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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 7 分7 分7 分

労働基準法 第89条(作成及び届出の義務)

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  1. 常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。
  2. 一始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項
  3. 二賃金(臨時の賃金等を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
  4. 三退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
  5. 2.3_2 退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
  6. 四臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項
  7. 五労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項
  8. 六安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項
  9. 七職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項
  10. 八災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項
  11. 九表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項
  12. 十前各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項

この条文の基本情報

作成及び届出の義務とは何ですか?

定義作成及び届出の義務とは、労働基準法第89条に定められた規定で、「常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 労働基準法第89条(作成及び届出の義務)は、日本の労働基準法に含まれる条文です。
  2. 労働基準法第89条の条文原文は「常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。」で始まります。
  3. 労働基準法第89条は第九章に置かれています。
  4. 労働基準法の公布日は昭和22年4月7日です。
  5. 労働基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 労働基準法第89条の前の条は労働基準法第88条です。
  7. 労働基準法第89条の次の条は労働基準法第90条です。
  8. 労働基準法第89条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第89条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049
  • 本サイト収録労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第89条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000049/89
裁判例 31件に引用されています

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わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点労働基準法89条は、常時十人以上を雇う使用者に就業規則の作成と労働基準監督署への届出を義務付ける。始業終業・賃金・退職事由は絶対的必要記載事項である。

Q · 従業員が増えたら、就業規則って必ず作らないといけないの?

常時十人以上を雇うなら作成・届出が義務です

労働基準法89条により、常時十人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し行政官庁(労働基準監督署)に届け出なければなりません。始業終業の時刻・休憩・休日、賃金の決定や支払方法、退職に関する事項(解雇の事由を含む)は「絶対的必要記載事項」で、書かなければ違法です。退職手当、賞与、制裁などは制度を設ける場合に書く「相対的必要記載事項」です。届出を怠ると是正勧告の対象となり、放置すれば30万円以下の罰金(120条)が科されます。「常時十人」はパート・アルバイトを含めて数えます。

解説

あなたの勤め先の従業員が「常時十人」を超えた瞬間、会社には法律上の宿題が一つ課される。就業規則を作り、労働基準監督署(条文上は「行政官庁」、役所のこと)に届け出る義務だ。多くの人はこれを「会社が勝手に作る社内ルール」だと思っている。違う。89条が並べる記載事項のうち、始業終業の時刻、賃金の決め方と支払時期、退職と解雇の事由、この三つは「絶対的必要記載事項」で、書かなければ違法になる。退職金、賞与、制裁、安全衛生などは「相対的必要記載事項」で、その制度を設けるなら必ず書く。そしてここが力の所在だ。一度作られた就業規則は、あなたの個別の労働契約より下の条件を無効にする最低基準効を持つ(労働契約法12条)。口約束で「残業代は出ない」と言われても、就業規則がそれを上回っていれば、就業規則が勝つ。あなたの労働条件の床を決めているのは、入社時の口頭説明ではなく、棚の奥で埃をかぶったその冊子だ。

