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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

民事再生法 第85条の2(再生債務者等による相殺)

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再生債務者等は、再生債務者財産に属する債権をもって再生債権と相殺することが再生債権者の一般の利益に適合するときは、裁判所の許可を得て、その相殺をすることができる。

この条文の基本情報

再生債務者等による相殺とは何ですか?

定義再生債務者等による相殺とは、民事再生法第85条の2に定められた規定で、「再生債務者等は、再生債務者財産に属する債権をもって再生債権と相殺することが再生債権者の一般の利益に適合するときは、裁判所の許可を得て、その相殺をすることができる…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 民事再生法第85条の2(再生債務者等による相殺)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
  2. 民事再生法第85条の2の条文原文は「再生債務者等は、再生債務者財産に属する債権をもって再生債権と相殺することが再生債権者の一般の利益に適合するときは、裁判所の許可を得て、その相殺をすることができる…」で始まります。
  3. 民事再生法第85条の2は第一節 再生債権者の権利に置かれています。
  4. 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
  5. 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 民事再生法第85条の2の前の条は民事再生法第85条です。
  7. 民事再生法第85条の2の次の条は民事再生法第86条です。
  8. 民事再生法第85条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第85条の2
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225
  • 本サイト収録民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第85条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/85_2

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点民事再生法85条の2は、再生債務者等が自己の債権を再生債権と相殺することが再生債権者の一般の利益に適合する場合、裁判所の許可を得て相殺できると定める。許可を欠く相殺は効力を否定されうる。

Q · 再生中の会社が、回収できそうにない自社の売掛金を相手への再生債権と相殺できるの?

裁判所の許可と一般の利益への適合があれば相殺できます

できます。民事再生法85条の2は、再生債務者等が再生債務者財産に属する債権を再生債権と相殺することが「再生債権者の一般の利益に適合するとき」に限り、裁判所の許可を得て相殺することを認めます。回収見込みの低い自社債権を、本来は再生計画で数パーセントしか払わない再生債権と帳消しにできれば、財団に残る額が増え総債権者の利益になるからです。ただし裁判所の許可という手続要件と、一般の利益への適合という実体要件の二重の関門があり、一つでも欠ければ相殺の効力は否定されえます。

解説

倒産・再生の世界で「相殺」と聞けば、多くの人は債権者が自分の身を守る盾を思い浮かべる(民事再生法92条)。だが85条の2は、その矢印を逆に向ける。再生債務者等、つまり再生しようとする会社の側が、自分の持つ債権を再生債権にぶつけて消せるという規定だ。なぜ認めるのか。たとえばあなたの会社が相手に100の売掛金を持ち、相手もあなたに100の再生債権を持つとする。再生計画で相手に払うのは10だけ。だが相手の懐も苦しく、あなたの100はほとんど回収できない。ここで相殺すれば、回収困難な債権を、本来10払うべき債務と帳消しにできる。総債権者にとって得になる。ただし条件は二つ、裁判所の許可と「再生債権者の一般の利益に適合」すること。この二重の関門が、特定の相手だけを優遇する濫用を止めている。

法的な位置づけ

民事再生法85条の2は、再生債務者等による相殺を定める規定であり、再生債務者財産に属する債権を再生債権と相殺することが再生債権者の一般の利益に適合する場合に、裁判所の許可を条件として相殺を認めるものである。再生債権者の側の相殺権(92条)とは逆方向の相殺を規律し、相殺禁止(93条)の原則に対する例外的位置づけを持つ。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.回収困難な自社債権と相手の再生債権を突き合わせる 自社が再生手続に入ったら、帳簿上の売掛金・貸付金のうち回収見込みの低いものを洗い出し、その相手が同時に自社への再生債権者でもある組み合わせを特定する。両建てになっている取引先が相殺の候補となる
  2. 2.一般の利益への適合を数字で立証する資料を整える 相手からの回収見込み率と、再生計画上その相手に払うべき弁済率を並べ、相殺した方が財団に残る額が増えることを数値で示す。監督委員が「本当に全債権者の得になるか」と問える水準まで根拠を固める
  3. 3.監督委員の同意・意見を得る 相殺許可申立てに先立ち、監督委員に相殺の必要性と一般の利益への適合を説明し、同意または意見を取り付ける。監督委員の裏付けがあると裁判所の許可が下りやすい
  4. 4.裁判所に相殺の許可を申し立てる 相殺の対象債権・債務、一般の利益への適合、監督委員の意見を添えて、裁判所に相殺許可の申立てを行う。相手が相殺適状にあり資力が残るうちに、時機を逃さず申し立てる

よくある質問 AI による整理

Q1民事再生法85条の2とは何ですか?

