要点破産法90条は、破産管財人の任務終了後の処理を定める。急迫の事情があれば応急処分を継続し、手続の取消し・廃止が確定すれば財団債権を弁済、争いある債権は供託する。
Q · 会社の破産が途中で打ち切られたら、未払い給料はもう戻らないの?
諦める必要はない。財団債権なら廃止後も弁済義務が残る
破産法90条2項により、破産手続が異時廃止や取消しで途中終了しても、破産管財人には財団債権の弁済義務が残ります。未払い給料の一部は財団債権に当たるため(破産法148条)、財産が残っていればそこから支払われます。存否や額に争いのある債権は、勝手に打ち切られず、あなたのために供託されます。財団が空でも未払賃金立替払制度で立替えを受けられる場合があります。
破産手続は、いつも最後まで進んで配当して終わるとは限らない。開始決定が抗告審で取り消されることもあれば、配当する財産すら足りずに途中で打ち切られる(異時廃止:財産が足りず配当できないまま手続を閉じること)こともある。その瞬間、誰がその財産を管理するのか。誰が、手続開始後に生じた管財人報酬や従業員の未払い給料といった財団債権(配当より先に優先的に支払われる費用・債権)を払うのか。破産法90条は、この「手続が崩れた後の空白」を埋める条文だ。1項は、管財人の任務が終わっても急迫の事情があれば、後任が決まるまで必要な処分を続けよと命じる。2項は、手続が取り消され、または廃止が確定したとき、管財人に財団債権の弁済を義務づけ、存否や額に争いがある債権は勝手に放置せず供託せよと定める。あなたが破産会社の従業員で、給料が財団債権に当たるなら、手続が途中で終わってもあなたへの弁済義務は消えない。それを保障しているのがこの一条だ。
破産法90条は、破産管財人の任務終了後の処理を定める規定である。1項は急迫の事情がある場合に後任の破産管財人または破産者が財産を管理できるに至るまでの応急処分義務を、2項は破産手続開始決定の取消しまたは破産手続廃止決定の確定時における財団債権の弁済義務と、存否または額に争いのある債権についての供託義務を規律する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
破産手続開始後に生じる管財人報酬や未払い給料などで、破産債権より先に随時弁済される優先的な債権です(破産法148条)。90条2項は手続が途中で終わってもこの弁済義務が残ることを定めます。
配当する財産すら足りず、破産手続を途中で打ち切ることです(破産法217条)。実務では配当まで至らず異時廃止で終わるケースがむしろ多数を占めます。
破産法90条2項により、管財人は廃止確定時に財団債権を弁済する義務を負います。手元に残った財産から支払われ、優先権は手続終了後も生き残ります。
配当の完了、破産手続の廃止・取消しの確定、辞任・解任などで終了します。ただし90条1項により、急迫の事情があれば後任が決まるまで処分義務が残ります。
存否や額に争いのある財団債権は法務局に供託されます(90条2項ただし書)。争いが決着すれば供託金還付請求で受け取れます。争いを長引かせるほど受領は遅れます。
任務終了後でも急迫の事情があれば、後任や破産者が管理できるまで必要な処分を続ける義務です(90条1項)。売却途中の不動産の毀損防止などが典型例です。
はい。財団債権は破産債権に先立ち随時弁済されます(破産法151条)。90条2項はこの優先弁済義務を手続終了後にも及ぼします。
一部は財団債権として優先されますが、財団が空だと全額回収は困難です。その場合でも未払賃金立替払制度(労働者健康安全機構)で立替えを受けられることがあります。
必ずしも諦める必要はありません。未払い給料の一部は財団債権(破産法148条1項)に当たり、90条2項により手続が廃止・取消しになっても管財人に弁済義務が残ります。財産が残っていればそこから支払われます。業界裏話ヒント:財団がほぼ空だと現実の回収は厳しいですが、その場合でも未払賃金立替払制度(労働者健康安全機構)で立替えを受けられることがある。管財人に立替払の証明を依頼できるかを真っ先に確認すると、回収の道が一本増える
存否や額に争いのある財団債権は、管財人が勝手に弁済を打ち切るのではなく、あなたのために供託しなければなりません(90条2項ただし書)。お金は法務局に保管され、争いが決着すれば受け取れます。業界裏話ヒント:供託されると即現金化はできませんが、債権が宙に消えるわけではない。争いを長引かせるほど受領が遅れるので、廃止が見えてきたら額の確定を急ぐほうが得。供託金の還付請求の手続も早めに調べておく
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 破産法90条:任務終了後の応急処分・財団債権弁済・供託 | — |
| 誰の義務か | 任務終了後の破産管財人(またはその承継人) | — |
| 手続終了との関係 | 終了後も弁済・供託・応急処分義務が残る | — |
| 財団債権者への効果 | 廃止・取消し後も弁済を受けられる保障 | — |
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