法的な位置づけ

労働基準法89条は就業規則の作成・届出義務を定める規定であり、常時十人以上の労働者を使用する使用者に対し、所定の事項を記載した就業規則を作成し行政官庁へ届け出ることを求める。始業終業の時刻・賃金・退職事由は絶対的必要記載事項、退職手当・制裁等は制度を設ける場合の相対的必要記載事項と位置付けられる。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.常時十人以上かを正確に確認 正社員だけでなくパート・アルバイトを含めた実態の頭数を数える。繁忙期の臨時雇用で常態的に十人を超えていれば作成義務が生じる。「常時」は一時的な増員ではなく通常の状態で判断する
  2. 2.必要記載事項を漏れなく記載 絶対的必要記載事項(始業終業の時刻・休憩・休日・休暇、賃金の決定計算支払方法と締切支払時期・昇給、退職に関する事項〔解雇の事由を含む〕)を必ず記載。退職手当・賞与・制裁などは制度を設けるなら相対的必要記載事項として記載する
  3. 3.過半数代表者から意見を聴取し意見書を取得 労働者の過半数で組織する労働組合、なければ過半数代表者を民主的手続で選び、就業規則について意見を聴く(90条)。同意は不要だが、聴取した意見を記載した意見書を取得する。代表者選出の適正性が後で争点になりやすいので記録を残す
  4. 4.意見書を添付して労働基準監督署へ届出 就業規則本体・意見書・就業規則届を所轄の労働基準監督署に提出する。意見書の添付がないと受理されない。変更の場合も同様に届け出る。複数事業場がある場合は事業場ごとの届出が原則
  5. 5.労働者へ周知して効力を確保 作成・届出した就業規則を、見やすい場所への掲示、書面交付、社内イントラ等で全労働者に周知する(106条)。周知を欠く就業規則は労働契約を規律する効力を持たないとされる(フジ興産事件)ため、周知の事実を記録に残す

よくある質問 AI による整理

Q1就業規則とは何ですか?

使用者が労働条件や職場規律を定めた規則です。労働基準法89条により、常時十人以上を雇う事業場では作成と労働基準監督署への届出が義務付けられます。

Q2絶対的必要記載事項と相対的必要記載事項の違いは?

絶対的(始業終業・賃金・退職事由)は必ず記載が必要で、欠ければ違法。相対的(退職手当・賞与・制裁等)はその制度を設ける場合にのみ記載が必要です。

Q3就業規則を届け出ないとどうなりますか?

89条違反として是正勧告の対象になり、従わなければ30万円以下の罰金(120条)が科されます。トラブル時にルールの拠り所がなく全て個別交渉になります。

Q4就業規則の「常時十人」はパートも含めますか?

含めます。正社員だけでなくパート・アルバイトを含めた実態の頭数で判断され、繁忙期に常態的に超えていれば作成義務が生じます。

Q5就業規則の届出に必要な書類は?

作成(変更)した就業規則本体、過半数代表者または労働組合の意見書、就業規則届の三点を労働基準監督署に提出します。意見書の添付がないと受理されません。

Q6過半数代表者はどうやって選びますか?

管理監督者でない者から、投票・挙手など民主的な手続で選出します。使用者が指名したり親睦会代表が自動的に就いたりすると手続違反になります。

Q7就業規則と労働契約はどちらが優先しますか?

就業規則を下回る労働契約は無効となり就業規則の基準が適用されます(労働契約法12条)。就業規則を上回る個別契約はその有利な内容が優先します。

Q8就業規則を作るのにどんな手続きが必要ですか?

作成→過半数代表からの意見聴取(90条)→意見書を添付して届出→労働者への周知(106条)の順で進めます。順番を誤ると届出が受理されないことがあります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1うちは社員9人なんですけど、就業規則って作らなくていいんですよね?

作成・届出の義務はありません(89条は常時十人以上が対象)。ただし「常時十人」はパートやアルバイトも含めて数えるので、繁忙期に臨時を入れて常態的に超えていれば義務が生じます。実務のポイント:労基署は実態の頭数を見ます。「正社員だけで判断していた」は通りません。義務がなくても、9人規模でこそ就業規則を作ると有休・残業・退職金のトラブルを未然に防げる。作る義務がない=作らない方が得、ではない

Q2会社が就業規則を見せてくれません。これって違法じゃないんですか?

違法です。106条は就業規則を労働者に周知する義務を使用者に課しており、周知されていない就業規則は労働契約を規律する効力を持たないとした最高裁判例もあります(フジ興産事件、最判平成15.10.10)。実務のポイント:周知されていない就業規則は、会社が不利益な懲戒や減給の根拠に使おうとしても効かない。「見せてもらっていない」という事実そのものが、あなたの防御になる。請求した日付を記録に残しておく

Q3退職金が出ると思っていたのに、就業規則に書いてないと言われました。諦めるしかない?