再生債務者等が自己の債権を再生債権と相殺できることを定めた規定です。裁判所の許可と、再生債権者の一般の利益への適合という二つの要件を満たす必要があります。

Q2民事再生の相殺は債権者しかできないのですか?

いいえ。債権者側の相殺は92条ですが、85条の2は再生債務者等の側からも相殺を認めます。ただし裁判所の許可が必須で、無条件ではありません。

Q3再生債務者の相殺に裁判所の許可は必要ですか?

必要です。85条の2は裁判所の許可を得てはじめて相殺を認めます。許可を欠く相殺は効力を否定されうるため、事前の許可申立てが不可欠です。

Q4一般の利益に適合するとはどういう意味ですか?

相殺が特定債権者だけを優遇せず、総債権者にとって財団に残る額が増える方向に働くことを指します。回収困難な債権ほど相殺の正当性が高まります。

Q585条の2と92条の相殺はどう違いますか?

92条は再生債権者が自己防衛で行う相殺、85条の2は再生債務者等が主導する相殺です。矢印の向きが逆で、後者は裁判所の許可を要します。

Q6相殺の許可はいつまでに申し立てるべきですか?

出訴期限はありませんが、相手が相殺適状にあり資力が残るうちに動く必要があります。相手も倒産すると相殺の利益自体が失われます。

Q7許可なく相殺したらどうなりますか?

85条の2は許可を効力要件とするため、許可を欠く相殺は効力を否定されえます。相手方は相殺の効力を争うことができます。

Q8破産手続の相殺と民事再生の相殺は同じですか?

破産の相殺権は破産法67条が規律し、要件や構造が異なります。会社更生法48条とも扱いが分かれるため、手続ごとに確認が必要です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1うちが再生中なんですが、回収できそうにない売掛金を、その相手への買掛金と勝手に相殺していいんですか?

勝手にはできません。民事再生法85条の2は、再生債権者の一般の利益に適合する場合に限り、しかも裁判所の許可を得てはじめて相殺を認めます。許可なく相殺しても効力を否定されえます。実務のポイント:許可が下りるかは「相手からの回収見込みの低さ」を数字で示せるかにかかっている。回収率の低い債権ほど相殺の正当性が高まり、逆に満額回収できる債権を相殺に回そうとすると、債権者を害するとして許可は通らない

Q2債権者の立場です。再生中の会社がこちらの債権と相殺してきました。拒めますか?

裁判所の許可を欠く相殺なら効力を争えます。許可があっても、その相殺が本当に「再生債権者の一般の利益」に適合するかは検証の余地があり、適合しないと考えるなら裁判所に意見を述べられます(85条の2)。実務のポイント:再生債務者側が相殺を急ぐのは、たいてい相手の資力が落ちる前に主導権を握りたいからだ。こちらに92条の相殺権が別に成立していないか、どちらの相殺が自分に有利かを必ず並べて比較する。先に動いた方が結果を設計できる

間違えやすい点 AI による整理

  • 再生手続の相殺は債権者だけの権利だと思われている。実際は85条の2が再生債務者等にも相殺の主導権を与える。盾だけでなく、こちらから振れる剣にもなる
  • 相殺できること自体は知られていても、それが無条件ではない深刻さが見落とされる。裁判所の許可と「再生債権者の一般の利益への適合」という二重の関門があり、一つでも欠ければ相殺は通らない。許可なき相殺は効力を否定されうる
  • 「自社の債権は全額回収するのが当然」という前提でいると、回収困難な相手に対しては判断を誤る。問うべきは「回収すべきか」ではなく「回収と相殺、どちらが財団に多く残るか」だ。回収率の低い債権ほど、相殺で消す方が総債権者の利益になる
比較の観点この条文ほかの条文
相殺の主体85条の2:再生債務者等(再生する側)92条:再生債権者(債権者の側)
93条:相殺そのものを禁止する原則
手続要件裁判所の許可が必須債権届出期間内などの時期的制限内で相殺の意思表示
一定類型の相殺を禁止(許可の余地なし)
実体要件再生債権者の一般の利益への適合相殺適状にあること
支払不能後の債務負担など濫用的取得でないこと
機能回収困難な自社債権を弁済すべき再生債権と帳消しにし財団を増やす債権者が自己の債権を実質的に優先回収する担保的機能
債権者平等を害する相殺を封じる

