要点民事再生法 84 条は、再生手続開始前の原因で生じた財産上の請求権(共益債権・一般優先債権を除く)を再生債権と定め、再生計画による減額の対象とする。
Q · 取引先が民事再生に入ったら、うちの売掛金はどう扱われるの?
開始前の取引債権は再生債権となり、大幅に減額されます
民事再生法 84 条により、再生手続開始前の原因に基づいて生じた取引債権(売掛金など)は、原則として再生債権になります。再生債権は再生計画で大幅に減額・分割弁済され、しかも債権届出をしなければ原則失権します(178 条)。一方、開始後の取引から生じた債権は共益債権(119 条)として満額・随時弁済され、給料・税金などは一般優先債権(122 条)として優先されます。同じ相手への同じ債権でも、発生時期と性質で回収率が大きく分かれます。
あなたの会社の大口取引先が、ある朝「再生手続開始」の通知を送ってきた。回収できていない売掛金が 500 万円。この瞬間、最初に確かめるべきは、その 500 万円が「再生債権」なのか「共益債権」なのかだ。84 条はこう定める。再生手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権は、原則として再生債権になる。再生債権になると、再生計画で大幅に減額され(9 割カットも珍しくない)、しかも届出をしなければ消える。一方、手続開始後に発生した取引や、もともと優先順位の高い債権(給料、税金など)は別枠で満額に近く回収できる。つまり「いつの取引か」「どんな性質の債権か」で、あなたの 500 万円が 50 万円になるか、ほぼ満額残るかが分かれる。倒産した相手から金を取り戻す世界の入口で、あなたがどの列に並ぶかを決める振り分け装置、それがこの一条だ。
再生債権とは、民事再生法 84 条により、再生手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権のうち、共益債権および一般優先債権を除いたものをいう。開始後の利息・不履行による損害賠償・違約金・手続参加費用も再生債権に含まれ、再生計画による権利変更(減額・繰延べ)の対象となる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
民事再生法 84 条により、再生手続開始前の原因で生じた財産上の請求権(共益債権・一般優先債権を除く)をいいます。再生計画で減額の対象となり、届出が必要です。
再生債権は開始前の債権で減額対象、共益債権は開始後の取引等から生じ満額・随時弁済されます(119 条)。発生が開始日の前か後かが分かれ目です。
裁判所が定める『債権届出期間』内です。期間内に届け出ないと原則失権します(178 条)。通知が届いたら即座に締切を確認してください。
再生計画次第で数十パーセントに減額されるのが通常ですが、破産した場合の配当額(清算価値)以上は保障されます(174 条)。事案ごとに大きく異なります。
はい。開始後の利息、不履行による損害賠償、違約金、手続参加費用は 84 条 2 項により再生債権となり、再生計画で一括して減額されます。
給料・税金など一般の先取特権その他一般の優先権がある債権です(122 条)。再生手続によらず優先的に弁済され、再生債権のような減額を受けません。
担保権(別除権)は再生手続によらず担保目的物から優先回収できます。開始前に担保を確保していれば、再生債権の減額を回避できる余地があります。
民事再生では再生債権、破産では破産債権として扱われます。再生は事業継続を前提に再生計画で弁済、破産は清算して配当する点が根本的に異なります。
全額ゼロにはなりにくいが、大幅減額が普通だ。開始前の売掛金は再生債権となり、再生計画で減額・分割弁済される。ただし清算価値(破産した場合の配当)以上は保障される(民事再生法 174 条)。業界裏話ヒント:債務者が認めた債権(自認債権、101 条)は届出不要のこともあるが、それに頼り切って自分で届け出ないと、認否の食い違いで失権するリスクがある。必ず自分で届出する
手続開始後の取引から生じた債権は共益債権(民事再生法 119 条)になり、満額・随時弁済される。問題は開始日の前か後か。開始前の取引は原則 再生債権で減額対象だ。業界裏話ヒント:開始前後をまたぐ継続的給付契約は、申立て後の給付分が共益債権になりうる(50 条)。契約の切り方や供給継続の合意一つで、満額回収か 9 割カットかが分かれる。継続取引なら手続担当者と早期に枠組みを詰める
原則として失権し、再生計画による弁済を受けられなくなる(民事再生法 178 条)。届け出ていない以上、計画の配当対象から外れる。業界裏話ヒント:届出期間後でも、その期間内に届け出られなかったことに『責めに帰すことができない事由』があれば追完が認められる余地がある(95 条)。ただし『忙しかった』『通知を見落とした』では通らない。通知を受けた瞬間に動くのが唯一の安全策
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 発生時期 | 再生債権(84 条):開始決定前の原因 | — |
| 弁済の扱い | 再生計画で減額・繰延べ、要届出 | — |
| 典型例 | 開始前の売掛金・貸付金・買掛金 | — |
| 回収の見込み | 数十パーセント(清算価値は保障、174 条) | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。