要点商法758条は、船荷証券に運送品の種類・状態や船積港・陸揚港など十二の事項を記載し、運送人又は船長が署名すべきことを定める。受取船荷証券では船積関連の二事項が除かれる。
Q · 船荷証券には何を書かないといけないの?署名は誰がするの?
運送品の状態など十二の記載事項と運送人の署名が必要です
商法758条により、運送人又は船長は船荷証券に十二の事項を記載し、署名又は記名押印しなければなりません。具体的には運送品の種類、容積若しくは重量、外部から認められる運送品の状態、荷送人・荷受人・運送人の氏名又は名称、船舶の名称、船積港及び船積年月日、陸揚港、運送賃、数通作成時はその数、作成地及び年月日です。ただし受取船荷証券では、船舶の名称と船積港・船積年月日(七号・八号)が除かれます。とりわけ三号の「外部から認められる運送品の状態」は、クリーンか故障付きかで信用状決済の可否を左右する重要欄です。
海外から商品を輸入する、あるいは製品を船で輸出する。そのとき発行される船荷証券を、あなたはただの受取伝票だと思っているかもしれない。違う。これは三つの顔を持つ。第一に運送人が荷物を受け取った受取証、第二に運送契約の内容を示す証拠、そして第三に、この一枚を握る者が海の上の荷物を支配する権利証(処分証券)だ。商法758条は、その船荷証券に何を書かねばならないかを十二項目で定める。運送品の種類、容積や重量、そして三号の「外部から認められる運送品の状態」。この一行が曲者だ。荷物に傷や濡れがあれば運送人はそれを書く(故障付き船荷証券)。何も問題がなければ無故障(クリーン)船荷証券になる。信用状取引では、銀行はクリーンB/Lでなければ代金を払わない。つまり758条三号のたった一行が、あなたの会社に何百万円が入金されるかどうかを左右する。紙に何が書かれたかが、現実の荷物の状態より優先される世界が、ここにある。
商法758条は、船荷証券の法定記載事項を定める規定である。運送人又は船長は、運送品の種類、容積若しくは重量、外部から認められる運送品の状態、荷送人・荷受人・運送人の氏名又は名称、船舶の名称、船積港及び船積年月日、陸揚港、運送賃、数通作成時はその数、作成地及び年月日を記載し、署名又は記名押印しなければならない。受取船荷証券では船積関連の七号・八号が除かれる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
運送品の状態欄(758条三号)に故障や損傷の摘要がない無故障の船荷証券です。信用状取引では原則クリーンB/Lでなければ銀行は代金を支払いません。
三号の状態欄に「外装に破損あり」等が記載された船荷証券で、信用状の条件を満たさず決済が止まります。船積前にクリーン化を交渉できなければ代金回収が遅れます。
直ちに無効とは限りませんが、運送品の同一性や権利関係の特定を欠くと、流通や担保価値が損なわれ、銀行融資や転売が滞る原因になります。
受取船荷証券は運送品を受け取った段階、船積船荷証券は実際に船積みした段階の証券です。受取船荷証券では船舶名・船積港など七号八号の記載が除かれます(758条1項括弧書)。
運送人が中身を確認できない事項について、申告どおり記載するが内容は保証しないとの留保です。これがあると数量不足や品違いの立証責任が実質的に荷主側へ移ります。
原本の郵送紛失や複数取引に備えるためで、758条十一号は作成通数の記載を義務づけます。ただし一通で引渡しを受けると他の通は失効するため、悪用リスクの管理が必要です。
善意の第三者を欺く意図があれば補償状自体が無効とされ、運送人は記載どおりの責任を負います。使うなら通常品質範囲の些細な争いに限るべきです。
文言証券性により、運送人は善意の所持人に対し記載が事実と異なることを対抗できません。取引上は「実際どうだったか」より「何が書かれたか」が決め手になります。
受取証であると同時に、運送契約の証拠であり、さらに荷物を支配する権利証(処分証券)です。この紙を裏書譲渡すれば荷物の権利も動き、紙と引換えでなければ荷物を引き取れません(受戻証券性)。業界裏話ヒント。だからこそ銀行は荷物ではなく船荷証券そのものを担保に取ります。紙を押さえれば海上の荷物を押さえたのと同じ、という発想が貿易金融の土台です
原則は引換給付、船荷証券と引換えでなければ引渡しを請求できません。実務では保証渡し(L/G)で先に引き取りますが、後から正規の所持人が現れれば運送人は二重に責任を負いかねません。業界裏話ヒント。L/Gには銀行保証付きと荷主単独のものがあり、運送人が嫌うのは後者です。急ぐなら銀行保証付きL/Gを用意できるかが、引取りの可否を分けます
運送人が中身を実際に確認できなかった事項について、申告どおり記載したが内容は保証しない、という留保文言です。コンテナ輸送では封印された箱の中を運送人が開けないため、ほぼ全件に入っています。業界裏話ヒント。この一文があると、中身の数量不足や品違いの立証責任は実質的に荷主側へ移ります。クレームの勝敗は、約款の有無を最初に見るかどうかで決まります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 758条:船荷証券の法定記載事項と署名義務 | — |
| 規律対象 | 証券に「何を書くか」(十二事項) | — |
| 実務上の効果 | クリーン/故障付きの別が信用状決済を左右 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。