民事再生法 第90条(代理委員)
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- 再生債権者は、裁判所の許可を得て、共同して又は各別に、一人又は数人の代理委員を選任することができる。
- 2.裁判所は、再生手続の円滑な進行を図るために必要があると認めるときは、再生債権者に対し、相当の期間を定めて、代理委員の選任を勧告することができる。
- 3.代理委員は、これを選任した再生債権者のために、再生手続に属する一切の行為をすることができる。
- 4.代理委員が数人あるときは、共同してその権限を行使する。ただし、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。
- 5.裁判所は、代理委員の権限の行使が著しく不公正であると認めるときは、第一項の許可の決定又は次条第一項の選任の決定を取り消すことができる。
- 6.再生債権者は、いつでも、その選任した代理委員を解任することができる。
この条文の基本情報
代理委員とは何ですか?
定義代理委員とは、民事再生法第90条に定められた規定で、「再生債権者は、裁判所の許可を得て、共同して又は各別に、一人又は数人の代理委員を選任することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第90条(代理委員)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第90条の条文原文は「再生債権者は、裁判所の許可を得て、共同して又は各別に、一人又は数人の代理委員を選任することができる。」で始まります。
- 民事再生法第90条は第一節 再生債権者の権利に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第90条の前の条は民事再生法第89条です。
- 民事再生法第90条の次の条は民事再生法第90条の2です。
- 民事再生法第90条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第90条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第90条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/90
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法90条は、再生債権者が裁判所の許可を得て代理委員を選任し、再生手続に属する一切の行為を委ねられると定める。裁判所の選任勧告や、債権者による随時の解任も認められる。
Q · 取引先が民事再生になったら、債権者は代理委員を立てて手続を任せられるの?
はい。裁判所の許可を得て共同で選任でき、いつでも解任も可能です。
民事再生法90条により、再生債権者は裁判所の許可を得て、共同して又は各別に一人又は数人の代理委員を選任できます。代理委員は選任した債権者のために、債権届出・調査期日への出席・債権者集会での議決権行使・再生計画案への賛否など、再生手続に属する一切の行為を束ねて行えます(3項)。裁判所は手続円滑化のため選任を勧告でき(2項)、権限行使が著しく不公正なら許可を取り消せます(5項)。再生債権者はいつでも解任できます(6項)。
解説
取引先が民事再生を申し立てた。その瞬間、あなたは「再生債権者」の一人になる。問題は、同じ立場の債権者が他に何十人、何百人もいることだ。一人で債権者集会に出ても、声は数百分の一に薄まる。ここで効いてくるのが民事再生法90条の代理委員だ。再生債権者は裁判所の許可を得て、共同で、あるいは各自で代理委員を選任できる。選ばれた代理委員は、選任した債権者のために再生手続に属する一切の行為をする。届出、調査期日への出席、債権者集会での議決権行使、再生計画案への賛否、その全部を束ねて一本にできる。さらに知っておくべきは2項だ。裁判所自身が、手続を円滑に進めるため債権者に代理委員の選任を勧告できる。バラバラの債権者が個別に動くと手続が止まるからだ。そして代理委員が暴走しても安全装置がある。権限行使が著しく不公正なら裁判所が許可を取り消せる(5項)、債権者はいつでも解任できる(6項)。束ねる力と、束ねられた個人を守る力、その両方が一つの条文に入っている。
法的な位置づけ
民事再生法90条は代理委員の選任を定める規定であり、再生債権者が裁判所の許可を得て共同又は各別に選任する集団的代表機関を指す。代理委員は選任した債権者のために再生手続に属する一切の行為を行い、裁判所による選任勧告、著しく不公正な権限行使への許可取消し、債権者による随時解任という規律を伴う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.債権届出の期限と債権者集会の日程を確認 再生手続開始の通知が届いたら、まず債権届出の期限と債権者集会の期日を確認する。これを徒過すると議決の土俵に乗れず、配当交渉の場から外れる
- 2.同じ立場の債権者に共同選任を打診 同業の下請け・取引先仲間など同じ立場の再生債権者に連絡し、共同で一人の代理委員を立てられないか打診する。共同選任なら費用を頭割りでき、束ねた票として計画議決で扱われる
- 3.裁判所に代理委員選任の許可を申請 弁護士など信頼できる者を代理委員候補とし、裁判所に90条1項の選任許可を申請する。裁判所が選任を勧告している場面(2項)なら許可は通りやすい
- 4.代理委員を通じて議決権行使を一本化 許可後は代理委員を通じて債権調査・議決権行使・再生計画案への賛否を一本化する。重要な議決の前には代理委員に書面で行使方針を指示し、後の紛争を防ぐ
よくある質問 AI による整理
Q1民事再生の代理委員とは何ですか?
