民事再生法 第91条(報償金等)
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- 裁判所は、再生債権者若しくは代理委員又はこれらの者の代理人が再生債務者の再生に貢献したと認められるときは、再生債務者等の申立てにより又は職権で、再生債務者等が、再生債務者財産から、これらの者に対し、その事務処理に要した費用を償還し、又は報償金を支払うことを許可することができる。
- 2.前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
この条文の基本情報
報償金等とは何ですか?
定義報償金等とは、民事再生法第91条に定められた規定で、「裁判所は、再生債権者若しくは代理委員又はこれらの者の代理人が再生債務者の再生に貢献したと認められるときは、再生債務者等の申立てにより又は職権で、再生債務者等が、…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第91条(報償金等)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第91条の条文原文は「裁判所は、再生債権者若しくは代理委員又はこれらの者の代理人が再生債務者の再生に貢献したと認められるときは、再生債務者等の申立てにより又は職権で、再生債務者等が、…」で始まります。
- 民事再生法第91条は第一節 再生債権者の権利に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第91条の前の条は民事再生法第90条の2です。
- 民事再生法第91条の次の条は民事再生法第92条です。
- 民事再生法第91条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第91条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第91条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/91
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法91条は、再生に貢献した再生債権者や代理委員に、裁判所の許可で再生債務者財産から費用償還と報償金を支払える制度。申立てまたは職権で発動し、決定には即時抗告ができる。
Q · 倒産しかけた取引先の再建を手伝ったら、その労力や費用は返ってくるの?
貢献が認められれば、費用と報償金を財産から受け取れます
民事再生法91条により、再生債権者・代理委員またはその代理人が再生に貢献したと認められる場合、裁判所は再生債務者等の申立てまたは職権で、再生債務者財産から事務処理費用の償還と報償金の支払いを許可できます。ただし当然もらえる請求権ではなく、貢献の認定と裁判所の裁量が前提です。他の債権者への配当原資を減らす性質があるため、許可・不許可の決定には即時抗告(原則1週間以内)で争う余地があります。
解説
取引先が民事再生を申し立てた。あなたは債権者として、回収できるのはせいぜい数割だと覚悟する。普通はそこで話が終わる。だが民事再生法91条を知っている債権者は、もう一手指せる。再生債務者の立て直しに実際に貢献した再生債権者、代理委員(多数の債権者を束ねて手続に関与する代表者)、その代理人に対し、裁判所は再生債務者財産から、要した費用の償還と報償金(貢献に対する報酬)の支払いを許可できる。つまり、ただ配当を待つのではなく、再建に汗をかけば、その労力と費用が再生債務者の財産から返ってくる道がある。あなたの申立てでも、裁判所の職権でも動く。ただし「貢献したと認められるとき」が関門で、裁判所の裁量が広い。許可・不許可の決定には即時抗告(決定に不服がある者が高裁等へ申し立てる不服申立て)ができる。報われるか否かは、貢献を裁判所にどう示すかにかかっている。
法的な位置づけ
民事再生法91条は報償金等を定める規定であり、再生債権者、代理委員またはその代理人が再生債務者の再生に貢献したと認められる場合に、裁判所が再生債務者等の申立てまたは職権で、再生債務者財産から事務処理費用の償還および報償金の支払いを許可できる旨を規定する。許可・不許可の決定に対しては即時抗告が認められる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.貢献をリアルタイムで証拠化する 再生手続への協力は、その都度証拠として残す。再建会議の議事録、立て替えた費用の領収書、他の債権者を説得したメールや書面を時系列で保存する。後から「貢献しました」と主張しても、記録がなければ裁判所は報償金を認めない
- 2.貢献内容と費用を一覧化し申立てを準備 貢献の内容と要した費用を一覧にまとめ、再生債務者等または裁判所への申立てを準備する。職権発動を待つより、自ら申し立てる方が確実に評価される
- 3.監督委員に早期共有する 監督委員が選任されている場合は、手続の早い段階で貢献内容を共有し、意見を取り付ける。手続が終結に近づくほど財産の使途は固まり裁量の余地が狭まるため、認可前に印象づけておくことが効く
- 4.許可決定を確認し不足なら即時抗告 報償金の許可決定が出たら金額を確認し、貢献に見合わないと感じれば即時抗告を検討する。逆に他の債権者として過大と感じる場合も即時抗告で争える。いずれも告知から原則1週間以内に申し立てる
よくある質問 AI による整理
Q1民事再生法91条の報償金とは何ですか?