89条4号は退職手当制度を設ける場合に就業規則への記載を求めますが、記載がなくても、慣行として支給され続けてきた事実や個別の合意があれば請求できる余地があります。実務のポイント:過去の支給実績、求人票の記載、面接時のメールなどが「黙示の合意」や「労働慣行」を裏付ける証拠になる。会社の「規定にない」という一言で引き下がらず、支給実態の証拠を集める。これを知っているかどうかで結論が変わる

Q4就業規則が突然変えられて、手当が減りました。一方的に変えていいんですか?

原則できません。就業規則の不利益変更には、労働者の同意か、変更の合理性が必要です(労働契約法9条・10条)。変更の必要性、不利益の程度、代償措置、労使協議の経緯などを総合して合理性が判断されます。実務のポイント:会社は「就業規則だから一方的に変えられる」と言いがちですが、これは半分嘘。合理性を欠く改悪は無効にできる。同意書へのサインを急かされても、合理性の根拠を文書で出させるまで保留するのが鉄則

間違えやすい点 AI による整理

  • 「就業規則は会社が勝手に決めるもので、従業員は口出しできない」と思われているが、これは深刻さの取り違えだ。確かに作成権限は使用者にある。だが90条は過半数代表または労働組合からの意見聴取を義務付け、その意見書がなければ届出は受理されない。さらに不利益変更には合理性が要求される。従業員は「決める側」ではないが、「無視できない側」だ
  • 「10人未満の会社なら就業規則がないから、労働条件は社長の胸三寸」と考えるのは前提が誤っている。作成義務がないだけで、就業規則を作ること自体は自由で、作れば効力を持つ。そして義務がなくても労働基準法・最低賃金法・労働契約法は人数に関係なく全社員に適用される。「規則がない=無法地帯」ではない
  • あなたから見れば就業規則はただの社内文書だが、法律から見れば労働契約を規律する準法規だ(労働契約法7条・12条)。この落差が命取りになる。個別に有利な約束をしたつもりでも、周知された就業規則が基準となり、あなたの記憶や口約束は法廷で就業規則に上書きされる
比較の観点この条文ほかの条文
規律する内容89条:就業規則の作成・変更と行政官庁への届出義務90条:作成・変更時の過半数代表からの意見聴取と意見書添付
106条:作成した就業規則の労働者への周知義務
義務が生じる場面常時十人以上を使用し、就業規則を作成・変更したとき就業規則を作成・変更する手続の中で
就業規則を実際に運用・効力発生させる段階で
違反・不備の効果未届出は是正勧告の対象、30万円以下の罰金(120条)意見書なしでは届出が受理されない
周知を欠く就業規則は労働契約を規律する効力を持たない

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
労働基準法第70条

台湾は常時三十人以上の労働者を雇用する場合に工作規則を訂立し主管機関へ報備する。十人を基準とする日本より人数要件が高く、報備(届出)制である点は共通する。

韓国
근로기준법 제93조

韓国は常時十人以上の労働者を使用する使用者に取業規則の作成・届出義務を課す。人数要件・届出構造ともに日本に近く、日本法の継受的色彩が強い。

ドイツ
BetrVG § 87 Abs. 1 Nr. 1

ドイツでは事業所の秩序に関する事項は事業所協議会(Betriebsrat)の共同決定事項であり、就業規則的内容は労使共同決定で定まる。行政官庁への届出ではなく労使自治が中心となる点が日本と大きく異なる。

アメリカ
Employee Handbook(連邦法上の義務なし)

