要点破産法60条は、為替手形の振出人・裏書人の破産を知らずに引受け・支払をした支払人が、その債権を破産債権者として行使できると定める。善意・悪意は破産公告の前後で推定される。
Q · 倒産した取引先の為替手形を、知らずに払ってしまった。もう全額あきらめるしかないの?
善意で払ったなら破産債権として届け出て配当を受けられます
破産法60条により、為替手形の振出人・裏書人の破産を知らないで引受け・支払をした支払人や予備支払人は、これによって生じた債権を破産債権者として行使できます。全額の即時回収ではありませんが、破産手続の中で他の債権者と同じ配当率の取り分を確保できます。第2項で小切手・有価証券にも準用され、第3項が準用する第51条により、善意か否かは破産公告の前後で推定されます。届出は破産法111条の債権届出期間内に行う必要があります。
取引先に宛てて振り出された為替手形の支払人として、貴社が支払期日に額面を決済した。ところがその朝、振出人である取引先は破産手続が開始されていた。普通に考えれば、すでに破産している者のために金を払った支払人は丸損のはずだ。だが第60條は、支払人や予備支払人がその破産の事実を知らないで引受けや支払をした場合、払った分を破産債権として破産手続の中で取り戻せると定める。鍵は「知らないで」、つまり善意の一語だ。あなたが破産開始を知らずに払ったと示せるかどうかで、全額自己負担か、配当を受けられる債権者かが分かれる。第2項により、小切手や金銭その他の物・有価証券の給付を目的とする有価証券にも同じ理屈が及ぶ。さらに第3項は第51條を準用し、善意かどうかを破産公告の前後で推定する。手形・小切手という商取引の血流を止めないため、善意の支払人を破産の渦から拾い上げる安全弁である。
破産法60条は、為替手形の振出人または裏書人について破産手続が開始された場合における善意の支払人保護を定める規定である。破産の事実を知らないで引受けまたは支払をした支払人・予備支払人は、これによって生じた債権を破産債権として行使できる。第2項で小切手等に準用し、第3項は第51条を準用して善意・悪意の推定基準を破産公告の前後に置く。
AI 輔助整理,以條文原文為準
振出人や裏書人の破産を知らないで手形の引受け・支払をすることです。破産法60条により、善意の支払人は払った分を破産債権として行使でき、配当を受けられます。
本来の支払人が支払えない場合に備えて手形に記載される第三の支払者です。予備支払人が善意で参加支払をした場合も、破産法60条で保護されます。
破産手続の中で自分の債権を裁判所に申告し、配当の列に並ぶことです。届け出なければ配当を受けられず、善意で払った分もそのまま損失になります。
約束手形は振出人自身が支払人のため60条の典型場面から外れます。裏書人が破産した為替手形・小切手を支払人が善意で払った場面で本条が効きます。
取引先の信用不安を聞いた時点で官報の破産手続開始公告を確認します。公告前の支払は善意、公告後は悪意が推定されるため、日付が保護の分かれ目です。
破産手続開始決定で裁判所が定める債権届出期間内に届け出る必要があります(破産法111条)。期間経過後の届出は配当から除斥されうるため要注意です。
第3項が準用する第51条により、破産公告の前の行為は善意、公告後の行為は悪意と推定されます。実務では公告日と支払日の前後が争点になります。
第2項により小切手や有価証券にも準用されます。裏書人が破産した小切手を銀行が善意で決済した場合、払った分を破産債権として行使できます。
あきらめる必要はありません。第60條により、支払人や予備支払人が破産の事実を知らずに引受け・支払をしたなら、払った分を破産債権として届け出て配当を受けられます。全額は戻らなくても、他の債権者と同じ配当率の取り分は確保できます。業界裏話ヒント: 多くの経理担当者はこの条文を知らず『倒産先に払った金は捨て金』と処理してしまう。届け出さえすれば取れたはずの配当を、自ら放棄しているケースが少なくない
立証の中心は主観の証明ではなく、客観的な日付の比較です。第3項が準用する第51條により、破産手続開始の公告前の行為は善意、公告後の行為は悪意と推定されます。つまり支払日が公告日より前なら善意が認められやすい。業界裏話ヒント: 決済システムのタイムスタンプと官報公告のタイムスタンプを突き合わせるのが実務の定石。『機械が公告前に自動決済した』という記録は、人の記憶より遥かに強い証拠になる
第2項により、小切手および金銭その他の物・有価証券の給付を目的とする有価証券に準用されます。守備範囲は為替手形一枚に限られず、日々の小切手決済も同じ保護の傘の下にあります。業界裏話ヒント: 約束手形は振出人自身が支払人なので、この条文の典型場面からは外れます。だが裏書人が破産した為替手形・小切手で支払人が善意で払った場面では、この条文が効く。手形の種類で適用の有無が変わる点は見落とされやすい
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 破産法60条:善意の手形支払人を破産債権者として救済 | — |
| 適用の前提 | 振出人・裏書人の破産を知らないで引受け・支払をした | — |
| 実務上の効果 | 払った分を破産債権として配当の列に戻せる | — |
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