要点地方自治法 102 条の 2 は、地方議会が条例により定例会・臨時会に代えて一年間を会期とする通年会期を選択できると定める。会期が常時続くため長の招集手続は不要となる。
Q · 通年会期って、議会を一年中開けっぱなしにする制度なの?
条例で選べる、議会を一年中開けておく制度です
地方自治法 102 条の 2 により、地方議会は条例で定例会・臨時会を設けず、毎年一定の日からの一年間を会期とする通年会期を選べます。会期が常時続くため、長は条例で定めた日に議会を招集したものとみなされ(2 項)、実際の会議は条例で定める定例日に開きます(6 項)。長が議会を招集しない隙を突いて専決処分を乱用するのを防ぐ狙いで、2012 年改正により導入されました。
あなたの住む市で、市長が議会にかけずに重要な決定を専決処分で次々と済ませていたら、それは適法なのか。2010年前後、ある市長が議会をほとんど招集せず専決処分を連発し、全国の注目を集めた。その反省から2012年に生まれたのがこの通年会期である。普通の地方議会は年に数回の定例会と臨時会しか開かない。会期外は議会が閉じているから、その隙に長が専決処分(議会の議決を経ずに長が単独で決めること)を使う余地が生まれる。だが条例で通年会期を選べば、議会は一年中開いている扱いになり、条例で定めた日に長が招集したものとみなされる(2項)。会期が常時続くので、長は「議会を開く暇がなかった」という口実を失う。実際の会議は条例で定めた定例日に開く(6項)。あなたが地方政治を監視する側なら、自分の自治体がこの制度を採っているかどうかは、議会のチェック機能の強さを測る一つの物差しになる。
地方自治法 102 条の 2 の通年会期制とは、普通地方公共団体の議会が条例で定めるところにより、定例会及び臨時会の区分を設けず、毎年定める日から翌年の前日までの一年間を一つの会期とする制度をいう。会期中は長が当該日に招集したものとみなされ、会議は条例で定める定例日に開かれる。
地方議会が条例で定例会・臨時会を設けず、毎年一定の日からの一年間を一つの会期とする制度です(地方自治法 102 条の 2)。長が招集する手続を省け、専決処分の口実を封じます。
定例会は年数回開く区切られた会期ですが、通年会期は一年間が丸ごと一つの会期です。閉会期がなくなるため、長が議会不在の隙に専決処分を行う余地が構造的に消えます。
一部の市町村・都道府県が条例で導入していますが、多数派ではありません。具体的な自治体名は各議会の条例で、全体の状況は総務省の調査資料などで確認できます。
防げるのは主に議会不在の隙を突くタイプ(179 条型)です。議会の委任による専決処分(180 条型)は別問題として残るため、完全になくなるわけではありません。
会期が常時続くため会議が増えると誤解されがちですが、実際の会議は定例日のみです。むしろ運用上の負担より、議会と長の関係設計をどう詰めるかが論点になります。
議会が条例で「定例会・臨時会とせず一年を会期とする」旨と定例日を定めれば導入できます(102 条の 2 第 1 項・6 項)。住民は直接請求で条例制定を求めることもできます。
解散の日で会期が終了し(3 項)、新議員の任期開始から 30 日以内に長が議会を招集し直します(4 項)。選挙のたびに会期がリセットされる設計です。
できます。長は議長に付議事件を示して定例日以外の会議開催を請求でき、都道府県・市は 7 日、町村は 3 日以内に議長が会議を開かねばなりません(7 項)。
いいえ。会期が一年間続くだけで、実際に会議を開くのは条例で定めた定例日のみです(地方自治法102条の2第6項)。会期が常時続くことで、長が議会を招集する手続を省け、専決処分の口実を封じる点に意味があります。業界裏話ヒント:通年会期を採用しても会議の実日数はほとんど変わらない自治体が多い。制度の狙いは会議を増やすことではなく、長の「議会不在」を理由にした専決処分を構造的に防ぐことにある。導入の是非を議論するとき、「会議が増えて負担になる」という反対論が的外れだと見抜けるかが分かれ目です
できます。地方自治法74条の条例制定改廃請求(直接請求)を使い、有権者の50分の1以上の署名を集めて通年会期条例の制定を請求できます。最終的に議決するのは議会ですが、世論を背景に提案を突きつけられます。業界裏話ヒント:直接請求は議会が否決すれば終わりですが、否決したという事実自体が次の選挙の争点になる。議員は「住民の請求を蹴った」という記録を嫌うので、署名数が多いほど可決に傾きます。数だけでなく誰が請求代表者かという発信力も効いてきます(最新の制度状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 会期の構造 | 102 条の 2:一年間を一つの会期とする(通年会期) | — |
| 議会の招集 | 条例で定めた日にみなし招集(2 項)、手続不要 | — |
| 専決処分の余地 | 議会不在の時間的隙が構造的に消える | — |
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