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
破產法(抵銷)・民法第334条/公司重整(公司法第296条以下)

台湾は倒産局面の相殺を破産法と民法334条の抵銷で処理し、日本の民事再生に相当する再建型は公司重整による。債務者側からの相殺許可という明文の切り出しは日本ほど明確でない

韓国
채무자 회생 및 파산에 관한 법률(統合倒産法)

韓国は破産・再生・更生を単一法典(統合倒産法)で規律し、相殺の可否と制限を手続横断的に定める。日本の破産法・民事再生法の分立とは立法構造が異なる

ドイツ
Insolvenzordnung §§ 94 ff.

ドイツは倒産手続開始時に既に相殺適状にあれば相殺権を保護し(§ 94)、手続開始後に生じた相殺可能性は制限する(§ 96)。相殺の担保的機能保護という発想は日本の母法にあたる

アメリカ
11 U.S.C. § 553

米国連邦倒産法は手続前から存在する相互債務の相殺権を原則として尊重するが、preference 類似の制限を課す。裁判所の許可を効力要件とする日本の85条の2とは構造が異なる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 回収見込みのない売掛金が帳簿に積み上がったまま自社が再生手続に入ったら、その不良債権はどうなる? 放置すれば査定の手間だけが残るが、相手があなたへの再生債権を持っているなら、85条の2の相殺で帳消しにできる可能性が出てくる。監督委員と組んで裁判所の許可を取りにいく場面だ
  • あなたは再生中の取引先に対する債権者だ。自分は92条で相殺するつもりで構えていたのに、先に再生債務者側が裁判所の許可を取り、85条の2であなたの債権と相殺してきた。先を越されると、相殺の主導権も結果も相手の設計どおりになる
  • 監督委員から「この相殺、本当に全債権者の得になりますか」と問われる。説明できなければ許可は下りない。一般の利益の立証が、相殺できるかどうかの分水嶺だ
  • 相手の資力が日に日に細り、あと数週間で相手も法的整理に入りそうだ。相殺適状のうちに裁判所の許可を取らなければ、回収も相殺も両方失う。許可申立ての書面を今週中に整える必要がある

取るべき行動

被害を受けた側:1. 再生債務者側から85条の2の相殺を通知されたら、まず裁判所の許可があるかを確認する。許可なき相殺は効力を争える2. 自分が92条で相殺する余地が残っていないか、相殺適状の有無を点検する3. 相手の相殺が「再生債権者の一般の利益」に本当に適合するか、回収可能性の前提を検証し、適合しないと考えるなら裁判所に意見を出す4. 相殺で消える自分の債権と、配当で受け取れる額を比較し、どちらが有利かを試算する

訴えられた側:1. 自社の債権のうち回収困難なものを洗い出し、相手が再生債権者でもある組み合わせを特定する2. 相殺が総債権者の利益になることを、回収見込みと弁済率の数字で立証する資料を整える3. 裁判所に相殺許可の申立てを行い、監督委員の同意・意見を添える4. 相手の資力が残り相殺適状にあるうちに動く。時機を逃すと相殺の利益自体が消える

時効(請求できる期限):特定の出訴期限はないが、相殺は再生手続が係属している間に裁判所の許可を得て行う必要がある。基礎となる債権自体には一般消滅時効(民法166条、債権は権利を行使できる時から5年または権利発生時から10年)が及ぶため、時効完成前に動くこと(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:85条の2の相殺は、相殺禁止(93条)の原則に対する例外として、財団の最大化に資する限度で再生債務者側にも相殺を認めるものであり、裁判所の許可と一般の利益への適合という二重の要件で濫用を防止すると解される。

担保的機能論:相殺は反対債権者に実質的な優先回収をもたらす担保的機能を持つが、85条の2はその機能を債権者側からではなく財団側から利用する場面を切り出し、回収困難債権の消却による総債権者利益を根拠づける。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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