民事再生法 第33条(再生手続開始の決定)
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- 裁判所は、第二十一条に規定する要件を満たす再生手続開始の申立てがあったときは、第二十五条の規定によりこれを棄却する場合を除き、再生手続開始の決定をする。
- 2.前項の決定は、その決定の時から、効力を生ずる。
この条文の基本情報
再生手続開始の決定とは何ですか?
定義再生手続開始の決定とは、民事再生法第33条に定められた規定で、「裁判所は、第二十一条に規定する要件を満たす再生手続開始の申立てがあったときは、第二十五条の規定によりこれを棄却する場合を除き、再生手続開始の決定をする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第33条(再生手続開始の決定)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第33条の条文原文は「裁判所は、第二十一条に規定する要件を満たす再生手続開始の申立てがあったときは、第二十五条の規定によりこれを棄却する場合を除き、再生手続開始の決定をする。」で始まります。
- 民事再生法第33条は第二節 再生手続開始の決定に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第33条の前の条は民事再生法第32条です。
- 民事再生法第33条の次の条は民事再生法第34条です。
- 民事再生法第33条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第33条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第33条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/33
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法33条は、裁判所が開始要件を満たす申立てを受け、棄却事由がなければ再生手続開始を決定すると定める。決定はその時から効力を生じ、債務者は管理処分権を保持したまま再建する。
Q · 資金繰りが詰まったら、もう自己破産しかないんですか?
違います。要件を満たせば裁判所は再生手続開始を決定します
民事再生法33条により、裁判所は第21条の開始要件を満たす申立てを受けたとき、第25条の棄却事由がない限り再生手続開始の決定をしなければなりません。決定はその時から効力を生じます(同条2項)。破産と異なり、再生債務者は原則として経営権・管理処分権を保持したまま(38条)事業を続け、債務を圧縮して再建できます。個人なら住宅資金特別条項(196条以下)で家を残す道もあります。開始決定の一瞬が、すべてを失う側か立て直す側かの分岐点になります。
解説
資金繰りが詰まり、来月の支払いが回らない。多くの人はこの瞬間に「もう自己破産しかない」と考える。だがそれは選択肢を一つ自分で消している。民事再生法33条は、裁判所が再生手続開始の申立て(21条の要件を満たすもの)を受けたとき、棄却事由(25条)がなければ開始の決定をしなければならない、と定める。そしてこの決定は決定の瞬間から効力を生じる。何が変わるか。再生債務者であるあなたは、原則として事業や財産の管理処分権を失わない(38条、これを DIP=占有を続ける債務者という)。破産のように管財人が乗り込んで全部を売り払うのではない。あなたが経営を続けたまま、債務を大幅に圧縮し、数年かけて返していく。個人なら住宅ローンの特則を使い、家を残したまま他の借金だけ減らす道もある。開始決定の一瞬が、すべてを失う側か、立て直す側かの分岐点になる。
法的な位置づけ
民事再生法33条は再生手続開始の決定を定める規定であり、裁判所は第21条の開始要件を満たす申立てについて、第25条の棄却事由がない限り開始の決定をしなければならない。決定はその時から効力を生じ、以後は再生債権の届出や強制執行の中止、弁済禁止などの集団的再建手続が始動する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.現金が尽きる前に倒産・事業再生に強い弁護士へ相談 事業価値が残っているほど選択肢が広い。資金繰り表を前に「もう終わりだ」と抱え込まず、不渡りや支払停止の前の段階で専門家に相談する。開始決定後の再生計画は将来収益から弁済原資を作る仕組みのため、稼ぐ力が残っているうちに動くのが決定的
- 2.破産か再生かの判断材料を整理 「もう自己破産しかない」ではなく「自分の事業価値と債権者構成なら破産か再生かどちらが残るか」を問う。財産目録・決算書・保証関係を揃え、第21条の開始要件を満たせるかを弁護士と検討する
- 3.個人は住宅資金特別条項の適用可否を確認 住宅を守りたい個人債務者は、住宅資金特別条項(民事再生法196条以下)が使えるかを開始前に確認する。保証会社の代位弁済から一定期間内という時間制限があるため、延滞が始まったら早期に動く
- 4.再生手続開始の申立てを行い開始決定を得る 申立書・債権者一覧表・資金繰り表等を裁判所に提出する。裁判所は第21条要件を満たし第25条棄却事由がなければ開始の決定をする(33条)。決定はその時から効力を生じ、強制執行が中止され(39条)弁済が禁止される(85条)
- 5.開始決定後は特定債権者への弁済を一切止める 世話になった取引先に先に払いたくなるが、開始決定後の偏頗弁済は否認され再生計画ごと崩れる引き金になる(85条)。あわせて債権届出期間(34条)や再生計画案の提出期限(163条)を厳守する
よくある質問 AI による整理
Q1民事再生とは何ですか?
経営権を保持したまま債務を圧縮して立て直す再建型の倒産手続です。裁判所の再生手続開始決定(民事再生法33条)から始まり、清算する破産とは根本的に異なります。
Q2民事再生にかかる費用はどれくらい?
