抹消された登記(権利に関する登記に限る。)の回復は、登記上の利害関係を有する第三者(当該登記の回復につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。
要点不動産登記法 72 条は、抹消された権利の登記の回復は、登記上の利害関係を有する第三者がある場合、その第三者の承諾があるときに限り申請できると定める。
Q · 勝手に消された抵当権を、元どおりに戻すことはできますか?
戻せるが、抹消後に登記を入れた第三者の承諾が要る
不動産登記法 72 条により、抹消された権利に関する登記の回復は、登記上の利害関係を有する第三者がいる場合、その承諾があるときに限り申請できます。抹消後に抵当権を設定した者や差押債権者は、回復により順位が下がるため利害関係人にあたります。承諾が得られないときは、承諾を求める訴えを提起し、確定判決を得れば承諾を証する情報に代えられます(不動産登記令 7 条 1 項 5 号)。回復されると抹消前と同一の登記が復活し、順位も従前のまま戻ります(不動産登記規則 155 条)。
登記は消える。しかも、あなたの知らないところで消える。偽造された委任状で抵当権が抹消される、司法書士の入力ミスで残すべき登記が落ちる、詐欺グループが所有権の移転を巻き戻す。消えた登記を元に戻す手続が「抹消回復登記」であり、その入口が不動産登記法 72 条だ。壁になるのは条文の後半である。登記上の利害関係を有する第三者がいる場合、その第三者の承諾がなければ、そもそも申請できない。あなたの一番抵当権が不当に消された隙に、二番だった銀行が一番に繰り上がっていたとしたら、その銀行が首を縦に振らない限り、法務局は回復を受け付けない。ただし承諾は「お願い」で終わらない。承諾を求める訴えを起こし、確定判決を得れば、それが承諾に代わる情報になる(不動産登記令 7 条 1 項 5 号)。あなたが失ったのは登記ではなく、承諾を取りにいくための時間である。
不動産登記法 72 条は抹消登記の回復を定める規定であり、権利に関する登記が抹消された場合において、登記上の利害関係を有する第三者があるときは、その第三者の承諾があるときに限り回復を申請できる旨を規律する。利害関係人には当該回復につき利害関係を有する抵当証券の所持人および裏書人が含まれる。表示に関する登記は本条の対象外である。
AI 輔助整理,以條文原文為準
不実または誤って抹消された権利の登記を、抹消前と同一の内容・順位で復活させる登記です。根拠は不動産登記法 72 条で、権利に関する登記に限られます。
回復により順位や権利が不利益を受ける登記名義人です。抹消後に設定された抵当権者、差押債権者、所有権を取得した者のほか、抵当証券の所持人・裏書人も含まれます。
申請自体に法定の期間制限はありません。ただし承諾請求権や損害賠償請求権には時効があり、実務上は新たな利害関係人が増える前に動くことが実質的な期限になります。
戻せません。72 条は括弧書きで「権利に関する登記に限る」と明示しています。表示に関する登記の誤りは、更正登記または変更登記の手続で処理します。
原則として、回復により権利を回復する者を登記権利者、抹消時の相手方を登記義務者とする共同申請です(不動産登記法 60 条)。判決があれば単独申請も可能です(同法 63 条)。
登記官の職権抹消(不動産登記法 71 条)に誤りがあった場合も回復の対象になり得ます。具体的な処理方法は個別事情によるため、管轄法務局への相談が必要です。
抵当証券は抵当権と債権を化体した有価証券で、その所持人・裏書人は登記の回復により権利内容が影響を受けるためです。72 条括弧書きが明文で含めています。
全部事項の登記事項証明書を取得し、抹消の受付年月日・登記原因・申請人を特定します。その上で抹消後に入った登記を洗い出し、承諾が必要な第三者を確定します。
終わりではない。承諾を求める訴えを起こし、確定判決を得れば、それが承諾を証する情報の代わりになる(不動産登記令 7 条 1 項 5 号)。業界裏話ヒント:承諾義務があるかどうかは実体法上の判断であり、抹消後に事情を知らずに登記を入れた第三者に対しては、承諾義務が否定される余地がある。「訴えれば必ず勝てる」前提で交渉を長引かせるのが、いちばん危険な戦い方になる
登記官は提出書類が形式的に整っているかを審査するにとどまり、実体的な真偽までは調べない。だから整った偽造書類は通ってしまい、却下(不動産登記法 25 条)にも至らない。業界裏話ヒント:登記識別情報を提供できない場合、資格者代理人の本人確認情報(同法 23 条 4 項 1 号)で進める運用が偽造の温床になりやすい。時間に余裕があるなら、本人に郵便が届く事前通知(同条 1 項)を選ぶ方が、なりすましに気付ける
戻る。回復の登記がされると、抹消される前と同一の登記が復活する(不動産登記規則 155 条)ので、順位も従前のままだ。だからこそ第三者の承諾が要件になっている。業界裏話ヒント:承諾した第三者は自分の順位が下がることを受け入れたことになる。実務では承諾を無償で出さず、一部弁済、追加担保、弁済順位の調整などを交換条件にするのが通例で、「頭を下げれば押してもらえる」と考えて手ぶらで交渉に行くと足元を見られる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる場面 | 72 条:抹消された権利の登記を復活させる | — |
| 第三者の承諾の位置づけ | 利害関係人がいれば承諾が申請の絶対要件 | — |
| 順位への効果 | 抹消前と同一の登記が復活し順位も従前どおり戻る | — |
| 承諾が得られない場合 | 承諾請求訴訟の確定判決で代替(不動産登記令 7 条 1 項 5 号) | — |
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