不動産登記法 第153条(行政手続法の適用除外)
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登記官の処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章及び第三章の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
行政手続法の適用除外とは何ですか?
定義行政手続法の適用除外とは、不動産登記法第153条に定められた規定で、「登記官の処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章及び第三章の規定は、適用しない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 不動産登記法第153条(行政手続法の適用除外)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
- 不動産登記法第153条の条文原文は「登記官の処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章及び第三章の規定は、適用しない。」で始まります。
- 不動産登記法第153条は第七章 雑則に置かれています。
- 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
- 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 不動産登記法第153条の前の条は不動産登記法第152条です。
- 不動産登記法第153条の次の条は不動産登記法第154条です。
- 不動産登記法第153条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第153条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123 - 本サイト収録
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第153条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/153
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点不動産登記法153条は、登記官の処分に行政手続法第2章・第3章を適用しないと定める。却下前の聴聞や理由提示の事前手続はなく、救済は同法25条の補正と156条の審査請求による。
Q · 登記の申請が却下されるとき、事前に言い分を聞いてもらえないんですか?
聞かれません。却下後に補正・再申請か審査請求で争います
不動産登記法153条により、登記官の処分には行政手続法第2章及び第3章が適用されません。したがって却下の前に審査基準を示されたり、聴聞や弁明の機会が与えられたりすることはなく、決定書が交付されて手続が終わります。代替として、同法25条ただし書による補正の機会、各号に限定列挙された却下事由、理由を付した却下決定、156条の審査請求と取消訴訟が事後救済として置かれています。争うか出し直すかは、決定書に書かれた却下事由の号数で判断します。
解説
司法書士が決済日の朝に法務局へ走る本当の理由が、この一条にある。行政手続法の第2章と第3章は、役所があなたに不利な決定を下す前に審査基準を公表し、言い分を聞き(聴聞、弁明の機会)、理由を示すことを義務づける仕組みだ。そのすべてが登記官の処分には適用されない。つまり登記の申請が却下されるとき、事前の呼び出しも、反論の場もない。決定書が一枚届いて終わりである。ただし手続保障がゼロになったわけではない。不動産登記法25条ただし書の補正、同条が求める理由付きの却下決定、そして156条の審査請求。この三点が行政手続法の抜けた穴に置かれた代替装置だ。どこに何が残っているかを知らない人だけが、却下決定書を受け取った瞬間に「もう終わった」と思い込む。
法的な位置づけ
不動産登記法153条は、登記官の処分に対する行政手続法第2章及び第3章の適用を除外する規定である。これにより申請に対する処分の審査基準公表、標準処理期間、理由提示、及び不利益処分に係る聴聞・弁明の機会の付与は登記官の処分に及ばない。行政指導を規律する第4章と意見公募手続の第6章は適用対象として残る。
よくある質問 AI による整理
Q1不動産登記法153条とは?
登記官の処分について行政手続法第2章と第3章を適用しないと定める適用除外規定です。審査基準の公表、聴聞・弁明の機会、理由の提示が登記官の処分には及びません。
Q2登記の却下決定に理由は書かれますか?
書かれます。行政手続法8条の理由提示義務は153条で外れていますが、不動産登記法25条が理由を付した却下決定を求めています。号数の記載を必ず確認してください。
Q3登記の補正はいつまでにすればいいですか?
不動産登記法25条ただし書により、登記官が定めた相当の期間内です。期間は窓口や電話で告げられることが多く、聞き流すとそのまま却下されます。
Q4登記の審査請求に期限はありますか?
不動産登記法158条が行政不服審査法の一部規定を適用除外しており、実務上は期間の制限なく申し立てられると解されています。除外範囲の現行規定は要確認です。
Q5登記官の処分は取消訴訟で争えますか?
争えます。却下は行政処分であり抗告訴訟の対象です。審査請求前置ではないため、156条の審査請求を経ずに直接取消訴訟を選ぶこともできます。
Q6登記の取下げと却下はどちらが有利ですか?
書面の不備を直して出し直すなら取下げが早いですが、争うつもりなら不利です。取下げると処分が消え、審査請求の対象も同時に消えます。
Q7相続登記が却下されたらどうすればいいですか?
