倉荷証券を質権の目的とした場合において、質権者の承諾があるときは、寄託者は、当該質権の被担保債権の弁済期前であっても、寄託物の一部の返還を請求することができる。この場合において、倉庫営業者は、返還した寄託物の種類、品質及び数量を倉荷証券に記載し、かつ、その旨を帳簿に記載しなければならない。
要点商法614条は、倉荷証券の質入れ後でも質権者の承諾があれば、弁済期前に寄託物の一部返還を請求できると定める。返還分は種類・品質・数量を証券と帳簿に記載する。
Q · 銀行の担保に入れた倉庫の在庫、返済前でも一部だけ引き出して売れますか?
質権者の承諾があれば弁済期前でも一部返還できます
商法614条により、倉荷証券を質権の目的とした場合でも、質権者(銀行等)の承諾があれば、被担保債権の弁済期前であっても寄託者は寄託物の一部の返還を請求できます。返還を受けた分は、倉庫営業者がその種類・品質・数量を倉荷証券に記載し、帳簿にも記録します。これにより担保価値の減少を見える化しつつ、担保に入れた在庫を回して運転資金を作ることができます。承諾なく引き出すことはできません。
穀物商を営むあなたが、輸入した大豆を倉庫に預け、その倉荷証券を銀行に差し入れて運転資金を借りたとする。ここで困りごとが起きる。借金の返済期日はまだ先、しかし得意先から「大豆の半分を今すぐ売ってほしい」と連絡が入った。担保に入れた在庫は、原則として証券が銀行の手にある限り動かせない。ところが商法614条は抜け道を用意している。質権者である銀行が承諾すれば、返済期日前であっても、預けた商品の「一部」の返還を請求できるのだ。返還を受けた分は、倉庫営業者が証券にその種類・品質・数量を書き込み、帳簿にも記録する。担保価値の目減りを記録で見える化したうえで、在庫を動かす道を開く。担保と運転資金、その二つを同時に回す経営者だけが知る弁が、ここにある。
商法614条は、倉荷証券を質権の目的とした場合における寄託物の一部返還請求権を定める規定である。質権者の承諾を要件として、被担保債権の弁済期前であっても寄託者は寄託物の一部返還を請求でき、倉庫営業者は返還した種類・品質・数量を倉荷証券および帳簿に記載する義務を負う。
AI 輔助整理,以條文原文為準
倉庫営業者が寄託物の保管を証する有価証券で、これを譲渡・質入れすることで在庫を担保や取引の対象にできます。商法600条以下が規律します。
できます。商法614条により、質権者の承諾があれば被担保債権の弁済期前でも寄託物の一部返還を請求でき、返還分は証券と帳簿に記載されます。
在庫や売掛金などの動産を担保にする融資手法です。倉荷証券で在庫を証券化し、受注に応じて引き出す資金繰りを商法614条が法的に支えています。
まず質権者に書面で承諾を求め、承諾を得たうえで倉庫営業者に一部返還を請求します。倉庫営業者が証券へ種類・品質・数量を記載して完了です。
商法614条は承諾の方式を限定しませんが、後日の紛争防止のため書面(承諾書)で残すのが実務の定石です。倉庫営業者も承諾書なしには返還しません。
倉庫営業者です。返還した寄託物の種類・品質・数量を倉荷証券に記載し、かつ帳簿にも記録する義務を負います(商法614条後段)。
民法136条の期限の利益を質権者が放棄する形で承諾するためです。承諾により担保固定の原則が緩和され、在庫を回せます。
譲渡は所有権を移転し、質入れは担保として証券を差し入れる行為です。質入れ中の一部返還には商法614条で質権者の承諾が必要になります。
いいえ。商法614条で、質権者(銀行)の承諾があれば、返済期日前でも商品の一部を返してもらえます。返した分は倉庫営業者が証券と帳簿に記録します。業界裏話ヒント:実務では融資契約の段階で「一部返還を妨げない」特約を入れておくのが定石。後から頼むより通りやすく、在庫を回しながら返済できる。これを知らずに「担保に入れたら終わり」と在庫を寝かせ続ける経営者は、資金繰りで損をしている
承諾した分は倉荷証券に種類・品質・数量が記載され、担保価値の目減りが明確に管理されます。さらに借り手が売却代金で返済の一部を充てれば、担保減少と債権減少が釣り合います(民法342条が定める質権の趣旨)。業界裏話ヒント:銀行が同意するかは「残担保で残債権を保全できるか」の一点。承諾依頼に返済計画をセットで出すと通りやすい。これは融資担当者が口頭で説明しない交渉の勘所だ
倉庫営業者です。質権者の承諾なく寄託物を返還すれば、質権者の担保を毀損したとして倉庫営業者が損害賠償責任(債務不履行)を負います。借り手も無断引き出しなら信用を失います。業界裏話ヒント:だからまともな倉庫営業者は、質入れされている倉荷証券の商品を「質権者の承諾書」なしに絶対に出さない。借り手が倉庫に直接掛け合っても動かないのはこのため。承諾書をどう取り付けるかが実務の本丸だ
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|---|---|---|
| 返還の範囲 | 商法614条:質権者の承諾を要件に寄託物の一部を返還請求 | — |
| 弁済期との関係 | 被担保債権の弁済期前でも承諾があれば請求可 | — |
| 質権者の関与 | 質権者の承諾が必須(担保の一部放棄の性質) | — |
| 記載義務 | 倉庫営業者が返還分を証券・帳簿に記載 | — |
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