取り戻す世界の入口で、あなたがどの列に並ぶかを決める振り分け装置、それがこの一条だ。
法的な位置づけ
再生債権とは、民事再生法84条により、再生手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権のうち、共益債権および一般優先債権を除いたものをいう。開始後の利息・不履行による損害賠償・違約金・手続参加費用も再生債権に含まれ、再生計画による権利変更(減額・繰延べ)の対象となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.裁判所からの通知で締切を最優先確認 『再生手続開始決定』と『債権届出期間』の通知を最優先で開封し、届出期間と一般調査期間の日付を控える。この締切を過ぎると原則失権する(178条)
- 2.自社の債権を発生時期で仕分け 各債権を『開始前=再生債権』『開始後の取引=共益債権(119条)』『給料・税金=一般優先債権(122条)』に仕分ける。利息・遅延損害金は84条2項で再生債権に含まれる点に注意
- 3.担保・相殺・別除権の有無を洗い出す 担保権(別除権)や相殺権があれば、再生手続によらず優先回収でき、再生債権の減額を回避できる。抵当権・質権・所有権留保・相殺適状の債権を洗い出す
- 4.期間内に債権届出を行う 届出期間内に再生債権届出書を裁判所へ提出する。債務者が認める自認債権でも、認否の食い違いで失権しないよう自ら届け出るのが安全
よくある質問 AI による整理
Q1再生債権とは何ですか?
民事再生法84条により、再生手続開始前の原因で生じた財産上の請求権(共益債権・一般優先債権を除く)をいいます。再生計画で減額の対象となり、届出が必要です。
Q2再生債権と共益債権の違いは何ですか?
再生債権は開始前の債権で減額対象、共益債権は開始後の取引等から生じ満額・随時弁済されます(119条)。発生が開始日の前か後かが分かれ目です。
Q3民事再生の債権届出はいつまでにしますか?
裁判所が定める『債権届出期間』内です。期間内に届け出ないと原則失権します(178条)。通知が届いたら即座に締切を確認してください。
Q4再生債権は何割戻ってきますか?
再生計画次第で数十パーセントに減額されるのが通常ですが、破産した場合の配当額(清算価値)以上は保障されます(174条)。事案ごとに大きく異なります。
Q5再生手続開始後の利息は再生債権になりますか?
はい。開始後の利息、不履行による損害賠償、違約金、手続参加費用は84条2項により再生債権となり、再生計画で一括して減額されます。
Q6一般優先債権とは何ですか?
給料・税金など一般の先取特権その他一般の優先権がある債権です(122条)。再生手続によらず優先的に弁済され、再生債権のような減額を受けません。
Q7別除権があれば再生債権より優先されますか?
担保権(別除権)は再生手続によらず担保目的物から優先回収できます。開始前に担保を確保していれば、再生債権の減額を回避できる余地があります。
Q8民事再生と破産で債権の扱いは違いますか?
民事再生では再生債権、破産では破産債権として扱われます。再生は事業継続を前提に再生計画で弁済、破産は清算して配当する点が根本的に異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1取引先が民事再生したら、売掛金は全部パーになるんですか?
全額ゼロにはなりにくいが、大幅減額が普通だ。開始前の売掛金は再生債権となり、再生計画で減額・分割弁済される。ただし清算価値(破産した場合の配当)以上は保障される(民事再生法174条)。実務のポイント:債務者が認めた債権(自認債権、101条)は届出不要のこともあるが、それに頼り切って自分で届け出ないと、認否の食い違いで失権するリスクがある。必ず自分で届出する
Q2うちの請求を『共益債権』にはできないんですか?
手続開始後の取引から生じた債権は共益債権(民事再生法119条)になり、満額・随時弁済される。問題は開始日の前か後か。開始前の取引は原則 再生債権で減額対象だ。実務のポイント:開始前後をまたぐ継続的給付契約は、申立て後の給付分が共益債権になりうる(50条)。契約の切り方や供給継続の合意一つで、満額回収か9割カットかが分かれる。継続取引なら手続担当者と早期に枠組みを詰める
Q3届出期間を過ぎたら、もう一円も戻らないんですか?