再生に貢献した再生債権者や代理委員に対し、裁判所の許可で再生債務者財産から支払われる報酬です。事務処理費用の償還も同時に認められます。
Q2報償金は誰が支払うのですか?
再生債務者財産から支払われます。再生中の債務者にも事業継続のための財産が残っており、その中から裁判所の許可を得て支払う構造です。
Q3報償金の許可はどうやって受けますか?
再生債務者等の申立て、または裁判所の職権で発動します。貢献が客観的に再生へ寄与したと裁判所に認めてもらう必要があります。
Q4代理委員も報償金の対象になりますか?
なります。代理委員やその代理人が再生に貢献したと認められれば、91条により費用償還と報償金の対象となります。
Q5報償金の決定に不服がある場合はどうしますか?
許可・不許可の決定には即時抗告ができます(91条2項)。過大・過少いずれの場合も、告知から原則1週間以内に申し立てます。
Q6報償金の即時抗告はいつまでにできますか?
決定の告知を受けた日から原則1週間以内です。この期間を逃すと決定が確定するため、最新の改正状況もあわせて確認が必要です。
Q7貢献したのに報償金が認められないことはありますか?
あります。単に協力的だった程度では足りず、記録のない努力は評価されません。会議記録や領収書などの客観的証拠が結果を分けます。
Q8報償金は再生手続が終わっても申し立てられますか?
実務上は困難です。手続が終結すると再生債務者財産からの支払いの枠組み自体が失われるため、手続が係属している間に動く必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1倒産しかけた取引先を手伝っても、結局ボランティアにしかならないんですよね?
そうとは限りません。民事再生法91条は、再生に貢献した再生債権者や代理委員に、事務処理費用の償還と報償金の支払いを、裁判所の許可で認めます。ただし配当のように当然もらえるものではなく、貢献の認定と裁判所の裁量が前提です。実務のポイント:実務では貢献を主張しても記録が乏しく認められないケースが大半。協力した会議や立替費用をその場で証拠化している債権者だけが、後で報償金を勝ち取ります。動いてから記録するのでは遅い。
Q2報償金って、誰が払うんですか?相手はもうお金がないのでは?
再生債務者財産から支払われます(91条1項)。再生中の債務者にも事業継続のための財産は残っており、その中から裁判所の許可を得て支払う構造です。実務のポイント:報償金は他の再生債権者への配当原資を減らす性質があるため、他の債権者から反対や即時抗告が出ることがあります。だからこそ、貢献の客観性と金額の妥当性を裁判所に納得させる準備が、結果を分けます。
Q3代理委員を引き受けてほしいと言われたんですが、これはタダ働きですか?
必ずしもタダ働きではありません。代理委員やその代理人が再生に貢献したと認められれば、91条で費用償還と報償金の対象になります。引き受ける前に、貢献を記録する体制を整えておくのが賢明です。実務のポイント:代理委員は多数の少額債権者をまとめる重要な立場で、報償金が認められやすい役回りです。ただし職権発動を待つだけでなく、自ら申立てをして貢献を明示した方が、認められる確率は上がります。
間違えやすい点 AI による整理
- 「債権者が再建に協力するのは自分の回収を増やすための自己負担であって、別途お金がもらえるはずがない」と思われている。実際は逆で、貢献が認められれば費用償還に加えて報償金まで再生債務者財産から出る。協力は無償が前提ではない。
- 報償金が出ること自体は知っていても、その「貢献」のハードルの高さを甘く見ている人が多い。単に協力的な債権者だった程度では足りず、再生に客観的に寄与したと裁判所が認める必要がある。記録のない努力は、貢献として評価されない。
- 「報償金は貢献した債権者の権利だから、頑張れば当然もらえる」という問いの立て方自体がずれている。91条は裁判所の許可と職権・申立てを要する裁量的な制度であって、請求権ではない。あなたの視点では正当な対価でも、裁判所の視点では財産の流出であり、他の債権者の配当との綱引きになる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 91条:再生に貢献した者への費用償還・報償金 | 90条:代理委員の選任 9条:裁判に対する即時抗告の総則 |
| 発動主体 | 再生債務者等の申立て または 裁判所の職権 | 多数の債権者による選任(代表者を束ねる) 決定に不服のある者の申立て |