米国は就業規則の作成・届出を一般的に義務付ける連邦法がなく、employee handbook は任意。雇用は原則 at-will で、ハンドブックの記載が契約的拘束力を持つかは州法・判例によって分かれる。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もし入社時に「うちは退職金あるよ」と口頭で言われたのに、いざ辞めるとき「規定にない」と断られたら? 89条4号は退職手当制度を設けるなら就業規則に明記せよと定める。口約束だけで規定がなければ請求は難しいが、逆に規定があるのに支払わないなら、それは就業規則違反として戦える
  • 従業員11人の飲食店オーナーであるあなた。就業規則を一度も作っていない。労基署の臨検(抜き打ち調査)が入り、89条違反を指摘された。是正勧告に従わなければ30万円以下の罰金(労基法120条)。しかも残業代や有休のトラブルが起きたとき、ルールの拠り所がなく全て個別交渉になる
  • 会社が突然「来月から退職金を減額する」と就業規則を書き換えた。あなたは何も言われていない。だが就業規則の不利益変更は、原則として労働者の同意か、変更の合理性が必要(労働契約法9条・10条)。一方的な改悪は、争えば無効になりうる
  • あなたに残された時間は労基署の是正期限まであと7日。就業規則の作成も、過半数代表からの意見聴取(90条)も、意見書の添付も、全部この一週間でやらなければ届出が受理されない。手続きの順番を間違えると最初からやり直しになる
  • アルバイトとパートばかりで「正社員は5人だから就業規則は要らない」と思っている経営者は多い。だが「常時十人」はパート・アルバイトを含めて数える。気付かないうちに義務の側に立っていることがある

取るべき行動

被害を受けた側:1. まず就業規則の写しを入手(106条の周知義務があるので会社は拒めない)、退職金・賃金・解雇事由の条項を確認2. 口約束と就業規則が食い違うなら、就業規則のうち自分に有利な方を基準にできる(労働契約法12条) 3. 不利益変更を迫られたら、安易に同意書へサインせず、変更の合理性の説明を文書で要求4. 会社が就業規則を作っていない、または見せない場合は、労働基準監督署へ申告(端緒として有効)。在職中の証拠(雇用契約書、給与明細、LINE等)を先に確保する

訴えられた側:1. 常時十人以上を雇うなら、パート・アルバイトを含めて頭数を再確認、超えていれば速やかに作成2. 絶対的必要記載事項(始業終業・休憩・休日、賃金、退職・解雇事由)を漏れなく記載3. 90条の手続を厳守、過半数代表を適正に選び意見聴取し、意見書を添付して届出4. 不利益変更を行うなら、変更の必要性・内容の相当性・労働者との協議を記録に残し、合理性(労働契約法10条)を立証できる形にしておく

時効(請求できる期限):89条の届出義務に特定の出訴期限はないが、義務違反は是正勧告の対象であり、放置すれば30万円以下の罰金(労基法120条)。就業規則をめぐる賃金・退職金請求権の消滅時効は当面5年(経過措置により当面3年、労基法115条、最新の改正状況をご確認ください)。起算点は各賃金の支払日

学説

通説:89条の作成・届出は取締規定であり、届出を欠いても就業規則そのものが無効になるわけではないが、労働契約を規律する効力を生じるには106条の周知が実質的要件となる。絶対的必要記載事項の欠落は違法だが、就業規則全体が当然に無効となるわけではないとされる。

改正沿革 AI による整理

  • 平成15年(2003年)改正(施行平成16年) 3号の退職に関する事項に「(解雇の事由を含む。)」が追加され、解雇の事由を就業規則に明記することが義務化された。解雇をめぐる紛争の予防と透明化を狙った改正。改正年・条文番号の現行効力は人的検証を推奨

改正の年表

  1. 1.昭和22年(1947年) 新設:労働基準法制定により就業規則の作成・届出義務を明文化。戦前の工場法における取締規定の系譜を引き継ぎつつ、労働者保護の観点から記載事項を法定した。
  2. 2.平成10年代(2000年代) 改正:退職に関する事項に「(解雇の事由を含む。)」を明示し、解雇事由の就業規則記載を義務化。解雇紛争の予防と透明化を狙ったもの(改正年・条文番号の現行効力は人的検証を推奨)。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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