再生債権者が裁判所の許可を得て選任する集団的代表機関です。選任した債権者のために債権届出や議決権行使など再生手続の一切の行為をまとめて行います(民事再生法90条1項・3項)。
Q2代理委員はどうやって選任しますか?
再生債権者が共同して又は各別に代理委員候補を決め、裁判所に選任の許可を申請します。裁判所の許可を得て初めて選任が成立します(90条1項)。
Q3代理委員は解任できますか?
できます。再生債権者はいつでもその選任した代理委員を解任できます(90条6項)。加えて権限行使が著しく不公正なら裁判所が許可決定を取り消せます(5項)。
Q4代理委員は何人まで選べますか?
一人又は数人を選任できます。数人ある場合は共同して権限を行使しますが、第三者の意思表示はそのうち一人に対してすれば足ります(90条1項・4項)。
Q5裁判所が代理委員の選任を勧告するのはなぜですか?
多数の債権者が個別に動くと手続が停滞するためです。裁判所は再生手続の円滑な進行に必要と認めるとき、相当の期間を定めて選任を勧告できます(90条2項)。
Q6代理委員と債権者委員会は何が違いますか?
代理委員は選任した特定の債権者を代理して行為する機関、債権者委員会(民事再生法117条)は全債権者の利益のため意見を述べる機関です。目的と権限の範囲が異なります。
Q7債権者集会に出られない場合どうすればよいですか?
代理委員を選任すれば、出席や議決権行使を委ねられます。遠方の裁判所や平日昼間の期日で本業を離れられない事業者にとって、実務上の命綱になります(90条3項)。
Q8代理委員の権限はどこまで及びますか?
選任した債権者のために、再生手続に属する一切の行為に及びます。債権届出、調査期日出席、議決権行使、再生計画案への賛否などを包括的に行えます(90条3項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1代理委員ってタダでやってくれるんですか、それとも費用がかかるんですか?
原則として、代理委員を選任した再生債権者がその費用・報酬を負担します。90条は選任の権限を定めるだけで、報酬を手続費用として全債権者に分担させる規定ではありません。実務のポイント:だからこそ複数債権者が共同で(1項の「共同して」)一人の代理委員を立てると、費用を頭割りでき、一人あたりの負担が一気に下がる。少額債権者ほど、単独ではなく共同選任を狙うのが現場の定石です
Q2代理委員が勝手に再生計画案に賛成しちゃったら、もう取り消せないんですか?
代理委員は選任した債権者のために再生手続に属する一切の行為ができる(3項)ので、その範囲の議決権行使は有効に成立します。ただし権限行使が著しく不公正なら裁判所が許可決定を取り消せ(5項)、債権者はいつでも解任できます(6項)。実務のポイント:いったん投じられた賛否票を後から覆すのは難しい。だから重要な議決の前に、代理委員に対し書面で行使方針を確認・指示しておくことが、後の紛争を防ぐ唯一の現実的な手です
間違えやすい点 AI による整理
- 代理委員は「裁判所か債務者が用意してくれる人」だと思われがちだが、逆だ。原則は再生債権者が自分たちで選ぶ(1項)。受け身で待っていると、自分の利害を代弁する者は誰も現れない。動いた債権者だけが、自分の声を束ねる側に回れる
- 「弁護士に頼むのと同じこと」と考える人が多いが、性格が違う。代理委員は手続内で複数債権者を代表し、再生手続に属する一切の行為(3項)をまとめて行う集団的な代表機関だ。個人の代理人弁護士はあなた一人の利益だけを見るが、代理委員は選任した債権者群全体の利益を背負う。誰を代理委員にするかで、群の中のあなたの声の重みが変わる
- 代理委員を立てたら最後まで縛られると思われているが、6項で再生債権者はいつでも解任できる。さらに代理委員の動きが著しく不公正なら、裁判所が職権で許可決定を取り消せる(5項)。束ねる力には、必ず外せる安全装置がついている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制度の性格 | 民再90条 代理委員:選任した特定債権者を代理する集団的代表機関 | 民再117条 債権者委員会:全債権者の利益のため意見を述べる機関 会社更生法117条:更生手続における対応する代理委員制度 |
| 選任主体 | 再生債権者が裁判所の許可を得て選任(90条1項) | 裁判所が承認して設置(債権者の申立て等) 更生債権者・更生担保権者が裁判所の許可を得て選任 |
| 権限の範囲 | 再生手続に属する一切の行為(届出・議決権行使等)を包括代理 | 手続への意見陳述・情報提供が中心、直接の議決権代理ではない 更生手続に属する一切の行為を包括代理 |
