要点商法 767 条は、二人以上の船荷証券所持人が引渡しを請求したとき運送人が運送品を供託でき、最も先に発送・引渡しされた証券の所持人が他に優先すると定める。
Q · 同じ貨物について二人が船荷証券で引渡しを求めてきたら、運送人は誰に渡せばいいの?
渡さず供託でき、先に発送・引渡しされた証券の所持人が優先します
商法 767 条 1 項により、二人以上の船荷証券所持人が運送品の引渡しを請求したとき、運送人はその運送品を供託でき、765 条 1 項で一部引渡し後に他の所持人が請求した残部も同様に供託できます。供託したら遅滞なく各所持人へ通知する義務があります(2 項)。誰が真の権利者かは、3 項により「最も先に発送され、又は引き渡された船荷証券の所持人」が優先します。窓口へ先に駆け込んだ順番ではなく、証券が先に流れた先後で決まる点が実務上の急所です。
貿易の現場で、同じ貨物について二人の人間が「これは私のものだ」と運送人に詰め寄る場面は珍しくない。船荷証券は複数通(複本)発行できるうえ、貨物そのものを表す有価証券だから、L/C 決済の途中や転売、ときには二重譲渡の詐欺で、別々の人の手に渡ることがある。あなたが輸入者でも運送人でも、ここで誤った相手に貨物を渡せば、もう一方から損害賠償を食らう。商法 767 条は、この板挟みに二つの逃げ道と一つの順位ルールを用意する。第一に、運送人は誰に渡すか賭けに出る必要がない。貨物を供託(法務局などに預けて債務を免れる手続)すれば責任から解放される。第二に、勝者は「窓口に先に来た人」ではなく「最も先に発送され、または引き渡された船荷証券の所持人」だ。一日でも先にバトンを受け取った証券が優先する。あなたが知るべきは、物理的に証券を握って先に駆け込んでも、それだけでは勝てないという事実である。
商法 767 条は、数通発行された船荷証券の所持人が競合した場合の処理を定める規定であり、運送人による運送品の供託(1 項)、各所持人への遅滞なき通知義務(2 項)、および最も先に発送・引渡しされた証券の所持人を優先させる先後ルール(3 項)の三要素で構成される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
二人以上の所持人が運送品の引渡しを請求したとき、運送人が誰に渡すかの判断から降りて運送品を法務局等に預け、債務を免れる手続です。商法 767 条 1 項が根拠です。
船荷証券は複数通(複本)発行できる仕組みがあり、各通が貨物を表す有価証券です。L/C 決済や転売、二重譲渡詐欺の過程で別々の人の手に渡ることがあります。
商法 767 条 3 項により、最も先に発送され又は引き渡された船荷証券の所持人が優先します。引渡しを請求した順番や到着順ではありません。
受け取れます。供託は運送人が判断から降りるだけで権利は消えません。自分が先順位だと証明すれば供託物の還付を請求できます。
実務では二通や三通の複本が発行されるのが一般的で、券面に発行通数(例:3 通のうち 1 通)が記載されます。受け取ったらまず通数を確認すべきです。
国際海上物品運送には国際海上物品運送法が適用され、同法を通じて商法の船荷証券規定が展開されます。条約(ヘーグ・ヴィスビー・ルール)との関係も問題になります。
放置せず、L/C 発行日・裏書の連続・交付経緯など自分が先順位であることを示す証拠を固め、供託物の還付を請求します。長引くなら弁護士に相談します。
証券を受け取った瞬間に発送日・引渡日と発行通数を記録し証拠化することです。争いが起きてから先後を立証しようとしても遅く、日付の証拠を握る側が主導権を取ります。
船荷証券は複数通(複本)発行できる仕組みがあり、貿易実務では運送人が二通以上を発行するのが珍しくありません。各通が貨物を表す有価証券なので、別々の通が別々の人の手に渡ると、本条のような競合が起きます。業界裏話ヒント:船荷証券の券面には何通発行されたか(例:「3 通のうち 1 通」)が記載されています。受け取ったらまずこの発行通数を確認するのが鉄則。残りの複本が誰の手にあるかを把握しないまま代金を払うと、後から別の複本所持人に貨物を持っていかれるリスクを抱え込む
違います。商法 767 条 3 項が優先するのは「最も先に発送され、又は引き渡された船荷証券の所持人」であって、引渡しを請求した順番ではありません。窓口に一番乗りしても、自分の証券が後から流れたものなら先順位者に負けます。業界裏話ヒント:この「先後」を決めるのは、あなたが証券を受け取った日付ではなく、証券が発送・引渡しされた経緯です。だからこそ、いつ・どの経路で証券が自分に来たかの記録が決定的な証拠になる。争いになってから集めても遅い
受け取れます。供託は運送人が誰に渡すかの判断から降りる手続にすぎず、貨物の権利が消えるわけではありません。自分が先順位だと証明できれば、供託された貨物の還付を請求できます(民法 494 条以下の供託の一般法理)。業界裏話ヒント:供託されると、誰が正当な権利者かを当事者間で確定するまで貨物は動きません。先順位を示す書類が揃っている側ほど早く還付を受けられる。供託の通知(767 条 2 項)が届いたら放置せず、すぐ証拠を固めて動くかどうかで、貨物が手に戻るまでの時間が大きく変わる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 767 条:数通の所持人が競合した場合の供託と優先順位 | — |
| 運送人の行動 | 供託でき、各所持人へ遅滞なく通知(1・2 項) | — |
| 優劣の基準 | 最も先に発送・引渡しされた証券の所持人が優先(3 項) | — |
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