要点地方自治法 143 条は、普通地方公共団体の長が被選挙権を失うか、142 条の兼業禁止に該当すると失職すると定める。判定は原則として中立機関の選挙管理委員会が行う。
Q · 市長や知事って、住民投票(リコール)がなくても失職することがあるんですか?
あります。被選挙権喪失や兼業禁止該当なら票と無関係に失職します
地方自治法 143 条により、普通地方公共団体の長は被選挙権を失ったとき、または 142 条の兼業禁止に該当したとき、住民投票(リコール)とは無関係にその職を失います。判定は原則として中立機関である選挙管理委員会が行いますが、公職選挙法 252 条の選挙犯罪による被選挙権停止などの場合は、委員会の決定を経ず自動的に失職します。失職決定に不服があれば、決定の翌日から 21 日以内に審査請求できます。
市長や知事が任期途中で「失職」する。そのニュースの裏で実際に何が起きているか、正確に説明できる人は驚くほど少ない。多くはリコール(住民投票による解職)を思い浮かべるが、地方自治法 143 条が定めるのは全く別系統の仕組みだ。首長が被選挙権を失ったとき、あるいは 142 条の兼業禁止(自分や身内の会社が自治体と請負契約を結ぶこと)に該当したとき、住民の票とは無関係に、その地位を失う。判定するのは原則として中立機関の選挙管理委員会。ただし選挙犯罪の有罪確定(公職選挙法 252 条)や政治資金規正法違反など一定の場合は、委員会の判断を経ず自動的に失職する。決定は理由を付した文書で本人に交付され、不服があれば 21 日以内に審査請求できる。一本の条文に、選ばれた者を椅子から外す全手続が畳み込まれている。
地方自治法 143 条は普通地方公共団体の長の失職を定める規定であり、長が被選挙権を有しなくなったとき、または 142 条の兼業禁止に該当するときに、その職を失う旨を規律する。被選挙権の有無や兼業該当の判定は、公職選挙法上の自動失職事由を除き、原則として当該団体の選挙管理委員会が行い、決定は理由を付した文書で本人に交付される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
首長が被選挙権の喪失や兼業禁止への該当という客観的事由により、住民の意思と無関係に首長の地位を失うことです。地方自治法 143 条が根拠で、リコールとは別系統の仕組みです。
失職しえます。142 条の兼業禁止に該当すると 143 条で職を失います。本人だけでなく、役員を務める法人や、主にその自治体と請負をする法人まで射程に含まれます。
不要です。143 条の失職は被選挙権喪失や兼業該当という客観要件で作動し、リコールの署名集めや投票は要りません。住民の意思とは無関係に効果が生じます。
決定があった日の翌日から起算して 21 日以内です(143 条 4 項)。通常の審査請求期間(3 か月)より大幅に短く、過ぎると決定が確定します。
本人だけとは限りません。出納責任者や秘書などの選挙犯罪は連座制(公職選挙法 251 条の 2、252 条)で当選無効・被選挙権停止を招き、首長本人が失職しえます。
事由は似ますが判定者が違います。議員の被選挙権の有無は議会自身が決め(127 条)、首長は中立の選挙管理委員会が決めます(143 条)。
被選挙権が残っていれば再出馬できます。被選挙権の喪失(公職選挙法 11 条等)が失職事由なら、その欠格期間中は立候補できません。
原則は当該団体の選挙管理委員会です。ただし公職選挙法 252 条の選挙犯罪確定や政治資金規正法違反による失職は、委員会の判断を経ず自動的に発生します。
全く別物です。リコールは住民が署名を集めて投票で解職する制度(地方自治法 81 条)で、政治的判断によるもの。143 条の失職は被選挙権の喪失や兼業禁止(142 条)への該当という客観的事由による、いわば自動的な資格喪失です。業界裏話ヒント:リコールは成立のハードルが高く時間もかかるが、142 条の兼業禁止違反は一件の請負契約で成立しうる。反対派が首長を引きずり下ろしたいとき、リコール運動より先に、首長や親族企業の自治体との取引を洗うのが実務上の定石です
いきなり裁判ではなく、まず審査請求が必要です(地方自治法 143 条 3 項、都道府県の長は総務大臣、市町村の長は都道府県知事へ)。期限は決定の翌日から 21 日と非常に短い。業界裏話ヒント:通常の行政処分への審査請求期間は 3 か月(行政不服審査法 18 条)ですが、首長の失職はわずか 21 日。地位の不安定を長引かせない趣旨ですが、知らずに数日放置すると争う権利ごと失う。決定書が届いたら、その日のうちに専門家へ持ち込むのが鉄則です
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|---|---|---|
| 失職の起点 | 143 条:被選挙権喪失・142 条兼業該当という客観事由 | — |
| 判定者 | 原則として選挙管理委員会(自動失職事由は除く) | — |
| 住民の関与 | 不要(票と無関係に作動) | — |
| 対応する議員規定 | 127 条(議員の失職、判定者は議会) | — |
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