要点商法 571 条は、荷送人が運送人の請求により運送品の種類や当事者名などを記載した送り状を交付すべきと定める。2019 年施行の改正で電磁的方法による提供も可能となった。
Q · 宅配便の伝票に書く「送り状」って、法律上はどんな意味があるの?
運送人の請求があれば荷送人が交付する証拠書面です
商法 571 条により、荷送人は運送人の請求があれば、運送品の種類・容積や重量・荷造りの種類・荷送人と荷受人の氏名・発送地と到達地を記載した送り状を交付しなければなりません。送り状は契約成立の条件ではなく、物品運送契約は荷物を運ぶ約束だけで成立する諾成契約(商法 570 条)です。送り状は「何を・どこへ・誰に」を証明する証拠の書面であり、2019 年施行の改正で電磁的方法による提供も認められました。記載内容は、紛失・破損時に取り戻せる金額にも影響します。
宅配便のカウンターで品名と届け先を書き込む、あの伝票。「送り状」という呼び名そのものが、商法571条から来ている。条文はこう定める。荷送人(荷物を送るあなた)は、運送人(ヤマトや佐川など運ぶ側)の請求があれば、運送品の種類・容積や重量・荷造りの種類・荷送人と荷受人の氏名・発送地と到達地を書いた送り状を交付しなければならない。ここで多くの人が取り違える。送り状は契約書ではない。物品運送契約は荷物を運ぶ約束だけで成立する諾成契約であり、送り状はあくまで「何を、どこへ、誰に」を証明する証拠の書面にすぎない。だが侮ってはいけない。送り状に何を書くかが、荷物が壊れたり消えたりしたとき、あなたがいくら取り戻せるかを静かに決めている。2019年の改正で、この送り状は紙でなく電磁的方法でも提供できるようになった。EC事業者が伝票データを電子連携できる根拠も、ここにある。
商法 571 条は送り状の交付を定める規定であり、荷送人が運送人の請求に応じ、運送品の種類・容積又は重量・荷造りの種類・当事者の氏名・発送地及び到達地を記載した書面を交付すべき義務を規律する。送り状は契約成立の要件ではなく、運送品の内容を証明する証拠証券として機能する。
運送品の種類・当事者名・発送地と到達地などを記載した書面で、運送人の請求により荷送人が交付します(商法 571 条)。契約書ではなく証拠書面です。
送り状は運送品の内容を運送人に示す書面、納品書は売主が買主に商品明細を示す書面です。送り状は商法 571 条の運送法上の書面で目的が異なります。
できます。商法 571 条 2 項により、運送人の承諾を得て法務省令の定める電磁的方法で提供すれば、送り状を交付したものとみなされます。
種類と価額を送り状に明記してください。明記がないと高価品の特則(商法 577 条)で運送人が免責され、紛失しても賠償を受けられない恐れがあります。
各社の運送約款によります。標準宅配便運送約款では原則 30 万円が上限です。高価品は事前申告と補償オプションが防衛線になります。
決まっています。商法 571 条 1 項が、運送品の種類・容積又は重量・荷造りの種類・当事者の氏名・発送地及び到達地の 5 項目を列挙しています。
実務では同義に使われます。宅配便の伝票が商法 571 条の送り状の実務上の姿です。荷物の引き換え券(有価証券)ではない点が重要です。
運送人の責任は受領日から 1 年で消滅します(商法 585 条)。紛争に備え、少なくとも受領後 1 年間は控えを保管するのが安全です。
同じです。宅配便の伝票が、商法571条の「送り状」の実務上の姿です。大事なのは、物品運送契約は荷物を運ぶ約束だけで成立する諾成契約(商法570条)で、送り状は契約成立の条件ではない点。送り状は「何を・どこへ・誰に」を証明する証拠の書面にすぎません。業界裏話ヒント:送り状は有価証券ではないので、それ自体を譲っても荷物の権利は移りません。2018年改正前の『貨物引換証』は荷物の引き換え券でしたが、使われず廃止されました。今の送り状にその力はないと知っておくと、混同を避けられます。
本当です。商法577条の高価品の特則により、貨幣・有価証券その他の高価品は、荷送人が種類と価額を通知しない限り、運送人は紛失・破損の賠償責任を負いません。送り状の品名を『雑貨』で済ませると、この通知がないと扱われます。業界裏話ヒント:宅配各社の約款はさらに賠償上限(標準宅配便運送約款で原則30万円)を定めています。高価品を送るなら、送り状への明記に加えて運送保険や補償オプションが実質的な防衛線。『安く書けば送料が安い』の代償は事故時に自分が被ります(最新の約款・上限額をご確認ください)。
条文上は『運送人の請求により』交付するので、請求がなければ交付義務はありません。ただ実務では、運送人が運送品の種類や届け先を把握するために送り状を求めるのが通常で、宅配便では伝票記入が事実上の必須です。業界裏話ヒント:2019年の改正で、送り状は紙でなく電磁的方法でも提供できるようになりました(商法571条2項)。大口の事業者がEDIやシステム連携で送り状データを電子でやり取りしているのは、この条文が電子化を正面から認めているからです。
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| 条文の役割 | 商法 571 条:送り状の交付(運送品情報の申告書面) | — |
| 発生する効果 | 運送品の内容を証明する証拠証券となる | — |
| 実務での要点 | 品名・価額の記載が補償範囲を左右する | — |
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