まず却下決定書の25条何号かを特定します。戸籍や遺産分割協議書の形式不備なら整えて再申請が最短です。2024年4月の義務化で期限が走っている点に注意してください。
Q8登記官に聴聞を求めることはできますか?
できません。153条により行政手続法第3章が適用されないため、聴聞や弁明の機会という制度自体が登記官の処分には存在しません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1却下されたとき、出し直すのと審査請求するの、どっちが早いんですか?
添付書面の不備が理由なら、整えて再申請する方が圧倒的に早い。審査請求(不動産登記法156条)は登記官の判断そのものが誤っていると争う手続で、結論まで時間がかかる。実務のポイント:審査請求に理由があると認められると、法務局長は登記官に相当の処分を命じる(157条)。順位が数千万円を左右する担保案件では、時間をかけても審査請求を選ぶ実務上の理由がここにある
Q2窓口で登記官に食い下がっても意味ないってことですか?
処分の前に言い分を聞く義務(行政手続法第2章・第3章)は本条で外れている。ただし外れたのは第2章と第3章だけで、行政指導を規律する第4章は生きている。根拠の見えない要求だと感じたら、行政手続法35条により指導の趣旨・内容・責任者を書面で示すよう求められる。実務のポイント:書面交付を求めた瞬間に対応が変わることは実務では珍しくない。口頭のやり取りは残らないが、書面は残る
Q3行政手続法が効かないなら、登記官は何をやっても許されるんですか?
そうはならない。不動産登記法25条は却下事由を各号に限定列挙しており、登記官はこの枠の外で却下できない。理由を付した決定も求められる。実務のポイント:却下決定書の理由が号数の引用だけで、どの書面のどこが足りないのかという具体的事実を欠いている場合、その理由の不備自体を審査請求の理由に組み込める。雑に書かれた決定書ほど争う余地が広い
間違えやすい点 AI による整理
- 「聴聞を申し立てて却下を止められないか」という問いの立て方そのものが成り立たない。登記官の処分に聴聞や弁明の機会という制度は存在しない。立てるべき問いは、補正できる不備なのか(不動産登記法25条ただし書)、それとも補正不能な却下事由なのか、である
- 行政手続法が適用されないことは知っていても、外れているのが第2章と第3章だけである点まで押さえている人は少ない。行政指導を規律する第4章、意見公募手続を定める第6章は生きている。窓口での指導が根拠を欠くと感じたとき、行政手続法35条を持ち出す余地が残っている
- 申請人から見れば却下は「役所に断られた」という一つの出来事にすぎないが、法から見れば行政処分であり、審査請求と取消訴訟の対象となる法的行為である。この落差に気付かないまま登記官に勧められて取下げに応じると、争うべき処分そのものが消滅する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 153条:行政手続法第2章・第3章の適用を丸ごと外す | 25条:却下事由を各号に限定列挙し、補正の機会と理由付き決定を定める 156条:登記官の処分に対する審査請求を定める |
| 働くタイミング | 申請から却下までの全期間(事前手続を消す) | 審査中から却下決定の瞬間まで 却下決定が出た後 |
| 申請人が取れる行動 | なし(聴聞・弁明の申立て制度が存在しない) | 相当の期間内に補正して却下を回避する 登記官を経由して法務局または地方法務局の長へ審査請求 |
| 外れていない部分 | 行政手続法第4章(行政指導)・第6章(意見公募)は適用される | 却下事由は限定列挙であり枠外の却下はできない 157条により理由があれば登記官へ相当の処分を命じる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は登記機関の処分を一般行政処分として扱い、訴願・行政訴訟による救済に乗せる設計。日本のように事前手続の章単位での適用除外を明文で置く構造は取っていない
韓国も登記官の処分に一般行政手続法の事前手続を及ぼさず、登記所を経由した異議申請で是正を図る点で日本と同型。植民地期に導入された登記制度の設計を引き継いでいる
ドイツの登記事務は Rechtspfleger が担う司法事務であり、そもそも一般行政手続法(VwVfG)の適用領域外。不服は Beschwerde として裁判所の系統で処理される
米国の不動産記録は州・郡の recorder が担い、その受理は ministerial act とされる。連邦 APA の対象外であり、争いは mandamus や quiet title 訴訟など裁判所での処理に向かう