| 本条との関係 | 本条(報償金の実体規定) | 報償金の対象者となる代理委員の入口規定 91条2項の即時抗告を支える手続の受け皿 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は会社更生に相当する重整制度を持つが、貢献した債権者個人への報償金という明示規定は乏しく、重整費用・報酬の一般枠組みで処理される
韓国は回生・破産を統合した単一法典を持ち、回生手続の費用・報酬規定の中で関与者への補償を扱う。日本の民事再生法と近い DIP 志向
ドイツは倒産手続を一元化した InsO を持ち、Insolvenzplan(再建計画)の枠組みで関与者の費用補償を規律。個別債権者への報償金は財団債権・費用の枠で処理される
米国 Chapter 11では、事件に substantial contribution をした債権者の実費と弁護士報酬を administrative expense として認める。91条の直接の思想的祖型に最も近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたは主要債権者として、取引先の再生計画づくりに何度も足を運び、他の債権者の説得まで引き受けた。交通費も時間も持ち出し。この貢献は91条で費用償還と報償金の対象になりうる。黙って配当を待った債権者と、あなたの最終的な取り分は変わってくる。
- もし、あなたが代理委員として多数の少額債権者をまとめ、再生計画の可決に決定的な役割を果たしたら? その事務処理に要した費用と労力は、報償金として再生債務者財産から支払われる対象になる。タダ働きと決めつけて引き受けを断る前に、この条文を見ておきたい。
- 再生債務者側のあなたは、ある債権者から「再建に貢献したので報償金を払え」と申立てを受けた。財産は限られ、払えば他の債権者への配当が減る。本当に貢献と言えるのか、金額は妥当か、即時抗告で争う余地がある。
- 債権者集会で議事をまとめた弁護士の代理委員。その報酬は誰が出すのか。91条なら、裁判所の許可で再生債務者財産から支払える。
- 報償金の許可決定が出た。だが額が貢献に見合わない、あるいは逆に過大で配当が削られると感じる他の債権者であるあなたに残された時間はわずか。即時抗告の期間(決定の告知から原則1週間、最新の改正状況をご確認ください)を逃せば、その決定は確定する。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 再生手続への貢献は、その都度証拠化する。会議の議事録、立て替えた費用の領収書、他の債権者を説得したメールや書面を時系列で保存2. 貢献の内容と要した費用を一覧化し、再生債務者等または裁判所への申立てを準備する(職権発動を待つより、自ら申し立てる方が確実) 3. 監督委員がいる場合は早めに貢献を共有し、意見を取り付ける4. 許可決定が出たら金額を確認し、不足なら即時抗告も検討する
訴えられた側:1. 申立てを受けた再生債務者等(再生中の債務者本人、または選任されていれば管財人)は、その貢献が客観的に再生へ寄与したか、費用や報償金額が財産の状況に見合うかを精査2. 過大と判断すれば、他の債権者への配当原資を圧迫する点を裁判所に主張3. 報償金は職権でも出るため、監督委員・裁判所と金額の妥当性を事前に擦り合わせる4. 不当な許可決定には、告知から所定期間内に即時抗告で争う
時効(請求できる期限):報償金支払いの許可・不許可の決定に対する即時抗告は、決定の告知を受けた日から原則1週間以内(最新の改正状況をご確認ください)。申立て自体に特定の時効はないが、再生手続が終結すると再生債務者財産からの支払いの枠組みそのものが失われるため、手続が係属している間に動く必要がある。
学説
通説:91条の費用償還・報償金は、再生への客観的寄与が認められる場合に限り裁判所の裁量で許可される。単に協力的な債権者であった程度では足りず、記録により立証された貢献のみが評価対象となる。配当平等原則との調整として、許可決定への即時抗告という不服申立てが用意されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:和議法に代わる新たな再建型倒産処理として民事再生法が制定(平成11年法律第225号、翌2000年施行)。米国 Chapter 11を参照した DIP 型手続の中で、再生に貢献した債権者・代理委員への費用償還と報償金の枠組みが導入された
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