原則として失権し、再生計画による弁済を受けられなくなる(民事再生法178条)。届け出ていない以上、計画の配当対象から外れる。実務のポイント:届出期間後でも、その期間内に届け出られなかったことに『責めに帰すことができない事由』があれば追完が認められる余地がある(95条)。ただし『忙しかった』『通知を見落とした』では通らない。通知を受けた瞬間に動くのが唯一の安全策
間違えやすい点 AI による整理
- 「貸した金なのだから、倒産しても優先的に返してもらえる」と思われがちだが、開始前の普通の取引債権はほぼすべて再生債権、つまり減額対象だ。優先されるのは給料・税金などの一般優先債権と、開始後に発生した共益債権だけ。あなたの売掛金は、原則として最も削られる列に並ぶ
- 再生債権になると元本だけが減ると思っている人が多いが、深刻なのはそこではない。開始後の利息・遅延損害金・違約金まで再生債権に組み込まれ(84条2項)、再生計画で一括して減額される。約定で高い遅延利率を取り決めていても、その部分が満額生き残ることはまずない。契約書の利率条項が倒産局面では機能しないという落差を知らないと、回収見込みを過大に計算してしまう
- 「届出さえ間に合えば満額もらえる」という前提そのものが誤っている。届出は権利を失わないための最低条件にすぎず、届け出ても再生計画で減額された分しか戻らない。問うべきは『間に合うか』ではなく『そもそも何割戻る債権なのか』だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発生時期 | 再生債権(84条):開始決定前の原因 | 共益債権(119条):開始後の取引・費用 一般優先債権(122条):時期を問わず優先権のある債権 |
| 弁済の扱い | 再生計画で減額・繰延べ、要届出 | 随時・満額弁済(手続によらない) 随時・優先弁済(手続によらない) |
| 典型例 | 開始前の売掛金・貸付金・買掛金 | 開始後の継続供給代金・手続費用 未払給料・滞納税金・社会保険料 |
| 回収の見込み | 数十パーセント(清算価値は保障、174条) | 満額に近い 満額に近い |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は法人再建を公司法の重整(重整債権)、個人再建を消費者債務清理条例の更生(更生債権)で扱い、日本の民事再生に相当する統一法はない
韓国は2005年に再生・破産を統合した統合倒産法を制定。회생채권の定義は日本の再生債権と近く、開始前債権を包括的に取り込む
ドイツは倒産手続を Insolvenzordnung に一元化。§ 38の Insolvenzforderung(開始前債権)が再生債権に対応し、Insolvenzplan により再建する
米国は Chapter 11の DIP(占有債務者)モデル。pre-petition claim が再生債権、administrative expense(§ 503(b))が共益債権に相当。日本の民事再生は本制度を強く参照した
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが部品メーカーで、納品済みだが未入金の売掛金800万円を抱える取引先が民事再生を申し立てた。この800万円は開始前の取引なので原則 再生債権。再生計画で数十パーセントに減額されるのが通常で、しかも届出をしなければゼロになる。回収率は「いつ納品したか」で天と地ほど違う
- もし、あなたが再生手続開始後も同じ相手に商品を供給し続けたら、その代金はどう扱われる? 開始後の取引から生じた債権は共益債権(民事再生法119条)として満額・随時弁済される。同じ相手への同じ商品でも、開始日の前か後かで、満額か9割カットかが分かれる
- あなたが再生を申し立てる側の経営者だとする。取引先への買掛金、銀行借入、リース、滞納税金、未払給与、これらを再生債権・共益債権・一般優先債権に正しく仕分けしないと、再生計画そのものが組めない。仕分けを誤れば、本来カットできた債務を満額払う羽目になり、再建が頓挫する
- 裁判所から届いた「債権届出期間」は残り3週間。あなたの債権が再生債権である以上、この期間内に届け出なければ原則失権し、再生計画の配当を一切受けられなくなる。動くのが遅れた瞬間、被害は事実でも請求権は紙くずになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 裁判所からの通知(開始決定、債権届出期間)を最優先で確認、届出期間と一般調査期間の日付を控える2. 自社の債権を発生時期で仕分け、開始前は再生債権、開始後の取引は共益債権(民事再生法119条)として主張できないか検討3. 担保・保証・相殺の可能性を洗う、別除権や相殺権があれば再生債権の減額を回避できる4. 期間内に必ず債権届出を行う、自認債権として債務者が認めていても自分で届け出るのが安全
訴えられた側:1. 申立て前に全債務を再生債権・共益債権・一般優先債権・別除権付債権に正確に仕分け、認否書(民事再生法101条)の準備をする2. 事業継続に不可欠な取引先の開始後分は共益債権として処理し、信用を維持する3. 開始前の再生債権は弁済禁止(85条)が原則、抜け駆け弁済は否認・責任追及のリスク4. 再生計画における弁済率は清算価値保障原則(174条)を下回れないため、清算価値の試算を早期に専門家と固める
時効(請求できる期限):特定の消滅時効ではなく、裁判所が定める「債権届出期間」が実質的な締切。期間内に届け出ないと原則失権する(民事再生法178条)。期間経過後でも、届け出なかったことにつき責めに帰すことができない事由があれば追完が認められる場合があるが(同95条)、ハードルは高い。通知が届いたら即動くこと(最新の手続運用をご確認ください)
学説
通説:84条の再生債権は、開始前の原因に基づく財産上の請求権を包括的に取り込む規定であり、共益債権(119条)・一般優先債権(122条)・別除権付債権を除外して画定される。開始後の利息・損害金も再生債権に組み込まれる(2項)点が実務上重要とされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成11年(1999年)制定、平成12年(2000年)4月1日施行 民事再生法の制定により新設。再生債権の範囲を画定する基本規定として導入された。施行後の改正履歴は人的検証を要する
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法(平成11年法律第225号)の制定により新設。平成12年(2000年)4月1日施行。再生債権の範囲を画定する基本規定として導入された。以後の改正履歴は人的検証を要する。
- 民事再生法 第85条再生債権の弁済禁止、本条で定めた債権の扱い
- 民事再生法 第87条約定劣後再生債権、再生債権内の順位
- 民事再生法 第88条再生債権者の手続参加の根拠
- 民事再生法 第94条再生債権の届出手続
- 民事再生法 第119条共益債権、本条が除外する優先枠の定義
- 民事再生法 第122条一般優先債権、本条が除外する優先枠の定義
- 破産法 第2条破産手続における破産債権の対応概念
- 会社更生法 第2条株式会社の更生手続における更生債権の対応概念
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