再生債務者等は、再生債務者財産に属する債権をもって再生債権と相殺することが再生債権者の一般の利益に適合するときは、裁判所の許可を得て、その相殺をすることができる。
要点民事再生法 85 条の 2 は、再生債務者等が自己の債権を再生債権と相殺することが再生債権者の一般の利益に適合する場合、裁判所の許可を得て相殺できると定める。許可を欠く相殺は効力を否定されうる。
Q · 再生中の会社が、回収できそうにない自社の売掛金を相手への再生債権と相殺できるの?
裁判所の許可と一般の利益への適合があれば相殺できます
できます。民事再生法 85 条の 2 は、再生債務者等が再生債務者財産に属する債権を再生債権と相殺することが「再生債権者の一般の利益に適合するとき」に限り、裁判所の許可を得て相殺することを認めます。回収見込みの低い自社債権を、本来は再生計画で数パーセントしか払わない再生債権と帳消しにできれば、財団に残る額が増え総債権者の利益になるからです。ただし裁判所の許可という手続要件と、一般の利益への適合という実体要件の二重の関門があり、一つでも欠ければ相殺の効力は否定されえます。
倒産・再生の世界で「相殺」と聞けば、多くの人は債権者が自分の身を守る盾を思い浮かべる(民事再生法 92 条)。だが 85 条の 2 は、その矢印を逆に向ける。再生債務者等、つまり再生しようとする会社の側が、自分の持つ債権を再生債権にぶつけて消せるという規定だ。なぜ認めるのか。たとえばあなたの会社が相手に 100 の売掛金を持ち、相手もあなたに 100 の再生債権を持つとする。再生計画で相手に払うのは 10 だけ。だが相手の懐も苦しく、あなたの 100 はほとんど回収できない。ここで相殺すれば、回収困難な債権を、本来 10 払うべき債務と帳消しにできる。総債権者にとって得になる。ただし条件は二つ、裁判所の許可と「再生債権者の一般の利益に適合」すること。この二重の関門が、特定の相手だけを優遇する濫用を止めている。
民事再生法 85 条の 2 は、再生債務者等による相殺を定める規定であり、再生債務者財産に属する債権を再生債権と相殺することが再生債権者の一般の利益に適合する場合に、裁判所の許可を条件として相殺を認めるものである。再生債権者の側の相殺権(92 条)とは逆方向の相殺を規律し、相殺禁止(93 条)の原則に対する例外的位置づけを持つ。
AI 輔助整理,以條文原文為準
再生債務者等が自己の債権を再生債権と相殺できることを定めた規定です。裁判所の許可と、再生債権者の一般の利益への適合という二つの要件を満たす必要があります。
いいえ。債権者側の相殺は 92 条ですが、85 条の 2 は再生債務者等の側からも相殺を認めます。ただし裁判所の許可が必須で、無条件ではありません。
必要です。85 条の 2 は裁判所の許可を得てはじめて相殺を認めます。許可を欠く相殺は効力を否定されうるため、事前の許可申立てが不可欠です。
相殺が特定債権者だけを優遇せず、総債権者にとって財団に残る額が増える方向に働くことを指します。回収困難な債権ほど相殺の正当性が高まります。
92 条は再生債権者が自己防衛で行う相殺、85 条の 2 は再生債務者等が主導する相殺です。矢印の向きが逆で、後者は裁判所の許可を要します。
出訴期限はありませんが、相手が相殺適状にあり資力が残るうちに動く必要があります。相手も倒産すると相殺の利益自体が失われます。
85 条の 2 は許可を効力要件とするため、許可を欠く相殺は効力を否定されえます。相手方は相殺の効力を争うことができます。
破産の相殺権は破産法 67 条が規律し、要件や構造が異なります。会社更生法 48 条とも扱いが分かれるため、手続ごとに確認が必要です。
勝手にはできません。民事再生法 85 条の 2 は、再生債権者の一般の利益に適合する場合に限り、しかも裁判所の許可を得てはじめて相殺を認めます。許可なく相殺しても効力を否定されえます。業界裏話ヒント:許可が下りるかは「相手からの回収見込みの低さ」を数字で示せるかにかかっている。回収率の低い債権ほど相殺の正当性が高まり、逆に満額回収できる債権を相殺に回そうとすると、債権者を害するとして許可は通らない
裁判所の許可を欠く相殺なら効力を争えます。許可があっても、その相殺が本当に「再生債権者の一般の利益」に適合するかは検証の余地があり、適合しないと考えるなら裁判所に意見を述べられます(85 条の 2)。業界裏話ヒント:再生債務者側が相殺を急ぐのは、たいてい相手の資力が落ちる前に主導権を握りたいからだ。こちらに 92 条の相殺権が別に成立していないか、どちらの相殺が自分に有利かを必ず並べて比較する。先に動いた方が結果を設計できる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 相殺の主体 | 85 条の 2:再生債務者等(再生する側) | — |
| 手続要件 | 裁判所の許可が必須 | — |
| 実体要件 | 再生債権者の一般の利益への適合 | — |
| 機能 | 回収困難な自社債権を弁済すべき再生債権と帳消しにし財団を増やす | — |
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