| 安全装置 | 裁判所の許可取消し(5項)+債権者の随時解任(6項) | 裁判所による委員会の変更・解散 裁判所の許可取消し+更生債権者による解任 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は破産・重整手続で債権者会議を通じた集団的関与を認めるが、日本の代理委員のように個別債権者を包括代理する固有機関の明文化は限定的で、実務運用に委ねられる部分が大きい
韓国は統合倒産法典の下で回生手続における債権者代表・管理人制度を整備。日本の代理委員に近い集団的代表の思想を持つが、法典構造が統合型である点が異なる
ドイツは Gläubigerausschuss(債権者委員会)を中心に債権者の集団的関与を制度化。個別債権者の包括代理より、監督機関としての委員会の性格が強い
米国チャプター11では管財官が債権者委員会を任命し、無担保債権者を代表させる。日本の代理委員が債権者主導の選任であるのに対し、米国は官の関与が強い点で対照的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし長年取引してきた発注元が突然民事再生を申し立てたら、あなたの未回収の売掛金はどうなる? あなたは数百人いる再生債権者の一人として、債権届出から議決権行使まで自力でこなすことになる。同業の下請け数社で共同代理委員を立てれば、手続の手間を一本化でき、再生計画案の交渉でも一塊の票として扱われる
- 債権届出の期限まであと10日。手続書類は専門用語だらけで、債権者集会も平日昼間に遠方の裁判所で開かれる。本業を止めて何度も出向く余裕はない。代理委員を選任すれば、出席も議決権行使も任せられる。あなたが現場を離れられない職人や小規模事業者なら、これが命綱になる
- あなたが選んだ代理委員が、特定の大口債権者に都合のいい再生計画案に賛成しようとしている。少額債権者の利益を犠牲にする動きだ。このとき6項で即座に解任でき、著しく不公正なら裁判所に5項の取消しを申し立てられる
- 債権者の数があまりに多く、調査も集会も進まず手続が停滞。裁判所が2項に基づいて「相当の期間内に代理委員を選任せよ」と勧告してきた。これは強制ではないが、応じないと手続全体の遅延の責めを負いかねない空気が生まれる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 再生手続開始の通知が来たら、まず債権届出の期限と債権者集会の日程を確認、これを逃すと議決の土俵に乗れない2. 同じ立場の債権者(同業の下請け、取引先仲間)に連絡を取り、共同で代理委員を立てられないか打診3. 弁護士など信頼できる者を代理委員候補とし、裁判所に1項の選任許可を申請4. 代理委員を通じて債権調査・議決権行使・再生計画案への賛否を一本化、束ねた票で計画交渉に臨む
訴えられた側:ここでの相手方は、選んだ代理委員の動きに不満を持つ債権者、または手続を進める再生債務者側だ。1. 代理委員が特定の大口に偏った動きをしていると感じたら、6項で即座に解任2. 著しく不公正なら、裁判所に5項の許可決定取消しを申し立て、証拠(議決の経緯、利益相反の事実)を整える3. 再生債務者側であれば、債権者窓口が乱立して手続が停滞する場合、裁判所に2項の選任勧告を促し、交渉相手を一本化する
時効(請求できる期限):代理委員の選任・解任に固有の期間制限はない。再生債権者は6項によりいつでも解任できる。ただし債権届出期間や債権者集会の期日は手続ごとに裁判所が定める厳格な期限があり、これを徒過すると議決権行使等の機会を失う(最新の手続スケジュールを裁判所の通知でご確認ください)
学説
通説:民事再生法90条の代理委員は、多数債権者が関与する再生手続を円滑化するための集団的代表機関であり、選任の主導権を再生債権者に与える一方、随時解任権(6項)と裁判所の許可取消権(5項)によって束ねられた個々の債権者の自己決定を担保する、効率と保護の均衡を図る制度と解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法(平成11年法律第225号)制定により代理委員制度を新設。再建型倒産処理を迅速化するため、多数の再生債権者の手続関与を代理委員に束ねられる仕組みを整備した。
- 民事再生法 第91条裁判所による代理委員の選任、本条5項が参照する次条
- 民事再生法 第169条債権者集会における議決権行使の方法(現行効力を要確認)
- 民事再生法 第117条債権者委員会、債権者の集団的関与の別制度(現行効力を要確認)
- 会社更生法 第117条更生手続における代理委員の対応制度(現行効力を要確認)
- 破産法 第144条破産手続における債権者委員会、対応する集団的関与制度(現行効力を要確認)
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