船長は、属具目録を船内に備え置かなければならない。
要点商法710条は、船長に属具目録を船内に備え置く義務を課す。目録の記載物は商法685条で船舶の従物と推定され、売買・抵当・保険にその効力が及ぶ。
Q · 属具目録って、ただの備品リストじゃないの?なぜ船長が備え置く必要があるの?
船の付属設備の一覧表で、従物推定の基礎になります
商法710条は、船長に属具目録(船に付属する設備の一覧表)を船内に備え置く義務を課します。単なる事務書類ではなく、商法685条により目録の記載物は船舶の従物と推定されるため、船を売れば一緒に移転し、船舶抵当権の効力が及び、海上保険の対象にもなります。逆に目録から漏れた高価な機器は、所有権の帰属が争いの種になります。船という財産の輪郭線を引く図面が、この一枚の目録です。
船の事務書類の話、と聞いて読み飛ばしたくなる。だがこの一行を侮ると、何百万円の設備が誰のものか宙に浮く。商法710条は「船長は、属具目録を船内に備え置かなければならない」とだけ定める。属具目録とは、その船に付属する設備(レーダー、救命艇、ウインチ、無線機など)の一覧表だ。なぜこんな書類が効くのか。商法685条は、属具目録に記載された物を船舶の従物と推定すると定めている。つまり、目録に載った設備は船と一体のものとして扱われ、船を売れば一緒に移転し、船に抵当権を設定すれば抵当権の効力が及び、船が沈めば海上保険の対象になる。逆に目録から漏れた高価な機器は、所有権の帰属が争いの種になる。船長が備え置くこの一覧表は、単なる事務作業ではなく、船という財産の輪郭線を引く図面なのだ。
商法710条は船長の属具目録備置義務を定める規定であり、船舶に付属する設備の一覧表である属具目録を船内に常時備え置くことを船長に課す。同目録の記載物は商法685条により船舶の従物と推定され、売買・抵当権・海上保険において属具の範囲を画定する基礎資料として機能する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
船舶に付属する設備(レーダー・救命艇・無線機・ウインチ等)の一覧表です。商法685条により記載物は船舶の従物と推定され、属具の範囲を画定する役割を持ちます。
商法710条により船長が船内に備え置く義務を負います。義務の名宛人は船長ですが、帰結(従物の範囲)で得失を負うのは所有者・買主・抵当権者・保険者です。
商法685条により属具目録の記載物は船舶の従物と推定されます。あくまで推定なので反証で覆せますが、記載があれば覆す立証責任は相手側に移ります。
属具目録に記載された設備は従物と推定され、民法370条の趣旨により抵当権の効力が及びます。記載の有無で回収範囲が数百万円変わることがあります。
なる余地はあります。685条は推定にすぎず、実態として船と一体なら民法87条の従物として主張できますが、立証責任が自分側になり負担が重くなります。
違います。船舶安全法上の検査書類は安全基準確認用、商法710条の属具目録は属具の範囲を画定する私法上の書類で、685条の従物推定と結びつきます。
船舶の売買・担保設定の前に、目録が現状の搭載設備を反映しているか洗い直します。引き渡し時に目録と実際の搭載状態を写真付きで突き合わせるのが鉄則です。
行政上の指摘を受けるほか、後の売買・保険・担保の紛争で「何が属具だったか」を立証する最良の証拠を自ら手放すことになり、不利な立場に立ちます。
重なる部分はありますが目的が違います。船舶安全法上の検査書類は安全基準の確認用、商法710条の属具目録は属具の範囲を画定する私法上の書類です。後者は685条の従物推定と結びつき、売買・抵当・保険で効きます。業界裏話ヒント:実務では検査用書類だけ整えて商法上の属具目録を更新し忘れるケースが多い。船を売る・担保に入れる前に、目録が現状を反映しているか必ず洗い直す。古い目録のまま取引すると、後で「載っていない=従物でない」と突かれる
認められる余地はあります。685条は「推定」なので、目録は強力な証拠ですが唯一の決め手ではありません。実態として船と一体で継続的に使われていれば、民法87条の従物として主張できます。業界裏話ヒント:ただし立証は格段に重くなる。目録に載っていれば相手が推定を覆す責任を負うが、載っていなければ自分で従物性を立証する側に回る。立場が逆転する。だから『とりあえず目録に書いておく』ことの価値は大きい
属具目録に記載があれば有利です。685条の従物推定が働き、その装備は売買の対象(船の従物、民法87条2項により主物の処分に従う)だったと主張できます。業界裏話ヒント:引き渡しの現場で、目録と実際の搭載状態を写真付きで突き合わせるのが鉄則。後から『最初から無かった』『あれは別物』と言われると水掛け論になる。目録チェックリストを当日に潰しておけば、紛争の大半は予防できる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 商法710条:船長の属具目録備置義務 | — |
| 効果の性質 | 公法上・職務上の備置義務(証拠を作る義務) | — |
| 得失を負う主体 | 義務は船長、帰結は所有者・買主・抵当権者・保険者 | — |
| 覆滅可能性 | 備置を怠っても属具の帰属を直接決めない | — |
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