予納金と弁護士費用が中心で、事案規模により大きく変わります。裁判所への予納金は監督委員の有無や負債額に連動します。詳細は倒産に強い弁護士へ確認が必要です。
Q3民事再生のデメリットは?
官報公告や信用情報への登録、担保権者との別途交渉が必要な点などです。再生計画が可決・認可されないと破産に移行するリスクもあります。
Q4再生手続開始決定はいつ出ますか?
申立て後、裁判所が第21条要件と第25条棄却事由を審査して決定します。運用上おおむね1週間から1か月程度ですが、事案により異なります(最新の運用をご確認ください)。
Q5個人でも民事再生できますか?
できます。小規模個人再生・給与所得者等再生という枠組みがあり、住宅資金特別条項(196条以下)を使えば家を残したまま他の債務を圧縮できます。
Q6民事再生をすると信用情報はどうなりますか?
いわゆる事故情報として一定期間登録され、その間は新規借入やクレジット利用が制限されます。期間は信用情報機関により異なります。
Q7民事再生の申立てに必要な書類は?
申立書のほか、債権者一覧表、財産目録、資金繰り表、直近の決算書などが必要です。事業価値が残っているうちの準備が再生成功の鍵になります。
Q8民事再生が棄却されるのはどんな場合ですか?
民事再生法25条の棄却事由に該当する場合です。手続費用の予納がない、再生計画案の見込みがない、不当な目的の申立てなどが典型例です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1自己破産と民事再生って、結局どっちがいいんですか?
事業や財産を残して立て直せるなら民事再生、清算してゼロからやり直すなら破産です。決定的な違いは、民事再生では再生債務者が原則として経営権・管理処分権を保持する点(民事再生法38条)。破産は管財人が財産を換価します。実務のポイント:弁護士が再生を勧めるかどうかは「将来の収益で減額後の債務を返せる見込みがあるか」で決まります。逆に言えば、稼ぐ力が残っているうちに相談すれば再生の道が開けるのに、限界まで粘ってから来る人ほど破産しか選べなくなる。早さが選択肢そのものを決める
Q2住宅ローンが残っていても、家を残したまま借金を減らせるって本当ですか?
本当です。個人再生で住宅資金特別条項(民事再生法196条以下)を使えば、住宅ローンはそのまま払い続けて家を守り、それ以外の借金だけを大幅に圧縮できます。開始決定がこの枠組みのスタートになります。実務のポイント:この特則は住宅ローンの保証会社が代位弁済してから6か月以内という時間制限があります。これを過ぎると家を残す道が閉じる。延滞が始まった瞬間から時計は動いている、督促を放置している間に最大の武器を失う人が多い(最新の要件をご確認ください)
Q3開始決定が出たら、サラ金や銀行からの取り立ては止まるんですか?
止まります。開始決定により個別の強制執行などは中止され(民事再生法39条)、債務者からの弁済も禁止されます(85条)。督促電話や差押えはできなくなり、債権者は再生債権として届け出る側に回ります。実務のポイント:止まるのは取り立てだけではなく、あなたが特定の債権者にだけ払う行為も禁止される点が見落とされがち。世話になった取引先に先に返したくなる気持ちは分かるが、それは偏頗弁済として後で否認され、再生計画ごと崩れる引き金になる
Q4取引先が民事再生を申し立てました。うちの売掛金は全部パーですか?
ゼロにはなりませんが、再生計画で定める弁済率まで圧縮されるのが通常です。開始決定後は債権届出期間(民事再生法34条)内に届け出る必要があり、これを逃すと失権します。実務のポイント:開始決定前に成立していた相殺権は、決定後も一定範囲で行使できます。買掛金と売掛金がある取引先なら、相殺で実質的な回収率を上げられる場合がある。「もう取れない」と諦める前に、自社が相手に支払うべき債務がないかを真っ先に確認する
間違えやすい点 AI による整理
- 「民事再生=会社が消える」と思っている人が大半だが、実は逆。破産では管財人が財産を換価して会社を清算するのに対し、民事再生では再生債務者が原則として管理処分権を保持し(38条)、経営を続けたまま再建する。倒産処理であることは知っていても、自分が舵を握り続けられるという核心を知らない人が多い
- 「もう自己破産しかない」と弁護士に相談に行く人が多いが、その問いの立て方自体が選択肢を一つ消している。正しい問いは「破産か再生か、自分の事業価値と債権者構成ならどちらが残るか」。入口の問い方を間違えると、本来残せた資産まで失う
- 「開始決定が出れば取り立てが止まって一安心」と考えがちだが、止まるのは取り立てだけではない。あなた自身が特定の債権者にだけ払うことも禁止される(85条、弁済禁止)。良かれと思って世話になった取引先に先に払うと、後で否認され、再生計画そのものが揺らぐ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の性質 | 民事再生(33条開始決定):再建型、債務を圧縮して事業・生活を残す | 破産(破産法30条開始決定):清算型、財産を換価して配当 会社更生(会社更生法41条開始決定):株式会社向けの強力な再建型 |
