要点地方自治法255条の5は、地方公共団体の機関の資格争いに関する審査請求を自治紛争処理委員の審理によって処理すると定め、行政不服審査法の審理員・審査会の規定を適用しない。
Q · 選挙管理委員会から「資格を失った」と告げられたら、どこに不服を申し立てるの?
総務大臣または都道府県知事に審査請求します
地方自治法255条の5により、地方公共団体の長や委員の失職等に関する審査請求は、総務大臣または都道府県知事が受け付けます。これらの大臣・知事は自治紛争処理委員を任命し、その審理を経て裁決・裁定・審決を行います。通常の行政不服審査と異なり、審理員(行政不服審査法9条)も審査会への諮問(同43条)も適用されません。ただし要件不備があれば行政不服審査法24条により、委員の任命に至らず却下されます。
選挙管理委員会から「あなたは長の資格を失った」と通知された市長がいるとする。普通に役所相手の不服であれば行政不服審査法に従い、審理員が審理し、行政不服審査会が答申する。だがこのケースは違う。地方自治法255条の5は、総務大臣または都道府県知事への審査請求等があったとき、その大臣・知事が自治紛争処理委員を任命し、その審理を経て裁決・裁定・審決をすると定める。つまり通常の審理員も審査会も登場せず、自治紛争処理委員という地方自治専用の第三者が代役を務める。だから本条2項3項は、行政不服審査法9条(審理員)、17条、43条(審査会への諮問)の適用を外している。あなたが行政不服審査法の条文だけ暗記して臨むと、この専用ルートの存在を丸ごと見落とす。地方公共団体の機関をめぐる資格争い、その紛争処理の入口がここにある。
地方自治法255条の5は、地方公共団体の長や委員の失職等に関する審査請求等について、総務大臣または都道府県知事が自治紛争処理委員を任命して審理させ、その審理を経て裁決・裁定・審決を行う旨を定める手続規定である。通常の審理員手続および行政不服審査会への諮問は適用されず、技術的読替えは政令に委ねられる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
地方自治に関する紛争を処理するため、総務大臣または都道府県知事が事件ごとに任命する第三者です(地方自治法251条)。255条の5では審査請求の審理そのものを担います。
総務大臣または都道府県知事に対して行います。受理した大臣・知事が自治紛争処理委員を任命し、その審理を経て裁決します(地方自治法255条の5第1項)。
自治紛争処理委員が審理員と審査会の役割を一手に担うためです。地方自治に通じた第三者による審理が適するとして、行政不服審査法9条・43条を適用除外しています。
形式要件を欠くなど行政不服審査法24条の却下事由に当たる場合です。この場合は自治紛争処理委員の任命にすら至らず却下されます(255条の5第1項ただし書)。
政令で定められます。適用除外された後の行政不服審査法の他の規定をどう読み替えるかは、一般法との接続を柔軟に保つため政令に委ねられています(255条の5第2項・3項)。
使われます。地方自治法180条の5第8項や184条第2項を通じて準用され、同じ自治紛争処理委員の審理ルートに乗ります。
審査請求には裁決、審査の申立てには裁決または裁定、審決の申請には審決と、申立ての種類に応じて出される判断の名称が変わります(255条の5第1項)。
できません。一般法だけ暗記すると、自治紛争処理委員という専用ルートと審理員・審査会の適用除外を見落とします。まずどの手続が働く場面かの切り分けが必要です。
原則はそうだが例外がある。地方自治法上の長や委員の失職等をめぐる審査請求等では、総務大臣・都道府県知事が自治紛争処理委員を任命して審理する専用ルートが用意され、審理員(行政不服審査法9条)も審査会への諮問(同43条)も適用されない(255条の5)。業界裏話ヒント:一般法の手続だけ暗記して臨む受験者や担当者は、この特別ルートで足をすくわれる。まず「どの法律のどの手続が働く場面か」を切り分ける癖が、試験でも実務でも効く。
調停だけではない。251条系では国と地方、自治体相互間の調停・あっせん等を担うが、255条の5では審査請求等の審理そのものを行い、その結果を受けて総務大臣・知事が裁決・裁定・審決をする。同じ委員でも根拠条文で役割が変わる。業界裏話ヒント:「自治紛争処理委員=調停役」と一面的に覚えていると、審理担当としての顔を見落とす。委員の役割は条文ごとに確認するのが正攻法だ。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 手続の性質 | 審査請求等の審理(自治紛争処理委員) | — |
| 審理員(行審法9条) | 適用除外(255条の5第2項) | — |
| 審査会への諮問(行審法43条) | 適用除外(255条の5第2項) | — |
| 審理を担う第三者 | 自治紛争処理委員 | — |
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