第五百七十六条、第五百七十七条、第五百八十四条及び第五百八十五条の規定は、運送品の滅失等についての運送人の荷送人又は荷受人に対する不法行為による損害賠償の責任について準用する。
要点商法 587 条は、運送品の滅失・損傷を運送人の不法行為として訴える場合も、契約責任と同じ 1 年の短期時効(585 条)や高価品の不申告免責(577 条)が準用されると定める。
Q · 契約の賠償時効が過ぎたら、運送会社を不法行為で訴えれば間に合いますか?
不法行為に切り替えても 1 年の時効は同じです
間に合いません。商法 587 条は、運送品の滅失・損傷について運送人を不法行為(民法 709 条)で訴える場合も、契約責任に関する 576 条(損害額の定型化)・577 条(高価品免責)・584 条(異議なき受取による責任消滅)・585 条(1 年の短期消滅時効)を準用すると定めています。つまり契約で勝てない相手は、不法行為に道を変えても同じ壁に当たります。唯一の例外は、受取をあらかじめ拒んでいた荷受人に対する責任で、この場合は但書により準用が外れます。
運送会社に預けた商品が輸送中に全損した。契約上の賠償請求には商法 585 条の壁があり、引渡しから 1 年で消える。そこで多くの人はこう考える。「契約がダメなら不法行為(民法 709 条)で訴えればいい、あちらは時効 3 年だ」。587 条は、その逃げ道を正面から塞ぐ。運送品の滅失・損傷について運送人を不法行為で訴える場合も、損害額の定型化(576 条)、高価品の不申告免責(577 条)、異議なき受取による責任消滅(584 条)、1 年の短期消滅(585 条)が、そのまま準用される。つまり契約で勝てない相手は、不法行為に切り替えても同じ壁に当たる。ただし一点だけ抜け道がある。荷受人が事前に運送を拒んでいたのに運送人が荷送人から引き受けた場合、その荷受人に対しては、この制限が外れる。
商法 587 条は、運送品の滅失・損傷についての運送人の不法行為による損害賠償責任に、契約責任に関する 576 条(損害賠償額の定型化)・577 条(高価品の不申告免責)・584 条(異議なき受取による責任消滅)・585 条(1 年の短期消滅時効)を準用する規定である。請求権競合の場面で、契約上の責任制限が不法行為責任にも及ぶことを明文化する。
同じ損害について契約責任と不法行為責任の両方が成立し、被害者がどちらでも請求できる状態です。運送品の滅失・損傷では、商法 587 条が不法行為に契約の制限を準用するため、道を変えても結論は同じになります。
一般不法行為なら 3 年(民法 724 条)ですが、運送品の滅失・損傷は商法 587 条で 585 条が準用され、引渡日から 1 年で消滅します。物の損傷だから 3 年あるという思い込みは危険です。
運送契約上は運送人(運送会社)に請求します。契約でも不法行為でも商法 587 条で 1 年の時効が共通に適用されるため、引渡日からの期間管理が最優先になります。
引渡しがされた日が起算日です。全部滅失の場合は本来引き渡されるべきであった日から 1 年で運送人の責任が消滅します(585 条準用、587 条)。
原則されません。種類・価額を申告しなければ 577 条で運送人は免責され、587 条によりこれが不法行為にも準用されます。ただし運送人に故意・重過失があれば免責されません。
国際海上運送には国際海上物品運送法が適用され、商法 587 条そのものは使えません。同法も不法行為への準用と短期の出訴期間を別途定めています。
576 条により到達地の引渡しがされるべき地および時の価格を基準に定型化されます。587 条で不法行為にも準用されるため、実損より高い特別損害は原則取れません。
あらかじめ運送を拒んでいた荷受人に対しては、587 条但書により 576・577・584・585 条の準用が外れます。限定責任に縛られず、運送人にフルの不法行為責任を問える側に立ちます。
残念ながら間に合いません。587 条が 585 条(1 年の責任消滅)を不法行為に準用するため、運送品の滅失・損傷では契約も不法行為も同じ 1 年で消えます。業界裏話ヒント:2018 年の商法改正前は『不法行為なら 3 年』という解釈の余地がわずかにあり、古い解説書やネット情報はいまだにそれを書いていることがある。改正後の現行法では塞がれている、情報の更新日を必ず確認すること(最新の改正状況をご確認ください)
種類・価額を申告していなければ、577 条の高価品特則で運送人は原則免責、587 条でこれが不法行為にも準用されます。つまり契約でも不法行為でも取れません。業界裏話ヒント:例外として、運送人に故意または重過失があった場合は免責されない(577 条参照)。配送業者が中身を承知で乱暴に扱った証拠があれば、未申告でも責任を問える余地が残る。証拠保全が分かれ目
いいえ、そこが但書の核心です。荷受人があらかじめ運送を拒んでいたのに運送人が荷送人から引き受けた場合、その荷受人に対しては 576・577・584・585 条の準用が外れます(587 条但書)。業界裏話ヒント:この荷受人は契約関係に同意していないため、限定責任に縛る理由がない。受取拒否の意思を事前に伝えていた記録(メール・LINE)があれば、フルの不法行為責任を一般時効で追及できる側に立てる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 請求の根拠 | 587 条:不法行為(民法 709 条)に契約の制限を準用 | — |
| 消滅時効 | 引渡日から 1 年(585 条準用、民法 724 条の 3 年は及ばない) | — |
| 損害賠償額 | 576 条準用で到達地価格に定型化、特別損害は原則不可 | — |
| 外れる例外 | 受取を拒んだ荷受人への責任(587 条但書で準用外) | — |
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