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 明日が決済日。買主のローン実行、売主への送金、鍵の引渡しが同じ日に並んでいる。ところが登記識別情報の一部が見当たらない。登記官が聴聞を開いて言い分を聞いてくれることはない。補正で足りる不備なのかどうかを、今日の午後までに窓口で詰める以外に手はない
- もし却下決定書が届いたら、最初に見るべきはどこか。行政手続法14条の理由提示義務は本条で外れているが、不動産登記法25条は理由を付した決定を求めている。決定書に書かれた却下事由が同条の何号かによって、再申請で足りるのか、審査請求で争うべきかが分かれる
- 相続登記を自分でやると決めた。2024年4月から義務化され、期限に追われている。窓口で「この書類では通らない」と言われたが、それは行政指導であって処分ではない。指導と処分の境目を知らずに帰ると、争える対象が何も生まれないまま期限だけが進む
- 登記官から補正の連絡が入った。期限は電話で告げられた日まで。聞き流せば却下される。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 却下決定書の理由が不動産登記法25条の何号かを特定する。書類の形式不備であれば整えて再申請するのが最短。2. 号数の当てはめ自体に不服なら、登記官を経由して法務局または地方法務局の長へ審査請求(156条)。3. 審査請求を経ずに取消訴訟を選ぶこともできる。審査請求前置ではない。4. 抵当権など順位が価値を左右する登記では、再申請すると受付番号が後ろにずれる。順位への影響を計算してから手続を選ぶ
訴えられた側:他人の申請によって自分の権利が脅かされる側なら、登記官に事前に言い分を述べる制度上の窓口はないと理解しておく。登記官の審査は形式的審査(提出書面が形式的に整っているかを見る審査)にとどまり、実体的な争いは判断されない。したがって主戦場は登記が入った後の抹消登記手続請求などの民事訴訟になる。登記が入る前に止めたいなら、処分禁止の仮処分など民事保全を並行して検討する
時効(請求できる期限):補正は登記官が定めた相当の期間内(不動産登記法25条ただし書)。審査請求については不動産登記法158条が行政不服審査法の一部規定を適用除外しており、実務上、不当な状態が続く限り期間の制限なく申し立てられると解されている(現行の除外範囲は要確認)。却下処分の取消訴訟は行政事件訴訟法14条により、処分を知った日から6か月、処分の日から1年(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条の適用除外は、年間数百万件に及ぶ登記申請の大量迅速処理と全国的な取扱いの統一を確保するための政策的判断であり、削られた事前手続は却下事由の限定列挙、理由付き決定、審査請求という事後救済によって代替されていると理解される。
実務の運用:登記実務では、却下決定に至る前の段階で登記官が補正の可否を示唆する運用が一般化しており、事実上の交渉窓口はこの局面に限られる。決定後は補正の余地がなく、再申請か審査請求かの二択となる。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)不動産登記法全部改正 旧不動産登記法時代に行政手続法制定に伴う整備で置かれた適用除外規定が、全部改正により現行153条として整理されたと解されるが、条番号の変遷および文言の改正履歴は人的検証を要する
改正の年表
- 1.平成5年(1993年) 改正:行政手続法(平成五年法律第八十八号)の制定に伴う関係法律の整備により、旧不動産登記法に登記官の処分を同法第2章・第3章の適用対象から除く規定が置かれた(当時の条番号および文言は人的検証を要する)
- 2.平成16年(2004年) 改正:不動産登記法の全部改正(平成十六年法律第百二十三号)により、上記適用除外が現行153条として整理された。オンライン申請の導入と登記識別情報制度への移行を含む大改正の一環
- 不動産登記法 第25条却下事由の限定列挙と補正の機会
- 不動産登記法 第156条登記官の処分に対する審査請求
- 不動産登記法 第157条審査請求事件の処理と相当の処分の命令
- 不動産登記法 第158条行政不服審査法の一部適用除外
- 行政手続法 第8条申請拒否処分の理由提示、本条で不適用
- 行政手続法 第13条聴聞・弁明の機会の付与、本条で不適用
- 商業登記法 第5条商業登記でも同一内容の適用除外
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