要点破産法 43 条は、破産手続開始後は破産財団への新たな国税滞納処分を禁じるが、開始前に着手済みの滞納処分は続行されると定める。
Q · 破産したら税務署の差押えは止まりますか?
着手前なら止まるが、着手済みなら続行される
破産法 43 条により、破産手続開始の決定後は破産財団への新たな国税滞納処分ができません(1 項)。しかし開始決定の前に既に差押えなど滞納処分に着手されていた場合、その手続は破産後も続行されます(2 項)。つまり税務署が動いた日と破産申立日の前後が回収の優先順位を決めます。さらに罰金・科料・追徴の時効は破産手続中は進行しません(3 項)。
会社をたたむことになった。借金は銀行にも取引先にもあるが、税金の滞納も数百万円ある。ここで多くの経営者が見落とす分かれ道がある。破産法43条は、破産手続が始まった後は、税務署が新たに財産を差し押さえる「国税滞納処分」(役所が裁判所を通さず自力であなたの財産を差し押さえて回収する手続)をできなくすると定める(1項)。ところが第2項が逆を言う。破産手続開始の前に税務署が既に差押えを始めていた場合、その手続は破産が始まっても止まらず、最後までやり切れる。つまり税務署が動くタイミングが、あなたの破産申立てより前か後かで、税金が他の借金と同じ土俵に乗るか、それとも別ルートで先に持っていかれるかが決まる。さらに第3項は、罰金や追徴金の時効は破産手続中は進まないと釘を刺す。破産している間に時効で逃げ切る、は通用しない。
破産法 43 条は、破産手続と国税滞納処分の調整を定める規定である。破産手続開始の決定後は破産財団所属財産への新たな国税滞納処分ができない一方、開始決定前に着手済みの滞納処分は続行される。また罰金・科料・追徴の時効は破産手続中は進行しないと規定する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
税務署などが裁判所を通さず、自力で滞納者の財産を差し押さえて滞納税を回収する行政手続です。国税徴収法 47 条以下が根拠で、破産手続とは別ルートで進みます。
破産手続開始前に滞納処分に着手済みなら、税務署の差押えが続行され優先されます(43 条 2 項)。着手前なら新たな処分は禁じられ、租税も手続内で扱われます(1 項)。
1 項は開始決定後の新たな国税滞納処分を禁止します。2 項は開始決定前に既に着手された滞納処分の続行を認めます。着手の前後が分かれ目です。
租税は免責されないため残りますが、破産後に税務署と換価の猶予(国税徴収法 151 条)や納税の猶予(国税通則法 46 条)を交渉し、分割納付に落とし込むのが実務です。
財団債権(破産法 148 条)は破産手続の外で随時弁済され配当に優先します。優先的破産債権(98 条)は破産債権の中で優先されますが、財団債権には劣後します。租税はどちらに当たるかで扱いが変わります。
破産財団に属する財産への新たな国税滞納処分はできません(43 条 1 項)。開始後に税務署が新規に差し押さえることは認められません。
換価の猶予は差し押さえた財産の公売を待つ措置、納税の猶予は納付期限を延長し分割を認める措置です。破産後の生活再建で滞納税の支払計画を組む際に用います。
開始決定前に着手済みの滞納処分は続行を妨げられないため止められません(2 項)。ただし換価代金のうち滞納税額を超える剰余金は破産財団に組み入れられます。
なりません。租税等の請求権は免責の対象外です(破産法253条1項1号)。破産で銀行借入や取引先への買掛金が消えても、滞納税は破産手続後も納税義務として残ります。業界裏話ヒント:実務では破産後に税務署と「換価の猶予」「納税の猶予」(国税徴収法151条、国税通則法46条)を交渉して分割納付に落とし込むのが定石です。消えないからこそ、破産直後に税務署と支払計画を組めるかどうかが、生活再建のスピードを左右する
差押えが破産手続開始決定の前に着手されていれば、その滞納処分は破産後も続行されます(43条2項)。ただし換価(公売)代金のうち滞納税額を超える剰余金は破産財団に組み入れられます。業界裏話ヒント:税務署が持っていけるのは滞納税額までで、超過分は財団に戻ります。破産管財人がこの剰余金を取り逃さないかどうかが、他の債権者への配当を左右する。差押え=全部持っていかれる、ではない
止まります。破産手続の開始から終了まで、罰金・科料・追徴の時効は進行しません(43条3項)。さらに免責許可の申立てから裁判確定までの間も同様です。業界裏話ヒント:罰金は免責もされません(253条1項7号)。つまり「破産している間に時効で罰金が消える」という期待は、時効停止と非免責の二重で塞がれている。借金は消せても刑事罰の清算からは逃げられない設計になっている
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律する対象 | 43 条:国税滞納処分(行政による自力執行) | — |
| 破産開始後の効果 | 新たな滞納処分は禁止、着手済みは続行(1・2 項) | — |
| 着手時期の扱い | 開始決定前の着手か否かが決定的 | — |
| 免責・時効 | 罰金等は免責されず時効も不進行(3 項・253 条) | — |
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