船荷証券が作成された場合における前編第八章第二節の規定の適用については、第五百八十条中「荷送人」とあるのは、「船荷証券の所持人」とし、第五百八十一条、第五百八十二条第二項及び第五百八十七条ただし書の規定は、適用しない。
要点商法 768 条は、船荷証券が作成されると 580 条の「荷送人」を「船荷証券の所持人」に読み替え、運送品の処分権を証券所持人に移すと定める特則である。
Q · 船荷証券を相手に渡すと、貨物のコントロールはどうなるの?
処分権ごと所持人に移る。証券の所在=貨物の支配
商法 768 条により、船荷証券が作成されると、運送品の処分権を定める 580 条の「荷送人」は「船荷証券の所持人」と読み替えられます。つまり証券を渡した瞬間、貨物を止めたり仕向地を変えたりする権利は、証券を今持っている人へ移ります。さらに荷受人の権利(581 条)、供託・競売(582 条 2 項)、高価品免責(587 条ただし書)は適用されません。証券がこれらを飲み込むため、貨物の支配は契約書ではなく証券の物理的な所在で決まります。
貿易の現場では、一枚の紙が貨物そのものとして扱われる。その紙が船荷証券だ。商法 768 条は、その紙が発行された瞬間、誰が貨物を支配するかのルールを書き換える。通常、運送中に「別の港で降ろせ」「荷受人を変えろ」と指示できるのは荷送人(送り主)だ(商法 580 条の処分権)。ところが船荷証券が作られると、この権利は荷送人の手を離れ、証券を今持っている人(所持人)に移る。あなたが商品を輸出し、代金を受け取る前に証券を相手や銀行へ渡したなら、その瞬間、貨物を動かす権利も一緒に渡している。さらに荷受人の権利を定めた 581 条、供託・競売の 582 条 2 項、高価品免責の 587 条ただし書は適用されない。証券がそれらを飲み込むからだ。紙の所在が、海の上を漂う数千万円の貨物の運命を決める。
商法 768 条は船荷証券に関する特則であり、船荷証券が作成された場合における物品運送通則(処分権・荷受人の権利・供託及び競売・高価品免責)の読替え及び適用除外を定める規定である。これにより運送品の処分権は荷送人から船荷証券の所持人へ移転し、証券が貨物支配権を体現する有価証券として機能する。
海上運送で発行され、貨物の受取りまたは船積みを証明し、貨物そのものを体現する有価証券です。証券を持つ人が運送品の引渡しを請求でき、商法 768 条により処分権も所持人に移ります。
荷送人の請求により運送人(または船長)が発行します。証券には貨物の種類・数量・荷送人・荷受人などが記載され、発行後は証券が貨物支配の鍵になります。
証券作成後は船荷証券の所持人にあります。商法 768 条が 580 条の「荷送人」を「所持人」と読み替えるため、荷送人は証券を手放すと処分権を失います。
銀行が所持人となり、決済が済むまで貨物の処分権を握ります。信用状取引では事実上、貨物が銀行の管理下に置かれ、荷送人も買主も勝手に動かせません。
荷受人の権利(581 条)、運送品の供託及び競売(582 条 2 項)、高価品の特則のただし書(587 条ただし書)の 3 つです。これらは証券が飲み込むため適用されません。
船荷証券作成時は 587 条ただし書(高価品免責)が適用されません。証券による責任体系が優先するため、通常の高価品不明告知による免責は働きません。
実務では通常 3 通 1 組(オリジナル)で発行されます。1 通で貨物が引き渡されると他の証券は効力を失う仕組みで、各通が貨物支配権を持つため管理が重要です。
国際海上物品運送には国際海上物品運送法が優先適用され、同法が商法の規定を準用・修正します。純粋な国内海上運送では商法 768 条が直接適用されます。
原則として運送人は原本証券と引き換えでしか貨物を渡しません。紛失した場合は、裁判所の公示催告手続を経て除権決定を得れば、証券なしで権利を行使できます。業界裏話ヒント:実務では時間のかかる除権決定を待たず、銀行保証付きの保証状(L/G)を運送人に差し入れて先に貨物を引き取る方法が一般的です。ただし後から二重請求が来れば差入人が全責任を負うので、L/G は「早いがリスクを背負う」裏技だと理解しておく
極めて危険です。768 条により、証券を渡した瞬間に貨物の処分権も相手(所持人)へ移ります(商法 580 条の読替)。相手は代金を払わずに貨物を引き取れてしまう。業界裏話ヒント:だからこそ国際取引では信用状(L/C)や D/P 決済が使われ、「代金と証券を同時に交換する」仕組みで処分権の移転と入金を一致させます。先に証券を送る取引を持ちかけられたら、相手の与信を疑うのが業界の常識です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 処分権を持つ者 | 商法 768 条:船荷証券の所持人(580 条の読替え) | — |
| 適用の前提 | 船荷証券が作成されていること | — |
| 高価品免責(587 条ただし書) | 適用しない(証券が責任体系を吸収) | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。