| 管理処分権 | 再生債務者が原則として保持(DIP、38条) | 破産管財人に専属 更生管財人に専属(経営陣は原則退く) |
| 担保権の扱い | 別除権として原則手続外で行使可(別途交渉が必要) | 別除権として手続外で行使可 更生担保権として手続内に取り込み、行使が制限される |
| 利用主体 | 法人・個人いずれも利用可(個人再生を含む) | 法人・個人いずれも利用可 株式会社に限定 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は法人再建を会社法の重整で、個人再建を消費者債務清理条例の更生で扱う。裁判所の准許裁定が日本の開始決定に相当する
韓国は2005年に統合倒産法を制定し会生절차開始決定を設けた。DIP を基調とする点で日本の民事再生に近い
ドイツは倒産手続開始決定を § 27で定め、自主管理(Eigenverwaltung、§ 270)で DIP 的運用を認める。原則は管財人型である点が日本と異なる
米国チャプター11は order for relief により手続が開始し、DIP が原則。日本の民事再生法はこのモデルを参考に設計された
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 町工場を経営していて、大口取引先の倒産で連鎖的に資金が枯渇した。自己破産すれば従業員も設備も失う。だが民事再生なら、開始決定後も自分が経営権を握ったまま事業を続けられる(38条)。問題は申立てのタイミング。現金が完全に尽きてからでは再生計画が組めない、まだ事業価値が残っているうちに動けるかが分水嶺
- 住宅ローンを抱えたまま、カードローンと事業の連帯保証で多重債務に陥った会社員。普通の個人再生なら家を失うと思い込んでいるが、住宅資金特別条項(民事再生法196条以下)を使えば、家は守りながら他の債務だけを圧縮できる。開始決定がその枠組みのスタート地点になる
- あなたが取引先で、売掛金800万円のある会社が民事再生を申し立てた。開始決定が出た瞬間、あなたの個別の強制執行は中止され(39条)、債務者からの弁済も禁止される(85条)。今までどおり督促しても1円も取れない。再生債権として届け出る側に回ることになる
- もし、あと3週間で手形が不渡りになりそうだとしたら、あなたは何から動くべきか。不渡り2回で銀行取引停止、そこから先は事実上の倒産だ。民事再生は不渡りの前に申し立ててこそ事業を残せる。期日が来てからでは、選べる扉が一枚減っている
- コロナ禍の借入が返せず廃業を考えている飲食店オーナー。閉めて自己破産する前に、開始決定を経て店舗と常連客を残したまま債務を圧縮する道があったと、後で知る人が多い
取るべき行動
被害を受けた側:1. 現金が完全に尽きる前に、倒産・事業再生に強い弁護士へ相談する。事業価値が残っているほど選択肢が広い2. 直近の資金繰り表、債権者一覧、担保・保証の状況を整理、これが再生か破産かの判断材料になる3. 個人で住宅を守りたいなら、住宅資金特別条項(民事再生法196条以下)が使えるか確認4. 申立て後は特定の債権者への弁済を一切止める、開始決定後の偏頗弁済は否認・計画破綻のリスク(85条)
訴えられた側:1. 取引先の民事再生を知ったら、まず自社債権の担保・相殺の有無を確認、開始決定前後で行使可否が変わる2. 開始決定後は個別の取り立て・強制執行が中止される(39条)、督促を続けても無駄なので債権届出に切り替える3. 債権届出期間(34条)を絶対に逃さない、期間内に届け出ないと失権する4. 再生計画案の内容を精査し、弁済率や弁済期間に異議があれば債権者集会で議決権を行使する
時効(請求できる期限):再生手続開始の決定は、その決定の時から効力を生じる(本条2項)。特定の消滅時効はないが、開始決定後は裁判所が定める債権届出期間(民事再生法34条)内に再生債権を届け出ないと失権する。再生計画案にも裁判所が定める提出期限がある(同163条)。申立てから開始決定までは運用上おおむね1週間から1か月(最新の運用状況をご確認ください)
学説
通説:民事再生法33条の開始決定は、第21条の開始要件充足と第25条棄却事由の不存在という要件審査を経た羈束的処分と解される。決定により債務者は管理処分権を保持しつつ(38条、DIP)、集団的再建手続が始動する点が破産手続との本質的な違いとされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法制定(平成11年法律第225号)。従来の和議法を廃止し、DIP 型の再建手続を導入。33条で再生手続開始の決定と効力発生時期を定めた
- 民事再生法 第21条再生手続開始の申立要件
- 民事再生法 第25条開始申立ての棄却事由
- 民事再生法 第34条開始決定と同時に定める債権届出期間等
- 民事再生法 第38条再生債務者の管理処分権の保持(DIP)
- 民事再生法 第39条開始決定による他の手続の中止
- 会社更生法 第41条株式会社の更生手続開始決定の特別類型
- 破産法 第30条清算型である破産手続開始決定との対比
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